浅野先生への質問です。
いつもコラムを読ませていただいています。
わたしと元彼とのことで質問です。
わたしは、34歳で、中学生の娘がいるシングルマザーです。今は実家で暮らしています。
彼は、28歳、未婚です。
同じ職場の同僚です(ただし二人とも非正規雇用)。
3ヶ月ほど前、2年間つき合ったのですが別れました。
理由は、彼が、わたしといると居心地が良すぎて頑張れない。一人で頑張って成長したいから別れたい。と言ったからです。
それが昨日。
彼がマッサージしてほしいと言うので(つきあってた時からよくしていました)、久しぶりにマッサージをすることになりました。
ホテルに行って、マッサージをしたのですが、やはり雰囲気がそういう雰囲気になってしまって…。
わたしも彼も駄目だということはわかっているので、最後まではいかなかったのですが、わたしはどうしても我慢できなくなって、「やっぱりそばにいたい」と言いました。
少し考えて彼は「やっぱり自分で一人で頑張って成長したいからごめん」って言いました。
わたしも、今の彼が甘えてることは分かっています。実家暮らしで、仕事も適度にしんどくて適度にやりがいがあって、わたしも甘んじてしまうし。
誰々がいると頑張れる!と、誰々がいたら頑張れない。をわけるものって何なんでしょう?
わたしがそばにいて、彼が頑張れる方法はないのでしょうか?
彼のために、距離を置いたほうがいいのでしょうか?
わたしは、将来の夢があって、そのために勉強したり、娘もいるので、彼に依存したりしているつもりはありません。
でも彼のそばにいて、一緒に成長できるパートナーシップを築ける方法があるなら、そうしたいです。
アドバイスよろしくお願いいたします。
(サムさん ※原文のまま掲載しています)
なるほど・・・。
それは切ないお話ですよね・・・。
わたしも、今の彼が甘えてることは分かっています。実家暮らしで、仕事も適度にしんどくて適度にやりがいがあって、わたしも甘んじてしまうし。
サムさんは、もうこの部分、お分かりなんですね。
そして彼も「あなたといると甘えてしまう」と言っている。
その「甘えてしまう」という言葉、なんとなく理解できるのではないでしょうか?
というか、「いつかそう言われるかもな?」という予感ってなかったですか?
「成長できないから別れたい」という彼の気持ちを心理する
さて、まず彼の話です。
あなたと一緒にいて「甘えたい、依存心を満たしたい」
けれど「好きな女性にとって誇れる男でもありたい」
そんな葛藤が彼の中にあるんじゃないかな、と感じます。
彼は20代後半の男性ですから、まだそういった気持ちが強いのでしょうね。
今の不十分な、未成熟な男のままでは、自分に満足できないし、女性の愛情を受け取れない、とも思うんでしょうね。
それでは自分は何も変わらない、と感じられるし、そんな自分は肯定できないから。
そのあたり「なんで男はそう一人で考えてしまうかな・・・」という女性のお声もお聞きしますが、んー「男になれない男に、価値などない」と感じてしまう男性は多いものですよ。
それこそ男性の自己価値の感じ方、なんですよね。
と、同時に、彼には不安もあるんでしょうね。
自分を強くするために、自分を追い込んだり、依存心を律することが難しいとも感じているのでしょう。いいも悪いもなく、どこか不安が強すぎて、そのあたりでブレちゃうんでしょうかね。
だから、あなたのような包容力のある女性がそばにいると、つい今まで抑えてきた依存心が溢れてきて、甘えたい気持ちが溢れてきてしまう。
だから「別れたい」と彼は自ら依存心を切り離そうとしているんでしょうね。
が、もし彼が今までに依存心を解放したり十分に満たされた経験がないとするなら、その依存心を抑え込んでもつい漏れ出てしまうんですよね。
「君といると頑張れないから」ってどういう意味?
