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我慢が癖になるとこんな事が起きる
「我慢が癖になることで起きる問題」と聞くと、あなたがどんなイメージを持ちますか?
あなたはこんなケースに遭遇したことはないでしょうか。
- 会社ではいつも穏やかで努力家に見えていた人が、辛そうな顔をして「離婚したんだ」と突然聴いて驚いた。
- めっちゃいい人だと思っていた友達から「恋愛が長く続かない」って相談を受けて、どう答えてあげたらいいのかわからかった。
これ、「普段からものすごく我慢する人」が引き起こす問題の一例です。
もちろん我慢が原因の全てとまではいいません。
ただ、カウンセリングの現場にいますと、「ずっと我慢していたことが理由で起きたトラブル・問題・お悩み」についての話をたくさん伺います。
それは、浮気、別れ、離婚、夫婦げんかが止まらない、セックスレス、さまざまな形で問題として表面化しているのですけどね。
我慢が癖になっている人の特徴
そもそも我慢が癖になっている人は、普段は理性的で他罰的ではない人が多いです。
だから、「大きな問題なく生きている」と言えばそうなのかもしれません。
ただ、我慢が癖になっていると、つい自罰的になります。
その結果、つねに自分に意識を向け、なにか問題が起きると自分の至らない部分を責めることが癖になっている人もいます。
他人に向けるべき感情を自分に向けてしまう
我慢するべき特別な理由がないのに我慢ばかりしている人は、普段から
「他人に向けるべき感情を自分に向ける」
そんな傾向があります。
「ずっと我慢している」ということは、本来は他人に向いている怒りを自分に向けている状態に近くなるんですよ。
(だから、他人に怒りをぶつけろという意味ではなくて、他人に向く怒りを自分に向けるとしんどいね、という話です。)
だから
自分のことをよく思えなかったり
何をしても否定的に見つめすぎてしまったり
自分を表現することが怖いと感じていたり
言いたいことが云えずに不満感を溜め込むようになる、というわけです。
ただ、この我慢の癖、自分で気づけているなら、まだいいんです。
「自分では我慢しているつもりはないけど、友達や同僚から『我慢し過ぎ(頑張りすぎ)だよ』とよく言われる」という方の場合、おそらく自覚はあまりないのかもしれません。
自覚がないから、なにか問題が起きたときに強い衝撃を受けるんですね。
今まで頑張ってきたのに、そんなに自分ってダメなのかなとか、私ってロマンスの神様に見捨てられているんじゃないだろうか、とか。
親密な人との関係で感情が爆発しやすい
普段から我慢が癖になっていると
近しい人との関係、例えばパートナーや家族の間で、今まで我慢していた感情の大爆発が起きることがあるんです。
心理的に近い人にはどうしてもニーズや普段隠していた気持ちを解放したくなっちゃいますからね。
それはまるでダイエット中についドガ食いしたくなるような気持ちに似ているかもしれません。
禁止していたものを解放したい、と思うようになるんです。
もちろん禁止を解放すると
「言いたいことを言ってしまった」「相手に迷惑をかけちゃった」など
自分がすごく悪いことをしているのでは?という罪悪感もくっついてきますけどね。
それこそ誤解なんですが、そう感じちゃうものなんです。(ここ明日テストに出るぐらい重要な部分ですな)
だから、例えば、些細なことでパートナーと喧嘩することになったり、ケンカするたびに自分が嫌にな理過ぎてしまう、なんてことも起こります。
また、家族やパートナーに問題が起きると、とんでもない不安やショックを受けて自分を見失ってしまったりもします。
自分に問題が起きても我慢するんだけど、愛する人の問題は自分で我慢して対処できないので、その問題がもたらす不安にドカンと打ちのめされることも少なくないんですよ。
そんなこんなを繰り返しているうちに、お互いに傷つけあってしまって、別れ、別居、離婚などの問題にまで発展することもあるんですよね。
「我慢していることが普通」と思いこみやすい
我慢ばかりしている人ほど、我慢こそスタンダードと思いこみやすくなります。
「え、みんな同じように我慢してると思っていました」
という話はおそらく1000回以上聴いています、僕は。
だから、我慢が当たり前すぎて、相手にも同じように我慢するように求めてしまい、恋愛や仕事上のトラブルを引き起こすケースも少なくないんです。
いわば「自分にできることなのに、どうして相手にできないのか」と思うわけです。
この根っこには「自分の我慢は普通」という価値観があるというわけです。
こういったケースではやはり「我慢ばかりする癖」についてみつめていくことで、問題が解決の方向に進むことも少なくないですし、自分自身の生きやすさにつながっていくこともあります。
我慢が癖になっている相手の気持ちを見逃すこともある
我慢が癖になっている人ほど、他人のために頑張っていても、目の前の相手の気持ちを見逃すことが増えがちです。
例えばこんなケース。
子供のことが心配でいつも気にかけているんですけど、何も話してくれません。我慢しないで話してくれればいいのにって思うのですが。やはり私は子供にうまく関われていなくて、信頼されていない親だということなんでしょうか。
このような人の我慢って「相手のため」「大切な人のため」といった「誰かのため」という意識を持ちませんか?
