ほぼ30代からの心理学

親密感とは 〜親密感はすべてを癒やす〜

「親密感」って本来は誰もが大好きな感情です

私たちは親密感が感じられると、とても安心できる感覚を覚えます。

「ホッ」とできますし、「ああ、ここが私の居場所だな」とも感じられます。

また、心が解放されて自由さを感じられ、誰かを愛してること、愛おしく思うこと、そして愛されていることが実感できるのです。

親密感があるところでは、いいことばかり起きるのですよね。

なのでに「親密感はすべてを癒やす」と言われています。

親密感のルーツ

そもそも親密感のルーツは、私達がこの世に誕生した頃、母や家族などに抱かれていた頃に遡ります。

夜、怖くて泣き出したら、お母さんがやさしく抱っこしてくれ、安心して眠れたり、転んで痛かったらお父さんや家族がそっと抱いてくれました。

そういった体験から「親密感」の素晴らしさを知ります。

更にいえば、僕たちが胎児の頃には、母と一体となり「つながって」いましたが、へその緒が切れたときに「分離」を体験します。

ここで親密感を失う経験をするという考え方があります。

つまり、僕たちの深層心理ではこの痛みを全員持っている、とも言われているのですね。

 

今までの体験が親密感を遠ざける

また、僕たちはいろいろな体験をして生きています。

時には、近い距離にいる人に叱られたり、傷つくことがたくさんありました。

それ以外にも、否定されたり、怒られたり、裏切られたり、傷つけられたり、大切にされなかったり・・・。

もちろん、その中には「誤解」だってたくさんありますよ。

僕たちが大人になれば「あのとき悪気はなかったのだな」と理解し許せることでも、その当時の幼少期の自分は「強く拒絶された」経験として捉えてしまうこともあるのです。

それは幼少期の出来事だけとは限りません。

本当に大好きだったパートナーとの別れ、親友だと思ってた友達と距離であったり・・・。親密感を感じていた相手にハートブレイクするのは、ものすごく辛く、痛い経験です。

だから、その痛みが残っていればいるほど、親密感が怖くなります。

「またあんな思いをするのではないか?」

「もう二度と、あんな辛い思いはしたくない」

私達の行動は、「いかに傷つかないか」つまり、「自立」し、「痛みを回避しよう」とする方向に向かうので、辛い経験をしたことは二度と繰り返さないように構えてしまうのです。

そうすると、自然と人に対して距離が生まれます。時には近づけなくなります。

そこでは傷つくことはないし、過去の痛みを思い出すこともないから、一度は安心します。

同時に、孤独です。

寂しいのです。

でも、心のなかにある「怖れ」が「寂しさ」を上回ってしまうと、人や幸せに近づけなくなっていくのですよね。

その怖れや傷ついた痛みが「慢性化」すると、「親密感?人の温かさ?いらないしね、そんなもの」「どこがいいの?もうウザいだけ、そんなの茶番でしょ」という思いを感じるようになっていきます。

これは性格が悪いとか、嫌な人間だから、というより、「過去から抱えてきた痛みや怖れ」を「抑圧」してしまうゆえに起きることだと僕は見つめています。

※「抑圧」とは心の防衛の一種。心のなかにある感情を押さえ込んで感じないようにしてしまうことです。

 

親密感をもう一度

さて、僕はカウンセラーですから、その癒しをお届けすることが仕事でもあります。

時には、あえて傷ついたことをもう一度思い出して、それを解放していくプロセスをご提案することもありますよ。

それは少しだけ勇気がいるプロセスかもしれませんね。

でも、不思議なことがあって、例えば、10年前の痛みに今向き合ったとしても、やはり痛いし、涙が出てきたりするのですが、その涙と共に、徐々に心が変容し、状況が変わっていきます。

そして、その「かつては痛かったことが今は平気」になります。

そうして、親密感を取り戻すことができるようになっていくのです。

ただ、私達の感情は意識できるものから、とても深い深層心理まで幅が広いもの。

だから、意識や感情面では「親密感が欲しい」と思っても、その下の層が「まだ怖い」と思っていることも多く、そうすると、感情面では「焦り」「不安」「イライラ(怒り)」などを感じ始めることもあるんです。

だから、自分を癒すときは、じっくりと、焦らずに取り組んでみることをおすすめします。

なにより、一度感じた恐れや不安を解放し、もう一度良いイメージや自分や何かを信頼するには、一度マイナスになった観念・イメージ、マイナスな感情を、ある意味フラットな状態に戻すプロセスが欠かせません。

つまり、一度マイナスになった状態から、一気にプラスに転じることはあまりない、といえます。

皆さんも経験したことがないでしょうか。

たとえば、今まで解けなかった謎が溶けたり、自分の悩みの理由にある程度見当がつくと、スッと気持ちが軽くなるような体験が。

これが、フラットな状態に戻った感覚、といってもいいかもしれません。

そこから更にプラスの感情、イメージを選択していくことになるのですね。

だから、焦らず、じっくり、ある程度時間をかけて、と僕はお伝えすることが多いんです。

 

「親密感」があるところでは、自分も、そして誰も傷つきません。

もしあなたが傷つくならば、何かしら生きづらいと感じるならば、自分を愛せないならば、それは「親密感や人から分離したところで起きること」なのです。

ABOUT ME
浅野 寿和
カウンセリングサービス所属心理カウンセラー。名古屋を中心に東京・大阪・福岡で〜旅人のように〜カウンセリング・セミナーを開催。心理学は現実で使えてなんぼ、がポリシー。
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