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好きな人にイライラしちゃう人の心理
「普段はそんなことないのですが、パートナーができると急にイライラが吹き出すんです。」
「友達には全く感じないのに、彼(彼女)には文句ばかり出てきちゃうんです。」
「好きな人ができると相手が憎くたらしくなったり、ついつい口やかましく言ってしまうんです。普段は我慢していますけどそれが苦しくてつい。」
・・・そんなこと自分で解決しなよ、と思います?
個人的な見解では、これって当人にとっては深刻なお悩みなのだろうと感じています。
そもそも好きな人に積極的に文句を言い、憎たらしいわ!と思いたい人なんてそうそういないですよね?
本当はちゃんと愛したいのに、それができない自分を残念に思ってしまうこともあるでしょうし。
実際、こういった自分の感情の動きによって、何度もパートナーと別れたり、ケンカばかりが増えるなんてことも起きるわけです。
いくら「問題は自作自演」といえども、現実だけを見れば「私って(俺って)なんなの?」と自分を疑ってしまうこともあるでしょう。それが自己否定につながって、自信を失ってしまうことにも繋がりそうですよね。
ただ、こういった感情が生じるにも事情があるものなんですよ。今日はそのあたりを深層心理下の動きとして少しまとめてみようと思います。
よろしければどうぞ。
「全く問題がなさそう」と思われがちな人が隠し持っている悩み
僕の臨床経験上、このようなお悩みを相談してくださる方って、普段は「問題なんてなさそう、悩んでなさそう」と見られがちな方が少なくありません。
特別ケンカっぱやいわけでもなく、いつも落ち込み続けているわけでもない。普段は普通に感情をコントロールできていて、社会性の求められる場ではそれをしっかり発揮されている方が多いんです。
ただ、なぜか好きな人やパートナーができると、相手に向ける感情が「妙に攻撃的になる」ので、自分でもどうしちゃったんだろう・・・と不安になっておられる方も少なくないです。
また、普段は理性的な方だからこそ、なかなか人に相談できずに悩まれている事が少なくないんですね。
ただ、恋愛心理学では、恋愛・夫婦関係はプラスとマイナスの感情でできあがっているものだ、と言われています。だからネガティブな気持ちを感じること=即問題だ、とは僕も考えていません。
しかし、いつもイライラ、文句ばかり感じていたり、相手が憎くなったり、ついつい口やかましくあれこれ言いたくなるとしたら、それこそ「好き」という気持ちを表現していないわけですから、自分が辛いし切なくなっちゃうわけですよね。
文句の裏には「理想あり」
このような方のお話を伺うと、まぁ「普段は真面目な方」が多いなと僕は感じています。
「え、私(僕)そうでもないですよ」とおっしゃる方も少なくないのですけどね。
このような方のお話を伺うと、概ね子供時代に「いい子」の役割を担ってきた方が少なくないんですよね。
僕の経験上、かなり多いといえます。
こういったタイプの方は、そもそも親を思う気持ち、誰かを思う気持ちに溢れている事が多いものなんです。
じゃなければ、いくら自分が愛されるためとはいえ、いい子を選ぶとは思えませんよね?どこか親や周りの人が喜んでくれたらいいな、と願っている方が多いものです。
すると、僕はこんなことを考えるんですよ。
「いい子とは、誰にとっていい子なのか」
答えは自分、と言いたいところですけど、子供時代のことを考えるなら「親」もしくは「家族」ですよね。自分が心から望んで「いい子」をやっていて、それで親に貢献できていると感じているなら問題になんてなりませんから。
するとね、「いい子」ほど、親の顔色を伺ったり、親の言うことに反応していくようになると思いませんか?
