愛深き忍耐女子シリーズ

愛されると辛くなる理由の一つ。セクシャリティを受け入れられない問題

セクシャリティに関するシンボル写真

「彼や彼女に大切にされたり、愛されると辛くなってしまう」

これ、意外とカウンセリングの中で伺うお話でもあるんですよ。

恋愛や結婚生活がうまくいかないというご相談を伺っていると、実は「愛されると辛くなる」という心理状態があって。

だから、彼や彼女のことは好きなのに、なぜか親密な関係を作れないとか、セックスがすごく嫌と感じてしまうとか、結婚を決めるなどパートナーと共に居続けるコミットメントができない、なんて状態になることも少なくないようです。

まぁこういった問題は、僕たちの世界でいうところの「親密感への怖れ」と呼ばれるものから生じている、と言われるんですけどね。

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じゃ、その親密感への怖れはどうして生じるの?という部分を見つめていくと見えてくるものもあるんですよ。

それが今日のコラムのテーマ「愛されると辛くなる理由の一つ。セクシャリティを受け入れられない問題」。

ということで、今日は珍しくセクシャリティの話をしてみたいと思います。

よろしければどうぞ。

セクシャリティという言葉の話

さて、今日はまずセクシャリティの話から始めましょう。

そもそもセクシャリティ(セクシュアリティ/sexuality)とは、人間の性のあり方や、性に関する意識や行動を意味する言葉なのですよ。

恋愛や性的な興味の対象がどのような性別に向くかを意味する「性的指向」や、自分自身がどのような性別だと思うのかを意味する「性自認」などを示す言葉としても使われます。

で、「心のヒーリングの世界」に中でのセクシャリティと言う言葉は

自分自身の内面的な意味合いでの「性的な魅力」であったり

「いきいきとした生命力」のような意味合いで用いられることも少なくないようですよ。

ここでのセクシャリティという言葉は、子供時代から持っている「キャラクター(先天的な性格)」などに、第二次性徴で発達する性の要素が統合することで開いてくる「大人の魅力」のようなものを指しています。

つまり、セクシャリティが開いているってことは

  • その人らしさが発揮されている
  • 他者とは違うオンリーワンな魅力がある
  • 不思議と引き付けられる魅力を持っている

という感じになるわけですよ。

逆に、セクシャルな部分へのダメージが影響していると

  • 自分らしさが発揮されない
  • 自分自身の(性的な)魅力を抑圧する(嫌悪する)
  • 自分自身がいきいきと生きていくための生命力を感じられなくなる

なんてことが起こります。

愛されると辛くなる理由をセクシャリティを受け入れられないという視点から眺めてみる

で、ここからは今回のテーマ「愛されると辛くなる」というお悩みが生じる理由をセクシャリティの傷と言う視点から眺めてみたいと思うのです。

僕たちは愛されたいという欲求や願望を抱くわけで、それが満たされないとやはり残念な気持ちや辛い気持ちを抱くことになるわけです。

だから、僕のもとにお越しいただく多くの「愛されると辛くなる」とお感じになっているご相談者さまは

「愛されたくないという意識は薄く、できれば愛されたい、愛し合いたい」

そう願っておられるのです。

ただ、ここで

「もしセクシャリティを自分が受け入れられない何らかの事情があるとしたら」

と仮定してみると、こんなことが言えるんですよ。

子供時代から持っている「キャラクター(先天的な性格)」などに、第二次性徴で発達する性の要素が統合することで開いてくる「大人の魅力」のようなものがうまく表現できなくなってしまう。

よって、大人同士として愛し合うことが難しくなるので、パートナーシップレベルでの問題が生じることになる。

その問題の一つの形として「愛されると辛くなる」という状態が現れてくる、と考えることができるんです。

確かに「愛されると辛くなる」という状態は、過去親密な関係にあった人に傷つけられたという体験がもたらす痛みによって生じる場合もあるでしょう。

が、どこかで「自分らしさがよくわかんないまま」という状態が続き、「性の要素が統合することで開く大人の魅力」が発揮されていない状態だから、愛されると苦しい、辛い、怖いと感じてしまう、と理解することもできるのです。

大人の魅力がうまく発揮されないと、大人としての(性的な意味合いを含む)愛し合い方が難しくなりますのでね。

大人として受け入れるべき性のエネルギーを毒のように感じてしまう

つまり、愛されると辛いと感じている方の内面をよくよく見つめていくと

自分自身の性的な要素を「毒々しく」感じている方も少なくないのです。

とかく、大人として受け入れるべき性の要素を受け入れることが苦手な方の場合

「性的なエネルギー」に「罪悪感」だとか「痛み」をつなげている場合も少なくないんですよ。

どこか、性的なエネルギーを、ダメなもの、低俗なもの、いやらしくて汚いもの、自分を傷つけるもの、として捉えたまま、という感じですね。(本来はそういったものではないのですが)

だから、自分の中にそういった大人としての性的な要素があってはいけない。(あるとしても封印しとかなきゃ!)

そう感じてしまうんです。(言い方を変えれば子供のスタンスや清純派を貫こうとする感じです。)

ただ、大人として異性と愛し合うときに、自分自身が「性的なエネルギー」を受け入れ使うことになりますし、また異性やパートナーからも同じものを向けられるわけですよね?

