日常に使える心理学

何もかも「自分のせいだ」と自分を責める人の心理とその改善法

しゃがみ込み我慢する女性
私って嫌な出来事と出会ったり、失敗してしまうといつも辛くなりすぎちゃうんです・・・。

なんて自分はダメな人間なんだろう、全部自分のせいだと思い、すごく落ち込みます・・・。

それは辛いですよね・・・。

ただそれ、もしかすると「自分を責めすぎている」のかもしれません。

あなたは、例えば、仕事や恋愛で、家族関係の中で、犠牲してでも何とかやり抜こうとするタイプでしょうか。

人に物事を頼まれると「必要とされて嬉しいから、ムリをすることは仕方ない」と感じて、なかなか断れないタイプでしょうか。

実はこのような反応を見せている方ほど、物事の原因を「自分のせいだ」と感じやすい傾向があるようです。

それゆえに悪い出来事、失敗などを経験するたびにひどく落ち込み、自分を強く責めてしまうことがあるんですね。

そこで今回は、何もかも「自分のせいだ」と自分を責める人の心理と改善方法についてコラムにしてみます。

よろしければどうぞ。

動画で解説!何もかも「自分のせいだ」と自分を責める人の心理とその改善法

 

「自分のせいだ」と自分を責める心理的背景

自分のせいだと責める女性

では、何もかも自分のせいだ、と自分を責めてしまう理由についていくつかご紹介します。

完璧主義

何事においても完璧を求めすぎてしまい、少しでもミスや失敗があると、それを自分の価値の低下と捉えてしまう傾向が強い人。

この場合、どうしてもミスや失敗を経験するだけで自分を責めやすくなります。

高い自分への期待がある

自分自身に高い基準を設け、常にその基準を満たそうとしている人。

自分自身に高い期待を抱くこと自体が間違いだとはいい切れません。

しかし、人間は完璧ではないため、期待に応えられない自分に落胆し、自分を責めてしまうとしたら、それは自分に対して行き過ぎた期待を向けているのかもしれません。

この状態は深層心理レベルで、「自分自身の今のあり方に満足していない」とか「自分を良くない存在だ(嫌いだ)」と感じている可能性を示すものなんですよね。

だから、自分を大切にするのではなく、責めてしまう機会が増えてしまう、とも考えられます。

過去の失敗を引きずる

いつも過去の失敗や後悔を何度も思い返し、現在もその出来事に囚われてしまい、自分を責め続けてしまう人。

過去の失敗から何を学ぶか、ではなく、過去の失敗を自己否定の根拠に使い続けてしまっている状態、といえるでしょうね。

もちろん人間生きていれば、後悔することもあるでしょう。

ただ、過去の失敗で自分の価値がすべて決まるとは限らないですし、失敗しても何度もでもやり直しはできるものですよね。

しかし、どこかで「他人は失敗した自分を罰したり、バカにしたり、責めるだろう」といった他者や社会への思い込みを強めていると、どうしても「あんな失敗をした自分はもうダメだ」と感じやすくなる、といえます。

他者との比較が強い

周りの人と自分を比較し、劣っていると感じてしまう人。

特にSNSなど、他人の成功や幸せばかりが目につく環境では、この傾向が強まりますね。

その根底には、どこか自分のことをありのまま認められず、価値がないと感じている可能性があるとも言えそう。

そのため、何かうまくいかないことがあったときに、それを自分のせいだと考えがちになる。

対人関係の中での癒着傾向の影響

自分のせいだど自分を責めやすい心理状態を作るものの一つに、心理的な「癒着」の作用が考えられます。

癒着とは、自分と他人の感情や意見が一体化し、境界が曖昧になる状態のことです。

これにより、いわゆる「認知の歪み」が生じる可能性があります。

癒着状態が強まると、自分の意見や感情がわかりにくくなり、他人の感情や出来事を自分の責任と感じやすくなります。

その結果、他人の失敗を自分のせいだと感じたり、因果関係がない出来事でも自分が原因だと思い込んだりします。

このような癖がつくと、仕事や恋愛、夫婦関係においても常に自分を責めてしまい、生きづらさを感じることになります。

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癒着する原因

癒着の原因は、親子関係などの幼少期の人間関係にあることが多いです。

例えば

親に厳しく育てられた、親が過干渉だった、親からの承認や愛着が不足していた、欲求を十分に満たしてもらえなかった、両親の関係があまり良くなかった、など

孤独や分離を恐れるあまり、健全な絆がないことで、親や他人と癒着するようになることがあります。

こうした背景から、自分の感情や意見を大切にするプロセスが欠如し、自分を責める癖がついてしまいます。

自分を責めることは怒りの一形態である

自分を責めながら怒っている女性

さて、この自分を責めるということに関しての意味を考えてみたいと思います。

そもそも自分を責めることは「怒りの表現の一形態だ」と考えることができます。

要は、自分に、もしくは他者、過去の出来事や出会った人に対して怒りを感じている可能性があるのです。

ときにはその怒りを抱えたままで、未消化となっている場合もあります。

僕たちは人ですから、そりゃ嫌なことがあれば怒りを感じますし、自分にがっかりすれば自分に対して怒りを感じることもあるのです。

が、何らかの理由で「人を責めない」「人と争いたくない」という気持ちが強い方は

怒りを外に向けることができず、自分に向けるしかなくなります。

つまり、失敗や嫌な出来事など、自分自身が怒りを感じるような出来事と出会うたびに

自分に怒りを向け、自分を責める羽目になる。

そんな状態にある方もいらっしゃるということなのです。

まぁこの状態になるならば、まぁうんざりしちゃいますよね、生きる事自体が。

そんなとき「あなたって怒らない優しい人ね」と言われたら、まぁ気持ちの面で詰んじゃいますわなぁ・・・。

それが理由で離職したり、好きな人と別れることになる方もいるんじゃないでしょうか。

「自分のせいだ」と自分を責める。その改善方法のご紹介

自分を責めなくなるにはどうしたらいいの?

