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執着の手放すと私が自由になる
「執着」という言葉ってどこかネガティヴに響きやすいようで
だからこそ「執着を手放す」という言葉にも敏感に反応される方が多いのかなと思っています。
実際、カウンセリングの中でも
「今の気持ちが執着ならば私に問題があるのではないか」
というご相談は意外と少なくないものです。(少なくないからこそ記事にしているという側面もあるのですけども)
そこで今回は「執着と手放し」について解説していきます。
よろしければどうぞ。
※なお「愛情と執着の違い」に関して考察したテキストもあります。よろしければこちらも合わせてご覧になってくださいね。
「執着を手放す」とはどういうことか
「執着を手放す」とは、「自分自身の心が何かにとらわれている状態や何かにしがみついている状態が解放されること」をいいます。
この「執着を手放す」は、文字通り「執着」と「手放し」という2つの意味で構成されています。
なので、まずそれぞれの言葉の意味を解説していきますね。
「執着」とは
「執着」とは、何かにとらわれている状態や何かにしがみついている状態のこと。
英語で言えば”Holding On”という言葉がそれに当たるでしょう。
私達の「執着の対象」は
例えば、恋愛、仕事、お金、地位、過去の体験、成功体験など
私たちがこの社会で生活していく中のあらゆる場面に存在するものです。
ある意味、生きている以上、何かに執着してしまうのは当然で、執着してしまう自分を責める必要もない、といえます。
しかし、一度何かに執着してしまうと、心はそれにとらわれてしまい自由をなくしてしまいます。
※2021/1/27に、僕がセキララ・ゼクシイ様(リクルート社)に取材協力をさせていただいた「執着心」に関する記事もご覧になってくださいね。僕が監修した心理テストも掲載されていますよ!
「手放す」とは
「手放す」とは「放免」「解き放つ」といった意味合いです。
英語で言えば”Letiing Go”という言葉がそれに当たるでしょう。
手放しとは「ギュッと握りしめた手を放すようなこと」であり、「それを解き放つ」という意味。
「別れる」「決別する」「捨て去る」「嫌う」「否定する」と言った意味ではないのです。
つまり、例えば「執着している元カレ」を嫌いになろうとしても、手放すことにはつながらないのです。
「執着を手放す」を「籠の中の小鳥」で例えてみると
なお「執着を手放すこと」については
「まるで小鳥を籠から放すこと」という比喩が使われます。
例えば、「元カレに執着している状態」は、
「元カレという名の小鳥をあなたの心という籠に入れている状態」
と喩えることができるでしょう。
執着を手放すということは
「あなたの心という籠の入り口をあなた自らの意思で開け、元カレという名の小鳥を籠から解き放ってあげる」
ということです。
その小鳥は、もしかしたら、もう二度と帰ってこないかもしれません。戻ってこないなら、二人には縁がなかったということになります。
しかし、もしかすると、戻ってきて再び会えるかもしれないですよね?
ここが手放すことの価値であり意義の部分。
もし、その小鳥が戻ってきてくれたとしたら、それは「自分の執着(しがみつくこと)」で再び会えたわけではなく、小鳥の意思で戻ってきたことになります。
だから、自分も相手も自由な心の状態で向き合えるのです。
これが「手放し」ができている状態といえます。
このとき、二人の関係は対等になれるのですね。
執着を手放すことの難しさ
ただ、執着の手放しは難しいと感じることが多い、と言われます。
ここでは、その難しさについて少し解説しますね。
執着の対象は自分にとって価値がある存在だから
執着の対象は「執着の対象は自分にとって価値がある存在」です。
他人にとってはいざしらず、自分にとって大変な価値のあるものを手放すとなれば戸惑います。
どうしても失うことを恐れてしまうわけですね。
喪失感を感じたくないから
手放すことは、ある意味失うことを意味します。
なので、手放せば喪失感、空虚感、悲しみ、寂しさなどの感情と出会うことになるのです。
その感情と出会うことへの怖れが出てしまい、つい執着を手放せなくなることも少なくありませんの思いにしがみついてしまします。
心の奥底にある「幸せを拒む気持ち」の影響
心の奥底にある「幸せを拒む思い」が強い場合も、執着を手放せなくなります。
その代表例が「恨みや復讐したい気持ち」。
例えば、私の全てを捧げて尽くした元カレにバッサリフラれた、という事例があるとしたら。
その元カレに執着し、苦しみ、心を痛め、恨み・・・
つまり、自分で自分を痛めつけて、その苦しんでいる姿を持って「復習を遂げよう」とする気持ちに駆られることがあるのです。
例えば、親のせいで不幸になったという気持ち。
今の不幸に執着し、苦しみ、心を痛め、恨み・・・
「こんなに私が苦しいのは母親のせいだ!」と見せつけるように幸せにならない、というやり方。
僕たちは、無意識に「幸せになることを拒む」ために執着を手放さずにいる場合があるのですね。
「執着を手放す」ことは、「自分の幸せのため」
なかなかすんなりとはいかない「執着の手放す」こと。
どうして、悩み、葛藤し、涙し、切ない思いまで抱えて手放すことが必要なのでしょうか。
それはひとえに「自分の幸せを選ぶため」です。
この「自分の幸せを選ぶ」ことこそ、執着を手放す大きな目的です。
この「自分の幸せ」を目的とした手放しができないと、手放しはチャレンジしても、手放せても、結果的に失敗となることがあります。
執着を手放すなら、その目的設定が重要です
例えば、元カレとの復縁を望み、手放すことを考えたとき。
このときの手放す目的が「自分の幸せ」であればいいのですが
万が一「元カレと復縁するため」となっていると「
執着が手放せているようで、手放せていない状態」となるのです。
例えば、元カレと復縁を望んでいたけれど、「自分の幸せを選ぶ意味で、元カレを手放す」ならば、自分が幸せを選ぶ明確な意志が手に入ります。
この時、その元カレや、元カレとの関係は「私の幸せになる一つの手段」となっているのです。
つまり、あくまで「元カレ」は「自分が幸せになる一つの手段」だからこそ、復縁後も元カレに執着せず自由な恋愛ができるようになるのです。
しかし、「元カレとの復縁」を目的とすると、たとえ復縁ができたとしても、また元カレを失うかも?という恐れは残ります。
(深層心理的な話をすれば、この恐れがある限り復縁は難しいのです。失う怖れを感じる対象と近づきたいと感じず、逆に離れたいと心は感じますからね。)
つまり、手放しても、心の中の強い執着が手放せているわけではないのです。
このように執着を手放す際は「自分の幸せ」を目的とした手放しを選ぶことが重要なのです。
目的設定を間違うと、手放したのに自由になれないという罠が待っているのです。
「執着を手放す」なら丁寧に準備しましょう
そもそも執着は「大きな価値を感じていた対象」からこそ起こること。
だからこそ、なかなか手放し難いものです。
焦って手放したつもりでも、手放せていないとしたら悲しいですよね。
だから、執着を手放すならば、丁寧にある程度時間をかけて
手放す準備、特に「目的設定」をすることを意識してみてください。
※恋愛における「別れた彼を手放す具体的な方法」は次のページで解説しています。よろければご覧になってくださいね。
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