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どうして彼は支え合うではなく距離を取るのだろう。
浅野さんへのメッセージ
こんにちは、
昨日の「ダメ男を、、、(ダメ男が好き? まっすぐ愛してくれる人が苦手になる心理的背景)」を読んで、今まさに自分の状況と同じだなと思いました。
彼とは色々なことを乗り越えた同志のような関係で、私の中には「彼なら私の気持ちをわかってくれる」安心感があり、また私も彼の事を理解できると思っていました。
でも関係が近づくほど、彼から距離をとられるようになり、結果、私は彼と離れる決意をしたばかりです。
つらかったけど、たくさんの時間を費やし気持ちの整理をつけたので、今はそれほど葛藤はありませんが
浅野さんが書かれていたように「過去の自分を見ているよう」で、ほおっておけない気持ちはあります。
ただ、不思議に思うのは
彼も私もお互いに自分を相手の中に見ていて(と仮定して)それゆえに気持ちがわかりあえる、痛いところに手が届くから支えあうことも可能だと思うのに(実際に私はそうしたいと思うのに)どうして彼はそう思わないんだろう。どうして距離をとっていくんだろう
という事です。
彼の中に、私の気持ちがわかるから理解しあって支えあっていきたいと思う気持ちはなかったんでしょうか。
そして今、私は自分の意思で新しい一歩を歩もうとしたとき、それは過去の自分を乗り越えること=彼と離れることになるんでしょうか。。
ちょっとまとまりありませんが、アドバイスいただけると嬉しいです。
ネタ募集ネーム:minamiさん
minamiさん、ネタ募集にご協力ありがとうございますm(_ _)m
今日はあなたのご質問にお答えしますねー。おまたせしました~!
浅野さんが書かれていたように「過去の自分を見ているよう」で、ほおっておけない気持ちはあります。
ただ、不思議に思うのは
彼も私もお互いに自分を相手の中に見ていて(と仮定して)それゆえに気持ちがわかりあえる、痛いところに手が届くから支えあうことも可能だと思うのに(実際に私はそうしたいと思うのに)どうして彼はそう思わないんだろう。どうして距離をとっていくんだろう、という事です。
彼の中に、私の気持ちがわかるから理解しあって支えあっていきたいと思う気持ちはなかったんでしょうか。
このご質問はかなり確率でカウンセリング現場でうかがいますよ。
「お互いにわかりあえているなら、どうして支え合おうとしないのか?」
「嫌いじゃないというなら、どうしてそばにいようとしないのか」
嫌いじゃない、分かりあえているならそばにいても不思議じゃないはずだ・・・。
そんな率直な疑問、男女問わず伺います。
今日はそのあたりの心理的背景についてまとめてみようと思います。
愛する人から離れ、距離を取る心理的背景
「もし、自分が愛する人、お互いに分かりあえている人がいるなら、そのそばにいるのは普通だし、誰しも望むことだろう」
アタマで考えると確かに筋が通るこの考え方。
しかし実際の恋愛カウンセリングの現場ではその真逆の事例・・・
「彼女(彼)のことは好きだし、もちろん嫌いじゃないし、今でも思いはあるけれど別れたくなる、距離を取りたくなる(パートナーが距離を取り出した)」
そんなお話を伺うことは稀じゃありません。
ではどうして「好きだし、嫌いじゃないし、分かりあえているのにパートナーと離れたくなる」のでしょうか?
それこそお互いの「心の影響」がとても大きいわけですよ。
特に、自分が嫌っている「自分」を、誰かに愛させることを怖れる人ほどそうなります。
だから好きだし、嫌いじゃないし、分かりあえているとわかっていても、離れたほうがいい、別れたほうがいいと思う人が登場するのです。
幸せになることが怖く、愛されることが怖い私達
そもそも僕たちは愛されないことより、幸せになることのほうが怖いんです。
んなことないよ、愛されたいよ、私は!というお声も伺いますし、そうですよねぇ・・・と僕も思うのですが。
まま、そう思いつつ以下の話を読んでみてください。
私達には多かれ少なかれ「こんな自分は愛されないよなぁ・・・」と思う部分を抱えているものですよね。
すべて完璧で自分が大好きすぎてしょうがない人のほうがレアです。
例えば
- ちょっと嫉妬深い自分
- 根暗(暗い)な自分
- すんごい寂しがりやな自分
- ズボラな自分
- 意外とオコリンボな自分
- 弱い自分・・・
いわゆる「普段は隠している自分」ですね。
この部分が表面化しないように日々頑張っている人は少なくないものですよね。
ただ私達はこういった自分を隠しつつも、誰かに理解され、許され、愛されることを願っています。
「誰か私のことをまるっと愛してくれる人がいればいいのになぁ・・・」
そんな「願望」を持つものです。
その願望があるからこそ「愛してくれる人なんていないよ」という諦め(否定形)が登場するわけですものね。
*
ただですよ・・・。
その自分を愛されるとなると、素直に「ありがとう」と相手の思いを受け入れることって稀で。
実際には拒絶することのほうが多いんですよ。
- うそでしょ、そこ愛してくれるの?そんなはずはないよ、何かの間違いだよ。
- ホントに信じていいの?信じて裏切られたら嫌だ。傷つく。だから君のことは信じない。
- そんな、そこ愛されたら困るし、やめてほしい。すんごい嫌な気分になる。
- 「そんな君もかわいい」って、私がどれだけ悩んで嫌ってきたか分かってんの(怒)
- 今までの彼(彼女)はみんな愛してくれなかったのに。それって慰め?マウンティング?
