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「男はいつも最初だけ優しくて、あとは塩対応」というご相談
私、恋愛にいいイメージがないんです。
男性っていつも最初は熱心に口説いてくるけど、その後は放ったらかしにするんでしょ?と思ってしまいます(元カレも、その前の彼もそうだった!)。
だから、今「いいな」と思える人がいても積極的な気持ちになれません。
どこか男性不信になっていると思いますし、また同じ経験をしたらと思うと、今は(恋愛は)いいかな、と考えてしまうんです。
といいながら、浅野さんに相談しているってことは、恋愛に興味がないわけじゃないってことなんですけど・・・。
恋愛のご相談を伺うと、これまたかなりの確率で「男はいつも最初だけ優しくて、あとは放ったらかしだ!」なんてお声を伺うことがありますね。
実際に、過去に付き合った彼が、最初はすごく熱心に口説いてきたのにその後塩対応、もしくは連絡なんて一切よこさない、なんてタイプだった場合、まぁ女性の皆さんは混乱するかもしれません。
そんなとき、カウンセラーに相談すると「いやいや、彼は通常モードに戻っただけです。そもそも彼はそんな人でね」といった話を聞くやもしれません。(僕もそうお話することもありますけど)
ただ、そう思ってはみるけれど、「でも彼は本当に私のことを大切に想っているのかな?」と疑ってしまうことってないでしょうか?
今日はそんな「男っていつも最初だけ」「本当に彼は私のことを想っているの?」という疑問をお持ちの皆さんに読んでほしいコラムです。
よろしければどうぞ。
「男はいつも最初だけ優しい」という思い込みが生じる背景
さて、実際「男はいつも最初だけ」といったお声を伺うカウンセリングの中で、クライエント様のお話をじっくり伺うと、僕としても「そりゃそう思いますよね」と思えるような経験をされている方が多いです。
先にも書きましたけど
「最初は熱心に口説いてきたのに(しかも強引に!相手から!)、こちらが好きになった途端相手のテンションが下がったり、関わってこようとしない」
そんな経験をすれば、女性のみなさんが困惑したり「一体どういうことよ?!」と思っても仕方がないと僕は思うのです。
実際に熱しやすく冷めやすいタイプの男性もいて、気になる女性が彼女になった途端に、出会った頃のような気持ちになれない人もいるものなのでしょう。
だから「男はいつも最初だけ」と感じるなら、自分が好きになった(出会った)男性の影響も否定できないものだと思うのですよ。
とはいえ、昔の彼がそうだったからといって、これから出会う男性がそうとは限らない、という部分も否定できないと思うのですよね。
確かに最初だけ優しい男性もいるでしょうが、ずっと優しい男性もいるでしょうし、最初の反応は超塩でも、会うたびにどんどんあなたの魅力にハマっていく、恋愛スロースターターな男性もいるでしょう。
だとしたら、あなたが「男はいつも最初だけ優しい」という思い込みは「実際に、最初だけ優しかった男性との関わり」だけで生じているものではないのかもしれない、と考えることができませんか。
つまり、あなたが「男はいつも最初だけ」と思うなら、「そう思うことに意味がある」と考えることができるのです。
実際にそうではない男性がいる可能性は十分にあると理解していながら、その可能性を否定してでも「男はいつも最初だけ優しい」と思うなら、そこにはそれなりの事情があるということなんです。
そして、その意味と事情がなくなってしまえば「いつも最初だけ優しい男性はいるだろう。けれど、私の彼は違うの♡」となれる可能性も十分にあるわけです。
「男はいつも最初だけ優しい」という思い込みが生じる心理的背景
では、どうして「男はいつも最初だけ優しい」という思い込みが生じ、それが今も必要になるのでしょう?
