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彼が自信や価値を感じていくために、今の私にできること
浅野さんへ
彼の親御さんがすごく批判家で親御さんに会うたび嫌な気分になります。
わざわざ彼の悪いところばかり見て批判してくるのでとても不愉快です。
彼も似てしまって、自分自身に否定的だし、他人への批判も多いほうです。
謙虚で優しい性格はいいんですが、自虐することもあって面倒に感じます。
そんな彼や親御さんに価値を感じられなくて、怒りさえ覚えます。笑
彼が自分に価値を感じられるようになるには、私はなんと言ってあげたらいいんでしょうか?
(普段からしてくれたことに感謝したり、褒めたりしていますが、自分も不快に感じたら批判してしまうので、伝わってないかもです。泣)
ネタ募集ネーム:匿名さん
匿名さん、おまたせしました。
ネタ募集にご協力ありがとうございますm(_ _)m
しかし、匿名さんはお優しいですね。きっと彼は幸せなんでしょうね。
ただ、そんなに優しい質問をくださるあなたが怒りを感じているようですね・・・。
実はそれこそがエゴの罠、なんですよ。
つい批判的な態度で接してくる人に対して「なんだよー」と感じてしまう、それこそが罠なのです。
今から一つづつ解説していきますのでよろしければご覧くださいね。
ネガティヴな意味での「批判的な人」は自分を評価していない
今日はまず、彼のご両親のような「批判的な態度を取る人の心理」から解説していきますね。
「対人関係の中で批判的な態度をとる人」といいましても、その内面は千差万別です。一口にこうだ!と語れるようなものではないんですよね。
例えば・・・
「いい意味で自分に厳しい人」も人に批判的な態度をとるでしょう。
努力家、苦労人、自立的、冒険心あふれるチャレンジャー・・・
自分の弱さ、欠点などにネガティブな意識を向け、努力・改善しつづけて今がある。そんな成功体験を積んでいるタイプの人は、自分に甘えを許さず厳しい態度で接しています。
心理としては「依存的な感情を抑圧している状態」ともいえます。
そのようなタイプの人は良かれと思い(相手へのエールの意味で)厳しい意見を伝えます。
意図としては「自分の成功体験を人に伝えている」わけですね。
*
一方、いわゆる「自信のなさ」「嫉妬心」から人に批判的な態度をとる人もいます。
「今の自分で良い」そう素直に思えない人ほど、無価値感(自分には価値がないと感じている)を感じ、自分を肯定できる心理状態ではないんですね。
だから人の価値を認めず、ただ相手の欠点・アラを探してはいちいち口にし、批判するのです。
なぜこのような言動につながるのかは意外と簡単な理屈です。
無価値感の強い人ほど、そもそも「自分が自分であることだけで素晴らしい」と信じていません。自分自身に価値があるとは感じていないのです。
そのため、何かしらの別の価値あるもの
例えば、ステータス、魅力、価値、資格など
「自分の外側」から自分の価値を強化しようと試みます。
仕事ができるからすごい。
資産があるからすごい。
経験があるからすごい。
そういった価値観を持ちやすいのです。
しかし、実際どれだけ「自分の外側から」自分の価値を強化しようとしても、人の内面にある無価値感が癒やされているとは限りません。
むしろ、どれだけ外側から価値を得ても、全く自分を信じられないと感じている人も多いのです。
すると「頑張ったけど報われた気持ちにならない」わけですよね。
どれだけ頑張っても、自分は自分であっていいと感じ取れない。
ここに得も言われぬ虚しさが登場します。
それこそ空虚と表現できるような「何をしてもこの気持ちは変わらない」という諦めにも似た気持ちになるでしょう。
そんな人の前に「幸せな人」「価値のある人」がやってきたとしたら・・・
ついつい相手に感じる「価値」を羨ましいと思い嫉妬もするでしょう。
自分の中の無価値感の分だけ、「相手の価値」を引き下げて安心感を得ようとするでしょう。
だから批判的な態度になるのです。
今回のケースでは彼の親御さんが批評家。
であれば、彼の親御さんにとって「彼(子供)」は、とても価値ある存在なので批判の対象になっても不思議ではないですね。
ちなみに、ここに書いた批評家の心理の違いの見分け方ですが・・・