また、親御さんがとてもしつけなど厳しい人であった場合は、きっと親の顔色を窺うだけでなく、「甘えたいとき」も甘えられず、「自分は面倒をちゃんと見てもらていないな」と感じながら過ごしてこられた方がいても不思議ではないのですよ。
ここに宙に浮いたような「甘えたい気持ち」が登場するのです。
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ただ、子供にとって「甘えたい気持ち(欲求)」を我慢するのはかなりしんどいものですよ。なかなか我慢できるようなものではありませんし、そもそもこの欲求は消えてはくれません。
だから、いい子ほど、甘えたい気持ち(欲求)を「禁止する」という手段に出ることが多いのです。
そもそも「禁止の心理」とは「タブーを生み出すもの」です。
禁止したものは「いけないもの」になります。
つまり、「甘えること」「甘えたい気持ち」は、「いけないもの」となるんですね。
ただ、「いい子」と言えども、やはり甘えたい気持ちがどこかで解放され、自分の気持ちが満たされることも夢見るわけですよね。
すると、自分の心の中に「理想」を作り出すことがあるわけですね。
恋愛で言えば「理想のパートナー」を作り出し、その理想に恋するのです。
また、自分自身に対しても「理想の自分」を作り、その自分になればきっと報われると考えることも増えます。
だから、いい子をやってきた方ほど、何かしらの「自分だけの世界」を持っていることも少なくないですし、理想の自分、こうあるべき自分が強く存在するんですよね。
その多くは「頑張ればいつかきっと報われる」という信念のようなものにもなり、人一倍頑張れば報われるとか、苦しくても耐え続ければさらに自分は幸せになれると考えがちなんです。
その考え方が間違っているとは僕も思いません。
が、ここで考えていただきたいのは「受け取れるかどうか」なのです。そもそも「いい子・いい人」ならば、与えること、人に合わせること以上に、頑張っただけのリターン、人の愛情などを受け取れるかどうかが、幸せを享受するために必要になることが多いのです。
ただ、「甘えてはいけない」という禁止がかかった状態で、さて、人の愛情を受け取れるでしょうか。
甘えたい欲求を禁止すると「甘えてはいけない」気持ちで相手に近づく
人は「甘えたい欲求」を禁止すると、「甘えてはいけない」という気持ちで行動するようになります。
まぁ当たり前といえば、当たり前ですよね。
甘えることがいけないことなら、甘えたい気持ちはあれど、甘えることをよしとしない態度で関わろうとするはずです。
会社や友人関係でも「甘えない・頼らない」態度を取ることになるでしょう。もちろん好きな人、パートナーに対しても「甘えてはいけない」という態度で接するようになります。
ただ、やっぱり「欲求」は逆なんですよね。
ようやく自分に好きな人ができて、今まで我慢してきたのだから、今こそ甘えたい気持ちを解き放とう!と思うはずなんですl.
が、長い間「禁止の心理」によって甘えたい気持ちをブロックしてきたので、なかなか禁止の心理が外れないのです。
だから「甘えたいのに、甘えてはいけない」という態度でパートナーと関わることになるわけですよ。
それはまるで「彼とのロマンスが欲しいけど、求めちゃいけない」みたいな気持ち。
その結果、現実的に自分の欲求が満たされることはあまりないのです。
甘えてはいけないと思う人が甘えを表現することは難しい。愛されることも難しい。相手がどれだけ「甘えてもいいよ」といってくれてもそれはタブーなんです。
だから「大丈夫」が口癖になります。「私は大丈夫です」みたいなね。
しかしずっとうちに秘めた「甘えたい気持ち」は残ったままなんです。
ねぇ、想像するだけで若干切ないし、我慢が募ってくれば、イラッとしても不思議ではないと思いません?
理想のパートナー像との比較
このような状態になると、やっぱり気持ちは落ち着かないし、我慢ばかり募って気持ちがスッキリしませんよね。
もちろんその理由は「禁止の心理」にあるわけですが、なかなかこの事実に気づけません。
そもそもこういった心の動きは潜在意識下のものなので、意識上に上がってくることは稀なんです。
そしていわゆる「投影(自分の感情を相手に映し出す)」が起きます。
そもそも私の好きな人って「理想の対象」ですよね。まぁどれだけ好きかは別にして、そういうものだと思います。
だから、長い間自分の心の支えになっていた「理想のパートナー」の「理想の部分」を、現実のパートナーに映し出すのです。
きっとこの人はやさしくて、自分をすべて受け入れてくれるに違いない。
同じ価値観だから、私の気持ちを受け止めてくれるに違いない。
私の気持ちを理解して、寄り添ってくれるに違いない。
同じ楽しみ、同じ未来を見てくれるに違いない。
ずっと一緒にいてくれるに違いない。
そう感じるんです。
それがいいか悪いかではなく、この状態ならそうなるよね、という話です。
が、実際のパートナーは「内面にいる理想のパートナー」とは違うのです。
一致していたら最高だけど、完全一致はまずないんじゃないでしょうか。自分もなかなか相手の理想通りになれないものでしょうし。
冷静になってみると「理想通りにはいかないよね」と理解できることなんですけど、これが恋愛中や、恋愛が始まる前となると、なかなか腑に落ちないわけですよ。
なぜなら、私が求めているのは「私が甘えられる理想のパートナー」だから。
ずっとそのパートナーを求めてきたからあきらめたくないんです。
その結果、この記事の最初にある「パートナーにイライラする!」「文句ばかりいいたくなる!」「なんであなたはこうなのよ!」といった気持ちが溢れてくるんですね。
だから、パートナーの悪いところばかりが目につくんですよね。自分の理想と比較すればそりゃ悪い部分のほうが見えるはずですけど。
これは「ちゃんと甘えられないじゃない、今まで我慢してきたのに!」みたいな怒りである場合もあります。
私なりに気を使って頑張ってきたのに報われないのかしら、と感じる人もいるでしょう。
逆に、パートナーの立場になって考えてみるとどうなるでしょうか。
相手の気持ちを受け止めてあげたいんだけど、どこをどうすればいい関係になるかがわからないだけでなく、自分が文句を言われてるから、それに耐えられなくなって別れを考え始めちゃうケースも少なくないでしょう。
だから、「パートナーもいい人」だった場合は、よりショックな状況を作り出すことでしょう。
なぜなら「相手も私と同じ雰囲気がするから、きっと私の気持ちを受け止めてくれるはず」と感じやすいもの。しかしその相手とも別れることになったとすれば、「どうして?」って思いません?
