恋愛の心理学

好きな人との距離の縮め方がわからなくなる心理を解説します

しゃがみ込み悩む女性

恋愛はしたいし、パートナーとの関係は深めたいけれど、距離の縮め方がわからないんです・・・。

人を好きになると急に心地悪い感じがして距離をおきたくなってしまいます・・・

こういったご相談は男女、年齢問わずいただいているところです。

そこで今回は「恋愛はしたいけれど、好きな人との距離の縮め方が分からなくなる理由」についてコラムにまとめていきたいと思います。

よろしければどうぞ。

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好きな人との距離の縮め方がわからなくなる深層心理

好きな人との距離の縮め方がわからない女性

「好きな人との距離の縮め方がわからなくなる深層心理」として考えられることは

好きな人に近づいて自分自身が傷つく怖れを強く感じている

というものです。

僕たちは「自分自身に大きな影響をもたらす人と出会いを怖れる」ことがあるんですね。

もちろんその出会いが良い影響をもたらしてくれるものであれば安心できるんですが

自分が傷ついたり、苦しい思いをする可能性が残っていると、その相手に近づきにくくなるものなんですよね。

例えば、

大好きな異性が現れて、すでに自分の気持ちを持っていかれちゃった、としましょう。

その時点で、いつもの私・自分ではないわけですよ。

相手との出会いで何らかの影響を受けて、いつもの自分とは違う自分になっているわけです。

だから、相手の影響を受けた自分が傷つかないのか、痛い思いをしないのかと不安になりやすいんです。

恋愛で感じるドキドキ自体が怖れ

そもそも恋愛で感じるあの「ドキドキ感」って、怖れを感じている状態なんです。

恋愛で感じる「良い気持ち」とは、好きだなぁ、とか、相手のことが大切だなぁ、二人は通じあえているなぁ、を感じるときに訪れるもの。

基本、異性を意識し、好きになり、近づきたいだとか、相手に魅力を感じているときって、「怖れ」を感じやすいんです。

だから、僕たちは「好きな人に傷つけられることを怖れやすい」というわけです。

言い方を変えれば、その怖れの影響で

大好きな異性が現れたときに、自分の価値観、考え、態度などに執着する、いわば今まで以上に頑固になって傷つかないようにする、といいますかね。

好きな人との距離の縮め方がわからなくなったときの心理パターン

こういった怖れを抱くと、人それぞれで様々な心理パターンを見せるようになります。

具体的には次のような感じです。

相手に好意を抱かれているか不安

相手も自分に好意を持っているのか、それともただの友人としてしか思われていないのかという不安が、積極的に相手に対して関わるという行動を妨げている可能性があります。

過去の恋愛を思い出しすぎる

過去の恋愛で傷ついた経験があると、新しい恋愛に対して臆病になり、距離を縮めることを恐れることがあります。

本来は「今の恋愛と昔の恋愛は違うもの」なのですが、過去の恋愛を思い出してしまう、というわけです。

自己評価の低さ

自分は相手にふさわしくない、という自己評価の低さが、自信をなくさせ、積極的なアプローチをためらわせる原因となることがあります。

すると、理想の恋愛と現実の自分との間にギャップを感じ、理想に近づこうと努力するあまり、自然な関係を築くことができなくなってしまうこともあります。

相手に迷惑をかけたくない

相手に好意を持っているがゆえに、自分の気持ちを伝えることで相手に負担をかけたくない、という思いが強くなりすぎることもありますね。

この怖れは自己評価の低さが影響していることが多いですし、いわゆる「罪悪感・無価値感」といった、自分をより良い存在だと感じられなくなる感情の影響を受けすぎることもありますね。

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一方的に好意を抱くことも変化を恐れている証

また、このような「好きな人との距離の縮め方がわからなくなる怖れ」は

こちらが「好きな人に対して一方的な好意を抱く場合」にも起きるんですよ。

大好きな人を目の前にすると、なんとか自分を取り戻そうと、自分に意識を向け、自分の好意や愛し方に強いこだわりを見せるようになるんです。

例えば

「自分の善意、愛し方、考え方、価値観が正しい」と思い込みたくなるわけです。

自分の愛し方・やり方で恋愛を成就させたいという考えが強くなったりね。

相手を理想化してしまって、ある意味見上げてしまい「きっと素晴らしい人」「この人こそ理想の人だ」と思い込みすぎてしまったり。

相手の好みではなく、自分が好きなもの(プレセントやデート場所など)や、自分が好きな(怖くない)関わり方で相手と関わろうとしたり。

多くの場合、このようなことは

「相手を喜ばせるために」という意識で行われることなんですけど

実際は「自分が傷つく怖れを感じないため」に行われているんです。

だから、自分の考えや価値観などに固執すればするほど、実際は関係が悪化したり、自分自身も苦しさを感じることが増えるはずなんです。

その結果、相手に合わせて柔軟な態度を示したり、相手に興味を持って関わることがめちゃくちゃ難しくなってしまうんです。

要は、心の余裕がなくなっちゃうんですね。

もし、自分がそんな思いをしたくないと思えば、好きな人には近づかない方がいい、となると思いませんか?