厳しくとも「自身の成功体験」として批判している人は、結果的にとても面倒見が良いです。
しかし、無価値感が強いタイプは、あまり積極的に関わってきません。
人と関わると無価値感を刺激されるので、つい人との距離を起きがち。
このあたりで見分けがつくでしょう。
ただし、日本人は「シャイな人」が多いので、「こちらにあまり関わってこない人=無価値感が強い」と決めつけることも少し違うんですけどね。
・・・あぁ、そうです。
「超恥ずかしがり屋」も人に批判的ですよ。
恥を感じるもの(魅力だとか価値だとか)を感じると、めっちゃ激しく抵抗します。
その抵抗が相手への攻撃になってしまうわけですけど、きっとその後にベッコリへ込んでいるでしょう。そもそもは、悪気なんてない、ただ恥ずかしすぎただけなのでね。
人は褒められると自分の存在価値を感じるもの
謙虚で優しい性格はいいんですが、自虐することもあって面倒に感じます。
んーこの自虐って「自分の価値を下げることに慣れている」感じですよね。
そこにどんな事情があるにしろ
自分の親や親密な人に批判され続けてきた人は、どうしても自分の意味や存在価値を感じにくくなってしまいます。
特に子供時代は大人の事情なんて理解できませんから、親の態度をそのままの意味で理解してしまうんですよね。
それぐらい親との子の関係は、子供の自尊感情の醸成や自己価値を感じる意味で重要な関係性です。
でもまぁ彼は結果的に親御さんに似たわけであって、彼自身がそもそも批判的な人のようには僕は思えませんよ。
なぜ彼には「優しさ」があるのか・・・。
それこそ彼の辛さが生んだ才能ではないかと僕は思うのです。
僕たちの心理学では「痛みが生む才能」なんて言葉があるのですけど。
辛さを知る人は、その痛み故に苦しむこともありますが、その辛さを優しさに変えることもできます。
その視点で見れば
彼ほど人に愛され認められることの意味を知っている人はいないんじゃないか
ぐらい僕には思えますよ。
しかし彼
がもし幼少期からどこか批判的に接してこられたのであれば
彼の無価値感も強まっている状態だ、といえそう。
ここは彼の尊厳もかかっている話なので、僕もはっきりそうだと言い切ることはできませんけどね。
もしそうであれば、彼が批判的なのは「自分のことをどう認めて愛すればいいのかわからない」からとも考えられそうです。
自信のない彼の価値を知る人はだれか
(普段からしてくれたことに感謝したり、褒めたりしていますが、自分も不快に感じたら批判してしまうので、伝わってないかもです。泣)
匿名さんは、どうして彼を選ばれたのでしょう。
あなたはどうして彼のそばにいるのでしょう。
それこそが今回いただいた質問に対する僕の答えですよ。
ついつい彼の自虐や批判的な部分を見て、あなたも「なんだよー」って思っちゃうかもしれませんよね。
でもそれ「しゃーない」です(笑)
彼の態度をそばで見ていれば、あなたも彼のネガティヴな感情の影響を受けますからね。
イラッともしますし、だから彼のご両親にもイライラするはずです。
そんなご自分をどうぞ許してみてくださいね。
彼にとっては皮肉な話かもしれませんが、あまりに心理的距離が近すぎる親子関係では「批判」が増えるのです。(これは癒着の心理の影響とも言えますが、その話は今回省略します。)
しかし適切な距離が取れる他人、その中でも最も近い人=パートナーこそ、彼の魅力を最も知っている人になります。
それを伝えてあげてください。
あなたの言葉で、あなたが思うように褒めてあげてください。
それでいいんです。彼が受け取らなくてもあなたが傷つく必要はありませんよ。
きっと慣れていないのです。
こんなにも近くにいる人が自分を認めてくれている。
そう心から信頼することに慣れていないのでしょう。
しかしあなたが発する彼を承認するの言葉は、じんわり彼を癒やしていくでしょう。
どうぞあなたが自信を持って彼を承認してあげてくださいね。
それが何よりの処方箋だと思いますよ。
それでもうまくいかないときは、どうぞカウンセリングでご相談ください。
彼やあなたのお話をじっくり伺えば、またお伝えできることもあるかと思いますので。
今回は以上です。
何か参考にしていただければ幸いです。
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