「家族が気になり恋愛や結婚に踏み出せない・・・。
しかし、幸せな恋愛や結婚、自分自身の新しい家族をつくりたい、という思いもある。
どのように気持ちの整理をつけたらいいのかわからない・・・」。
そんなお声を伺うこともありますね。
例えば、ご家族の病気、経済状況、場合によっては居心地の悪かった生育プロセスなどが気になって、恋愛や結婚に前向きな気持ちになれない、ということは起こり得ることです。
これもまた自然な気持ちのあり方であって、決して恥ずべきことではないと僕は思いますよ。
ただ、このようなご家族の問題って「頭では家族のことは気にしても仕方がない」と理解していても、どうしても心の中で引っかかるものであるのかもしれません。
ということで、今日は「なぜ家族のことが気になって恋愛や結婚に前向きになれないのか」というお話を心理的に見つめていきたいと思います。
Index
家族のことが気になって恋愛や結婚に前向きになれない理由
ではまず、一般的に考えられる「家族のことが気になって恋愛や結婚に前向きになれない理由」について解説していきますね。
経済的負担への懸念
まずは経済面に対する懸念がある場合。
例えば、ご家族の病気、家族構成、経済状況などによっては、今後、経済的な負担が伴う可能性がある、と考える人がいても不思議ではありません。
実際に、今、実家に経済的な援助をしている方や、現時点では援助はしていないしても、今後援助が必要になる可能性がある、という方もいらっしゃるかもしれませんし。
すると、自分自身が恋愛・結婚をしたあとの、出産・子どもの教育、家の購入などといったライフイベントを考えると、さらなる経済的な負担が重なることへの懸念が生じてしまうこともあるのかもしれませんね。
これは、当事者さんにとっては「重くのしかかる課題」になりえる、と思うんですね。
その結果、自分の幸せになりたい気持ちをぐっと堪えていたり、結婚や恋愛に時間やエネルギーを費やせなくなるのではないかという不安を感じることもあります。
家族と恋人を合わせたくないという気持ちによるもの
恋愛だけならまだしも、結婚まで考えると「自分の家族をパートナーを引き合わせる」というプロセスがやってくることがありますね。
すると、何らかの理由で「家族と恋人を合わせたくない」と感じてしまう人がいるんです。
例えば、家族に病気、両親と反りが合わない、どこか家族を知られることを恥だと思う、とか。
そんな気持ちが強くなると、家族の存在が自分の幸せを邪魔するもののように感じる人もいるんですね。
だから、家族のことを思うと恋愛や結婚に一歩踏み出せない、という感覚に苛まれる方もいらっしゃるやもしれません。
価値観の違いを気にしすぎてしまう
育ってきた環境や家柄が異なる相手との結婚は、価値観の違いから摩擦が生じるのではないかと懸念する場合があります。
特に伝統や習慣を重んじる家柄の場合、その思いは強くなるでしょう。
相手の親や家族に受け入れてもらえないのでは、という怖れ
また、自分自身の家族に対して良い感情を抱いていない場合、これが「投影」となって跳ね返ることがあります。

例えば、まだ会ってもいない相手の親から「私ではダメだ」と反対されるのではないかといった不安を必要以上に感じる場合があるんですよね。
こうなると、自分の幸せを追求したい気持ちと、拒絶されるのではないかという怖れの間で葛藤が生じることもあります。
家族のことが気になって恋愛や結婚に前向きになれない心理
このような「家族のことを考えると恋愛や結婚に踏み出せない」「家族を隠したい、恥だと思う」という気持ちって、確かに家族に対する嫌悪感のようなものなんですけど、その出所は
「自己嫌悪」
である場合が少なくないんですよ。
自己嫌悪の投影といえばいいでしょうか。
要は、家族に自分を映し出していて(家族なのでそりゃ投影も起きやすいのですが)、その家族を嫌うということは、その一員である自分自身のことをよく思っていないという状況だ、ということなんです。
よく「自分は自分」なんて言葉を聞くことがあると思うんですが、これは家族に対しても同じことが言えます。
しかし、場合によっては、家族との心理的な癒着が生じていて、「家族と自分の心がくっついて境界線がわからなくなっている」というケースもあるんですよね。
だから、家族を見ていて感じる問題点や隠したい部分を「まるで自分のことのように感じてしまう」という場合も実際にあるようですよ。