だとしたら、それはもう嫌でたまらない、と感じる可能性が非常に高いのです。

このような状態にあると、例えば恋愛でこんなお悩みを抱えること場合があるんですよね。

パートナーとは、人として(友人的に)仲良くなることができたり、一緒にいると約束することができても、男と女として愛し合うことが怖い、嫌だと感じてしまう。

逆に、異性に対して性的な関係を求める気持ちが強まる一方で、その関係は刹那的、ワンナイト的なものばかりになってしまう。

男と女の関係自体がとても毒々しくて悪いもの、隠すべきものだと感じてしまう。

このような状態ってまさに「愛されると辛い」という気持ちを感じる瞬間と言えると思うのです。

本当は大切なパートナーと、精神的なつながり、男と女としてのつながり、そして未来への約束を持ちたいと思う。

けれど、それがうまく果たせない、と感じてしまうわけですから。

愛されると辛くなる状態を卒業するための視点

ここまでは、愛されると辛くなるというお悩みが生じる理由を、セクシャリティという視点で見つめてみました。

では、どうしたらこの状態を解消できんねん?という話なんですけどね。

まぁ、平たく言うと(本来はそんな簡単な話ではないんですが)

「自分とのつながりを取り戻す」と言う視点を持っていくと、解消することができる場合も少なくないんです。

そもそも大人であれば、大人としての性的なエネルギーを感じていても自然なことなのです。

それを少しづつでも受け入れていくことができるなら、大人として愛し合うことへの抵抗感が減り、愛されると辛いという状態を卒業できる場合もあるんです。

ま、性的な要素を嫌わない、受け入れるってことなんですけどね。

具体的にどうしたらいいのか?というと、まぁだいたい

  • 自分自身のあり方や魅力を認めて褒める。
  • 自分が嫌悪している何かを許す

ことになっていく事が多いです。

例えば、自分自身の性的な要素が嫌なのだとしたら、自分の魅力を認めることも難しいはずなんです。

逆に、自分自身の一部を徹底的に嫌悪して押さえつけている場合も少なくないんですよ。

そういった自分を改めて認めたり、向き合って許して受け入れていく、なんてプロセス。

ま、自分は自分なんだから仲良くしようせ!みたいな感じですね。

実際はパートナーに性的な要求をしている人のほうが多い

が、なかなか、そう自然と意識できることは少ないようですよ。

僕がカウンセリングしていて多いな、と感じるのは

「自分自身が大人としての性的なエネルギーを統合できていない(受け入れられていない)からこそ、その要素を異性やパートナーからもらおうとする」

というケースです。

実際はパートナーに性的な要求をしている人のほうが多い、って話なんですよ。

例えば、すごく大人で美しい(かっこいい)な異性にばかり興味を持つ傾向。

男性であれば、ある意味女性を理想化して何でも受け入れてくれる人に仕立て上げてしまったり。

女性であれば、ある意味男性をヒーローとしてみて、かっこいい人の中にはニーズなんてないんだ!という理想を持つ感じ。

自分が好きになる人を理想化し、性的な意味合いでも完璧を求め、気持ち悪さを感じない存在に仕立て上げてしまう感じです。

だから、絶対に見た目やオトナな雰囲気を醸し出す人でないと恋ができないわけですし、恋愛のスタンスとしてはこちらのニーズが強くなりやすいんです。

こちらの性的なエネルギーは統合されていないわけですから、まぁ愛し合うときに相手にこちらの理想ばかり求めることになるでしょう。

ときには、性的な要素(体だけの関係)ばかり求たり、好きな人に強く自分を受け入れることを求めてしまう人もいます。

これってまるで親子のような関係性に似てると思いません?

対等じゃないですよね、関係としては。

だから、恋愛や夫婦関係などがいわば子供っぽさを醸し出すようにもなるわけですよ。

これは、自分自身が性のエネルギーを統合できていない分だけ、無意識的にこういった事が起きるんです。

なので、自分と仲良くしようぜ、自分の中の性のエネルギーは受け入れていこうよ、という話になるんです。

セクシャリティの傷は丁寧に扱うほうが良策

ただですね。

ただ、自分自身の依存的なマインドが強くて「大人になりたくない!」と思っている場合は別なんですけど。

大人の性の要素を受け入れようとしても、なかなか受け入れられない、そこに痛みがあるというケースも少なくないんです。

例えば、子供の頃に性的ないたずらを受けたとか、過去にいじめを受けたとか、男女関係の中で性的な苦痛を感じることが多かった、とか。

そういったダメージがあると、怖くて、気持ち悪くて、性的な要素を受け入れることが難しくなるんです。

それはある意味「癒やされるべき何かがある状態」なのですが、当のご本人としてはなかなかキツく、かなり苦しい気持ちになりやすいと思うのです。

だから、「セクシャリティの傷は丁寧に扱うほうが良策」ともお伝えしておきます。

とかく性的なエネルギーの領域の話は、簡単に自己攻撃とつながりやすい繊細なものなんですよね。

逆に言えば、それぐらい繊細で自己攻撃につながるから、どうしても自分の内面への意識が持ちづらく、自分の外側、つまり異性を理想化してしまうことが増えるのです。

だから、カウンセリングなどを使って丁寧に扱うことがおすすめではあるんですよ。

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