浅野カウンセラーへのお礼とご相談です。
去年11/30のブログ記事で言及していただいたものです。その節は優しいお言葉をありがとうございます。ちょっと泣きました。
今回はその後の気付きに関するご相談をさせてください。
実はご相談の直後に転職が決まり、それに伴って引っ越したことで彼とは物理的な距離が離れました。そして引越の直前、彼に彼女ができたことが発覚しました。
心穏やかに友人として関係を続けたい、彼女ができたとしても応援しようと思っていましたが、実際にそうなると想像していた以上に辛く、自分の器はそんなに大きくなかったと痛感しました。
特にこの1年はかなりいい関係でいられたと思っていたので、それでもなお明確に他の女性を選んだという事実は結構しんどいです。
その他にもいくつか思うところがあり、今は距離を置くのが自分のためだと理解しています。
彼女のことを知った直後は「最後に思ってること全部伝えて縁を切ってやる」と思っていましたが、友人に話したりして落ち着きました(たまに来る彼からのLINEには塩対応していたら、何かを察したのか来なくなりました笑)
連絡したい思いも正直ありますが…幸か不幸か仕事が大変なので、今はそちらに注力するつもりです。
そこでようやく相談の内容なのですが、私は自分の感情を把握したり表現するのがとても苦手らしいのです。
今回も自分の正直な気持ちに気付いた時点で既に縁を切りたくなるほど限界を超えていましたし、逆にポジティブな感情も外に出すのが恥ずかしくて締めてしまいます。記憶にある限りずっと昔からです。
振り返れば彼と出かけたとき、「これ興味ない?」「あんまり好みじゃない?」と聞かれることがよくありました。私としては楽しんでいたのですが、彼には無力感を感じさせていたのかもしれません。
今まで恋愛がうまくいかなかったのは、これが原因かもしれないとようやくわかってきました。
が、どう改善すればいいのかさっぱりわからないのです。
どんな感情も一旦理性のフィルターを通して言語化しないと自分にインストールされず、しみじみ嬉しいとか悲しいと感じるまでにタイムラグがあります。いわんや誰かに伝えるをや、です。
素直に自分の気持ちを感じ、フレッシュに表現できるようになるための方策はあるのでしょうか。なんとなく、私の今世の課題なのかなと思っています…
ネタ募集ネーム:メイさん
メイさん、ネタのご協力ありがとうございますm(_ _)m
以前のご質問はこちらの記事でしたっけね。https://www.asanohisao.jp/archives/6388.html
ちょっと泣かせてしまったようですみません。
さて、今回のご質問は「素直に自分の気持ちを感じ、フレッシュに表現できるようになるための方策はあるのでしょうか」ですね。
これはメイさんにとっての「今世の課題」というわけですね。
では、僕もできるだけインストールしていただきやすくするためになるべくロジカルに、かつ若干エモーショナルにテキストを書き進めていきますね。
よろしければどうぞ。
Index
そもそも感情とはなに?
