恋愛の心理学

「なぜあんなこと伝えてしまったのだろう」という後悔はどこから生じるのか

「なぜあんなこと伝えてしまったのだろう」という後悔

恋愛・ご夫婦にまつわるご相談を伺うなかで

「私、あのときどうしてあんなこと言っちゃったんだろう」
「もっと冷静に話し合えたはずなのに、なんで勢いで話ちゃったんだろう」

などなどのいわゆる「後悔」についてのお話を伺うことがあります。

あーんなこと、こーんなこと、そーんなことを伝えちゃったばっかりに、関係がこじれちゃって、もう自分のバカバカ。

でもさー、仕方なかったよね、自分だって辛かったわけだし・・・というお話を含めて。

このような後悔を放置しておくと、たしかにバツの悪さやケンカの理由となる「気分の悪さ」を作ってしまうので、できればケアしておきたいところですよね。

今日はそんなお話です。よろしければどうぞ。

後悔しちゃうような言動は「ある誤解」から生じる?

さて、あなたはこういった悶々とした気持ちを抱えることってないでしょうか。

「私に気づいてほしい気持ちがあるのに、相手が全く気づいてくれない。」
「相手の気持が離れていっているんじゃないかと思うと不安が強い。」
「私が、何度言っても相手は何も変わらないとしか思えない。」

これこそ「あとで後悔につながる行動の動機」になるものだと思うんですよ。

例えば、まだ付き合う前の男女関係なら

いい加減、私の気持ちに気づいているだろうに、彼がまったく気づかないふりをしているようにみえた。

そんな彼の態度にイライラして「もういいわ、ぶっ飛ばす!」みたいな気持ちになって、つい彼につっかかっちゃったら、相手から連絡がなくなっちゃったよ~とか。

恋愛中なら

彼の気持ちが離れていっているようにしか思えないから、彼に急に詰め寄っちゃった。不安も怒りもぶつけちゃった~とか。

夫婦問題なら

あんなに家族のことをもっと大切にしてよ、といっていたのにも関わらず、自分勝手な行動ばかりするものだから、めっちゃブチ切れた。そしたら、相手がプイっと出ていったきりで帰ってこない。なんであんなこと言っちゃったかな~とか。

こういった「あとになって後悔問題」ってたくさん伺ってるんですよね。

どうしたらもう一度相手と向き合えますか?というお話も含めて。

相手に謝ったらいいの?
自分の本当の気持ちを伝え直せばいいの?

確かにそれでもう一度向き合えるなら、それが正解でしょう。

しかし、中にはそれだけではもう一度向き合うことができない、というケースもあるわけです。

このようなご相談をいただくとき、僕はこんなお話をすることがあるんですね。

「んー、もしかするとあなたが自分自身を過小評価しすぎていたのかもしれませんよ」

なぜ「あんなこと言っちゃった後悔問題」と、自分の過小評価がつながるのかといいますとね・・・。

自分の影響力を過小評価するから言い過ぎる・やりすぎる

さて、僕たちが後で「あぁやっちまった・・・」と後悔するような言動を取る理由の一つに

「自分の影響力を過小評価」

があります。

要はですね。

どこかで「自分の言動には大した影響力がないだろう」と思い込んでいると、「ま、多少ね、強く言ったり、相手が嫌がることをしても許してもらえるっしょ」なんて思い込みやすくなるんです。