ここからは、このあたりについて少し考察していきます。
「男はいつも最初だけ優しい」と思うのは、本当に「傷つきたくない」からなのかという疑問
「あなたはどうして男はいつも最初だけ優しいと思うのでしょうか?」
僕がクライエントさまにこのご質問を投げかけたとき、最も多く返ってくる答えが「傷つきたくないから」ですね。
「また男性を信じて傷ついたらもう立ち直れない」
「男性を愛せない私になっちゃうかも」
そのお声を聞くたびに、僕はなんとも女性の愛情深さを感じるといいますか、愛することを大切にするお気持ちを知るわけです。
ただ、この「傷つきたくない」という気持ちは「今は積極的に愛さない」という行動につながっているものですよ。
つまり、傷つきたくないから「男はいつも最初だけ優しい」という思い込みを持つとは限らない、というのが僕の見解です。
もちろん「もう傷つきたくない」というお気持ちを否定しているわけではありませんよ。
ただ、実際のカウンセリングの現場にいますと、こんな恋愛事例と出会うのです。
例えば
- 「すごく優しい彼と付き合っていると理解しているけれど、振られるのが怖すぎて自分から上手に愛せず失恋してしまった」というケース。
- 「男はいつも最初だけ」と思いながらも、しかしまた同じような人を好きになって寂しい思いばかり抱えている」というケース。
- 好きな人ができたのに、「男はいつも最初だけ」と思っていたら、いつの間にか他の女性に彼をかっさらわれてしまって悔しくて夜も眠れない、というケース。
もし「男はいつも最初だけ優しい」という思い込みが「傷つかないため」という部分とだけつながっているなら、このようなことがあまり起きないのではないでしょうか。(もちろん例外もありますけどね。)
だとすると、「男はいつも最初だけ優しい」という思い込みは『私は〇〇な女性だから』傷つくのではないかという部分につながるのではないでしょうか。
いわば、自分のイメージとつながっていることが多いということですね。
この「私は〇〇な女性だから」をひっくり返したくて、彼にめちゃめちゃ尽くしたり、気を使いまくったり、努力される方も少なくないのではないか、と思うのですよ。
「男はいつも最初だけ優しい」は「自己関連付け」から生じる観念でもある
つまり、「男はいつも最初だけ優しい」は「私は最初だけ優しくされるような女性」という観念から生じるのではないか、が僕の見解です。
もちろんこれは間違いであり、あなたが自分に与えた罰ですから、手放していいんです。
ただ、実際、人は自分がつらい思いや苦しい思いをすると「自分だからこうなった」「自分が引き寄せたのではないか」と思いこむ人がいるのです。
彼のことが本気で好きだったなら、なおさらにね。
心理学ではこれを「自己関連付け」と呼びます。
自己関連付けとは、なにか自分の身の回りで良くないことが起こったとき、その原因を「全ては(もしくは重要な部分・大部分は)自分の責任である」と自分に関連付けてしまうことをいいます。
特に「運命」など、目に見えないものを信じやすい人や、「自分は人に良い影響を与えていないのではないか」という疑いを感じやすい人ほど、そうお感じになるのではないでしょうか。
確かに「今まで付き合ってきた彼がいつも最初だけ優しかった」という事実があるなら、その事実は無視できませんよ。だから私はそう思う、という意見を否定したいわけではないのです。
それぐらい切ない出来事を受け止めてきたのは、きっとあなたなのでしょう。
ただ、これは「私は最初だけ優しくされるような女性」など、自分を評価しない観念が強く存在すると生じやすいことなのです。
その結果「男はいつも最初だけ優しい」といった自分以外の何かしらの要素を否定的に見る観念を必要とするようになるのです。
そうでないと「私は最初しか優しくされなかった」という現実を受け止めきれないのです。
「男はいつも最初だけ優しい」という観念が生じる深い事情
そもそも「切ない恋愛を経験する理由」は、「彼の事情」と「自分の事情」にあるわけです。
よほどのことがない限り、全てがあなたの責任ではないですし、あなたに全く責任がないわけでもないんです。
ただ、もしあなたが彼から最初だけ優しくされて、あとは塩対応されたならば、自分のことを疑ったり不安になりませんか?
同時に「私の好きな彼がそんな冷たい人だった」とは思いたくないでしょう。いや、それは受け止めたくない、とも思いません?今もまだ好きならなおさらに。
だから逆に、彼のことを必要以上に悪くいう人だっているぐらいですから。
かといって、自分の恋愛がうまくいかない事情を認識しても、更に切なすぎるわけですよ。
これは泣きっ面に蜂に塩レモン塗り込んで、更にヤスリでこするような行為でもありますからね。
だから「男はいつも最初だけ優しい」と思うようになるのではないでしょうか。
まぁこんなこと僕が言うのもどうかと思うんですけど、これって切なさや本気の裏返しだったりしませんか?
そこには、未だ未整理な「今までの自分のあり方や愛情」「付き合ってきた彼への思い」「どうすればうまく関係が続けられたのか」といった気持ちがあって。
そういったことを整理することなく、とりあえず今までの恋愛に関して蓋をしようとして、考えないようにすることもあり得ると思うんですよね(いいか悪いか別にしてね。)
「男はいつも最初だけ優しい」という思い込みを手放す方法
さて、ここからは「男はいつも最初だけ優しいという思い込みを手放す方法」についてまとめていきます。
ざっくり2つのステップに分けて解説しますので、よかったら参考にしてみてください。
今も辛い気持ちがあるならその解放が最優先
まず、今も過去の恋愛で感じた辛い気持ち、モヤモヤがあるなら、その気持ちの解放が最優先されるものです。
もう平気、大丈夫、と思いたいお気持ちを否定しているわけじゃないんです。
ただ「もう平気」と思う代償として「男はいつも最初だけ優しい」と思いつづけるとしたら、あなたはどう思いますか?
