恋愛の心理学

恋愛・結婚への怖れは「自分がなにかを失う怖れ」ともいえる

浅野さん

こんにちは。
先日3年半お付き合いした彼(バツイチ)とお別れしました。
当方30代後半です。
私としては結婚したかったのですが、
彼としては、あんまり自然体で付き合えていない、価値観が違う、タイミングが合わない事が多い、すれ違いが多い、考えている事が分からない、あまりガツガツするのはしたくない、と何か揉めた時にいつも言います。

私と彼の考え方の違いも、あって当然なのですが、彼としては受け止めてきれない事が多かったのかもしれません。

今は、彼が感じていた違和感やすれ違いを、私がどう受け止めたらよかったのか考えていますが、とても漠然としているようで、消化しきれません。

時間が経てば、落ち着いて振り返る事もできるとおもうのですが、浅野さんのこちらのブログを知ってしまったからには相談せずにはいられません。笑

よろしくお願いします。

ネタ募集ネーム:そらさん

そらさん、ネタのご協力ありがとうございます。

相談せずにはいられないと書いてくださったので、こちらもお返事せずには、と思いつつおまたせしちゃってすみません。

ご相談を拝見していると、そらさんおっしゃるように、今までのことはきっとご自身で気づかれていくのだろうなぁ、と僕も思いましたよ。それぐらい相手を受け止める力が大きい方なのかな、とも感じましたし。

ただ、今回はしっかりご質問いただいたので、僕なりにお答えしたいと思います。

よろしければどうぞ。

恋愛・結婚に対する怖れは「自分がなにかを失う怖れ」ともいえる

私としては結婚したかったのですが、
彼としては、あんまり自然体で付き合えていない、価値観が違う、タイミングが合わない事が多い、すれ違いが多い、考えている事が分からない、あまりガツガツするのはしたくない、と何か揉めた時にいつも言います。

この反応は「お互いの恋愛に求めるものへの違い」と見ることができそうですね。

が、恋愛心理的に見ると「自分が何かを失ってしまう怖れ」と考えることもできるんですよ。

そもそも恋愛を怖れる人、愛し合うことを怖れる人というのは、「自分がどうにかなっちゃうんじゃないか」と怖れているものなんですよね。

ここでは一つの死、今までの自分が死んじゃうような感覚がするものです。だから頑なに一人になろうとする(現状維持をしようとする)わけです。

が、実際は感情レベルでの再生、生まれ変わりが起きるだけなんですけどね。それは「なってみないとわからないこと」でもあります。

たとえば、たった一人で生きてきた人が、自分から愛することで充実感を感じ、相手から愛されることで幸せを感じる、なんて変化が起きるとしたら、それは過去の自分が変わっちゃうような体験ですよね。

僕たちはそれをどこか望みつつ、しかし、そうなってしまうことを怖れているものです。

だから、今の自分を変えないためにあれこれ言いたくなることが多いんです。

そのあれこれの中身がどうであれ、突き詰めると「もう一度親密な関係になることを怖れている」ともいえます。

もちろん、彼自身もなにを失うことを怖れているのか、自覚があったかどうかは別ですし、だからこそ、彼のそばにいてもなかなか気づけないものかもしれません。

もちろん彼が「これからは一人じゃなく、もう一度相手と新しい世界を作るんだ」と思えれば前向きですよね。

こうなるには「自己開示」が必要になる、といえます。

自分から自分のハートをオープンにし、前向きなコミュニケーションを取ること、ですね。

しかし、彼自身の過去の総括ができていなかったり、まだ気になる過去の出来事(ハートブレイクなど)などがあると、一人でなくなることのリスクばかり見てしまいますから、おそらくハートをオープンにしない(結婚には前向きにならない)こともあるかな、と僕は思います。

もちろん僕はその彼のことをダメだと思っているわけではないですよ。それぐらい「一人で生きる」ことに何かしらの意味を見出してきたのだろうと考えるだけなんです。

そこで彼の態度を愛しているという名目でこじ開けようとすると、やっぱり相手は頑なにブロックしてきますし、こじあげようとしている側も不安や不満が溜まりやすくなりますよね。

