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ことあるごとに離婚という夫。借金もあり、以前は不倫も・・・。
浅野先生への質問
浅野先生、こんにちは。いつもためになるブログをありがとうございます。
楽しく読ませていただいております。
浅野先生に夫婦関係について質問です。
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家賃が払えない、今月中に払わないといけないから払ってくれる?と夫にまた言われました。
なんで?と聞くと、そもそも今回に始まったことじゃない、前から気持ちが戻らない、別れた方がお互いのためだって言ってきたよね?と問題をすり替えられました。
私は、今まで全部黙っておいたけど、明日全て親に伝えると言いました。
何のため?と聞かれたので、私一人で抱える問題じゃないってわかったからと伝えると、明日明後日にでも出て行くよと言われました。
そして、引っ越すならその費用は出すよ、とも。
私は家賃も払えてないのに何言ってんの?と笑ってしまいました。
私はこれまで主人の借金を必死に返してきました。すべては2人で生活していくために。
でも、事あるごとに離婚と言われ、疲れました。
離婚は怖いけど、離婚した方が幸せになれるかなと思い始めてもいます。
私は現在32歳、子供を切望していますが、レスかつ何かあればすぐ離婚と言われ、以前は不倫もされていました。誰にも知っていることを言っていませんが…
もうどうしたらいいのかわかりません。
夫の上司、夫の両親に相談してみようかと考え中です。
すべて、私のわがままななのでしょうか?
ネタ募集ネーム:necoさん
necoさん、いつもブログをご覧いただきありがとうございますm(_ _)m
ご質問読ませていただきました。
necoさん、相当頑張られて夫婦関係をより良くしようとされてきたのではないでしょうか。その思いと切実な思いが伝わってくるような印象を受けています。
いや、よくぞご質問を送ってくださったな、と思うばかりです。
necoさんは、ご夫婦のことでご質問いただくって勇気が必要だったのではないでしょうか。
どこか夫婦関係が思うように進まないと(本当は相談したくとも)誰にも相談できなくなることも多いんですよね。
その中にいると、不安や怒り、不信がたくさん溜まってしんどくなることが多いんです。
それでも頑張ってご夫婦のために努力されてきたnecoさんの心が解放され、幸せを実感していただきたいなと願っています。
では、僕からの回答です。
まず自分のことを大切に、癒やしを進めてみてください
そう書いてくださるということは、きっと今が相当にお辛いのかもしれませんね。
僕は何よりまずあなたのお気持ちが気になりました。
実際にお会いしてお話を伺っていないので、そのお気持ちに共感ができないのが申し訳ないのですけれども。
そもそもnecoさんがご自分の幸せを希求することに何の制限もないはずですよね。
そのために誰かに相談したり、手を尽くすこと自体、わがままではないと僕は思いますよ。
確かに、誰かに相談するならば、相談相手の事情も考慮する必要がある場合もあるとは思いますけれどね。(そのあたりカウンセリングは皆さんのお話を伺う場でもありますから、相談いただきやすいとは思います。)
とにかくnecoさんが今まで頑張ってこられたことが、necoさんとしての愛情ならば、「わがまま」ではないのではないでしょうか。
きっと、相当におつらい気持ちを抱えても頑張ってきたご自分を、どうぞ大切にしてあげてください。自分の心も体も大切に扱ってあげてほしいなと思います。
気持ちはただ抱えているだけで本当に苦しくなりますからね。
まずこれが何よりお伝えしたいことです。
*
さて、ここからはブログの記事として、このような夫婦の問題が起きる心理とその処方箋について書かせていただこうと思います。
また、今回はご主人さま側の心理については軽く触れる程度にさせていただきますね。
夫がことあるごとに「離婚だ!」と言う理由
「私、夫から何かにつけて離婚だと言われ続けていて、いつも悩まされているんです」
このようなご夫婦のご相談、僕の元にたくさんいただいています。
そこには言い出す側の「離婚したい理由」が伴っていることが多いです。
・相性が合わなくなった
・もう気持ち(愛情)がなかくなった(愛情が戻らない)
・そもそも愛していなかった(今となってはそう思う)
