ほぼ30代からの”仕事に活かせる”心理学

上司の前に行くとうまく喋れなくなるのはなぜだろう

オンラインコミュニケーション

上司の前に行くとうまく喋れなくなるのはなぜ?

カウンセリングサービスの浅野寿和です。いつもありがとうございます。

「上司の前に行くととたんにうまく喋れなくなる」

これね、僕もそうだったんですよ、実は・・・。

上司のペースに巻き込まれてない?

上司や先輩の前に行くと、とたんにうまく喋れなくなる。

時には焦って冷や汗が出て、言いたいことが言えない。

上司に「これ、どうなんだ」「何がいいたいんだ」と突っ込まれるともうお手上げ・・・。

「すみません」しか言葉が出てこない。ただただ苦痛を感じる・・・。

こういったお話、意外と伺うんですよ。

実は僕もそういった傾向を持っていたし、上司だけではなく、更に上の方の前に行くと、な~んも言いたいことが言えずにいた時期がありましたっけね^^;

これ、一言で言えば

「自分のリズムで喋れていない。相手のペースに合わせていたり、巻き込まれている」

と言えます。

上司の前で「自分のリズム」を見失ってしまい、相手に合わせて気を使ってしまっているので、急に緊張してうまく喋れなくなるようです。

そう、これも「自分のリズム・ペース」がポイントなのです。

そもそも誰だって「自分なりのリズム・ペース」で喋っていれば、言いたいことも言えるでしょう。

しかし何かしらの理由で、自分のリズムから離れ、相手のリズム・ペースになっているわけと、誰だって物事うまくいかなくなるんですよ。

それはまるで男性がプロポーズするときに・・・

「相手に断れたくないなぁ」と思えば超緊張して、なかなか声に出しにくいけれど、「僕の思いを届けよう」と思っていれば、まだ楽に気持ちを伝えることができることと似ていますね。

相手のペース・リズムになる理由

相手のリズム・ペースに合わせてしまうとき。

おそらくその内面では「怖れ」がかなり影響していると考えられます。

一般的に考えて、上司への報告や相談程度で相手の機嫌が激変するとは限らないですし、もし変わったとしてもそりゃ相手の機嫌で相手の問題なのですよ。

ただ、そのあたりの「自分と相手の線引」が急に曖昧になっていたり、「相手に合わせないと大変なことになる」なんて意識を持っていると、ついつい相手のペース・リズムに合わせることになってしまうわけです。

相手に合わせないとマズい、怖い、怒られる、相手の機嫌を損なう。

そんな事を考えがちな方ほど、上司と向き合ったときに「怖れ」を感じるんですよね。

だからでしょうか。

上司に向き合う前に「怖くない怖くない・・・」とつぶやいて準備するかたもいるかもしれませんね。

人に批判されると感じるときほど、自分が誰かを批判している?

例えば、自分が人に対して、怖れを感じやすい状況にあるとき、その心のなかでは「自分が誰かを攻撃している」ことが多いんです。

だから「私は誰かから責められるのではないか、攻撃が飛んでくるのではないか」と感じるのです。

これも「投影」です。

※投影とは「自分が感じている感情を人や物事に映し出す」こと。

 

例えば、自分が上司など権威的な立場の人に対して怒りや不満を持っていた場合や、「自分はあんなふうにはなれない、無理」といった気持ちを抱えていた場合に、上司から責められるのではないか、といった気持ちが強まる可能性があります。

例えば「権威なのに(上司なのに)なんだよ!」といった気持ちを抱えていたり、相手のあら探しをしたり、批判的な気持ちを感じていると、自分が責めているんだから5日相手に攻められるかもな、と感じるわけです。