例えば、自分の思い込みを書き換えたり、リラックスできる時間を多く作ったり、怒りについて見つめ直してみるなどの方法がありますよ。

【改善方法1】いつも優れた人・いい人であろうとすることを見つめ直す

自分自身がいつも優れた人・いつもいい人であろうとするならば

その目的を見つめ直してみましょう。

自分を責めることをやめるためには、ある意味自分に「目的なき無茶」を強いないことも大切なことです。

ただ、自分を責める人の中には

「これ以上自分の意味や価値を失えない」

と感じている方もいるのです。

そのようなタイプの方に

「みんなに好かれることなんてありえないし、いつもいい人でいないほうがいい」

そうお伝えしても、まぁなかなか難しく感じる方もいるだろうと思うのです。

もちろん、誰からも好かれるため、いつもいい人でいるため、といった目的は「自分の目的ではなく、人の目を気にした目的」ですから、やはり書き換えたほうが楽になります。

が、自分に意味や価値がないと思うに至った事情は丁寧に理解されるべきことだと僕は思うのです。

この場合は、急がば回れ。

先に、自分の価値や意味を感じられるように、以下のようなことを意識してみることがおすすめです。

【改善方法2】自分を褒める、自分の気持ちを大切に扱う

自分を褒めたり、自分の気持はどんなことでも否定せず大切に扱う習慣を身につけるといいですね。

自分に対する褒め言葉をノートやスマホに書き出していつも眺めるようにしておくこともオススメです。(カウンセラーでもOK)。

また、自分の気持ちを否定するクセもついていることが多いので、自分の気持ちは受け入れて、優しさを向けていく姿勢で向き合うことがおすすめです。

ポイントは「他人に向けるような優しさを自分に向けるイメージ」で向き合うことです。

例えば、自分のことが嫌だなと感じたときは

「自分のことが好きになれないんだよね、苦しいね。でも誰だって自分を嫌いになることはあるし、これは自分だけが抱えている問題じゃないよ。」

例えば、仕事で失敗したときは

「今日は仕事で失敗しちゃったね、辛いね。自分を責めることで自分を守ろうとしているんだね。でもさ、人間だから失敗はあるよね。失敗して自分を責める人は自分だけじゃないよね。うん、ベストなやり方じゃなかったけど、一生懸命だったじゃないか。この失敗から学べることもあると思うよ。」

実は、このように自分と丁寧に向き合い、自分の内面とつながることを優先していくことで、心理的な癒着傾向がおちついていくこともあるものなんですね。

【改善方法3】リラックスする時間をたくさん作る

一言で言えば、ちゃんと自分を休ませる時間を作りましょう、ということです。

休むことは悪いことではありませんが、自分を責めている人ほど「休むことで自分がもっと悪くなる」と感じています。

これは明らかな誤解です。

きちんと必要な休みを取る程度では、自分の能力も価値は変わりません。

休むことで罪悪感を感じてしまい、自分の価値が変わった気がするだけです。

効率や質の高い仕事を実現するために、幸せを実感するためにはリラックスや休息は必要です。

【改善方法4】何に怒りを感じているかに注目して解放する

自分を責めている人のすべてがそうだとは言いませんが、多くの方が「何かしらの怒りを抱えている」と言えます。

その怒りが自分に向き続けいるから苦しいのです。

つまり、自分が何に怒りを感じているのかを理解し、その怒りを解放し手放すことができると、自分を責めることも少なくなる可能性があるのです。

ただし、ここでの怒りの解放は単に怒りを他人にぶつける、ということではありません。

むしろそれは罪悪感を強化する意味で避けるほうが良いことです。

 

僕たちが持つ本当の怒りの意味は

「大切な人を愛せなかった、喜ばせられなかった」という

ひどい悲しみを感じないための感情の蓋。

もし、自分には価値がない、意味がないと思うなら。

それは大切な誰かとの関係で、自分には何かができなかったと感じているからこそ生じると思いませんか?

そんな自分に自分ががっかりしているから、自分をボコボコにするのです。

だとしたら、感情レベルでの癒やしの道は

その自分の悲しみを少しづつ引き受けながら

「自分が本当に成し遂げたかったこと」に気づいて、少しづつその目的を実現することなのです。

それができたら自分を責めることが格段に少なくなります。

今の自分に実現不可能なことがあったとしても

「どうしたら自分の目的を実現できるだろう」と考える自分になれるのです。

最後に「自分のせいだ」と自分を責める人に送りたい言葉

最後に、僕から自分を責めてしまう人に贈りたい言葉があります。

それは・・・

あなたが真面目で、人に気を使い、普段から他人を責めないのであるならば、あなたは自分も責めるべきではないのです。

普段、他人を責めることはないのに自分ばかり責めているなら、誰も責めない自分を目指しましょう。

自分や他人を責めれば、そこには「悪人」ができるのです。

だから、自分も他人も誰も責めない、無害者であることを目指してください。

そのために、あなたがどうしてそこまで自分を責めるのか、その理由や感情を解きほぐし、自分を解放していくことをオススメします。

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