誰々がいると頑張れる!と、誰々がいたら頑張れない。をわけるものって何なんでしょう?
まぁこの話を冷静に見つめると
「君がいるとつい甘えてしまう。だから頑張れなくなる・・・」
んー「それって人のせいになってないか?」と思ってしまう部分もありますけどね(笑)
ただ、この話の前提には「彼が今、自分自身のことをどう感じているか」があるはずです。
彼が「今の自分でいい」と思えているなら、大切な人との関係を切る必要はないわけですよ。
たとえ弱っちくても甘えん坊でも、頑張れない自分であってもね。
しかし、彼はそう思っていなさそう。
まぁ無価値感の作用だといえばそうなっちゃうわけですけども。
ただ、この無価値感が強い男性って
「大好きな人に必要とされる」ということで無価値感が埋まる(自分は人に愛される存在だと感じる)側面もありますが
「大切な人を守れるだけの自信と強さ」を手に入れることで、自信をつけて、無価値感を乗り越えていくことを目指したくなるのですよ。
そして彼は今、自分が頑張れる強さがほしい、と思っているんでしょう。
だとしたら、彼があなたから愛されてもその気持ちを受け取れない状態になると思います。
ここで書いた、「愛されること」と「頑張ること」。
今回のようなケースでは「両輪の関係」のようなものになっていて
自分にある程度の肯定感があれば、自分のために、大切な人のために頑張ろう、という気持ちも持ちやすいし
自分が四の五の言わず頑張ることで、無価値感を超えて自信を手に入れることもできる
そんな感じなんでしょうね。
だから、このタイプの男性のそばにいらっしゃ女性ほど、葛藤されるだろうな、と思うんですね。
彼があなたから受け容れられ、愛され、認められることで、彼の心の傷は多少なりとも癒されるでしょう。彼に寄り添う人がいることに大きな意味がある。
が、それだけでは彼の自信はつかないし、悩みは消えない。
彼に「自分にはちゃんと人に愛などを与えられるのだ」という「実感」が伴うことも大切なこと。
そんなジレンマが待っている状態、とも言えそうです。
実は「成長したいから別れたい」と言われる理由もしっかり存在する
でも彼のそばにいて、一緒に成長できるパートナーシップを築ける方法があるなら、そうしたいです。
アドバイスよろしくお願いいたします。
そうおっしゃることができるあなたが素晴らしいなって僕は思いますよ。
だとしたら、まずは
あなた自身の価値をしっかり見つめて、自分を大切にすることですね。
*
実はですね・・・。
彼から「もっと成長したいから別れたい」と言われる女性側の心理にも、そう言われるだけの理由がしっかり存在するのです。
それこそが「自分の幸せを優先できていないこと」なのです。
少し想像していただきたいのですが、
もしあなたのそばに、最愛の人がいたとしたら
「その人には幸せになってもらいたいし、喜んでいてほしい」って思いません?
それは「あなたを愛する人」も同じなのです。
しかし、自分の幸せを考えることなく、誰かの幸せ、自分の愛し方へのこだわりを強めている女性ほど
「相手の愛を無意識的に拒絶する」ですよ。
というか、すでに拒絶しているのです。
いわば、あなたの意思で彼を愛するのはいいのですが、受け容れ過ぎてしまうことは、愛というより、「あなたの正しさ(価値観)」なのですよね。
そのあなたの正しさよりも、あなた自身が幸せになることを目的にして。
そのように生きていくこと、過ごす事ができると、いつか彼はまた「あなたのそばにいたいと思う」かもしれません。
まぁ未来のことは誰にもわからないことなんですけどね。
少なからず、あなたがあなたの愛し方にこだわり、自分の幸せを横においているうちは、彼は「あなたに依存する人」にしかなれないのです。
それが嫌で彼はあなたから離れようとしたのであれば、その逆のプロセスを進むことが、いい意味で彼との関係を改善する方法になるのです。
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