恋愛の心理学

自分の気持ちが分からないときは「自分とのつながり」を取り戻すとき

他に好きな人ができたと悩む女性

「自分の気持ちがわからなくなった」

カウンセリングでもよく伺うことがあるご質問の一つ。

自分のやりたいことがわからない。

何が好きなのかわからない。

好きな人ができても、途端に気持ちが冷めてしまう。

人からの好意や評価が嬉しかったけど、今は全く喜べない。

ただ、「自分の気持ちがよくわからない」と感じることって実は珍しいこと、特殊なこととは言えないのです。

つまり、そう感じるのは決してあなただけではない、ということなんですね。

現代社会は多様で複雑。僕たちは日々様々な情報や刺激にさらされています。

その中で自分の気持ちを整理し、理解することは、容易なことではない、という側面があります。

なぜ自分の気持ちがわからないのか? その心理的背景

自分の気持ちは自分が一番よくわかるはず。

誰もがそう理解しているはず。

では、どうして自分の気持ちがわからなくなるのでしょうか。考えられる理由をいくつかご紹介します。

さまざまな情報や価値観に触れる機会が激増している

例えば、SNSやメディアを通じて、様々な価値観に触れる機会が増えていますよね。

みなさんもモバイルデバイス一つあれば、様々な情報に触れることになると思うのです。

さまざまな情報を得ること自体、決してネガティブなことではありません。

しかし、自分自身が疲れていたり、不安に襲われているときや、辛いこと悲しいことに遭遇して心が傷んでいたりすると

「あれ?自分の考えは間違っているのかも。〇〇の考え方のほうが正しいのかな」

そう思うことが増えると、自分の価値観が揺らぎ、何が本当に大切なのかわからなくなることがあります。

感情の抑圧と本音の隠蔽

僕たちは日常の中で、周りの人に気を使いながら生きていますよね。

すると、自分の素直な感情を表現したり、本音を隠してしまうことも多々あるのではないでしょうか。

このように自分の感情や本音を隠していると、知らず知らずのうちに自分の感情、気持ち、本音がわからなくなってしまうことがあります。

完璧主義傾向・役割を演じ続けている

また、日常の中で常に完璧な自分、求められている役割を完璧に担おうとするあまり、自分の弱みや感情を認められずにいることがあります。

すると、いつの間にか演じている自分(ペルソナと呼ぶこともありますね)が板につきすぎてしまって、本来の自分でいる時間が少なくなり、自分のことがよくわからなくなってしまうことがあります。

「自分の気持ちが分からない」と「癒着」の関係性

また、心理的な癒着が強くある場合も、自分の気持ちがよくわからなくなることがあります。

癒着とは自分の気持と他人の気持ちがくっついてしまっている状態、のことを指しまして、実は多くの人がこの癒着を持っているとも言われているんです。

もちろん癒着の程度にもよるのですが、あまりに癒着が強いと自分自身のこと、自分自身の気持ちがよくわからなくなってしまうんです。

癒着ってなかなかわかりにくい概念だと思うのですけれども、要は癒着が起きると自分の心(の一部)が、誰かに乗っ取られてしまうようなイメージです。

もちろん癒着は双方の影響で起きるので、乗っ取った側がどうのこうの、という話ではないのですけどね。

本来、他人と自分の人生は別々のもので、他人がどう判断しようと自分の行動には影響しないし、その逆も然りです。

しかし、癒着があると、要は相手の感情や価値観の影響を無意識的に受け続けてしまうわけです。

結果、「自分のことがよく分からない」となるのですね。

また、僕たちは、自分自身とつながれていないとき、外側ともつながることができなくなってしまう、と言われています。

しかし、僕たちは自分の気持ちがよくわからないと感じるときほど、外側の刺激を求めて行くことが多いんですよね。

なお、癒着状態にあると日常生活の中で、こんな思いを抱きやすくなることがあります。

受け身なスタンスの特徴

  • 経験豊富な親や彼(彼女)や上司や先輩はいつも正しいことを言っているはず
  • 実はやりたくないことでも彼や彼女、職場の同僚などの仲間が不機嫌になりそうだと無理して頑張ってしまう
  • 周囲が許してくれそうなことだけをやり、許してくれなさそうなことは最初からあきらめる

与える側のスタンスの特徴

  • 彼(彼女)の能力だけではうまくいかないと思って、いつでも彼(彼女)にあれこれ口出ししている
  • 彼や彼女には正しいと思うことを伝え、うまくいきそうにないと思ったことは否定する

分からなくなった自分の気持ちを理解するための方法

自分の気持ちがよくわからなくなったとき。

それは「自分との(心の)つながり」を取り戻すときです

自分の気持ちがわからなくなったとき、外側に意識を向けたり、他者とのつながりに意識が向きがちなんですけど、実は自分とのつながりを取り戻すことによって、他者とのつながりや絆を感じるようになることが多いんです。

なので、まず自分とのつながり、を重視していくことがおすすめなんですよね。

その方法として、自分の気持ちを見つめ直したり、無意識的に癒着している人がいるならばそれを手放すことなどが考えられます。

具体的には次の通りです。

感情日記をつける

毎日、感じたことを書き出す習慣をつけましょう。どんな時に、どんな感情が湧き起こったのかを具体的に記述することで、自分の感情のパターンが見えてきます。

自分の内側に意識を向けることで、心の状態を客観的に観察することができます。

また、感情を表す言葉をたくさん知っておくことで、自分の気持ちを言葉で表現しやすくなります。

自分のために時間を使う

好きなことをすることで、ストレスを解消もできますし、日常の中で心のゆとりを持つことができます。

自分がいいなと思うことが見つからない場合は、カウンセリングや上記の感情日記などを使って自分の気持ちを整理していくといいですね。

また、自然の中で過ごすことで、心が落ち着き、自分自身と向き合うことができます。

周りの人に相談する

信頼できる友人や家族など、自分の気持ちを率直に話せる人に相談することで、客観的な意見をもらうことができます。

また、カウンセラーなど専門家のサポートを受けることで、より深く自分の心の状態を理解することができます。

癒着について向き合い手放す

癒着がある場合は手放すことがオススメです。

なお、癒着を手放す方法については様々考えられますが、癒着に気づくこと、癒着を作る感情を手放すための理解を深めたり、癒着を手放したあとに生じる恐れや罪悪感を手放す、消化する、などがあります。

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