恋愛と男性心理

やたら否定形を使い言動が分かりにくい男性を心理する

いつもブログを拝見して参考にさせていただいています。

先日のブログの中に
「否定形を使って思考をする男性」という言葉がありましたが
男性は否定形を使いやすいという事でしょうか?

私の身近な男性が
「嬉しくないわけじゃない」とか「困ってたわけじゃない」とか
「来てほしくないわけじゃない」などと言います。

私の中で頑張って良い方に解釈しようと思いますが
口調も固いため“本当はそれほど良い意味ではないのかも”と
感じてしまうことも多々あります。

“否定の否定”は“肯定”にはならない、と思いますが
すんなり「嬉しい」や「来てほしい」とは言えないものでしょうか?
それとも、肯定するほどではないから、そういう言い方になるのでしょうか?

kannaさん(※原文のまま掲載します)

kannaさん、ご質問ありがとうございます!

ではではお答えしますね。

先日のブログの中に
「否定形を使って思考をする男性」という言葉がありましたが
男性は否定形を使いやすいという事でしょうか?

否定形を使って思考するかどうかは人それぞれなんだと思います。

だから否定的に考える人は男女問わずいらっしゃるでしょうね。

ただ、男性は女性に比べて思考的な人が多い(ココロの機能として思考が主機能になっている人が多い)ものですから、そういう意味では女性に比べて男性の方が多い、とも言えそうですね。

 

私の身近な男性が
「嬉しくないわけじゃない」とか「困ってたわけじゃない」とか
「来てほしくないわけじゃない」などと言います。

私の中で頑張って良い方に解釈しようと思いますが
口調も固いため“本当はそれほど良い意味ではないのかも”と
感じてしまうことも多々あります。

確かにこういった言葉の使い方をする男性っていますよね・・・。

「いや、そういうことじゃないんだよ」的な話し方をする人。

これ、おっしゃる通り

その言葉を「感情」として理解しようと思うとなかなか難しいと思うんです。

「言葉として何が伝えたいか」より

「気持ちとして何を伝えたいのか」がとても曖昧になっているはずなので。

心理学の中には

「バーバルコミュニケーション(言語コミュニケーション)」
「ノンバーバルコミュニケーション(非言語コミュニケーション)」という言葉があります。

バーバルコミュニケーションとは、会話や文字、印刷物など言語的なコミュニケーションのこと。

ノンバーバルコミュニケーションは、顔の表情や声の大きさ、視線、身振り手振り、ジェスチャーなどによるコミュニケーション。

心理学者のアルバート・メラビアン博士の研究によると、

話し手の印象を決めるのは

「言葉以外の非言語的な要素で93%の印象が決まってしまう」ということなのです。

「言葉そのものが伝える要素はたった7%」ということ。

そう考えると

「嬉しくないわけじゃない」
「困ってたわけじゃない」

「来てほしくないわけじゃない」

こういった言葉を、話し手が「言葉だけで伝えたい思いを表現しようとしている」ならば

聞き手は「相手の感情の動きをあまり感じない」となることが多いようです。

そんなときほど「ん?いったい何が言いたいのかな?」と考えてしまうでしょう。

であれば・・・

その逆を考えれば、話し手の意図も見えてきそうですよ。

こういった言葉を使う人は「自分の感情を動かず、自分の感情が伝わらないような」言葉の使い方をしているとも考えられますね。

あえてそういったコミュニケーションを使う事情が相手にありそうだな、ということです。

また、同じように「嬉しくないわけじゃないよ」という言葉を使う人がいたとしても

そこに話し手の「感情の動き」「表情」などが見えるなら、聞き手にも伝えたい言葉の意味はより伝わりやすい、ということになりますね。

コミュニケーションの中で「会話の内容」が伝わりにくいのは

「言葉以外の要素が欠けているから」

話し手も聞き手も、相手の言葉だけでなく態度や表情に意識を向けていると、会話の内容は伝わりやすいのです。

しかし話し手、聞き手、どちらかが言葉だけ、目に見えるものだけを意識していれば、その真意はなかなか伝わりにくくなるようですね。

 

“否定の否定”は“肯定”にはならない、と思いますが
すんなり「嬉しい」や「来てほしい」とは言えないものでしょうか?
それとも、肯定するほどではないから、そういう言い方になるのでしょうか?

