夫婦のための心理学

何もしてあげられなかったという後悔。その心理と抜け出し方を解説します。

何もしてあげられなかったと後悔する男女

人生において、僕たちは様々な経験をします。

中でも、「何もしてあげられなかった」という後悔は、多くの人が経験する苦しい感情の一つ。

実際のカウンセリングでも

助けを求める人、大切な人のことを

十分に愛せなかった
最後まで愛し抜けなかった
手を差し伸べられなかった

そう思うと、深い無力感と自責の念に苛まれることがあるんですよね。

それはまるで「自分が何もしていない」ような

「何も価値がない」ような

そんな感覚を感じてしまうのです。

しかし、「何もしてあげられなかった」という後悔は、あなたの価値のなさを示しているわけでもはないのですよ。

だから実際のカウンセリングでも、この辛い後悔とどう向き合い、前に進んでいくのかということがテーマになることも少なくないんです。

そこで今日のコラムでは、「何もしてあげられなかった」という後悔の心理メカニズムを紐解き、乗り越え方や解決策を考えていきます。

あなたが後悔から抜け出し、自分自身を癒し、前に進んでいくためのヒントになれば幸いです。

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何もしてあげられなかった後悔の心理解説

さて、つらいつらい「何もしてあげられなかった後悔」。

これは後悔の中でも「非行為後悔」と呼ばれるものなんですよね。

実は後悔にも種類があり、大きく2つに分類することができるのです。

行為後悔

行為後悔とは「何か行動をしたことによって生じる後悔」のことです。

「もっとこうすればよかった」「あれは言わなければよかった」など、自分の行動を悔やむ気持ちが含まれます。

例えば

  • 好きな人に告白して振られてしまった
  • 仕事でミスをしてしまった
  • ケンカをしてパートナーを傷つけてしまった

この行為後悔が強まることで、「もうミスしたくない、失敗したくない」という思いが強まり、積極的な行動が取れなくなることもあります。

非行為後悔

非行為後悔とは「何か行動をしなかったことによって生じる後悔」です。

「もっとこうしておけばよかった」「あれはやっておけばよかった」など、行動しなかったことを悔やむ気持ちが含まれます。

例えば

助けを求められたときに何もしてあげなかった
自分の意見を言えなかった
チャンスを逃してしまった

いわゆる「何もしなかった罪悪感」を感じやすいケースでもあり、何か行動して後悔するよりも後悔が残りやすい傾向があると言われています。

何もしてあげられなかった後悔がなぜ辛いのか

何もしてあげられなかった後悔がなぜ辛いのかを考えていくと

自己肯定感の低下や、無力感と自責の念が強まるためだと考えられます。

助けを求める人や困っている人を目の前にした時、何もしてあげられないと、自分の能力や存在価値を疑ってしまうもの。

いわば、自己肯定感が低下するということなんです。

そして

「本当はもっとできたはずだ」

「結局何も役に立てなかったじゃないか」

という自己攻撃が始まるんですよ。

すくなからずそのような思考が巡り、無力感や自責の念に苛まれるようになります。

これ、本当にしんどいんですよね・・・。

何もしてあげられなかった相手の気持に共感しているからこそ辛い

そもそも「何もしてあげられなかった」という後悔は

少なからず相手の苦しみや悲しみにある程度共感できているときに起こることなんです。

相手の気持ちを自分なりに想像して、「つらそう」「苦しそう」などと想像することができていた。

「自分が相手と同じ状況だったらどう感じるか」

そう考えることができていた。

にも関わらず何もできなかった。

だから、「何もしてあげられなかった」という後悔が生じるといいますかね。

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しかし、「何もしてあげられなかった」という後悔は、辛いことではありますが、必ずしも悪いことではないのです。

むしろ、その経験を学びに変えることができるなら、自分自身の成長につなげることができます。

何もしてあげられなかった後悔から抜け出す方法

とにかく「何もしてあげられなかった」という後悔は、誰にとっても辛い経験となるもの。

日頃は気丈に振る舞っていても、心の中は後悔と自責の念でいっぱい、なんて方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、その後悔を乗り越え、前に進むことは可能です。

そこで、何もしてあげられなかった後悔から抜け出す方法をいくつかをご紹介します。

自分を責めない

僕たちはどんなに努力しても、どんなに気をつけていても、自分の力及ばないことがあるものです。

この事実を淡々と受け入れて、自分自身を責めないことが大切です。

ただ、何もしてあげられなかった後悔から自己肯定感が低下すると、ある意味で自分を簡単にモノ扱いできてしまうんですよね。

あのとき、〇〇できたはずだ、自分が至らないから悪いのだ、などなど。

でも、これって逆に言えば

「あのとき、自分はどんな事もできたはずだ」

という前提で自分を責めているようなもの、とも言えるんですよね。

だから、自分をモノ扱いしないこと、完璧さを求めないことも、実は自分を責めないために大切なことだったりするのですよ。

なにを後悔しているのかを絞り込む

もし、止まらない後悔が続くなら、「自分が何を後悔しているのか」を絞り込んでみることもおすすめです。

特に強い後悔が出ているときは、普段は気にしないようなできごとでも後悔の対象となることがありますしね。

後悔しても仕方ないと思うのに、後悔を続ける自分を責める気持ちが溢れてくるものです。

この自己攻撃の連鎖はかなりつらいものなんですよ。

だから、もし気持ちに余裕があるならば、何に後悔しているのか、具体的に整理するために書き出る方法もありますよ。

何ができたはずだと思っているのか。

自分に何が足りなかったのか。

そのあたりを整理することで、気持ちの対処、その一助になると思います。

人に助けを求める

一人で抱え込まず、人に助けを求めることが有効に作用することもあります。

特に誰にも言えない後悔を抱えているときってすごく苦しいですよね。

胸が詰まるような思いが続いたり。

何をしていても気分が落ち込んでいたり。

気が気じゃなかったり・・・。

例えば、信頼できる人やカウンセラーなどに話を聞いてもらい、客観的な意見やアドバイスをもらうことで、気持ちが楽になることもありますよ。

また、同じような経験をした人の話を聞くことで、気持ちが楽になることがありますしね。

後悔から何を学ぶかを考えてみる

「何もしてあげられなかった」という経験は、自分が成長するチャンスでもあるんですよね。

この後悔を例えば

「もし自分が助けてもらえる立場だったら、どんな行動をしてもらいたかったのか」

といった風に考えることで、相手への思いやりや理解が深まることも少なくないものですよ。

もちろん、自分を責めたり後悔の念が強いときは、なかなか前を向けないものかもしれません。

ただ、それもまた大切なプロセスですし、一つの感情なのです。

一人で向き合うよりは誰かと向き合うことがオススメです。

が、丁寧に自分の気持ちを認めていくことで、後悔から抜け出して学びに変えることも可能になるんですよね。

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