一度別れを経験しているからこそ抱える恋愛・結婚への怖れもある

これは一つの可能性の話ですが、彼がまた結婚して自分を変えようとしても、「うまくいかないとしたらどうしよう」と怖れている場合もありますよ。

それはパートナーへの不信ではなく、自分への不信から。

もしそうだとしたら、彼は誰も傷つけたくないし、誰かが傷つく姿は見たくないし、自分が大切な人のそばにいる自信を失っていたのかもしれませんね。

これ、いわゆるバツイチ男性に多いパターンなんですけど、「誰も傷つけない方法は、相手と近づかないことだ」と考える人もいるんです。

それはまるで絶対に触られない方法は恋愛しないこと、みたいな極端な考え方です。

ただ、そこまで彼が考えていたなら、おそらく彼はそもそも恋愛すらしないだろう、と僕は考えるんですね。

だとしたら、彼はあなたに言い出せなかったことがあったのかな、と思います。

もちろん言い出さなかったのは彼なので、聞き出せなかったと考える必要はないのかなと思いますけどね。

恋愛・結婚へ怖れを抱く彼をどう受け止めればよかったか

私と彼の考え方の違いも、あって当然なのですが、彼としては受け止めてきれない事が多かったのかもしれません。

今は、彼が感じていた違和感やすれ違いを、私がどう受け止めたらよかったのか考えていますが、とても漠然としているようで、消化しきれません。

そうですね。

ただ、そうお考えになっているということは、そらさん自身が彼のことを見て、愛しておられた証拠ではないか、と僕は思います。素晴らしいと思います。

きっとあなたが彼に指し示したかった方向は「幸せ」だったんでしょうね。僕はそう感じます。

ただ、多くの自立男性って「相手の役に立ちたい」とは思うものですが、「俺、自分の何かを失うことが怖いんだ」「こんな不安がある、一緒に考えてほしい」と自己開示する人がどれだけいるのだろう、と僕は考えてしまいます。

それぐらい、男性がパートナーに言い出せない不安って「ヒリヒリ」しているものだと僕は思います。だから言い訳するし、文句も出る。ときにはパートナーのことを批判することもあるでしょう。それこそ怖れの影響ですね。

もちろんその行為がいいかどうかといわれれば、避けるべきことだと僕も思います。言われる側のことも考えてみていただきたいな、とも思いますよ。

ただ、そう言いたくなる男性の気持ちも分かる、という話です。

そもそも多くの男性が「本当の不安」を女性に話すって、まるで「あぁ自分は終わったな」と感じるようなことなんです。深層心理に罪悪感がある男性は「あぁしょうもない自分は彼女に罰されるわ」とかなりの確率で感じますからね。

実はその後、愛のある女性に愛される結末が来るとしても、それがなかなか信じられないのも男性。実は女性が弱さを愛してくれると知っているのがプレイボーイタイプの男性だった、みたいな話もありますね(余計な話でした)

それぐらい自分の弱さを受け容れ、パートナーに見せることに抵抗を持つものと僕は見ています。これが一つの男性の「限界」〜自分が何かを失うことを怖れる〜を示すものだと僕は考えています。

今回の場合は、彼にとっての「自分が傷つかない(誰も傷つけない)安全な生き方」だったのかな、という気がします。

 

もしここで彼の不安をどう受け止めたらいいのかについてだけ考えるなら

「男性がなにを不安にしているのか、そこをおおよそ検討をつけて、その上で男性を見て、『分かってるよ』『大丈夫だよ』と伝えること」

これが受け止める方法になったのではないだろうか、と僕は考えます。

が、今回のご質問では彼がその意識で、なにを不安に感じていたのかまで、読み取れないので申し訳ないのです。

ちなみに、その彼がどんな女性とご結婚されていたのか、が僕は気になっちゃうのです。彼はどんな女性とどんなやり取りをしていたのか。そこに受け止める方法、ヒントがあったような気がします。

 

ただ、これはテクニック的な話でもあって、もし結婚を渋る彼がいたとしたら、二人の間に「相手に対する思い」はあれど、喜びが少なくなっていた可能性があるかもしれない、と僕は考えてしまいます。

喜び、楽しさ、充実感、幸福感、親密感がどれだけあったか、ですね。

もちろん、きっとそれがなかったわけではないのですよね。でなければ3年半も関係って続かないと思いますし。

ただ「これからの現実にどう対応するか」つまり「どうしたらいいか(どう愛せばいいか、どう受け止めればいいかなど)」という「ネガティヴな意識」が増えれば増えるほど、二人の関係ってどんどん硬くなっていくことがありますからね。

困っている部分をなんとかすると考えると、その意識としてはネガティヴになりますよ。

二人でよろこびあおうとする意識や、私はあなたを喜ばせる人なんだよ、と感じる気持ちはポジティヴになります。

その喜びを持ってパートナーと接する事自体が、実は相手を受け止めていることになるし、承認し祝福していることになる、と僕は思います。

最後に

最後になりますが、今回のご質問、内容がとてもコンパクトに纏めていただいていますが、そこからあなたの誠実やさ成熟さを僕は感じたりもしています。

最後まで彼のことを大切に思い、別れを選択されたのではないかな、と勝手に想像していたりもします。

だとしたら、どう受け止めればよかったのか、というご質問も、僕なりにですがなるほど、と思えるのです。愛だなぁ、って思うんですね。

どうかご自分の素晴らしさを感じていただければ、と思います。

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