日常に使える心理学

自己肯定感がまったく感じられないときの対処法

自己肯定感を感じようとしている女性

最近、自己肯定感がまったく感じられず、しんどいです。

わたしは

  • 「いつも頑張ってないと評価されない」と思って仕事に取り組んでいます
  • 周囲の目、評価がとても気になります
  • 人に嫌われるのがとても怖いです
  • 上司に軽く注意されただけでも凹みます
  • 「失敗」が何より怖いです
  • できたことよりも、出来なかったことを見つけて自分にダメ出しをします

最近、自覚している自分自身です。

浅野先生の記事を読ませていただき、自分なりに、自分を許したり、OKを出したりする意識を持ってはみたのですが、上手くいきません。

自分にOKを出そうとすると、違和感というより、なんだかさらにつらくなります。

「それでもいいねんで」と言えない。もう一人の自分が全否定します。

なぜだろうと考えて、おそらく、それでいいと自分に言うということは、「自分がダメだということを、認めてしまうことになる」からかもしれないとおもいました。
そう思うと、もう自分に何も言えなくなりました。

矛盾していますね、自分はダメだと言っておきながら、認めたくないなんて

こんなことを周りに話しても、「大丈夫やって~」と、きっと励ましてくれると思います
でも、それではわたしの心は何も変わらないとわかっているから、誰にも相談できませんでした

以前ご相談した彼にも、言えない自分がいます
先生のおっしゃっていた、「遠慮」かもしれませんね

もう、つらくて、疲れてしまったので、何もしないことにしました
自分にOKも出さない
許したり、ましてや自分を好きになろうと躍起になることもしない
その代わり、責めることも辞めました
良いも悪いも思わないことにしました

すると、少し、気持ちは落ち着いたんです

彼は、わたしの元気がないことには気づいてくれましたが、無理に聞き出そうとせず、普段通り接してくれました。

本当に感謝です

さて、ここまで自力でなんとか回復(?)させましたが、わたしはこの先、自分の気持ちをどう持っていったら良いのでしょうか。

この、いわゆる「放置状態」を抜け出すには、どうしたら良いでしょうか?

きっとまた、自分を許そうとするとしんどくなる気がして怖いです。

そもそも自己肯定感とはなにか

まず、改めて自己肯定感についてのお話からしましょうか。

自己肯定感とは 「ありのままの自分の存在を好意的に受け入れ、肯定的に認める感覚」を言います。

「自分が自分であって大丈夫」という感覚とも言えますね。

もう少し突っ込んで書くとしたら

自己肯定感とは「自分に起きた出来事が、成功であれ、失敗であれ、それが自分自身の体験に意味や価値があった、という自己評価を得られているときに感じる感情」のことです。

つまり、成功であれ失敗であれ、時には傷つく経験と出会ったとしても、それが自分自身の中で「意味や価値があった、学びにつながった」と思えるとき、自己肯定感を感じていると言えるわけです。

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自己肯定感を感じられないときほど、自分自身の感情とつながれなていない

とはいえ、自己肯定感が得られずにいると、やっぱりしんどいわけですよね。

もちろん、みなさんが今までに経験されたこと、感じ取ったこと、辛い気持ちを抱えながら踏ん張ったこと、自分なりに今まで取り組んでくださったこと。

そういったもものには大きな意味と価値があると思います。

しかし、もし、今自分自身が感じている感情(気持ち)を必死に否定していたり、我慢してやり過ごそうとしているとしたら、確かに自己肯定感を感じにくくなるかもしれません。

自分を責める気持ちは、今の自分を受け止められていないときに生じる

わたしは

  • 「いつも頑張ってないと評価されない」と思って仕事に取り組んでいます
  • 周囲の目、評価がとても気になります
  • 人に嫌われるのがとても怖いです
  • 上司に軽く注意されただけでも凹みます
  • 「失敗」が何より怖いです
  • できたことよりも、出来なかったことを見つけて自分にダメ出しをします

ここに書かれているのは「何かしらの怖れ」に対する反応ですよね。

  • 評価されないことが怖いので、いつも頑張っている。
  • 評価されないことが怖いので、周囲の目を気にする。
  • きっと自分が嫌われると思うので、人に嫌われないようにする。
  • 注意されると凹むので、上司の顔色を伺ってしまう。
  • 自分なんてダメだと思うので、失敗が怖い
  • できなかったことを見つけていれば、失敗しないと思う。

もし、いいも悪いもなく、この考え方、反応が「今の自分にとって必要だ」としたら?

