恋愛と男性心理

傷ついた男性性 〜心を守るプライド・分離〜

傷ついた男性性〜リスクに敏感な人の心理〜

今日はリスクに敏感な人の心理について。

結婚、仕事、恋愛、子供を作るかどうか・・・ついリスクばかり考えてしまう人の心理的な背景には「傷ついた男性性・心を守るプライド・分離」があります。

例えば仕事なら

「重い職責は担いたくないという思いがやたら強いし、責任が怖い」

パートナーシップなら

「自由でいたいから、恋愛まではいいけれど、結婚は二の足を踏む」

「結婚まではいいけれど、子供はなぁ・・・」

どこか(社会的)責任という要素に敏感に反応する男性と、それにまつわる女性からの恋愛のご相談、最近増えておりますよ。

そこで今日は改めてこういった問題の心理的な背景についてにまとめておこうと思います。

よろしければどうぞ。

自立し傷ついたままの心

私達の心理学でいう「自立」は、自分自身が生きていく上で必ず通るプロセス。

特に「男性性」の成長のために必要なものです。

 

私達が「依存」から「自立」へと成長していく段階では「男性性の部分」が成長していくのですね。

それは男女問わず同じと言えますね。

ただし、ここでは潜在的な「心の傷」を抱えていくことが少なくないわけです。

 

たとえば、新入社員の例がそれに当たります。

最初は先輩から面倒を見てもらえるのですが、一定期間経過すると仕事をまかされるようになる。

その中で「まだそんなこともできないのか?」「いつまで人を頼っているんだ」といった環境に変化していきます。

すると・・・まぁ傷つくわけですよね。

なかには凹んでしまって回復しない人もいるかもしれない。

しかしそれでは生きていけない・・・と、頑張るようになるんですね。

自分の足で歩けるように、一人前になるように。

 

ただこの時点での「自立」は「人に依存できないから自立するしかないよね」的なものであることが多いもの。

その内面には「依存心」を隠し持つわけですね。(ここがポイント)

この自立のプロセスにいる人ほど「自分の内面で感じる依存心」を嫌うものなんですよ。

時には徹底的に問題視すらします。

日常でもどこか「バカにされない」「見下されない」「依存的だねと言われないよう」に、頑張って自分の存在を認めてもらえるように自分の周りに壁を作るようになります。

いわゆる「プライド」ってやつでもあり、観念とも呼ばれるものにもなります。

まるで「外野から何か言われても響かないようにするため」の手段と言えますね。

 

これが自立のプロセスで起こること。

この自立のプロセスの中で私たちは「自分は人と違う」というアイデンティティを確立していき、「傷つかないための」あなた独自のルールを持つようになります。

と同時に「周囲の人を近づかせなくなり」「孤独感」を持つようになりますね。

もちろん周りから攻撃されることは減りますが、でも、自分から人と心を通わせることも難しくなるわけです。人のぬくもりや親密感を感じられなくなる、といったイメージですね。

傷ついた男性性がもたらす恋愛パターン

このように自立していくと自分なりの価値観もあり、自分なりの方法論を持っているものです。

と同時に、どこか孤独感を漂わせていたり、組織や周囲の中でちょっとした分離感を匂わせていたり。

周囲との意見の対立でもめたり、どこか不器用さを感じさせるような生き方をしていたり。

その背景には「そこはかとない依存心・寂しさ」を抱えているものです。

こういった男性に対し、自立女子・忍耐女子の皆様が愛を向けるわけでございますね、はい・・・。

ただ、このような自立状態にある人ほど、「付き合うまではいいけど、それ以上の関係を深めない」ことが多いのです。

恋愛の中でもどこか依存的な側面を見せるし、そこはかとなくパートナーが「もう自分が関わってあげなきゃな・・・」と思わせるような側面を見せるのです。

が、そもそも「自分が傷つかないために」自立しているので、傷つくこと・または責任というリスクを選ぶことにためらいを見せるのです。

その結果、恋愛途中で別れがやってきたり、逆にいつまでも同じ関係性を長く続けてしまう、なんてことも起こるんですね。

言い換えれば、甘えたい、頼りたい気持ちはある。けれど、実際にパートナーと関わることが難しくなる、ということ。

それもこれも「傷ついた男性性」の影響と言えるのです。

傷ついた心をどう癒やすか

ここでは傷ついた男性性をどう癒やすか?を考えていくことになるんですが、これにはいくつかの方法が考えられます。

僕が最もご提案することが多いのは

「感情に対してもう一度素直になること」

言い換えれば「自分の気持ちに素直になること」ですね。

ここでいう「自立」とは、「弱い・不十分だ」と感じる自分や、傷ついた心を守る行為。

だから、この自立のプロセスにいる人ほど、自分の気持ち・・・例えば喜び・哀しみ・寂しさなどの感情を感じるのが嫌なのです。

そこに蓋をし生きている。

確かに僕たちが依存から自立に向かうプロセスでは「感情が邪魔」なんです。

いちいち自分の気持ちを見つめていては頑張れるものも頑張れない。だから、感情というものを重要視せず、むしろ意味のないものにしてしまうこともあるでしょう。

すると、確かに感情的なリスクを負わずに生きていくことができるのですが、逆に言えば「その心を癒やし解放する」ことも難しくなります。

ここを乗り越え癒やしていくプロセスは、もう一度、心を見つめて自らの感情と向き合っていくこと。

心の中の傷ついた男性性を解放していくプロセスに必要なものは「女性性」なんですよね。

だから、いわゆる理屈や論理的思考だけでは突破できないものと言えます。

そう考えると「恋愛」は「感情」で行うものですから、実は男性性の傷を癒す効果があります。

いや、かなり効きます。

しかし恋愛、結婚、夫婦にはハートブレイクの危険性もありますし

そこに横たわる責任、リスクもあり

傷ついた男性性を抱えている男性を恋愛から遠ざけるという、なんとも皮肉な、しかしネガティヴな意味合いのループが出来上がっていることも少なくないんです。

この男性性(自立)の部分を扱い、解放していくことを考えたとき

どうしても欠かせないのが「感情(感動)体験」です。

日常のなかでも、映画・音楽・ドラマ・小説・お芝居といった「感情を揺さぶるもの」に触れてみるのもいいですね。

人とのふれあいでも、「男性的な仕事などの話」だけではなく、女性性的な要素をともなった「人との会話・コミュニケーション」もとても効果がありますよ、とお伝えしています。

一度「意味のないもの」にした「感情」の体験を通じて、心を整えること。

これを進めることで傷ついた男性性は癒やされ、「自分自身が何を感じているのか?」を取り戻し、ココロの「素直さ」を取り戻すことができるんですね。

この素直な気持ちの中に「パートナーを思う気持ち」「愛したい気持ち」「ロマンスへの欲求」も含まれていますから、ココロを整えることで、素敵な関係性が手に入っていきます。

またそもそも仕事も恋愛も夫婦も子供も・・・全て歓びを感じられるものでもあるわけです。

自分が歓びを感じる世界で生きるか、リスクしか感じない世界で生きるか。

この違いはかなり大きいものになると思いませんか?

あなたの毎日が幸せで溢れますように。

ABOUT ME
浅野 寿和
カウンセリングサービス所属心理カウンセラー。名古屋を中心に東京・大阪・福岡で〜旅人のように〜カウンセリング・セミナーを開催。心理学は現実で使えてなんぼ、がポリシー。
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