・自分は結婚に向いていないから
・君のことを幸せにできないから
その言葉を受け止めるって辛いですよね・・・。
こういった言葉を聞けば痛烈に拒絶されているように感じるはずです。
だから
・もう終わりなの?別れるしかないのかな、と不安になる
・そんなに私のことが嫌ならさっさと別れればいいのに!、と怒りを持つ
・私のダメなところを直すから許して、と相手に許しを請おうとする
などなど、いろんな思いを持たれるかもしれません。
できればこういった状況を改善していきたいものですね。
なんで?と聞くと、そもそも今回に始まったことじゃない、前から気持ちが戻らない、別れた方がお互いのためだって言ってきたよね?と問題をすり替えられました。
いわゆる夫婦関係でよく登場する「もう離婚だ!」「別れたほうがいい」という言葉の多くは、いいかどうかは別にして、自分が有利に立つ(感情的なリスクを負わない・責められなくする)ためのキーワードになっている場合って少なくないものです。
例えば、「離婚」という言葉を出せば、相手が自分の意見を受け止める、と思っている。
この場合は、あまり良い言い方ではないのですが「二人の間の主導権を自分が握っていたい」と思うからそう発言する人も少なくないわけですよ。
もちろん「本気でもう無理だから別れたい』と思い話す人もいますが、その場合はもう少し行動が伴っていることが多いです。
このような夫婦の主導権争いがパターン化されると、夫婦関係が「受け止める側」「突き放す側」とポジションが固定化されてしまい、どちらかが責め、どちらかが受ける構図が変わらず苦しくなってしまうんですね。
その根底には罪悪感があり
受け止める側は、どれだけ頑張ってもいい関係にならないという苦悩を
突き放す側は、自分は相手にいつ責められるだろうという恐れを
を抱えるようになることが多いですよね。
その苦しさから開放されたいと思い始めると
突き放す側は「もう別れるしかない」と言い続けますし
受け止める側は「いつまで頑張ったら、どこまで頑張ったらいいの?」と途方に暮れてしまう
というわけです。
更に深く夫が「離婚だ」という理由を見つめると
このようなご夫婦の状態。
いいかどうかは別にして、罪悪感をそれぞれ認識している形は違えど共有しているものなんです。
だから、お互いがお互いの罪悪感を前提として、パートナーのことを見るようになります。
簡単に言い換えますと
「きっとパートナーは自分のことを愛していないだろう、分かってはくれないだろう」
といった被害者意識が出やすいんです。
すると、誰も自分が責められるとは思いたくないですから、つい自分のことを優先して考えてしまい、相手を突き放したり、相手が何を感じているかをすっ飛ばして自分なりに良い事をしようと思うようになります。
が、それはなかなかうまく伝わらないので
「どうして夫は(妻は)この気持ち(愛情も苦しみも)をわかってくれないのか」
とお互いが思うようになるのです。
この状態が慢性化すると、きっと話は平行線をたどり、いつしか「もう何をしてもダメだろう」と思いやすいですし、そこでは幸せや喜びをそれぞれが感じられず、ガツガツ自己肯定感や自尊感情~自分は人の喜びである~という感覚を感じられずに、自分を信じられなくなっていくことが多いんですね。
そこではまるで燃え尽きた感覚を感じても不思議ではないんです。
*
こういったご夫婦の問題に影響している心理は、繰り返しになりますが「罪悪感」です。
罪悪感を強く感じていると、どれだけ素晴らしい愛情を持っていたとしても、それは「罪滅ぼし」として作用すると感じてしまいます。
例えば
どれだけパートナーに優しくしても、それが罪滅ぼし。
どれだけパートナーを支えても、それが罪滅ぼし。
なんとか最悪の状態が変化してくれたらいいのに・・・と感じてしまうわけです。
これを心理学では「補償行為」と呼びます。「埋め合わせの行動」という意味ですね。
何事も一生懸命頑張ることは大切なことですが、罪悪感の影響で、補償行為に代表される「犠牲的な言動」が多かったり、つい自分のことを後回しにするなど、夫婦のどちらかが犠牲を始めると、その相手は「自分が犠牲させている」という加害者意識を持ち始めるのです。
その結果、「もう離婚だ」という言葉を出すことで、自分はもうこれ以上加害者になりたくないといっている夫も多いのです。
もちろん犠牲している側は「頑張っているのに報われない」と思うようにもなります。
ここでは、お互いがいい気分を感じられないんです。
