恋愛の心理学

人が好きになれない心理

人を好きになれない心理

人が好きになれない、好きな人を受け入れられないことは男女問わず大きな悩みになります。特に女性の場合は自己価値にまで影響しやすく、恋愛だけでなく、日常生活を送る上で不安を抱えることも。その解決策を含めて解説します。

人を好きになると苦しい、逃げたくなる。好きじゃない人といるほうが気楽。でも、本当は、人を愛したいのに。

人を好きになれないことは男女問わず苦しく切ないもの。好きになることを諦めてしまえば、感情も乱れずにいられるかもしれませんが、諦めてしまうことも切ないものです。

人が好きになれない、好きな人を受け入れられないという事実は、男女問わず大きな悩みになります。特に女性の場合は自己価値にまで影響しやすいんですよね。

なかなか男性の皆さんには伝わりづらい部分もあるかもしれませんが、「ちゃんと愛したい」という気持ちが満たされていないと、自分のことをとても残念に思ってしまうものですから。

また、人を好きになれないことで、恋愛や夫婦関係だけでなく、つい自分を見失ってしまったり、日常生活を送る上で漠然と不安を抱えることもあります。

今日はその解決策を含めて解説します。

 

なぜ、人を好きになれないのか

そもそも、僕たちの心の反応には、何かしらの事情や理由があるもの。どんなことも全く無意味な反応ってなかなか存在しないものなんですよ。

だから「人を好きになれない」ことも一つの「自分の心が発するメッセージ」。

ちゃんと意味があるんですよね。

 

例えば、「好きになられると気持ち悪い」「逃げたくなる」といった事例。

これは一つの心の防衛的な反応とみることができます。

防衛とは「自分が感じたくない感情から逃れるための反応」ですね。

子供の頃からの過ごし方、親との関係、過去の恋愛経験など、何かしらの影響で「人を好きになることが(感情的な)リスク」となっている人は、好きになりたいけど気持ち悪い、逃げたくなる、といった気分になるのです。

例えば、子供の頃からコンプレックスがあって体を隠したいと感じている人がいたとしましょう。

まさしくこれは幼少期の僕ですが(^^;この場合「人にコンプレックスを見せない」ために、人と関わらないようにしているわけですね。

どこか、人を好きになりたいけれど、人に近づきたくなって自分を知られて傷つく(と想像している)のは自分なのです。

だから「人を好きになっちゃいけないし、好きになるとリスクがある」わけです。

ただ、ここでは「自分はちっぽけだ」「好きになってもらえない」という悲しみや切なさ以上に、「自分が大切な人と親密な関係になってはいけない感じている」ことに意味があります。

そもそも僕たちには、親密になりたい、人に愛されたい、人を好きになりたいという欲求があります。この欲求は私達にとって必要なものなので抑え込むことはできても消えることはありません。

しかし、その欲求を「満たしてはいけない」と感じているわけです。これ、かなり苦しい状態ですよね。

ただ、自分が相手の迷惑をかける、悲しませる、辛い思いをさせる、がっかりさせる、など、何かしらの事情から相手に良い影響を与えられないと感じているなら、「自分から人を好きにならないことは正しい」と解釈されるわけです。

となると、人を好きになりたい欲求を満たすことは、間違いだと認識されます。

いわば「人を好きになる=悪いことをしている」と感じるようにもなります。

もちろん意識や願望としては「人を好きになりたい」と思います。特に女性であれば「好きになれない自分」が残念でならないこともあるでしょう。

ちなみに、これは「大失恋・離婚・離別」「いい子で居続けた人」「自分の気持ちを話さないように生きてきた人」「自分は迷惑だと感じやすい人」「失敗・挫折を経験した人」などにも同じような傾向が見えますね。

 

頑張ってみたけれど好きになれない

また「頑張ってみたけど人を好きになれない」というお話も伺います。人を好きになれないと悩まれている方は「頑張って人を好きになる努力」をされているものなんですよね。

それぐらい「人を好きになれないこと」が切なさを刺激し、問題意識となっている、といえます。

「本当に好きじゃない人を好きになろうと頑張った」という場合

これは「そもそも好きじゃない人を好きになれれば問題が解決するかも」と期待したパターンですね。

相手のことが「嫌い・苦手・そんなに興味がない」と感じている。でもそんな気持ちを払拭したくて頑張って好きになろうとしている。

その理由の多くは、「誰も好きになれず愛せない自分を嘆いている」から。

どこか自分を責めているから、せめて興味がない人でも愛せるようにならないと、と考えていることが多いですね。

それはまるで「人を好きになれない自分の欠点を埋め合わせる行為(補償行為)」とも言えるものです。

実際に、なかなか本気で人を好きになれない自分が嫌、というところから問題意識が始まり、結果、恋愛や結婚を焦ってしまって、つい興味のない人、苦手な人を受け入れてしまう人もいます。

 

「好きになること」自体にリスクを感じている場合

例えば、子供の頃から自分の意見を言わず我慢してきた、人に合わせて生きてきた、周りの迷惑にならないように生きてきたといった幼少期からの心理パターン。また、最近事業で失敗し負債を抱えている、離婚経験がある、といった方に多いケースです。