そんな思いが湧き出してくることも少なくないようですよ・・・。
「自分で愛せない自分を誰かが愛してくれる」
これ、自分が自分にOKを出せていないと、なかなか信憑性のない話に思えるんですよ。
自分の価値観では「そんな自分は愛されない」と思い込んでいて、こいつが正解だと思っている。
しかし、どうやら人はそうではない、という。
すると
「いや、それは信じられないな~。そんなうまい話世の中にあるわけがない。
愛してくれるって言っているけど、それは今だけなんじゃないの・・・?」
もうこれ以上、傷つきたくがないがゆえに、つい人の愛を受け取らず、自分を愛させずにいる人が登場するわけですよね。
だから
「弱い自分は隠しておいて、よりよい自分(強い自分)を全面に押し出したほうがいい」
そう考えるようになる。
ただ、ここで、また悩む人もいるわけですね。
「確かに彼女(彼)とは分かりあえているし、居心地もいい。でもずっとより良い(強い)自分で居続けることって本当にできるんだろうか?」
その答えとして
「ずっとよりよい自分でいる自信がない(そんな自分でいつづけることも苦しい)」
そう思えば、「一緒にいないほうがいいよな・・・」と思うようになるでしょう。
その結果、パートナーと距離を取るようになるんです、自然と。
もちろん多くの人の願望としては
「分かりあえているパートナーを愛したい」とも願っているし
「自分のことも愛してほしい、わかってほしい」と思っているものですよね。
しかし、「常に自分はよりよい自分でいなければ」と思いこんでいる・・・
つまり「弱い自分が愛される」と信じられないと、自分の願望を自ら叶わないようにしてしまう、という話でもあります。
それもこれも自分の内面にある、自己嫌悪や自己否定こそが「真実」だと思っているからそうなるわけでございます。
この状態で自らのハートをオープンにして、人の愛を受け入れるって相当怖い話でもあるんですよ。
・・・少し余談ですけど、ぶっちゃけた話をすれば
自分をもっと癒やしたいと思ってくださって、カウンセリングやセミナーにお越しいただいた時点で、この怖れ、半分以上乗り越えたことになるともいえるんです。
それぐらい自分をより良くするために行動するって「前向きで勇気があること」ともいえるんですよね。
多くの男性は「弱さ」を愛されたことがない
ここで少し男性の気持ちにフォーカスしましょう。
そもそも多くの男性(男性的な社会)では、「弱さ」はあまり歓迎されないものですよね。
例えば、弱ってしまって仕事ができない・・・って、一般的には「情けないこと」と解釈されがちじゃないですか?
僕たちの世界では「弱音を吐く・弱い自分を受け入れる」って大切なことだと考えていますけれど、この考え方のほうが非主流ですよね。
※もちろん社会性を失うほど弱さ全開で人に超依存し、文句言いまくって周囲を困らせ続けることを歓迎しているわけではないですよ。
それは弱さだけでなく、怒りや寂しさ、悲しみも同じでしょう。
そんな感情を感じていては頑張れない、前に進めない。
そう思って自立(独り立ち)していく私たちの成長プロセスからすれば、これらの感情は邪魔者なのです。
観念として、あくまでダメなもの、敵、ないほうが良いもの、嫌われるもの、とされるのですね。
※だから「弱さを克服する=強くなる」と解釈している方が多いはずです。常にそうじゃないんだけどね・・・。
そのような自分でも「嫌い、腫れ物に扱うような部分」を愛する女性に晒し、愛してもらう・・・。
普通の思考で考えれば、そりゃ「あかんがな」と思うと思いません?