さて、今回のご質問は「素直に自分の気持ちを感じ、フレッシュに表現できるようになるための方策」ということなので、普段はあまり書かない感情についてのお話を書き進めます。
そもそも感情とはなんぞや、という話から。
※この話は、感情についての見解は多数存在するということが前提の上の話です。
まず、国語辞書を引いてみるとこのような記載があります。
「感情」:物事に感じて起こる気持ち。外界の刺激の感覚や観念によって引き起こされる、ある対象に対する態度や価値づけ。快・不快、好き・嫌い、恐怖、怒りなど。(出典:goo国語辞書)
また、心理学における「感情」とは、「心(脳)の情報処理と反応を素早く行う仕組み」という意味で使われます。
人が行動するにいたる仕組みとしては、「感情」→「動機づけ」→「行動」という順に反応が起こると言われています。
他にも、感情の発現は5つの段階によって解説できる、といった話もありますが、ここではそういった考え方があるんだな程度でご理解いただけるといいのかもしれません。
感情を感じにくいとはどういうことか
このような言葉をぐるっとまとめて考えていきますと、ご質問にある「感情(物事に感じて起こる気持ち)を感じにくい」という状態はについて考えてみると、こう考えられるのではないでしょうか。
その人が「何かしらの行動に至る動機づけがなかなか起きない」という事実を示すもの。
もちろん、これはその人の個性、素質によるものという側面も否定できないものだという前提の話なんですけどね。
ここがメイさんのおっしゃる
振り返れば彼と出かけたとき、「これ興味ない?」「あんまり好みじゃない?」と聞かれることがよくありました。私としては楽しんでいたのですが、彼には無力感を感じさせていたのかもしれません。
今まで恋愛がうまくいかなかったのは、これが原因かもしれないとようやくわかってきました。
という部分につながるのではないかな、と僕は考えていたりします。
ただし、メイさんに感情を感じている反応がないのか、というとむしろ逆の様子が伺えるんですよね。
例えば、
彼女のことを知った直後は「最後に思ってること全部伝えて縁を切ってやる」と思っていましたが、友人に話したりして落ち着きました(たまに来る彼からのLINEには塩対応していたら、何かを察したのか来なくなりました笑)
今回も自分の正直な気持ちに気付いた時点で既に縁を切りたくなるほど限界を超えていましたし
この部分の記述がそれに当たりますね。
メイさんは何かしらの感情(情報処理と反応を素早く行う仕組み)がしっかり機能している様子がある、と僕には思えるのです。
ということは、感情を理性のフィルターで抑え込んでいる、というお話もそうですけど、「逆にポジティブな感情も外に出すのが恥ずかしくて締めてしまいます」と書かれてるように、この恥ずかしさという感情が強くて、なかなか自分の思いを表現できずにいらっしゃるのかな、と僕は感じていたりします。
そもそも恥という感情はとてもインパクトの強い感情だ、と僕の学ぶ心理学では言われています。(罪悪感も同じようにインパクトが強い感情だと言われていますけども。)
つまり、感じることがリスクだと感じる感情ってことなんですね。
だから、恥という感情を受け入れがたいと思う分だけ、「感じる」「表現する」というカタチで情報処理や反応を素早く行うのではなく、勘定による身体反応や、心の内での感じ方が起こる瞬間に、グッと抑え込んでいらっしゃるのではないだろうか、なんて推測ができるように思うのです。
今日はなんだか小難しいことを書いていますが、平たくかけば「恥(恥ずかしい)」という感情を抑え込んでいる状態が続いているのではないか、ということです。
かつ、僕の学ぶ心理学では、恥を抑圧すると(何かしらの感情を抑圧すると)怖れ(その感情を感じるのではないかという怖れ)が生じるとも言われていましてね。
そもそも感じたくない感情を感じることは避けたいので、まぁ怖れるというわけです。
すると、恥を感じる状況が「怖くなる」こともあるわけですね。
こうなると、そもそも感じたくないと認識されている感情(恥など)ではなく「怖れ」に対しての防衛反応が起こり始める事も考えられるのですよね。
この「怖れ」にはまぁ「考えること(思考をフル回転させる)」がよく効くんです。怖いときほど考えるといいますか、怖いから考えすぎてしまう、なんてことはよく起こることですよね。
まぁここまでくると、相当感情を隠して、抑えて、こねくり回して、なんてイメージになってきませんかねぇ。
だからメイさんも「フレッシュな表現ができる方策」という表現を使われているのかな〜なんて僕は思うのですけれど。
ちなみに、先に書いた「怖れ」が生じ始めると次のようなことも考えられるわけですね。
例えば、誰かが自分に好意を寄せてくれる、といった状況があったとして。
相手の好意を感じると、やはり「自分が恥ずかしくなる」可能性は高いわけですよね。
そこでもし自分が「恥」という感情を感じたくないという反応を見せたとしたら、おそらくここで「怖れ」を感じます。
少し想像していただきたいのですが、怖れを感じながら喜ぶって、ちょっと難しくないでしょうかね?