きっとあなたなら分かってくれると思っていたのに、と感じるだけダメージも深くなるんです。が、実際はパートナーにイライラしている自分がいるので、なかなか気持ちの置き場所が見つからないかもしれませんよね。
自分を受け入れていくアプローチ
いわゆる「いい子」を担ってきた人ほど、禁止が強い分、心の支えを自分の内面世界の一部に置くことって少なくないんです。
そしてその世界が壊れることをとにかく恐れ、嫌がるのです。
ただ、自分の内面の世界だけではロマンスって感じられないものなんですよ。ロマンスは人との関わりの中で感じるものですからね。だから理想と恋をしてもロマンスは訪れないのです。
また、いい子さんほど、恋愛や社会生活の中で「自分の理想が壊れる」と、その状態をただ前向きに克服しようとするより、自分を否定的に見て「申し訳ない」という気持ちとともに償おうとすることも多いんです。
何が悪かったのかな、と考えすぎちゃう部分があるんですね。
仕事で結果が残せなかったり、失敗すれば、申し訳無さばかり感じてしまうこともあるかもしれない。
親の期待に応えられなかったという事実があるなら、どこか罪悪感を感じながら頑張ろうとするでしょう。
早く自立したいと願い、親の言うことに背いたという思いがあるなら、ここも罪悪感を感じているでしょう。
恋愛なら「彼の気持ちをわかってあげられなかった」という後悔が止まらない人もいるでしょう。償うからもう一回向き合って、という気持ちにも駆られるでしょう。
ただ、罪悪感を動機とした償いでは、自分の世界を元に戻すことはおろか、描いた欲しい世界に進むことも難しくなるんです。
なにより頑張ったことで得られる恩恵も殆どなくなってしまいます。
だから、罪悪感ではなく自分を受け入れ、ありのままの自分にOKを出すためのアプローチが効果的だと僕は考えています。
このアプローチを通じて、自分を受け入れて、そのままで幸せになっていけるんだよと感じていただけるようなサポート、ですね。
例えば、「今までの自分を認めること」
いい子だった自分を認めてあげること。今までの何がどう悪かったとだけ考え続けても前には進めません。ダメ出しはやめて認める。そして認めたら手放す。それでいいんです。
だから、丁寧に自分の気持ちを見つめて、今までの自分をまるっと認めて上げる感じですよね。
あと本命は、親を許すこと。親とのコミュニケーションになりますよね。
この手の禁止やいい子の心理は、親御さんとの関係の中で培われたものが多いもの。
だから、大人になった今、親御さんととっくり話し合って、思い込みを解き放つことも有効な方法です。
子供の頃のことを聴いてみたり、自分の話をしてみたり。今まで禁止され、理想で覆い隠されてきた、親の気持ち、親の思いを知るだけで、胸がジーンと熱くなったりすることもあります。
コレも一つの「ロマンス」なんです。
つまり、親と感じるべきロマンスをパートナーシップに持ち越しても、そりゃ質が違うものだから満たされないかもね、という話でもあります。
もちろん親への感謝の手紙を書いて渡すと、いい効果があります。
ちなみに、親がなかなか素直に愛情を表現しない場合は、親側が自分を隠していたり、恥ずかしがっていたり、罰している可能性も高いのです。
そんな親を理解し、自分がもらえなかった理解や労りなどを与えることで、愛していない罪悪感から解放されますから、「愛されるため」に必要だった禁止の心理はぐぐっと手放していけます。
ただ、このプロセスをすすめるには勇気が必要かもしれません。
なぜなら、愛されていないのに愛するの?という割りに合わないからではなく「超恥ずかしい」から♡
僕も実際に行動しましたが、まぁ何度やめようと思ったことか(^^;
行動するまでは、のわ〜!うんにゃあ〜、ぬぬぬおーって気持ちになりますよ。
行動してしまえばスッキリなんですけどね。
とにかくまずは「自分にOKを出す」こと。その一環でいろいろと取り組んでいくと、愛されるための禁止も緩みますから、イライラも手放していけます。
同時に、「今まで手放せなかった理想」を手放し、自分の幸せをリアルに思い描くようになるんですよね。
すると、自分が本当に求める「リアルな幸せ」に向かって進んでいけます。いわば本当の自分のためになる目的設定が出来るイメージです。
また、自分の本当の気持ちを感じられる分だけ、恋愛でも文句ではなく、ちゃんと言いたいことを伝えられるようになりますよ。
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