うまくいかない虚しさは毒になる
まだ「なんだかうまくいかないなぁ・・・」と感じていても、毎日普通に行動できているうちはいいのかもしれません。
しかし、「私、このままでいいんだろうか・・・」という強い不安や虚しさを感じて、自分自身を見つめ直したほうがいいかもしれない、と思われて、カウンセリングやセミナーに起こしいただく方も少なくないんですね。
「もうすぐ30歳。このまま結婚も恋愛もお預けで私、大丈夫なんでしょうか。」
なかなかおっしゃりづらいことかもしれませんが、そんな率直な言葉で今のお気持ちを表現してくださる方もいますよね。
「分かっているけど、恋愛や結婚に意欲的になれない私がいます。自分でも前向きに行動したい。けれど、意欲が持てないし、どうしたらいいかわからないんです。」
もちろんこういったお話って、カウンセリングの場・・・他の誰にも自分のことを知られることがない環境だから吐き出せることなのかもしれませんね。
*
「なんだかうまくいかない」「このままで私、大丈夫?」
そんな不安は、ぶっちゃけいろいろな場面で遭遇することなのかもしれません。
結婚・恋愛に対して
仕事・その先の見通しに対して
結婚生活そのものに対して
僕もさまざまなケースの「なんだかうまくいかない」というご相談を伺ってきました。
もちろん「お悩み」は人それぞれ違います。
が、「なんだかうまくいかない」「このままで私、大丈夫?」というお話には、ある一つの共通点のような要素があるともいえるんですね。
それが「自分でも分かっているけど、意欲的になれない」というジレンマです。
多くの皆さん分かっているんです。
「こうしたほうがいい」と。
しかし、何故かその気になれないのです。
そんなときに
「ねぇ、そろそろ結婚しないの?考えないの?」
そんな両親の声がグサッと刺さることもあるでしょう。
「そんなに悩んでも解決しない、行動あるのみよ」
そんなアドバイスに分かってもらえない感を感じたことはないでしょうか。
もちろん人の声、アドバイスをどう捉えるかも自分次第なんですけどね。
ここで、「分かっているのにできていない自分」を感じて虚しくなること
あぁ、やっぱり今の自分では十分ではないんだなぁ・
あぁ、今の自分はうまくいってないんだ・・・。
ついつい「うまくいかない虚しさ」を感じ、そこであれこれ考えすぎることも心の毒になるといいますか。
どうして意欲的になれないのかにも理由がある
さて、そもそも「人はどうして意欲を失うことがある」のでしょう。
僕の視点では「今、意欲的に動くことがダメージになる」から、意欲的にならない事が多いのでしょう。
これ以上意欲的に行動すると、燃え尽きる、傷つきすぎる、ココロ(身体)が悲鳴をあげる・・・
そんなとき、僕たちのココロは「ちょっと休みなよ」「立ち止まりなよ」なんて声を上げること、多いんです。
特に今まで行動してきた方にとってはそうですね。
恋愛に意欲的だった私
婚活にエネルギーを注いできた私
仕事に家事に育児に邁進してきた自分
そんな自分が立ち止まるって、やっぱり怖い。
何もできなくなりそうで怖いものですよね。
だから恐れや不安に対処するために動き続けるわけです。
ただその根っこには「何もしない罪悪感」が作用していることもありましてね。
何もしない罪悪感を感じるぐらいなら、動き続けていたほうがいいと感じている場合も少なくない。
しかし、そうであったとしなたらば
「うまくいかない自分」を感じていること自体が地獄じゃないですか。
もう自分を信じられなくなったり、不十分なような気がしたり、足りないところばかりひっそり気にしたり・・・
全く必要のない心配や不安を抱えてしまうことにもなる。
だから立ち止まって自分を見つめることが怖いし、自分に休息を与えることも不安になる。
しかしさらにさらに心を見つめていくと
「どーしてそんなに走り続けることに意味を見出したのか」
言い換えれば
「どうしてそこまで何もできない罪悪感が強いのか」
そう見つめることもできるんですよ。
どうしてあなたはいつも頑張り続けることを自分へのミッションにしたのか。
そこにはおそらく罪ではなく、「愛」があることが多いんですよ。
誰かのために、誰かの笑顔のために
安心できる場所を作るために
それが転じて、自分ひとり誰の迷惑にもならないように生きるために
何もできない自分、うまくいかない自分を否定的に見つめるようになったのかもしれない。
その可能性は大いに有り得るのです。
2つの具体的なケース
ある女性の話。
その女性のご両親は、彼女が子供時代、大人の事情で別れることになりました。
しかしその女性は、両親が別れることを最後まで望んではいなかったのです。
「何があってもみんな一緒がいい」
ただ、その思いは叶うことはなかったのです。
それから彼女は大きな寂しさを抱えることになります。
そしてその寂しさを拭い去るように、彼女は人の手を借りない、自立した女性になっていった。
