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彼から『もうどうしたらいいか分からない・距離をおきたい』と言われたら
浅野寿和さんへ
以前『結婚を考えてる彼の収入が低くてやっていけるか不安です』という相談をさせていただいた者です。
あれからというものの彼の仕事がうまいっていない状況です。
周りの社員がさぼりがちで、彼が休憩がとれないほど負担になっています。
今も非正規ですが、社員になる話が全然来ないらしく、その状況が長く続いていることに不安を怒りを感じてしまい、思わず問いただしてしまったんです。
そしたら彼が自暴自棄になり、『もうどうしたらいいか分からない』『プレッシャーになる』『距離を置きたい』と言われてしまいました。
転職も考えてるみたいですが、ものすごく不安を感じていてなかなか行動できない様子です。
私は彼ならもっと稼げるようになるし活躍できると思っているんです。
でもそれを伝えても、かえって彼を追い込んでしまっている気がします。
放っておいてもなかなか動きが鈍くて、イライラしてしまいます。
もう彼も30代半ば近くて、一緒に住んでいることもあり、結婚を待っている状態でお互い焦りや不安でいっぱいです。
彼の仕事や夢が思うようにいかないのは彼の問題で私にはどうすることもできないんですが。。
まず私自身が落ち着けるようになったらいいのかなと。。
自分自身の気持ちと向き合うべきでしょうか。
ネタ募集ネーム:kokoさん
おまたせしました、kokoさん。
今日はあなたのご質問にお答えしたいと思います。
なるほど、彼は基本「引きこもり」という形の怒りを使う人なんですねぇ・・・。ということは、彼もあなたもあまりいい気分になれない可能性が高くて、未来に対する不安が強まってしまうかもしれませんね。
何事も我慢して引き受けてしまう彼
あれからというものの彼の仕事がうまいっていない状況です。
周りの社員がさぼりがちで、彼が休憩がとれないほど負担になっています。
今も非正規ですが、社員になる話が全然来ないらしく、その状況が長く続いていることに不安を怒りを感じてしまい、思わず問いただしてしまったんです。
そしたら彼が自暴自棄になり、『もうどうしたらいいか分からない』『プレッシャーになる』『距離を置きたい』と言われてしまいました。
なるほどなぁ・・・って思いますよ。彼の気持ち、個人的には分からなくもないので。
いただいたご質問を読む限り、彼はどちらかというと「欲しいものは欲しい」と言わないタイプっぽいですね。
欲しいものは欲しいと言えない分だけ、自分が誰よりも我慢し負担を引き受ければいいことがあるのではないか、と考えている可能性はありそう。
ちなみに「欲しいものは欲しい」と表現できない人ほど、「Noが言えない」傾向があるので、何事も我慢して耐え忍んでしまう傾向があるもの。
いわゆる引き受けすぎてしまうパターンですけどね。
このタイプの人は、自分が我慢して何事も引き受けちゃって損な役回りに回ることが多いんです。
だから、自分が損をしていることで、自分のパートナーや家族まで損をしちゃうことも起こります。
ぶっちゃけ「それでもいいよ」と伝えてくれるパートナーや家族がいたとしても、「自分はいつまで立っても大切な人を大切にできない」と感じやすいようです。
ただ、この引き受けてしまうパターンこそ、彼の「不安への対処法」なんですよね。
何かしら不安があるから我慢している、引き受けちゃっているわけです。
彼も不安がなければ引き受けることなんてしたくはないはずなのです。
だから、自分の行動を問いただされると自分なりの必死さを批判されたと感じますから、「もう何をどうしたらいいか分からない!」と反発されちゃうんですよね。
必死で不安に対処しているのに、これ以上どうしろっていうんだ、という感じで。
いいかどうかは別にして、彼も彼なりの不安の中にいる、といいますかね。
彼の問題と私の問題を切り分けよう
ぶっちゃけた話を書いちゃいますと、彼の不安は彼の問題です。
しかし、彼の態度や言動を見て感じる感情は自分自身のテーマです。