もし、過去の恋愛に関して感じていることがあるなら、そのままにせず表現して軽くすることが大切です。言えない、言わない、認めない、ってすごく苦しいですからね。
そのままにしておくことが逆に、その不安を通じて未来を見たり、男性を認識することになることもありますからね。
ノートの気持ちを書いてみたり、今の自分の気持ちを素直に表現できる場があると楽になりますね。
自分のイメージについて考えて書き換える
さて、「男はいつも最初だけ優しい」という思い込みは『私は〇〇な女性だから』など、自分のイメージとつながっていることが多いと書きました。
ここでは「自分のイメージ」について考えてみるといいんです。
が、よくある間違いが「なぜ良くないイメージを持っているか」を考える人が多いということ。これはカウンセラーなどと共に考えていくほうがいい部分で、あまり自分一人で考えないほうがいいと僕は思っています。
でないと、自分を責めたり、気が滅入るんです、ガチで(^^;
確かに今の自分と向き合うことは求められることであり、自分のネガティヴな要素を受け入れられないことがもたらす弊害も大きいことは確かです。いわば自己認識できないってことでもありますから。
が、今回のような場合は「自分への罰を手放す」という意味合いが強いので、そこから初めてみるといいんです。
方法は難しく考えず、こう考えてみましょう。
- 自分の良いところをリストアップする。
- その中で自分の中心的な特性について、よいイメージを選択するように心がけてみます。
ポイントは「人の印象」に左右する「中心的な特性」について、よいイメージを持つことです。全てのイメージを良くしようとは考えなくていいです。
※中心性な特性とは、人の印象を作る情報の中の重要な要素のことです。
例えば「私は真面目で冷たい」と「私は真面目で温かい」だとしたら、後者のほうが印象が良くなりますし、感じていていい気分になりやすいですよね。
「私は冷たい部分あるけど、実は面白いものが好き」でもいいです。
逆に「私は温かいけどおせっかい」「私は仕事ができる分、ドライな性格」なんてイメージはできれば避けてみましょう。
自分への罰を手放すことを考えるならこのイメージは逆効果になることが多いです。
また、パートナーに冷たい私を愛してほしいとか、この部分を愛してほしいと期待することも手放しましょう。
自分から相手に積極的に関われなくなるようなイメージはデメリットにしかなりません。
自他共の「私の印象」を作る部分のイメージを、より温かい、愛ある、愛想のあるものにするといいでしょう。
これだけで随分自分の意識が変わりますよ。
ちなみに、これができたら考えてみてほしいんです。
改めて「男はいつも最初だけ優しい」と。ここであまりイラッとしなかったり、寂しい思いが出てこなかったら、イメージの書き換えがある程度成功していることになります。
そこで得たイメージの自分を表現する
その上で、普段からそのイメージに相応しい行動をとってみましょう。
職場で気持ちの良い挨拶をするとか、家族や仲間に対して理解的、調和的な態度をとってみる、関わる人に何かを与えるなど、難しく考えずできることから始めてみましょう。
最終的に、その自分を気になる人の前で表現すればいいんですよ。
最後に
一般的に、恋愛がうまくいかかった人に向けた話として「これからは優しくて関わってくれる男性を選べばいいし、男性に『最初だけ優しいとか嫌だからね』と伝えればいい」なんてものがありますよね。
要は、次の恋愛では、自分の行動を改善すればいい、ということです。
たしかにそうです。ぐうの音も出ないほどのド正論です。その言葉の意図の間違いを見出すことは僕にはできません。
しかーし、実際の恋愛カウンセリングはその考え方で解決できることばかりではないのです。
例えば
「この人ならずっと優しくしてくれるかもと思える男性を選んだつもりなのに、また同じパターンになった」
「彼に『最初だけ優しいとか嫌だから』と伝えていたのに、また連絡がなくなった」
そんなケースが頻発しているんです。
なぜなのでしょう?
自らの行動を改善しているにも関わらず、なぜこのようなことが起こるのでしょう?
もはやここまで来ると「私は男運がなく呪われている」「私は恋愛や結婚を諦める運命なんだ」なんてお声を伺うようになるわけです。
もちろんそのお気持ちは「そう思いますよね」と伺いながら、しかし全く別のことを考えているのが僕という人間なのでございますな。(話を聞いていないってことじゃないよ)
つまり、あなたのもとに最初だけ優しい男性かり登場するのは、あなたが優しくないから、愛がないからだとは限りません。もちろん運命でもないと僕は思います。
むしろ、あなたがあなたに愛のない、手厳しい、真実ではない評価を与えているときに起きるのではないでしょうか。
だから、「もっと自分を信じてみていいんじゃないでしょうか」「そうなれるように自分を見つめて、何をしたらいいか考えてみませんか」とお伝えしたいのです。
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