自分が変わらなくていい関係性ほど安心するという思い込み

この話を逆に解釈するならば

僕たちは「自分が人の影響で変わらなくていい関係性や環境に身を置いているとき」ほど、安心する、といえます。

例えば、自分が異性から好かれて、追いかけられている立場であるとき。

もしくは、自分の愛し方・やり方にこだわり続けているとき。

このとき、相手からの影響って受けてはいますけど、あまり強く感じません。

だから、「今の自分自身が変わる理由はさほどない」と感じるんですね・・・。

よって、恋愛の中では「追いかけるな、追わせろ」という話が語られるのだろう、と僕は考えていますよ。

ただ、そのとき、あなたのパートナーなど

相手は、あなたから影響を受けて、何かしら変化したり、あなたに合わせるような態度を取っている可能性も大、なんです。

が、こちらが何ら変化せず、自分の考え、愛し方、価値観にこだわり続けてしまうとしたら・・・

さてはて、どんな事が起きると思います?

・・・これがいわゆる「別れの時限爆弾」と呼ばれるものなんですけどね(^^;

ただ、どちらにしても

「パートナーや恋人の影響を受けない(パートナーや恋人からの影響を受け入れる反応を示さない)」

ということは

「パートナーや恋人との関係の中で、自分の考えや価値観にこだわるぞ!」

という宣言でもあるので

「この人は私に興味がないし、自分の考えばかり押し付けてくるよなぁ」

とパートナーや恋人に思わせることにもなる、ってことなんです。

好きな人との距離の縮めるためにできること

そう考えると

「好きな人との距離の縮めるためにできること」とは、「自分自身が好きな人と関わることを怖れない状態に近づけばいい」

ということなんです。

もちろん今すぐに怖れなくなるなんてことはあまりなく、少し時間をかけて自分と向き合う必要が出てくる場合が多いですね。

しかし、自分の幸せのために、じっくり自分のあり方と向き合ってみることには価値がありそうですね。

そのためにできることをいくつかご紹介します。

目に見えないコントロールを手放す

まずは目に見えない「コントロール」を手放すことです。

コントロールの心理とは「自分自身が傷つく怖れを感じないために、自分以外の何かを変えようとする心理」のことです。

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もしあなたが好意を抱いている人を、あなたがあなたの怖れで操作しようとしたとして、関係がうまくいくと思うでしょうか?

対等な関係になれると思えるでしょうか?

答えはNoですよね。

コントロールの意識が強くなってしまったなら、「相手とコミュニケーションしながら関わろう」という意識を持つことがおすすめです。

もっと平たく言えば、自分のために相手を変えようとする(無意識的な)気持ちに気づいて、そこを手放すことです。

それは「自分自身が相手と誠実に向き合う覚悟をすること」でもあります。

相手の影響を受け入れる意識を持つ

以前からこのブログで何度も書いていますけど

「人は自分の影響を引き受けてくれたと感じる人に対しては、相手の影響も受け入れようと思う」

という傾向があるんですよ。

逆に、いくら善意であるとはいえ、あまりに一方的に愛されたり、好意を向けられても、なかなか「嬉しいな」「一緒に過ごしたいな」とはなかなか思えないですよね。

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そのあたり、好きな相手に興味を持ち、自分が相手の影響をある程度受け容れることを覚悟するって、確かに自立的な人にとって苦手なことかもしれないですね。

でも、ガチで愛し合う関係って、そんな感じになりますよね。

なので、相手の影響を受け入れる意識を持ってみることがオススメではあります。

ただ、これは自分を捨ててしまうことでもなければ、相手色に染まることでもありません。

あなたはあなたのままでいいんです。

ただ、大切で大好きな人の気持ちをきちんと感じて大切にしてみる。

そんな意識を持つことなんですよね。

相手のことをよく知り、考えながら関わる意識を持つ

また、僕たちは大好きな人が現れると

「この人と一緒になれたらめちゃくちゃ幸せだろうな」

「この人と一緒に過ごせたら、あーんなことも、こーんなこともできるかも」

なんて妄想、もとい、期待を持つことがありますよね。

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ただ、今からめちゃくちゃ余計なことを書きますけど(^^;

この期待はおそらく失望を導くことが多いんです。

この手の期待は、「自分の中だけで完結しているもの」でもありますのでね。

もちろん、それもまたしゃーないこと、なんです。

期待することが悪いって話じゃないんです。

「そういった期待は相手の影響を引き受けようとしていなかったり、相手の様子を見ていないから生じること」

と気づくこともまた学び、なんですよね。

つまり、好きだからこそ相手に期待にしてしまうより、相手のことをよく知り、考えてみることがおすすめです。

その上で、大切な相手のためにできること、相手が望んでることなどをよく理解して、関わってみるといいんじゃないでしょうか。

最後に

誰しもが一度は経験する、好きな人との距離を縮めたいという気持ち。

それは、あなたが人間らしい証拠です。焦らず、少しずつ歩みを進めていきましょう。

好きな人との距離を縮めることは、自分自身と向き合うことでもあります。

このコラムが、あなたの心の羅針盤となり、新たな一歩を踏み出すきっかけになれば幸いです。

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