甘すぎない恋愛心理学

「好き」と「愛」の違いを心理的に解説します

腕を組み悩む女性

「好き」と「愛」の違いがよく分かりませんというご質問

好きと愛の違いについて考える女性

「好きと愛の違いがよくわからない」

これは恋愛やご夫婦にまつわるカウンセリングの中でよく伺う言葉ですね。

そして、好きと愛の違いがよく分からないまま、悩まれている方のお話をうかがうこともありますよ。

例えば

やっぱり「好き」な人じゃないと一緒にいられないし、お付き合いもできない。

でも、実際「好き」だけじゃやっていけない気もする。

じゃあ、愛すれば長く続くのかな、と思うけど、恋愛のロマンスは長くて3年で終わるなんて話を聞いたことがある。

一体、好きとはどういうことで、愛とはということなのかがよく分からない。

長く続いているカップルってどうして関係を続けられるんですか?

そんなご質問をうかがうことがありますね。

そんなとき僕はこうお答えします。

「好きなものってぶっちゃけ手放すことができますよ。

でも愛すると決めたものはなかなか手放せない。

その違いが長く続く関係を作るものではないでしょうか。」

ただ、この答えだけではあまりに分かりにくいので、今日は「好き」と「愛」の違いについてコラムにします。

よろしければどうぞ。

「好き」という感情

好きという感情のシンボル

心理的に見た「好き」とは、つまるところ「自分にとっての価値がある」という意味です。

例えば、好きな洋服、好きな芸能人というように、「その対象が自分にとって価値があるよ」と感じることが「好き」という感情の意味です。

なので、「好きな人」とは、他の誰かではなく「自分にとって価値がある人」となるわけです。

また、「好きではない人」とは、他の誰かではなく「自分にとって価値がない人」という意味になりますし。

「好きじゃなくなった人」は、他の誰かではなく「自分にとっての価値がなくなった人」という意味なのです。

「愛」という感情

愛のシンボル

愛とは「深く愛し、いつくしむ心」のことを指します。

恋愛においては「特定の相手を恋い慕う心」という意味です。

愛するということは「相手を思い、与えること」なのです。

だから愛情を持つということは、相手のことを思う気持ちを持っている状態なのです。

愛は二人のやり方をつくるもの

恋愛心理的に「愛」について考えると、

いわゆる「ニコイチ(二人で一つ)」という言葉があるように、愛や親密さは「自分と相手」の価値観、やり方、感覚などを持つという意味合いにもなります。

つまり、愛するということは

自分を肯定的に受け入れている状態で

心を開き相手とコミュニケーションを取りながら二人の価値観を創造する

ということに近いのです。

だから、僕たちは愛すると決めると、愛する人のために、自分の何かを失うことがあっても怖れない勇気が持てるようになる、とも言えるでしょう。

「好き」と「愛」の違い

好きと愛の違い

以上の点を踏まえて、好きと愛の違いについて更に深く見ていきましょう。

好きは興味関心、愛は与え慈しむこと

好きは自分にとっての興味、関心でありその判断です。

「こんなに好きなのにどうして伝わらないの?」という気持ちは切ないものですが、伝わらない理由は「自分の判断だから」といえます。

一方、愛は、与え慈しむことです。

愛は与えることなので、相手に受け取ってもらえず悔しいと思うことはあっても、自分の価値を下げるまで凹むことにはならないでしょう。

ただ、愛する対象を失うことで生きがいやモチベーションが低下することは十分にありえることだと思います。

好きは一時的、愛は永続的

好きな人同士一緒にいる恋愛関係・夫婦関係は

「どちらかが好きではなくなったこと」で、その関係は終りを迎えることがあるでしょう。

ただ、愛でつながった関係はそう簡単には壊れませんし、愛は延々と続きます。

だからこそ愛で繋がったパートナーを失うことは想像以上につらいことだとも言えそうですが、それこそ「失ってもずっと愛しているからだ」と言えそう。

この愛を執着だと言ってしまうのはちょっと切ない気がします。

「好きだけじゃやっていけない」はある意味正解

こう考えると

「いくら好きでも、好きだけじゃ(恋愛関係を)やっていけない」という言葉はある意味正解だよな、と僕は思うのです。

そもそも恋愛関係は双方の合意に基づくもの。

どちらかの一方的な「好き」という判断で恋愛が始まるものではないですよね。

(もし始まるとしたら怖すぎて生きてられません(^^;)

つまり、「好き」は自分の判断なので、それだけで恋愛関係が続けられるわけではないという意味で正解なんですよね。

ただ、多くの方が「好きだけじゃやっていけない」という言葉を、どこか責任論として捉えていないでしょうか?

「好きという気持ちだけでは現実に対応できない」というように。

もしそう解釈するなら

それは「自分が好きという判断を止める理由を考えている」ということです。

何かしら不安や怖れることがあるので「好きにならないように何か他のことを考えている」といったほうが分かりやすいでしょうかね。

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浅野寿和 | 心理カウンセラー/トレーナー
恋愛や夫婦関係、仕事、対人関係、生き方の”こじれ感”を「甘すぎない心理学」で解決。ただ、気持ちを受け止めるだけでなく、背景にある心理構造や関係性のパターンを整理し、「現実的で納得できる選択」を一緒に探っていきます。 臨床実績9000件/東京・名古屋・オンライン対応。
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