浅野先生への質問
こんにちは。
「好きなのか嫌いなのかはっきりしない男性 その心理と処方箋」で質問をとりあげていただき、ありがとうございました。
彼の魅力はなんだろうといつも考えても答えが出ませんでしたが、「怖くないこと」という答えを出していただき衝撃的でした。本当にありがとうございました。
といいつつ、実は彼とお別れをしました。
理由としては、
1 私が約束を破ったときは拒絶し、謝るまで許さないのに、彼が約束を破ったときは「100%守れるわけがない」と謝罪をしないこと
2 過去に彼が「そばにいるだけでいい」と発言したことがあり、どんなことがあってもそばにいようとしていたが、「私が気分を害することをしたのでそばにおきたくない」と言われたことです。
付き合っていないのに好意をもっていたのは確かに自分だけかもしれません。しかし、喧嘩の中で彼の発言にとても傷つき、例えば「会いたいなんで自分は一度も言っていない」「前は好きだったけど、嫌いにさせる行動をしたのは君だ」「私が彼を好きにさせる努力をしていないじゃないか」「飯を作るだけで好きになるとでも思うなよ」など、すべて彼は悪くないよ発言。
前回の質問にあった「待つ」ということも、努力しましたが結局1か月しか持たず、「やっぱり待てなかった。会いたい」と伝えると、「待つといったのに待てなかったじゃないか。矛盾している」と怒られました。
自分の心が耐え切れず、私からお別れをしました。
今、離れてみて、なんて無駄な時間を過ごしていたんだろうと思います。前は四六時中彼のことが頭にありましたが、今は自分のために考える時間へと変化しました。ZOOMで相談していたときの先生の「自分を大事にする」ということが、本当に分かった気がしました。
今回先生に聞きたいのは、彼のような、人との距離を置きたい、親密になりたくないタイプの人間(なんだと思います)と、どう接していれば、彼が他人を頼り愛を受け取り与えることができたのでしょうか。また、もし私が心を安定して彼と向き合うことができて、そこから迎える結末はどういったものがあるのでしょうか。
ゲームでいうマルチエンディングではないですが、今後恋愛する上でのアドバイスをいただければ幸いです。
ネタ募集ネーム:ごぼうさん
ごぼうさん、ふたたびネタのご協力ありがとうございますm(_ _)m
「怖くないこと」という答え、衝撃的でした?
では、そのあたりの話から、ご質問までお答えしていこうと思います。
よろしければどうぞ。
恋愛観にまつわるあれこれ話
そもそも恋愛の中では「拒絶されるリスク」「異性に対する怖れ」を感じがちですよね。ななので「怖くない→安心できる人」をパートナー選ぶ人、もしくは、安心できると思ったから傍にいようと思えた、とおっしゃる人も少なくないものですよ。
僕も自身の臨床経験から、そのように実感しています。
もちろん、自分に自信がないとか、異性に対する不安から相手に安心感を求めるならば、それは自分自身の課題なんでしょう。ちなみにこの動機でパートナーに安心感を求めると、後で「なんでこの人にしたんだろう」という不満を感じやすくなるものです。
とはいえ、パートナーと長く時間を過ごすなら「お互いに安心できる→余計な気を使わない、居心地がいいこと」って大切なことですよね。
パートナーとよりよく関わること自体、癒やしですからね。
そもそも安心できない癒やし、ってなんか妙じゃないですか?
