ほぼ30代からの心理学

劣等感について 〜劣等感に苛まれたときの対処法〜

心理学講座のシンボル

劣等感を抱くと、僕たちの気分はとても落ち込みやすく、また自分を傷つけやすくなるものです。

自分はダメだ、という気持ちを抱きやすく、自己攻撃によって、自分自身の心がダメージを受けていくのですね。

ただ、大人であればあるほど「自分はダメだと感じている事自体を隠す」ようになるものかもしれませんよね。

うまくいかないことが続いて強烈な劣等感に苛まれながらも、誰にも相談できずに苦しんでしまうこともあるやもしれません。

ときにはプライドが邪魔して、見栄を張りすぎたり、無理をしすぎたり、劣等感から他人をマウントしたり、攻撃してしまうことも起こり得ます。

そこで、この記事では「劣等感」について心理学的に解説したいと思います。

劣等感とは

劣等感とは「自分が他人よりも劣っていると感じる感覚」です。

この感情は、誰でも経験する可能性があり、成長の過程で自然に生じることもあります。

しかし、過度な劣等感は、心理的な苦痛や行動の問題を引き起こす可能性があります。

とかく自己嫌悪が強まる思春期に、他者との関わりがうまくいかなかったり、何らかの挫折経験をすると強い劣等感に苛まれ、自分自身をちっぽけに扱う曲がついてしまう場合もありますね。

もちろん思春期に限らず、夢や目標を実現できず挫折してしまったり、他者とうまく交流できず孤立してしまうなどの経験から、劣等感を強めてしまう場合もあります。

また、家族との心理的な癒着がある場合は、親や家族、育ちなどに劣等感を抱き、「この家で育った自分は劣っている」等といった認知を持つこともあるでしょう。

劣等感とその心理学的見解について

劣等感に関する心理学的見解は、いくつかの学派によって異なります。

アドラー心理学

アルフレッド・アドラーは、劣等感を人間の行動の動機づけ要因の一つとして捉えました

アドラーは、人は劣等感を克服しようとする欲求を持つと考え、この欲求が成長や自己実現につながるとしました。

認知行動療法

認知行動療法では、劣等感の原因となっている思考パターンや行動を特定し、修正することを試みます。

例えば、「自分はダメな人間だ」という否定的な思考を、「自分にも良いところがある」という肯定的な思考に変えることを目指します。

人間性心理学

人間性心理学では、自己肯定感の重要性を強調します。

自己肯定感とは、自分自身を肯定的に評価する感覚であり、劣等感を打ち消すために重要です。

自己肯定感を高めるためには、自分の良いところや強みを認識し、受け入れることが大切だと考えます。

劣等感に苛まれたときの処方箋

では、劣等感とどう向き合うかについていくつかご提案したいと思います。

劣等感を抱く自分を受け入れる

まずは、自分の劣等感を認め、受け入れることが大切になりますね。

ただ、劣等感を否認したくなる気持ちは個人的にわかる気がします。

あまり積極的に認めたいとは思えないものだと思いますしね。

ただ、劣等感を抱く自分を認めないという態度や意識が強くなりすぎることで、自分を攻撃することになったり、うまく自己開示できず他人との関わり方の障害になることもありますので、少し勇気を出して自分と向き合うことがオススメです。

自分を許す視点を持つ

完璧な人間はいません。誰でも失敗したり、弱点を持っています。

自分自身を許し、受け入れることで、心が楽になります。

また、目標を達成したり、困難な状況を乗り越えた時は、自分にご褒美を与えましょう。

美味しいものを食べたり、好きなことをしたりするなど、自分を労わることで、心が満たされます。

劣等感の根源を見つめる

過去の出来事や体験が、現在の劣等感に影響を与えている可能性があります。

幼少期の体験、学校での出来事、友人との関係など、過去を振り返り、劣等感を感じ始めたきっかけや、特定の状況で劣等感が強くなる原因を探り、理解してみることも一つの方法です。

自分自身の価値観を見直す

今の自分が大切にしている価値観が、劣等感の影響でかなり偏ってしまっている場合、価値観を見直すことで劣等感を乗り越えることができる場合があります。

例えば、「他人よりも優れているべき」「成功しなければならない」「この年齢で結婚していないなんて・・・」といった価値観が強すぎるために劣等感を抱いているならば、視野を広げ、自分の価値観を見直し、自分にとって本当に大切な価値観とは何かを考えてみるといいでしょう。

劣等感を成長の糧にする

劣等感をバネにして、具体的な目標を設定し、その目標に近づいていく方法もあります。

例えば、「〇〇ができるようになる」「〇〇を達成する」といった目標を立て、努力し、目標を達成することで劣等感を乗り越えることも可能でしょう。

目標を達成する過程で、達成感や自信を得ることができ、自己肯定感の向上にもつながります。

失敗から学ぶ視点を持つ

誰しも生きていれば失敗もしますし、挫折を経験することだってあるかもしれません。

この失敗を「劣等感の決め手・強い根拠」として捉えてしまうと、失敗から学ぶことができなくなるのですね。

ただ、失敗は決して恥ずべきことではありません。

失敗から学び、改善することで、成長することができます。

失敗を自分の傷にすることなく、そこから何を学ぶかを考えてみてください。

周囲との比較・競争をやめる

他人と自分を比較は、今の自分自身のあり方を振り返るために効果的な場合もありますが、とかく落ち込んでいる時には劣等感を増幅させる原因にもなります。

人はそれぞれ異なる個性や才能を持っています。他人と比べるのではなく、自分の良いところや強みに目を向け、伸ばしていくことが大切です。

他者と対立するのではなく協力する姿勢を持つ

他者と協力することは劣等感の克服に役立ちます。

仕事、学業、コミュニティ内での関わりなど、他者と関わり協力して物事に取り組むことで、その場に対する所属感や他者との心のつながりを実感できることもあるでしょう。

また、自分自身が困難な状況に陥った時は、孤立する前に自分からSOSを出し、信頼できる人に支えてもらいましょう。

例えば、家族、友人、パートナーなど、信頼できる人に相談することで、気持ちが楽になることがあります。

また、あなたのそばに困っている人がいたら、積極的に支えることも大切です。

ABOUT ME
浅野 寿和
カウンセリングサービス所属心理カウンセラー。名古屋を中心に東京・大阪・福岡で〜旅人のように〜カウンセリング・セミナーを開催。心理学は現実で使えてなんぼ、がポリシー。
カウンセリングを利用する
カウンセリングを受ける

本当の幸せを見つめる・見つけるカウンセリングが人気!
心理カウンセラー浅野寿和のカウンセリングのご利用方法はこちら。

カウンセリングのご案内ご予約可能時間のご案内