その人の自己概念(自分のイメージ)が、ポジティヴなものなら問題がないのですが、そうではない場合に、自分をよりよく感じていないだけ、「人を好きになりたい」けれど「好きになると相手に迷惑をかけるのではないか」と感じてしまうわけです。

だから、「相手に迷惑をかけるかもな、相手は喜ばないかもな」と思いながら「人を好きになろうと頑張る」のですね。

ただ、いくら頑張って好きになっても自分の気持ちがついてこない。

なぜなら「きっと相手は喜ばない」「迷惑だ」と感じているのは自分だからです。

そう感じているからこそさらに好きになれるように頑張ろうとするわけですが、そもそも自分の意識の目的が「相手に迷惑を掛けるという意識から逃れたい」なら、相手を好きになんてなれません。

ここでは「そもそも自分が迷惑をかける人間だ」という思い込みが問題になっているのです。

ただ、頑張って人を好きになろうと思える人ほど「いい人」。つい相手に迷惑をかけたくない一心で、実はもう好きでいられるわけではないのに、相手を傷つけたくなくて別れられずにいる、というケースもあります。

これはかなりしんどい話になりますよね。自分が頑張って好きでいようとしても自分が救われず、別れようと言えば相手が傷つく。

もう誰も救われない感じがするので手詰まり感も感じることも多いようです。

「好きになる頑張りを使って自分を否定したい」という場合

ちょっと難しい話ですけど「やっぱり頑張ったけど好きになれなかった」と感じることを使い、「私は大切な人を遠ざけねばならない」という自分の内面に隠れた観念を強化している場合ですね。

これは一つの自己攻撃とも考えられまして、「頑張って好きになったけど、好きになれなかった私」を責めるためにそうしているわけです。

それぐらい「私が大切な人に近づいてはいけない」と感じる、何かしらの事情が作用しているわけです。

「人を好きになれない」を解決するプロセス

繰り返しになりますが、「人を好きになれない」ことも一つの「自分の心が発するメッセージ」で、ちゃんと意味があるんですよね。

だから、まず「人を好きになれない自分を責めるような態度を取らないこと」が重要ですね。

例えば、自分が怪我をして体に痛みを感じているとき、その痛みを解放するなら手当しますよね。責めないでしょ?責めるとしたらよっぽど気分が悪い時か、辛すぎる時でしょうし。

だから、自分を責めても何も変わらないことを理解してみてください。

 

そして次に「事情を理解すること」です。

なぜ自分は人を好きになれないのか。これが心のメッセージなら、何かしらの事情があると考えられませんか。

そこをスルーしないでちゃんと理解することです。

この理解すべき事情はまさに個人で違う、ケースバイケースのものです。それこそカウンセラーに聞いてもらうといいところですよ。心の専門家である私たちは心理分析からその理由を見つめることができますからね。

例えば、過去に失恋して痛い思いをしてから、なかなか人を好きになれない、というケースなら、「また誰かを好きになって辛い思いをしたくない」と思うかもしれませんよね。

ただ、このまま解釈してもなかなか前に進めないことが多いでしょう。

なぜなら、実は自分が「大切な人を好きになって、相手を上手に愛せない自分を許せないでいる」とは、なかなか理解できないからです。

もう傷つきたくない、辛い思いをしたくないと思えば、自分の中にある本当の事情より、目の前の危機、過去の追体験を避けたいという危機意識のほうが優先されるでしょうからね。

 

そのために僕たちは「癒やし」をご提案することがあります。

先の事例なら、「もう二度と傷つきたくない」と強く思っていれば、どんな事情も見えず、とにかくフラれることを恐れ、傷つかないように生きるでしょう。

だとしたら、そもそも「人を好きにならない自分」でいることにメリットがでてきてしまいます。いくら人を好きになれず、切ない気持ちを抱えたり、恋愛や結婚を焦ってみても、そもそも「人を好きになる事自体が難しい心理状態」のままとなるわけです。

だから、まず「過去の不安、痛みなど、抱え込んだ感情を解放する」セッション(セラピー)などを用いて、今感じている恐れ、過去の恐れなどを解放するお手伝いをします。

 

こうなると、さらに自分の心に余裕ができ、恐れなどの感情をある程度手放せるので

・自分の気持ちを見つめ直すこと
・自分の良さ、長所、価値などを認め、受け入れること
・他人からの愛情や肯定的な評価を受け取ること

などが可能になっていきます。

つまり、私は本当にしたいことは何?と考えることができるようになるわけですね。

すると、もちろん気持ちもスッキリ軽くなりますし、もっと前向きな発想もたくさん持てるようになっていきます。

このように自分を癒やし、見つめ直しておくと「自分は自分でいいんだ」と思えるようになります。「自分は迷惑」「何もできない」「関わっちゃいけない」といった感覚を手放していけるんです。

すると、自分から「好きなものに触れる」ことができるようになります。つまり「好きなものを好き」といえるし、人を好きになる自分になれるんですよね。

こんな感じで癒やしていくと、うまくいくんじゃないか、と僕は自分の臨床経験から感じています。

ということで、今日のまとめ。

○そもそも自分が「人を好きになれない」ことに意味を感じているうちは、人を好きになれないまま。だから、その自分を責めるより、癒やすべき、と考えてみる。

そして、人を好きになれないことも何かのメッセージ。ならば、その事情を見つめてみようと考えることが前向きな選択肢になると考えてみてくださいね。

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