それは、文句も、怒りも、努力も、犠牲も、ときには軽い気持ちで伝えたリップサービスもと、まぁいろいろですよ。

※もちろん相手との信頼関係をベースに言いたいことをいう人もいるでしょうが、その場合はこの話とは別、とお考えください。

つまり「自分にはある程度の影響力があるんだよなぁ」という自覚(感覚)があれば、比較的後悔するような言動を取らないようになるものなんです。

「ここでこうしたら、こんな影響があるのでは?」といったシュミレーションが可能になるといいますかね。

逆に、自分には力がない、魅力がない、そんなに素晴らしくないなどと感じていると、もうその時の感情に流されてしまうこともしばしば起こります。

「相手をぶっ飛ば~す!」みたいな勢いで断定的、攻撃的な表現してしまったり。

「自分の気持ちが相手に伝わらないんじゃないか」と思い、しつこく強く何度も同じことをくどくど伝えてしまうことも起こり得るわけですな。

ちなみにこういった行動の背景には、感情的には無力感、無価値感の影響を見ることができる場合もありますよね。

後悔は「何かを受け取れていないとき」に起きやすい

つまり、後悔してしまうような言動って、自分自身が「何かしら自分の価値や影響力を受け取れていないときに起きやすい」とも言えるんですよ。

これ、別に偉そうな態度をとったり、人よりも秀でていないといけないって意味ではないんです。

そもそも自分に備わっている良さ、価値、魅力などを受け取れているか、って意味です。

そういう意味では、後悔しないためには、他の誰かのようにならねばならないわけではない」のです。

ただただ、自分に備わっている価値や影響力を知る、受け入れることが重要なんです。

そして、その影響力をできればいい形で発揮することができれば、より良い関係、より良い結果を導きやすくなるわけですよ。

しかーし、実は「自分には何かしらの影響力がある」と自覚すること自体、とても怖いことでもあるのです。

どこかで「魅力的でありたい」「力やステータスが欲しい」と願っている反面、実際にそれを手にして自覚的に振る舞うことに抵抗感を抱く人って少なくないんです。

例えば、目立ったら叩かれそうとか。

人から嫉妬されそうとか。

もし相手に悪影響を与えてしまったらどうしよう、とか。

「へーあなたはその程度の結果しか出せないんですかぁ?」なんて他人から刺されたらどうしよう?なんて慄いてみたり。

ただまぁ、これらは外的な帰属意識だったりするんですけどね。

本当に恐れているのは「自分自身のエネルギー、パワー」であって、それを自分自身がうまく受け入れきれていないってのが実情かもしれません。

自分の内面に存在するものを(それがとても素晴らしいものであっても)自ら恐れている(嫌っている・隠している)。

だから、他人もまた自分と同じようにそれを嫌うだろうという、いわば投影の作用が働くこともありますね(もちろん無意識的ではありますけど)。

つまり、誰しも願望としては「影響力」を求めているのですが、実際は「イラない」風な言動をしていることが多いものです。

だから、ついつい自分の影響力を過小評価し「いやいや、私はそんなに大したことはないですから~」と、言いたくなってしまう部分があるわけです。

が、その結果、後悔が増えるとしたら、さてはてここは考えどころじゃないでしょうか。

自分の価値や影響力を受け取るか、どうするか、をね。

後悔しやすい自分からの卒業について考える

もし、あんであんな事を言ってしまったのだろう的な後悔を重ねたくない、とお思いならば。

「自分の価値や影響力を認めて、受け容れていきましょう」

というご提案をさせていただくことになるのです。

もちろんその時々の溜め込んだ感情の解放とともに行うことが多いんですけどね(つまり自分の影響力を恐れているのに、その恐れを無視して無理やり影響力を受け取るなんてことはオススメしないってことですけど。)

ゆっくり着実に自分の影響力を知り、認めていくことは、自分自身と誠実に向き合うことでもありますしね。

これができるようになると、自然と他者とも誠実に向き合いやすくなっていくんです。

その結果、後で後悔しちゃうような、場当たり的な言動や、感情に流された行動は取らなくなるものですよ。

自分の一言・行動に影響力がある。

本気でそう意識すると急に怖くなっちゃうものですが、しかし、ここをちゃんと受け止められると自分が感じる世界が変わります。

どこかいい意味で「背筋が伸びる」ような感じがしますしね。これまたいい意味での意識が高まっている証拠といいますか、言い方を変えればいい意味でセクシャリティを発揮できているとも言えるんですよ。

そして、自分から「いい影響」を発信できるとしたら、更に「私って愛と喜びの存在」と、もっともっと感じ取れることでしょう。

 
ABOUT ME
浅野 寿和
カウンセリングサービス所属心理カウンセラー。名古屋を中心に東京・大阪・福岡で〜旅人のように〜カウンセリング・セミナーを開催。心理学は現実で使えてなんぼ、がポリシー。
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