このように切り分けて考えないと「彼が変わってくれないから私の不安が消えない」と考えてしまいがちなんです。
こうなると、彼を問いただしたくなるんですね。
どうして私の気持ちがわからないの?と。
でもまぁ問いただしたくなる気持ちも心情的には分かりますし、それも彼の可能性を信じ、彼を思うからこそ伝えたくなるものですよね。
ただ、この表現方法は相手をコントロールしているように見えてしまうのですよ。
特に不安が動機で無理をしている人からすれば、不安と向き合え!と言われている気分になるもの。
もちろん、彼が彼の不安とどう向き合うかって彼自身のテーマそのものですし、僕も向き合って乗り越えたほうがきっと彼は楽になると思いますけどね。
しかし、ずっと回避してきた不安をどう扱っていいのかわからない彼の気持ちもわからなくもない、といいますかね。
ただ、彼の不安を抱えている態度を見ていれば、あなたの不安になりますよね。
あなたがどれだけ彼の可能性を見つめ、一緒にいる覚悟を決めていたとしても、それが彼に伝わらないのなら、きっとあなたは彼の応援をしたいけれど、うまく応援できずに悩まれているのかもしれませんね。
つまり、ここでは自分自身の思いの表現方法が鍵になる、ということ。
同じことを伝えていても、その表現方法や根っこにある感情次第で伝わるものは変わるってことなんですね。
今、kokoさんが取り組まれるといいことはこの部分だと思います。
人は不安を使って物事を見ると「今あるもの」「今まであったもの」がなかったような、意味を失ったような感覚を覚えるようになります。
今、二人が付き合っていることの意味。
今まで二人が一緒にいたプロセスと時間。
こういったものの意味を失えば、おそらく未来は描きにくくなるでしょう。
だから、不安で動かない、行動しない、ものを見ない。
もっと別の視点(感情)で物事をみること。
つまり、自分自身の不安をどれだけ手放して、自分自身を信頼し、自分の未来を思い描くことができるか、にチャレンジするといいんです。
自分の感情は自分のもの。
どれだけ人や状況を変えようとしても不安がついて回ります。
「またいつか、昔と同じような状況になるんじゃないか」という不安はなかなか消えてくれない。
しかし、どうして私はこんなに不安なのだろうか、という部分を「自分のこと」として見つめていくと、この不安は手放せる可能性が出てきます。
これは自分自身の心をさらに成長させるチャレンジとなります。
どんな事があってもぶれない自分になるチャレンジですからね。
特に自分のパートナーが不安に苛まれている状態ならば、この方法はパートナーを安心させるという意味でとても有効ですし、自分自身も不安を動機に行動しなくなるのでとっても楽になります。
特に結婚や未来の問題は「自分の不安」をベースに未来を考えているのか、それとも「自分の幸せを実現」したくて考えているのかの違いも大きいですからね。
どうせ未来のことを考えるなら、不安がなくなることより、幸せを見つめて考えたいですよね。
更にこのチャレンジに取り組むことで、パートナーの不安やその回避行動を否定的に感じるのではなく「なるほどね」と理解できるようになるので、二人の関係が相互理解の方向に進みやすくなります。
もちろん、やろうと思えば的確なアドバイスできるよ
うにもなりますし、自分がイライラする機会が減り「まぁしゃーないな」と見守ることもできます。
本当の意味でパートナーを大きく包むことができますし、そんな自分を誇らしく思えるようにもなるんです。
ただこれを全て一人で取り組むって時間がかかることも多いので、そんなときほど時間短縮の意味でもカウンセラーがお手伝いさせてもらっている感じですよね。
もう一度彼と向き合い、私を肯定する3ステップ
カウンセリングの現場にいますと、多くの女性の皆さんの「愛情」を感じることが多いんです。
決して自分本位ではなく、相手のことを想い、心から与えたいと願っている皆さんの思いを伺うことも少なくないんですよ。
しかし、みなさんにもいろんな事情があって不安が強まっていき、いつしか愛することの動機が「不安をなんとかしたい」に変化しているケースも少なくないんです。