それこそ彼女にとっては、「もう一度家族が一緒にいるため」の願いを込めた努力だったのです。
そこに彼女の家族への思い、愛があったのですね。
だから彼女は「うまくできない自分」を何より嫌いました。
「うまくできないこと」と「幸せになれないこと」が観念レベルでくっついてしまったからです。
それからの彼女はとても自分に厳しい人になり、かつ「うまくできない自分」にうんざりしてしまうことが増えてしまったのです。
そして、うまくできないことから距離を取るようになった。
その中に「幸せな結婚」も含まれていたから彼女は悩むことになってしまったのです。
*
別の男性の話。
ある男性は、いつも疲れ果てている両親を見て心苦しく思っていたのです。
両親はいつも生きていることがつまらなそう。なぜなんだろう・・・。
子供心にその男性は「子供が負担だからだ、僕た
ちがいるからだ」
そう感じたのですね。
もちろんそれは誤解ですが、その男性は「姿を消す」ことを覚えました。
自分たちがいなければ両親は苦労しない。そう思い、彼は家族とも関わることがなく、たった一人で生きるようになりました。
そんな彼にとって「うまくできないこと」は、ある意味自分の死を意味していたのです。
誰の手も借りない、たった一人、自分だけが頼れる世界で、自分にできないことがある。
それは彼にとって「自分は意味などない」と感じさせるだけの力を持っていたのです。
本当に「自分は(家族にとって)意味がない、いても無駄な存在」だと感じる事情だったのです。
だからこそ、彼は「前向きに意欲的に生きる」ことをリスクに感じ、失敗を恐れる人になっていったのです。
*
僕はその女性に
「そこまで家族が一緒であることの意味」を知っているなら、あなたは幸せを知り、それを実現化できる人なのではないでしょうか。
それこそ、あなたが持つ才能ではないでしょうか。
しかし、あなたにとって過去の自分はまだ痛み、なのですよね・・・。
そこを癒やしませんか。
その男性に
「そこまで家族にとっての意味を考えるあなたの愛は、とても大きいのではないですか?」
決して、あなたは自分だけのことを考えて生きてきたわけではありませんよね。
しかし誰にもその事情をお話になることもなく、自分でも気づくチャンスがなかったとしたら、責めるべきは自分だけになってしまうのは仕方がないことです。
ただ、あなたはまだ、あなたのために生きていないのかもしれません。
もう、自分のために生きて、人の愛を受け取る許可を出してもいいのではないでしょうか。
そう思っても何ら問題はないような気がしますが、あなたは自分をどう見つめますか?
そんなお話をさせてもらった記憶があります。
今日のまとめ
実は「うまくいかないこと」ばかり意識してしまうには事情があるものです。
自分(その過去も含めて)を、必要以上にネガティブに見つめているケースも多いんですよ。
もし、あなた自身のプロセスを、自分で「よいよいもの」「意味も価値もあるもの」と感じられないとしたら、その先にどんな未来が待っていると思います?
もし、このままだと良い未来が待っていないと思いながら努力するなら、どんな気持ちがするでしょうか?
この状態を続けることもまた、自分に対する毒になることだと僕は思うんです。
まぁ心理学でいうところの毒を感じさせるものといえば、罪悪感や無価値感、劣等感のたぐいですけど。
このあたりの感情を強めながら前を向くって、そりゃ誰しも辛いことだと思うのですよ。
しかし、それは本当に真実なのでしょうか。
じっくり自分自身を見つめて検証してもいいことなのかもしれません。
大事なことは「自分がうまくいかないことを燃え尽きちゃうほどネガティブに見ている動機」です。
「もし、それが愛から生まれているとしたら」
僕たちはこの視点を持って問題を扱わせていただいています。
それこそが「自分を許し、人を理解し許す」
そんな成熟した不安への対処法へつなげる道筋になることが多いからです。
そういう意味では
「うまくできない私」「意欲的になれない私」とは、氷山の一角に過ぎないと僕は見つめます。
そこにはその人なりの事情がある。
なぜそう感じるのか、という根っこの問題を見つめて、そこから解放していくことを考えているのです。
ただ、多くの場合、愛がそこにある。
愛がある部分から、自分を再評価すること。
それが偏ってしまった(自分を否定的に見る)不安への対処法を、より成熟したカタチに変えていく入口になることが多いんですよ。
だからどうぞ、あなたもあなた自身を深く見つめてください。
そしてじっくり自分の素晴らしさを感じてください。
きっとあなたの中にあなたなりの想い、愛があるはずですから。
そうなればあなたはきっと「より良い幸せな現実」を自ら作り出していくことでしょう。
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