そこにいわゆる我慢ばかりする人の「想い」があると僕は思うんですよね。
ただ、我慢をしているとき、僕たちの意識はなかなか他人に向きません。
自分の内面に向くことが多いのです。
だから、目の前の相手が何を思っているのかを見逃しやすくなります。
例えば
「私がこんなに我慢して相手のことを考えているのだから、相手も同じように我慢していたりつらい思いをしているはず」
と思い込みやすくなるんです。
が、実際相手が我慢しているかどうかは、相手次第なんです。
だから、後になって相手がそこまで我慢していなかった、こちらが悩んでいたことを軽く考えていたことなどが分かると、まるで「裏切られた」ような気分になることもしばしば。
そう考えると、我慢しているときって、自分を監視するような意識を持っている状態で、周囲に興味を持てなくなりやすい、とも言えそうですね。
自分に我慢する癖があると思ったら
さて、もしあなたが「我慢する癖がある」と思ったらどうするといいのか、に関して簡単にまとめておきます。
我慢してきた自分を一旦肯定する
まずは我慢してきた自分を責めずに
「よーく頑張ってきたなぁ」
と認めてあげてください。
ここまでさんざん「我慢の問題点」を書いておいてなんですが(^^;
我慢してきた自分もまた「自分」として、丁寧に扱っていきましょう。
これも一つの自己肯定です。
そもそもいろんな感情を我慢できるのは、ハートの器がでかいとも考えられるんです。
感情の許容量が大きいだとか、寛容な気持ちを持てているとかね。
だからといって辛い我慢まで推奨しているわけじゃないんですけど、物事には両面がありますからね。
良い面もあるし、才能として見ることができる部分もあるんですよ。
自分の気持ちを表現することに慣れる
その上で、「自分の気持ちを表現することに慣れる」ように心がけてみてください。
自分の気持ちを伝える経験を積むこと。
その勇気を持つことや、上手に伝えるコミュニケーション方法を知ることです。
かつ、相手の気持ちを理解できるほどの寛容さが持てれば、おそらく最強に近づきます。
我慢してイライラしながら「言いたいことを言わない自分」でいるよりは
「言いたいことが言える自分」になり
かつ「相手にどんな自分を表現すると自分と相手のためになるんだろう」と考えられるようになれば最高ってことですね。
特に我慢を重ねている自覚のある方ほど
「自分の気持ち、感情を感じること、受け入れること」
からトライしてみるといいですよ。
オススメの方法は「感情日記をつけること」です。
今日どんな気分だったか、いいも悪いもなく自分の気持ちをノートでもスマホのメモなどに書き留めてみることです。
後で読み返してみると面白いですよ。こんなこと感じていたんだーと思えますし、そっか、自分ってこんな風に感じていたんだ、と冷静に見つめることもできますしね。
これも一つの感情表現になります。
また、自分の気持ちをうまく話せなくてもいいので人に話す経験をされるといいでしょう。信頼できる人に話すことがダイレクトに感情表現の練習に繋がります。
最後に
自分の我慢に気づくって難しいですし
生きていればどうしても我慢しないといけない場面も多々ありますよね。
が、過ぎたるは及ばざるが如しではないですが
我慢ばかりすることで起こる問題もあると知っていただければなと思います。
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