だから、パートナーシップに安心感を求めること自体はネガティブなことじゃなく、むしろいい関係を長く続けていくために必要なことだと僕は思いますよ。
また、特に与えたい人、愛したい人、彼とつながりたいと感じている人の場合は、「自分が辛くても相手を受け入れていること」を通じて、自分がダメじゃない、むしろ頑張れていし愛せているという「まだ大丈夫」という気持ち(自分にとっての安心材料)を感じたいと思う人も少なくないのではないでしょうか。
それこそ彼への気持ちって自分にとって大切な気持ちだから、だから「受け取ってもらえないならもう・・・」と思っても、なかなか彼を思うことをやめられないという方のお話を伺うこともありますよ。
このあたりの心の動きは、なかなか女性の気持ちをよく知る男性ではない限り、イメージしがたいことなのかもしれませんけども。
ただまぁ、やっぱり自分に合わない恋愛観、恋愛スタイルを取り入れても、なんだか借り物の洋服を着ているようで居心地悪いものかもしれませんね。
そもそも恋愛観って、何が良くて何が悪いって話じゃないと僕は考えていますよ。
そもそも恋愛観に優劣なんてなくて、全て並列だろうよと思っているわけですよ。
もちろん、その恋愛観があまりに一方的で自分のことしか考えていないなら、話は別ですよ。
しかし、多くの方がそうではないわけですよね。僕にはその実感がありますよ。
だからこそ、あまりに自己犠牲的なに恋愛をお考えの場合は、なかなか自分が幸せを実感できないものですから、僕も「あなたの幸せのために違う考え方を取り入れてみてはいかがでしょうか」とご提案することもあります。
今のままでは関係がこじれる可能性が極めて高い場合は、一旦手放しを考えてみてくださいとお伝えしたり、自分を大切にしましょう、とお伝えすることもあります。
これ以上クライエント様が深刻に思い悩んだり、相手との関係で傷つくと、相手をさらに加害者にすることにもなりかねず、よりクライエントさまの想いが叶わなくなる可能性が高まるからですね。
ただ、そうであっても基本的に人の恋愛観に頭ごなしに「それって変じゃない?」っていうことは考えないかなぁ。
「あなたらしいですね」と思うことが多いですし、「好きは好きでいいじゃないですか」ともお伝えしています。
また、自分を成長させて上手に愛そうとすることは愛だろうと思いますが、自分を否定しながら自分を変えて誰かに受け入れてもらおう、許されようとなんてしなくていいって思いますよ。
だから、カウンセリングにお越しいただく皆さんには、人の目や意見に振り回されず、主体的に「自分らしく」「自分が最善だと感じた」恋愛スタイルを取り入れてね、とお伝えしています。
それが分からなくなっちゃったら、自分を見つめる時間を作っていただいて、一緒になってあなたに合った恋愛スタイルを探したり、ご提案することも少なくないですよ。
それこそ「あなたの素晴らしさ、強み」から作る恋愛スタイルそのものですよね。
自分の恋愛観に責任を持てるなら、たとえ失敗しても、痛いけど後悔は少ないものです。僕がよく言う「まぁしゃーない」と思いやすいものですよ。
でも、人の意見だけを取り入れて借り物の恋愛観で失敗したら、そりゃ後悔するし、自分を責めちゃうと思いません?
だから、まずは「あなたがあなたであること」に信頼をおいてもらえればな、と僕はいつも思っています。
それがより伝わるように、うまく実を結ぶように、ときには考え方、モノの感じ方を変化させながら、うまくいくようにサポートさせてもらっているんです。
そして、あなたの恋愛スタイルに合うパートナーはいます、といつもお伝えしています。
大丈夫だから、と。
前置きが長くなりました。ではご質問にお答えします。
親密になりたくないタイプの彼とどう関われば良い?