すんなり「嬉しい」などと言えるかどうかはその男性次第になろうかと思いますけど、すんなり言えればお互いに楽ですよね。

ただ、肯定するほどではないから「来てほしくないわけじゃない」といった言葉を使う男性は少ないかなぁ・・・と僕は思います。

むしろ「否定の否定」という言葉を使う人ほど、感情的な自己表現があまり得意ではないのかもしれませんよ。

好きとか、嫌いとか、嬉しいとか・・・ダイレクトに表現すると伝わりすぎてしまうなんて考えている人ほど、そうかもしれません。

特に恥ずがしがりさんや恐れに敏感な人ほどそう感じるようですよ。

***

 

男性性と暴力性・セクシャリティブロックの話

なお、これはちょっとした余談ですが(余談のほうが長くなりそうで恐縮です)

男性の中には

「言いたいことをズバッというと相手に相当な衝撃を与える」

こう考えている人がいます。

このタイプの男性ほど言動が曖昧になることも多いのですよ。

そして、この話を深く見つめていくと、その深層心理には「男性性とそれに対するイメージ」の影響が見えてくることがあるんですね。

男性はそのパワー「男性性」を自分らしさ、男性的な包容力、自己実現のエネルギーに使うものです。

男性性のエネルギーを解放すると男性はとたんに魅力的になり、パワフルにもなれるんです。

ただ、男性性のエネルギーには

「女性やお子さんを傷つけるもの」といった感覚がくっついているものなんですよ。

イメージとしては暴力性、なんですけどね。

この感覚は男性がそこはかとなく感じている深層心理にある感覚なんです。

・・・こんな話を聞いたことがありませんか?

自分の子供が生まれて父に抱かせようとしたら「いいよいいよ」と怖がった。

これもそう。男性は赤ちゃんを傷つけそう・壊しそうで怖いんです。

大丈夫だから~と無理やり抱かせると、恐る恐る抱き・・・

「もういいよ、はい、もう大丈夫」と伝えてくる。

めっちゃめちゃ可愛い孫なんだけど、それが怖い。

でも、なぜ怖いのかその男性本人も自覚がないものです。

ただ怖いと感じるだけなので。

そして、ここに更に輪をかけて、男性性にネガティヴなイメージをもっている男性もいますよね。

例えば、父親や祖父などの男性の家族が攻撃的、暴力的、女性に対して抑圧的な態度をとっていた。

そういった環境で育った男の子は、自らの男性性に対してもネガティヴなイメージを持ち、半ば自分の中の男性性のエネルギーを恐れるようになるんです。

「自分もあんな父親や祖父と同じなのか・・・」と感じる人もいるでしょう。

そういった男性ほど、自身の性のイメージがとても悪くなります。

よって、自らの男性性に制限をかけると同時に、自己表現にも制限をかけます。

特に、女性や子供さんに対して、自分発の言動で相手に影響を与えることを極端に嫌うのです。

いわば男性のセクシャリティブロックなんですよ。

ここには深いレベルでの男性的な要素に対する嫌悪感や罪悪感が存在します。

こういった男性ほどいわゆる「気を使う人」になったり、「はっきりしない・分かりにくい人」にもなりますよ。

普段から「言いたいことを言わず我慢する傾向」があるから、思考では「否定的な事を考える」でしょうね。

こうすると相手が傷つくかも、こうするとマズいかも・・・といった風に。

これが恋愛や夫婦関係の中で登場すると

男性は言いたいことを言えない理由ばかりを考えてしまうので、結果的に「否定的なことを考える」となってしまうんですね。

あまり関わってこない彼。
私に興味関心がないように見える彼。
物事ハッキリ言わない彼。

だからといって「彼女が嫌いなのか」というと「そうではない」という話も結構な確率で伺います。

こういったタイプの男性は、自分が関わらないことで相手を傷つけないようにと考えがちなんです。それが男性の心理の影響なんですね。

だから、このタイプの男性に「ハッキリしなさいよ」と言い放っても、男性は困っちゃうかもしれません。

その根っこには「ハッキリしないことで相手を傷つけまいとする」意図を持つ人もいるからですね。

これがいいかどうかは別にして、しかし、男女関係の問題を作る要因になっていた、というケースはぶっちゃけ少なくないものです。

こういったときほど、男性の意図を汲み取って共感するといいんですけど、この話はまったくもって男性的な心理の話なので、女性にはなかなか分かりにくい話になることが多いんです。

だから、ハッキリしない男性にイライラしたり、愛情を感じないと寂しい思いをする女性の皆さんもいるとかいないとか・・・。

こういった場合ほど、

「男性は男性」「女性は女性」それぞれの心の影響があるだけですからね・・・

という視点から関係性を見つめていくことが、より良い関係への近道なんですけどね。

ホント余談が長くなって恐縮です・。

なにか参考になりましたら幸いです。

ABOUT ME
浅野 寿和
カウンセリングサービス所属心理カウンセラー。名古屋を中心に東京・大阪・福岡で〜旅人のように〜カウンセリング・セミナーを開催。心理学は現実で使えてなんぼ、がポリシー。
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