万が一、自分にとって必要なことならば、意識的に噛む意識的にカは別にして、この考え方や行動を採用すると思いませんか?

そこに良いも悪いもない、と僕は考えています。

むしろ、この考え方や行動を採用したことで成功したこと、怖れや不安を感じなくて済んだことがあるならば、今もこの方法を採用し続けると思うんですよね。

だとしたら、自己肯定感を高める視点としてオススメなのは

「今までの自分はこのように必死こいて頑張って、不安や怖れに対処してきたんだなぁ・・・」

そんなふうに自分を見ることがオススメなんです。

逆に、自分自身が今抱えている気持ちから逃れたいと思いすぎていたり、我慢しやり過ごそうとしているならば。

なかなか、今の自分を受け入れようと思うことが難しくなるんです。

「今までの自分に間違いがあったのでこんなにしんどいんだ・・・。」

なんて風に考えることもあるわけですが、こうなると常に「正解」が欲しくなるんですなぁ。

そしてその正解どおりに行動できて普通、できなければNGというジャッジメントが入るようになる。

結局のところ、癒やしの手法がうまく取り入れられない自分を責めるという意味では、今までの自分を否定していた状態と何ら関わっていないことも少なくないわけです。

「今までの自分を否定」つまり、肯定とは真逆の作用になってしまうこともあるのですよね。

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自己肯定感が感じられないことが問題、と考えすぎてしまう問題

確かに自己肯定感は、僕たちが生きていくうえでとても大切な要素です。

それは間違いのないことだと僕は思います。

しかし、自己肯定感が高まらないことが問題、と考えすぎることもまた危険といいますかね。

いわゆる「理想の結果」「言葉の意味」だけが勝手にひとり歩きしてしまうと「自己肯定感を高めないといけない」と考えが浮かび、「自己肯定感が感じられい問題」が生まれるんです。

きっと自己肯定感という言葉を知るまで、そんな事考えたこともなかったでしょうに。

「自己肯定感が感じられないから問題が起きている」

それは確かに正解なのかもしれないけど、こう考えると心情的に切なくないです?

例えば、もしあなたが自己肯定感を感じられる自分になることを目標としているなら、それはまるで「自分で決めた一つのゴール設定」と言えるでしょう。

そこにたどり着くということは、マラソンで言うならばゴールテープを着る瞬間。

しかし、そのゴールテープを切る瞬間って、「ゴールテープを切ったという事実」以上に「そのとき、私が何を感じているか」によって意味も価値も変わると思いませんか?

例えば、ゴールテープを着る瞬間に「ようやく苦しみが終わった」と思う人もいれば、「やった!」という充実感を感じる人もいる。

もし、苦しみが終わったと感じるなら、ゴールテープを切ったとしても、喜びも充実感も感じ難いでしょう。

しかし、ゴールテープを切る瞬間に「やった!できた!」と思う人は、きっと喜びも充実感も感じますし、たしかに苦しいときもあったけど、頑張ってよかった、あの苦しさにも意味があったと思えるかもしれません。

つまり、あなたが決めた目標があったとしても、それに至るまでの自分自身のあり方一つで、自己肯定感を感じられるかどうかが変わってくるということなのです。

また、ゴールまでのプロセスは人それぞれ違うじゃないですか。

人によっては何の問題もなくゴールに近づける場合もあれば、いろんなトラブルに遭遇する場合もある。

他の誰でもない、自分自身のプロセスをどう受け止めるか?どう評価するか?

そこに自己肯定感を感じられる化どうかの違いが隠れているんです。

もちろん、自分を肯定的に捉えてくれる他者の気持ちを受け入れることができるかどうか、という部分も影響するのですけどね。

しかし、万が一、今までの自分に意味を見いだせていないのだとしたら、我慢や自分へのダメ出しを続けるという「不安への対処法」を使いながら、毎日をしのいで生きていくことになるんでしょう。

だから、もしいま自分自身が自己肯定感を感じられていなくて切ない気持ちを抱えているなら・・・。

今は自分のすべてを受け止められなくてもいい。

そのように、自分の気持ち、思いを自分のこととして大切に扱うことです。

そう考えて、たとえ遠回りしたとしても自分のことを肯定的に見つめたいですよね。

「自分にOKを出すこと」の意味を履き違えていないでしょうか?