今回先生に聞きたいのは、彼のような、人との距離を置きたい、親密になりたくないタイプの人間(なんだと思います)と、どう接していれば、彼が他人を頼り愛を受け取り与えることができたのでしょうか。
また、もし私が心を安定して彼と向き合うことができて、そこから迎える結末はどういったものがあるのでしょうか。
はい。まぁ一言で言えば、長期戦覚悟&まずは一旦「今の彼をまんま受け止める」でしょうか。
彼を受け止め、変えようとしない意識を保った上で、相手のことを見ながら、いろいろな提案をするといいでしょうかね。
基本、親密になりたくないと思っている人が恋愛する場合、欲しがっているのは「安心感」であることが多いです。
安心感、もしくは癒やし、でしょうか。
だから、いいか悪いか別にして、この手の男性は「自分の思い通り」にことを進めようとするでしょうし、自分が嫌なこと、避けたいことからは逃れようとすると思います。
特に女性が不安から物事を進めようとすることに強い抵抗感を示す可能性がありますね。
安心感を求めている分だけ、恋愛の場に不安を持ち込まれることを嫌がる傾向があるからです。
そう考えると、本当にこのタイプの人と親密になることだけを考えるとすれば、居心地の良さ、を作ることを考えればいい、となります。
そもそも人が親密になりたくないのは、「自分のことを肯定的に見つめられず、自分を隠しておきたい」「パートナーシップなどにいいイメージがない」「親密な関係になって自分が変わってしまうことが怖い」という場合が多いんです。
どちらにしても怖い、と感じているわけですね。だから安心感が欲しいわけです。
でも、安心感って「否定されないこと、怖れを感じないこと」だけではなくて、二人が親密でつながっているから感じられるものでもありますよね。
つまり、この手の男性は「何事も起きない」安心感を求め、そして多くの女性は「つながる」ことでの安心感を求めている、という場合が多いのです。
この違い、ぜひ覚えておいてほしいなと思います。
そうでないと「彼はきっと安心感を欲しているのに、どうして私とつながろうとしないのだろう」と疑問に思うことになるでしょうから。
ちなみに、この違いを作るのは男女の心理の違いです。
男性は一人になることで心を安定させ、女性はつながることで心を安定させる、という違い。
そもそも安心感を求めるカタチが違う、というわけです。
だからこそ、相手に与える安心感のカタチも違ってきます。
だから、この手の男性は「別になにもしなくていい(相手に期待もしないし、多くを求めない)」という考え方を持っている人が多いってことなんですね。
これを彼なりの愛情だと思って解釈できるか、それともつながれない不安から焦るか。
この選択の違いが、相手をまるっと受け入れ、信頼関係を作れるかどうかの違いになる感じですね。
ちなみに、ある程度相手の影響を引き受けることができていると、相手があなたを信頼しますから、あなたの言葉を受け入れるようになっていくものです。
それでも、なかなか相手が変わっていかない場合、相手は今の居心地の良さにただ依存している場合と考えられます。
いわば「今が心地いいんだからそれでいいじゃないか」と何も変えようとしないし、物事を先に進めようとはしない可能性があるのです。
この場合は、あなたの問題と言うより彼の問題なのでね。まぁ一旦自分のこととして今後のことをお考えになってもいいのかもしれません。
*
最後になりますが、そうはいえども相手とつながれない不安の中で、何もしないで相手を受け入れるって、なかなか難しいことでもありますよね。
つい何かしたくなるし、相手の気持ちを確認したくなるものでしょ。
そんなときは自分の気持ちを落ち着ける事を考えたり、今をどう受け入れるかを考えていくといいんですよね。
そして「彼とつながりたい」と思っている自分を否定しないこと、ですよね。
それはきっと間違いじゃないんです。
つながりたいものはつながりたい。それでいいんです。そう思ってふっと深呼吸しましょう。
あなたが本当に彼のことを考えているならば、その自分にOKを出して、価値を見てあげることが大切ではないでしょうか。
ただし、もし彼とつながれないことで強力な不安や焦りが出てくるならば、それは彼の気持ちの問題ではなく、自分の感じ方そのものなんですよね。
そんなときは「どうしてこんなに焦ったり、不安なことばかり考えちゃうんだろう」という部分を見つめて癒やしていくと、よりおおらかで、気持ちに余裕を感じられて、包容力のある自分に近づいていけるものですよ、と最後にお伝えしておきたいと思います。
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