逆に「ほれ、弱くなれ」と刺激されることは、多くの男性が屈辱感を感じる瞬間でもあります。
弱くなってしまうと
「あぁ、自分は終わったな・・・ここまで堕ちたか・・・」
そう思う男性がいても不思議ではないんですわねぇ。
その結果、女性を愛することはできても、相手の愛を受け取ることができない忍耐男子が登場するのです。
この男性ほど常に「ココロのエネルギー不足状態」なんですよ。
仕事や日常の中であまり人から支えてもらっていない状態になりがち。
車で例えるならば、いわばガス欠状態なんです。
実際、多くの女性のご相談をうかがうと
「もう恋愛はいい、疲れる」
そんな気持ちを抱えた男性がよく登場するのです。
「今の自分には恋愛する余裕はないし、仕事だけで手一杯なのに彼女のことまで考えている余裕がないのだ」
そういいたげな男性が登場するわけですよ。
そんな男性ほど「君のことは嫌いじゃないけど・・・」といいながらフェードアウトするのです。
それもこれも男性が女性の前で自分を隠し、(良い意味で)強い自分でいることばかり考えているから起きることなのです。
この手の男性ほど「疲れることを避けている、ともいえます。
あくまで疲れることを避けているわけで、誰かを傷つけたいと思っている人も少なくないわけですよ。
だから彼の態度を真正面から解釈して「愛されていないんだ」と思ってしまうと、やたら関係がこじれたり、必要以上の大ダメージがやってくるわけですね。
まま、それも致し方ないこと、なのかもしれませんが・・・。
分かりあえる関係だからこそ、もっと楽しむことを考えよう
「きっとあったと思いますよ。」
これが僕なりの見解です。
その気持ちが無ければ、あなたの前からあえて去る理由もないはずですから。
ただ、お互いの痛みや気持ちが理解できる関係って、時に諸刃の剣のようなものになることもあるんですね。
お互いが分かり会える関係は
「分かるから喜べる」関係にもなれば
「分かるからそばにいられない」関係もあるんです。
相手の気持ちが分かりすぎるから、辛くなりすぎることもあるでしょう?
相手の気持が分かりすぎるから、相手がつらそうにしているとめちゃめちゃ苦しいでしょう?
相手を見ていると自分と向き合うことになるから、苦しくなることだってあるでしょう?
もちろん心理的な癒着や罪悪感などの影響などもあるとは思いますけど・・・。
これは何も恋愛だけに限った話ではなくて
家族の中に、職場の中に、友人の中に・・・
なんとなく気持ちがわかる人がいて、その人が元気を失っていれば見ていて辛くなりません?
全く共感できない人なら何も思わないでしょうけど、ね。
彼と離れることになるかどうかは未来のことですから、誰も何も言えないのかもしれませんよね。
ただ、もしあなたにとってそれぐらい彼が大切な人ならば
次、彼と向き合うときにどんな自分でいたいかをお考えになってみてもいいのかもしれません。
少なからず、今の気持ちを引っ張りすぎてしまってあれこれ考えすぎてしまうことも、また心の毒になりはしないでしょうか?
そんなときほど、あなたの今の気持ちの整理がオススメです。
あなたの今の気持ち、そしてあなたが疑問に思うこと、不安なこと、不思議なこと・・・ちゃんと一つ一つ整理していくんです。
自分の気持ち、彼の気持ち、あのときどうだったの?
そんな疑問に対して、いろいろと情報を得たり、人に相談して得ていくことで、気持ちも整っていきますからね。
*
また、もう少しだけパートナーシップの心理を見つめていくと・・・・
そもそも分かり会える人との関係では「嘘」がつけないもの、ともいえるんですよ。
お互いに無理をしていれば無理をしているとバレますし。
本当に心から楽しめているならば、それも伝わります。
いくら愛しあえているとはいえ、お互いに無理をし続けたり、苦しみや切なさを感じる時間が長くなることはあまり歓迎されるべきことではないんですよ。
自分は必死に頑張っているつもりだけど、お互いの気持ち、そのダウントレンドが止まらなくなりますから。
これがパートナーシップの問題を作る理由になっていることって意外と多いですよ。
ときに辛い気持ちをパートナーと支え合いながら乗り越えることもまた愛ですが、それは一時的であったほうがいいと思いません?
そんな毎日が続くなら疲れ果ててしまいますもんね。
そもそもお互いがわかり会える関係なのであれば、自分が日々楽しみを感じて喜べるようになれば、そこを相手もわかってくれます。
自分がごきげんであることが、二人の関係性を向上させる可能性を持っているんですね。
そのためにできることといえば・・・
- より良いセルフイメージを作るために自分の心(特に無意識)を整える。
- 日頃から楽しめる時間を増やすこと。
- 不安に思うことがあるなら心理面から解決しておくこと。
これらがポイントになるでしょうか。
ぜひともあなた自身を大切に扱ってみてくださいね。
今日は以上です。何か参考にしていただければ幸いです。
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