自分なりに、自分を許したり、OKを出したりする意識を持ってはみたのですが、上手くいきません。

ということは、今は「自分にOKを出したくない状態」のようですよね。

きっと、自分にOKを出すことで感じる感情などを受け止めたくない、と無意識的に感じているのかもしれません。

ならば、一旦、その自分にOKを出すことがおすすめなんです。

例えば

なぜ、頑張り続けていないと評価されないと感じるようになったのか。
なぜ、人の顔色をうかがうようになったのか。

それはきっと「かつてのあなたが不安に対処するために必要とした反応」だと思います。

それを今になって否定的に見るって結構エグくないですか?

必死こいて頑張った自分が採用した反応を「なんでそんな面倒なことしてんだよ」と自分で突っ込むとしたら、こんなに悲しいことはないじゃないですか。

だとしたら、今までのやり方には意味があったんだよな、と見つめてもらうといいのかもしれません。

もし

「あなたが自分を責め続けるのは、責め続けるだけのメリットがあるからだ。」

「あなたがもし自分を肯定できないのだとしたら、肯定しないメリットを選んでいるからだ。」

そんな考え方もできなくはないんでしょう。

でも、そんな事を自ら望んで選んでいる状態ならば、そもそも悩んでませんよね?

悩むということは、より良い結果を得たい、生きづらさを解消したいと願われているからだと思うのですよ、僕は。

ならば、今、自己肯定感を感じられずに悩んでいる自分も、優しく受け止めてあげてほしいですし。

より良い結果を望んでいる自分も、優しく受け止めてあげてほしいと思うのです。

実際、僕がカウンセリング現場で僕がお伝えしていることって

「そうなった事情もあったし、あなたも必死だったからじゃないですか」という部分なんですよね~。

その上で「この方法を試してみません?」という感じなんですよ。

このニュアンスがもっと伝わるように書こうと改めて思う次第でございます・・・。

自己肯定感を感じるために、自分のプロセスを大切にしていこう

さて、自己肯定感を感じるにはどうすりゃいいの?という話なんですけどね。

実際のところ、様々な方法があると思うのですよ。

例えば、

散々自分と向き合い、悩んで苦しんでもがき続けた結果、自分の中の苦しみなどを受け入れることができた途端に、スコーンと気持ちが楽になり、自分を受け入れられるようになった、なんてケースもあるでしょう。

辛い気持ちのを抱えている自分を否定せず、常に自分に寄り添いながら、辛い気持ちを感じ続けていった結果、その気持ちが解放されて、自分を受け止められるようになった、というケースもあるでしょう。

いろいろ考え込むのをやめて、とりあえず今の自分にできることや、楽しめることを続けてみたり、好きなことに夢中になっているうちに、自分を受け止められるようになったり、自分を好きになれ他、というケースもあるでしょう。

いろんな人の愛を感じてみたり、自分を褒めるように心がけて過ごしているうちに、なんか自分ってええやつで愛おしいやん、と思えるようになったというお声を伺うこともあります。

ここに書いた話、僕はどれが正解でどれが間違いだと言える話ではないと思っています。

ただ、少なからず自己肯定感とは、どんな自分をも肯定的に受け入れている状態で感じられるものだと僕は思うわけです。

だから、例えば

こんな自分では喜んでもらえないだろう、だとか。

私なんてな~とか。

自分が与えても人のためになるんだろうか、とか。

そういった「自分へのダメ出し」を続けている自分をも、まぁそれが自分だし、そんな自分のことを私は突き放さず受け止めてあげよう、と思えるなら、それは自己肯定感につながる考え方になるやもしれません。

自己肯定感を感じるために、何かに取り組み頑張ることも、人の好意を受け取ることも、疲れたときにはじっくり休んで自分を癒やすことも、全部必要なプロセスなんでしょう。

そのプロセスに上手に寄り添ってくれるベストなサポーターこそ、あなたと相性が合うカウンセラーってことなんでしょうね。

そんなイメージを持ってもらえるといいのではないでしょうか。

ABOUT ME
浅野 寿和
カウンセリングサービス所属心理カウンセラー。名古屋を中心に東京・大阪・福岡で〜旅人のように〜カウンセリング・セミナーを開催。心理学は現実で使えてなんぼ、がポリシー。
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