本来は愛し合っていた二人が、お互い苦しめあってしまうことにもなりかねないというわけですね。
この苦しみから抜け出すために「離婚だ・別れるしかない」と思う夫は多いものです。
別れるor愛し続けるためにできること
でも、事あるごとに離婚と言われ、疲れました。
そうですね、きっとたくさん頑張られたと思いますし、相当にお疲れになっていると思うんですよ。
まずご自分を優先する時間を作ってくださいね。
自分の時間をゆっくり作るだけでも変わることもありますし、気が置けないお友達などと過ごされても気分転換になることもありますしね。
感情面でもまず自分の感情を癒やすことを優先させるといいと思いますよ。
パートナーとの関係で大切なことは「パートナーとの間で自分が何を感じるかよりも、パートナーが自分といて何を感じるか」です。
しかし、自分なりに相手にいい気分になってほしくて努力しても、相手の反応が芳しくないこともありますね。
そのときは「自分自身が無理をしている可能性について考えるとき」ともいえますね。
特に夫婦関係でたくさん抱えた苦しい気持ちを我慢したまま向き合うと、パートナーの罪悪感を刺激する材料になってしまうこともしばしばです。相手の加害者意識を刺激するんですね。
何より辛いのは「離婚だ」と言われることで、自己肯定感や自分の愛情への自信が削られて辛いと思うだけで、お互いが違った意味で傷つき続けてしまうことなのです。
加害者意識を持つ方は、自分は愛すると決めた人を傷つけている
被害者意識を持つ人は、大切な人に傷つけられてしまった
そう自分を罰してしまう理由を持ってしまうんですね。
自分自身の感情を癒やすことで、相手にいい影響を与えることができます。
実際に関わるときにも、相手に良い気分を感じさせることができるようにもなります。
だから、どれだけ自分を癒やし、心の面で楽になっておくかは、これから別れを考えるにしても、夫婦関係を継続しておくにしても、自分にメリットのあることではないでしょうか。
感情を丁寧に癒やすことで、そもそもの私(自尊感情・自己肯定感などを取り戻す)に戻るきっかけが掴めますからね。
感じられなくなった「誇り(プライド)」や「自尊感情(自己肯定感)」を取り戻すことで、この先どうしようか、
・不足感からどれだけ早く抜け出すか
こういったご夫婦の問題につきものなのが「自分の愛情(努力)は不十分だったのではないか?」という疑いです。
もっとあのときこうしておけば・・・
もっと私ががんばれたら・・・
もっと素直に話し合うことができたら・・・
そういった思いを抱えやすいんです。
この前提には自分には何か足りない、という「不足感」が強く影響していることが多いんですよ。
この不足感が「後悔」の種になるんですよね。
ただ、夫婦関係がうまくいっているときも、何かしら足りないことはあったはずなんです。
しかし夫婦の問題が起きると、その不足感が「問題を作る理由」に変わってしまう。
そういった状態になる理由は、「本当の夫婦間の問題が起きている理由」に気づいていないときなんです。
そもそも完璧ではない僕たちは、常に足りない存在です。それはお互い様ですし、ぶっちゃけそれでいいんです。
それ以上に、うまく相手を愛せないという後悔、罪悪感の影響のほうが強いんです。
パートナーをうまく愛せない自分だから、なにかが足りない、と感じるわけですから。
だからこそ、どれだけ自分自身の感情を解放していくか、どの部分と向き合っていくことが自分のため、パートナーのためになるかを見定めることがポイントになりますね。
言葉にするとなかなか堅苦しくなってしまいますが、実際のカウンセリングではじっくりお話を伺って、その悲しみやしんどさを解放するプロセスのお手伝いをさせていただいています。
また、今の問題意識をどれだけ手放し、自尊感情・自己肯定感を取り戻すかについて、お考えになってみてください。
おそらくnecoさんの場合は、どれだけ無理をしないか、がポイントになりそうです。
頑張れるあなたも素晴らしいですが、そのままのあなたでも素晴らしいのです。
そう実感できれば、別れるにしても、夫婦を続けるにしても、答えが出しやすくなりますからね。
もちろんそういった『今後のこと』を含めて、カウンセリングでお話を伺わせていただいていますので、必要と思われましたらご利用くださいね。
今日は以上です、何か参考にしていただければ幸いです。
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