これが上司の前ででてくると、とたんに「上司に責められる、罰される、叱られる」といった意識に変わります。

この気持ちは、間違いなく自分の気持ちで、目の前の上司がどうなのか?とは別物なのですが、ついつい「上司が自分を責める」そう感じてしまうものなんですよ。

どこか責められているような気がするから関わりたくないって思う。

でも、関わりたくないのは(相手を嫌っているのは)自分だから、余計に責められるような気がする。

人によっては何も悪いことをしていないのに「すみません」という言葉がでてくることもあるかもしれませんね。

 

言うべきことをちゃんと伝えてくれるのも愛

さて、自分が目の前の上司を責めるような気持ちを持つのはなぜでしょうか。

まぁシンプルにその上司が嫌いって場合もあるでしょう。

ただ、多く言いたいことが言えなくなる人は「怒られる・叱られる」ということを非常に苦手にしている場合が少なくないようです。

自分が上司にムカついているなら、その投影の理屈としてはわかりやすい。

しかし、ココロってものはそこまでシンプルに動いていないことも多いものなんですよ。

そもそも上司や権威ってのは怖いんです。いつか叱られる、責められると思いやすいものなんです。

その上司の叱責がただの批判のようにしか聞こえていなければ、おそらく自分の言いたいことは言い出しにくくなるんです。

このとき考えるべきことがあるとしたら、その上司があなたに向かって「自分の感情をぶつけているだけなのか」、それとも「あなたのことを思って言うべきことを伝えているのか」を見極める必要があります。

相手の感情をただぶつけられているなら、それはちょっと筋が違う。

しかし、上司が(上司なりに)あなたのことを思って伝えていることがあるなら、あなたがそれを受け止めないことで相手の気分は相当に悪くなる可能性があります。

これはその上司を見て判断するべきことなんですけどね。

このような自分自身の心の反応、感じ方、状態に気づきながら、上司を改めて見つめ直すとうまくしゃべれないという問題は解放に向かう場合もありますよ。

「上司の前でうまくしゃべれない」ということだけに意識を向けるよりは、「上司の前で葛藤し、相手を怖れている理由」に気づくことなんですね。

カウンセリングの中では随分深く見つめていくことになるので、あれこれお話を伺うことになりますけれど、一般的には「父親」が鍵になることが多いんですけどね。

父親って心理的な社会や権威のシンボルになるものなので、父親と葛藤していると、父を投影しやすい「上司」「権威」に対しても恐れを感じやすくなりますよ。

また他には、「自分を受け入れてくれる人はいないと感じて、普段から人から遠ざかって過ごしている」とか「家族や人からの温かい気持ちを久しく感じていない」とか、そういった人との関わりの中で感じる温かさの欠如というケースもあります。

人からの温かさを感じられないから、結果的に責められたり、こちらが困っていても相手は無関心なんだろうな、と自分が思い込んでしまうケース、といいますかね。

ただ、どうあれ誤解してほしくないことが一つありましてね。

自分が怖れを感じる人、葛藤を持つ人がいるとしたら、確かにこちらからも相手に文句を言いたくなったり、責めたい気持ちを持つこともあるでしょう。

しかし、その自分の内面の奥底には「その人の役に立ちたかった」「関係をより良くしたかった」といった気持ちも存在しているはずなのです。

このような自分自身の愛や貢献意識、思いやりのないところに問題は起きないものなのですよ。言い換えるなら「無関心な対象に葛藤は感じない」のです。

そのように自分を見つめるだけで、また物の見方も変わってくるかもしれません。

 

ただ、先に書いた「投影」に気づかない限り、「なーんか上司が怖い」「相手に合わせなきゃどうしようもない」と感じてしまうものなのですよ。

その結果、自分自身をダメだなぁと責めてしまうこともあるのかもしれませんが、自分を責めてもなかなかしんどいのでね。

ここはじっくり自分自身を見つめておきたいところですね。

ABOUT ME
浅野 寿和
カウンセリングサービス所属心理カウンセラー。名古屋を中心に東京・大阪・福岡で〜旅人のように〜カウンセリング・セミナーを開催。心理学は現実で使えてなんぼ、がポリシー。
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