もちろんそれぐらい頑張ってこられた、ということだと僕は解釈しています。
しかし、自分の不安を解消するためにパートナーを使うとなれば、愛ある人ほど確実に「申し訳なさ」をその深層心理で感じてしまうんです。
どれだけ相手のことを思っても、どれだけ自分なりの努力を正当化してもこの罪悪感の罠から抜け出すことは難しい。
こうなると自分のことを信じられなくなり、その投影で「相手も私のことを大事に思っていないんじゃないか」と感じやすくなるんです。
それこそ罠、ですけどね。
このようなときは、次の3ステップで物事を考えていきましょう。
1 自分の不安を整理する
まず、「自分は一体何を不安に感じているのか」をちゃんと整理することです。
いわゆる現状認識ですが、自分の不安を整理しないままでいると、漠然とした不安に追いかけられるので更に不安が強まるのです。
しかし、不安になることは悪いことではありません。
不安は自分を見つめようというサインだと思って、「私は一体何が不安なんだろう?」と紙やノートなどに書いて整理することです。
書き出すことで客観的に見ることもできるようになりますからね。
この「自分の不安」が扱えないときに問題って起きるんですよ。彼もそうでしょう?
しかし彼の不安は彼のものだから、できることは自分のこと。
「どうして私はこんなに不安になるのだろう?」という部分をしっかり見つめて理解すること。
ここと向き合っていない分だけ、僕たちは相手の不安をなんとかしようとするんですよねぇ・・・。
しかしその結果、「自分とパートナーの不安」の区別がつかなるなる場合も多くて、いつしか「不安でつながる関係」になることも少なくない話。
お互い、不安は分かるけど、愛情が感じられない関係になるので、このあたりは自分のためにも相手のためにも癒やしておきたい部分です。
なお、自分の不安を上手に扱えないなら、信頼できる人に聞いてもらう、カウンセリングやセミナーを受けるなどが効果的です。
2 自分なりの愛情をしっかり認める
改めて自分の想いにもう一度気づいて、自分の気持ちを整えることです。
自分の想い、愛情には価値がありますよ。美化する必要もないぐらいの価値があります。
そこを自分でしっかり認めること、承認することです。
自分なりに向き合ってきたこと、取り組んできたこと、愛したことを認めるんです。
少なくとも僕はその視点で物事を見ますけど、さてあなたはどうでしょうね。
3 お互いが喜べることを意識する
その上で、この先も彼との未来を考えるなら「与える」こと、なんですね。
それは無理をする、犠牲するということではありません。
「相手を喜ばせること」かつ「自分が与えていて喜べること」をもう一度思い出して、それを実践することなんです。
難しいことに取り組む必要はありません。
今できないことはできないから、できることを心をこめてやればいいんです。
「何を与えたらいいの」と考えるのではなく、自分が喜べること、彼が喜びそうなことを思い出せばいいんです。
※あまりに思いつかないときはカウンセリングルームにでも来てください(笑)
パートナーとの間でいろいろあると、ついつい報われない気持ちになるものです。
どんな人も依存への欲求はありますから仕方がないことなんですけどね。
だから「与える」という言葉に犠牲的なニュアンスを感じる人もいるのですが、それこそ誤解です。
今まで耐え忍んできたから犠牲的なニュアンスを感じるわけであって、与えることはもっと楽なことです。お互いが喜べることを探して実践するのですからね。
そもそも依存への欲求は消えないので、与えるチャレンジのほうが結果的に楽で前向きになるんです。
これがうまくいくと、自分の不安の手放しまで完了することもあるのでかなりお得です。
※ただしパートナー暴力など問題がある場合は別ですよ。
これが彼と向き合うプロセスになるでしょうね。
彼と向き合うと同時に、自分と向き合うことの意味、少しでもご理解いただければ幸いです。
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