だから、怖れを隠すように振る舞ったり、何事もなかったかのように振る舞うなんてこともあり得るのだろうと思うのです。
少なからず僕は今回のご質問を読ませていただいて、このような反応が起きているのではないだろうか、と感じた次第でございます。
感情を感じることが苦手なのは悪いことじゃありません
何より申し上げたいことは「感情を感じることが苦手であること」は悪いことではない、ということです。
誤解を恐れずに書けば「苦手なものはしゃーない」ですよね(^^;
それを、感情を感じられないなんてダセェとか、感情を忘れちゃったなんてさみしいわね、とか、人に言う前に理解しようぜ、なぁ兄弟!なんて風に僕は考えておりまする。
そのほうが自分にもメリットがありますからね。人を理解すると罪悪感とおさらばできますから。
かつ、やはりその方にはそうなる事情があったはずでしょうしね。
ただ、自分自身が何かしらの感情を感じているにもかかわらず、いつも我慢したり強く抑え込んでしまう癖があると、どうしてもその次の「動機づけ」→「行動(感情表現・自己表現)」に至るまでに時間がかかってしまう可能性があるかな、とは思います。
ここがメイさんのおっしゃる「今まで恋愛がうまくいかなかったのは、これが原因かもしれないとようやくわかってきました」というお話とつながるのではないかな、と思っております。
すなわち、自分が何かしらの行動(感情表現・自己表現)に至るまでの時間がかかってしまうので、相手があなたのことを理解できないままでいる時間が長くなるのかもしれません。
人は「わからないものに恐れを感じる」ので、そういった意味では、親密感とは逆の「人と離れたくなる」という理由になりえるものかな、と考えることはできますね。
そういう意味で、僕はよく「分かりやすさ(喜怒哀楽をはっきりさせること)は、悪いことではなく、とてもいいことであり、人に好かれる要素です」なんてお話をさせてもらうこともあるのです。
感情表現を悪いものだと思っていないだろうか?
ただ、日本のように「調和」を求められがちな文化の中で過ごしていますと、ついつい「自分の感情表現を優先すること」に対して、ネガティヴなイメージを持っておられる方も少なくないのかもしれません。
少なからず僕の臨床経験ではそのような方とたくさん出会ってきました。
だから、「言いたいこと、伝えたい気持ちがあっても、それがなかなか言い出せない」「どうしてあの時もっと素直な気持ちを」といった状況で悩まれることもあるのかもしれません。
このようなお話を伺ったとき、僕はこのようなご質問をさせてもらうことがあります。
「感情表現すること自体を悪いことだと思っていたりしますか?どうでしょうか?」
言い換えるなら
「今まであなたが関わった人の中で、やたらめったら感情表現をする人がいてあなたが迷惑を被ったなんてことはなかったでしょうか?」
「あなたのご家族の中で感情的になる人がいませんでしたか?で、その人のこと、ちょっと苦手にしていたり、嫌っていたりしないでしょうか?」
自分の感情を感じることが苦手といった話の場合、自分自身が感情表現に対して苦手意識を持っているという場合もありますが、実は「自分以外の人を嫌っている」ことから、感情表現に対してネガティヴなイメージを持つようになった(自分の中で禁止した)というケースも意外と少なくないのです。
自分が嫌っている人と同じ行動を取る、としたら、自分が嫌っている度合いだけ「人からも嫌われるだろう」といった思い込みが生じますからね。これも一つの投影ですけれども。
ということで、このような事情があると「いわんや誰かに伝えるをや、です」と思うようになっても不思議ではないと思うのです。
このようなやんごとなき事情があるからこそ、実際のカウンセリングの中でも、しれっとこの辺のお話を伺うことがあったりなかったり、いや、かなりある、と言えるのですねぇ(^^;
もちろん「自分以外の人」を嫌っている場合は、その方との関係性の改善やわだかまっている感情を解放して、「私が嫌っている」という罪悪感を解消していくことにより、より感情を素直に感じられ、表現できる自分に近づいていく、なんてことを考えていくことが多いでしょうかね。
ここで使われる癒やしのメソッドは「罪悪感」に対するカウンター、つまり「許し」です。
相手を許すことで、自分の投影を解消し、かつ、感情表現に対するネガティヴな観念を手放していくというイメージです。
素直に自分の気持ちを感じ、フレッシュに表現できるようになるための方策
さて、最後に「素直に自分の気持ちを感じ、フレッシュに表現できるようになるための方策」について僕なりにまとめておきますね。
日常で取り入れることができる方法は「いい感情」を味わう体験、感動体験を増やすことがオススメです。
小説でも映画でも仲間と過ごすでも、何でもいいんですけどね。
とにかくいい感情を感じる体験、感動する体験を積むことで「感情に慣れる」ことが期待できます。
えーなんかよくわかんないよ、と思ってもOKなので、自分の心が好むもの、少なからず違和感や抵抗感を感じない人やモノにふれ、関わると、徐々にフレッシュな感情表現ができるようになると思います。
ただ、人には個性・性分がございまして、いい感情を感じても静々と感じていらっしゃる方もいれば、淡々と感じていらっしゃる方もいます。逆に「どっひゃー」「うぇ〜い!」「ドカーン!」なんて風に感じる方もいるでしょう。
その違いを突き詰めても「違う人間だもの」という話に落ち着くことが多いので、人と自分を比較しても気にせず、自分なりに感じられればOKだと思ってみてください。
かつ、その感動や良い感情を誰かとシェア(分かち合い)をしてみてください。
一人で感じるより、誰かと感じたほうが、いわば「二馬力以上(二人以上)のエンジン(心・脳)」で感情を感じることになりますから、より大きな感情を感じられるようになりやすいものです。
かつ、人に「気持ちを伝える」という行為によって、感情表現自体に慣れることもできます。
逆に、一人で悶々と感じて考えて、ということを繰り返しても悪くはないんですが、感情の表現先がないとなんか「つまんない」って思っちゃうことが増えるんですね。
それぐらい僕たちは「気持ちを分かち合いたい・わかってほしい」と感じる生き物であり、この欲求は必要なものなので消えないんですよ。(※だから人を理解すると好感をもたれやすいのです。)
このようなことは、今の環境では難しいとお感じになる方も多いですが、仲間、家族、職場の同僚などと少しでも「自分の気持ち」「体験」をシェアしていくと、徐々に素直な感情表現に慣れていきますから、できることから始めていかれるといいかもしれませんね。
かつ、自分が感情表現になれると「人の感情表現」にも、理解を示し、かつ共感できるようにもなりやすいので、これはかなりオススメなんですけどね〜。
それでもなかなか自分の感情についてよくわからないと思われたら、僕たちカウンセラーがご提供しているセッション(セラピー)が効果的かもしれませんけどね。感情を扱う手法そのものなので、やはりそれなりの感じ方の変化は起こるようです(個人差はありますが)
まぁそれはそれ、これはこれ、とお考えいただいて、今できること、興味の持てることから初めていただくといいのではないでしょうか。
*
最後に「おまけ」なんですけど、実は、失恋や家族との関係における体験など、多くは対人関係の中でのことですが、自分の心が傷ついている(深い悲しみを抱え込んでいる)と、なかなか感動を体験することが難しくなる場合もありますよ。
この場合は、そもそも感情や心を動かしたくない、できればそっと何も刺激を感じたくないと思っているので、何かしらの感情を(それがポジティブなものであっても)感じること自体を避けたいと反応することがありえます。
この場合は、ゆっくりと抱えている感情や思いを外に出すことによって緩和されていく事も考えられます。
この場合は、ゆっくりと自分の気持ちを整理したり、信頼できる人に話や気持ちを伝えて理解してもらうなどのプロセスが有効ですよ、とお伝えしておきたいと思います。
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