言い方を変えれば「家族を見ていると強烈な羞恥心や劣等感を抱く」なんて人もいるということ。
だから、家族とバチバチ喧嘩してしまう、というケースもあるんですよ、実際には。


癒着の心理の影響は見逃せない
また、癒着の心理と、その根底にある不安の影響は見逃せないものなんですよ。
そもそも癒着状態がなぜ生まれるのか、というと「対人関係の間での絆が欠如しているから」なんですね。
人と人が関わるとき、相手(家族やパートナー)との間に絆や信頼があるならば、癒着する必要はないんです。
が、絆や信頼がないと、どうしても一人では生きていない僕たちは不安だからこそ「人と癒着する」といいますかね。
この癒着が形成されるのは親子の関係であることが多いんですけども。
例えば、親が子を一人の人間としてその気持や考えのあり方を尊重することができていると、子どもは親に信頼を寄せて心で絆を感じますから、心理的に貼り付かなくて済むんです。
しかし、そこの絆がないと子どもは不安なので「心理的に親に貼り付いて、親の感情や価値観などをコピーする」ようになるといいますかね。
ただ、心理的に貼り付いているとさみしくない、つまり不安は解消される部分も多いんです。
癒着のパターンは恋愛にも影響する
ここからは今日の本題からズレてしまうのですが、少しだけ。
この癒着のパターンを持っていると、恋愛でも対人関係でも「不安」になると、人と張り付いてしまう癖を持ってしまうんですよ。
例えば、恋愛すると相手色に染まってしまうとか、相手に強くこちらに興味を持つように要求したくなるわけです。
そして、いざ結婚!となったときに、ずっと心理的に癒着している家族のことが気になって仕方なくなったり、すごく足手まといのように感じたりするようにもなるのです。
で、そもそも癒着があると強く分離するしかない、なんて話もありまして。
家族と癒着している人ほど、大人になると家族と距離を置く、寄り付かない、なんてケースも散見されますよ。
すると、一見すると心理的に自立しているように見えるのですが、実はその内面では「不安」「孤独感」などが渦巻いていたりもします。
また、家族と癒着していた時代のしんどさも経験しているので、人と深く関わろうともしなくなります。
好きな異性がいたとしても、ギリギリまで好意を示さなかったり、相手と深く関わることを恐れ、場合によってはワンナイト的な関係ばかりを重ねる人もいますよね。
恋愛で別れるときも、その別れ方に特徴があって。
そもそも深入りしない関係のままで終わらせてしまうか。
もしくは、べったり癒着してしまうので、別れ方が激しくなるといいますかね。
急に相手をシャットアウトとか、大喧嘩しないと別れられないとか、相手を大嫌いにならないと離れられないといった状態になることも少なくないんですよ。
別れた人のことは常に悪く言いたくなる、なんてパターンもあるかな。
お互いに信頼や絆、つまり適切な心理的距離がある関係であれば、ここまでしなくても別れられることが多いのですが、癒着があるケースの場合はそうはいかない、といいますかね。
家族のことが気になって恋愛や結婚に前向きになれないときの対処法
では、家族のことが気になって恋愛や結婚に前向きになれないときの対処法について考えていきますね。
家族に対してどんな懸念があるのかを明確にする
まずは「家族に対してどんな懸念があるのかを明確にすること」です。
恋愛のこと、結婚のこと、それに対する家族に対する懸念・・・。
これを頭の中でいろいろ考え込んでいると、常にネガティヴな気持ちになりやすいものなんですよ。
なので、自分は今どんな懸念を持っているのか、を明確に紙などに書き出してみることは有効な方法だと考えることができますよ。
こうすることで、必要以上に問題点が広がらないようになる、といいますかね。
家族との癒着があるならそれを解消する方向に進む
家族との癒着があるならそれを解消する方向に進みましょう。
自分は自分、家族は家族。きちんと線引することです。
といえど、なかなかこれが難しいんですよね・・・。
なぜなら、癒着は絆の代わりになっているものなので、癒着だけを切ろうとしても逆に分離してしまうだけ、つまり、切ったつもりが切れてない、なんてことも有り得る話なんです。
なので、家族との関係に絆、信頼の要素を取り入れることがポイントなんですよね。
自分自身も一人の大人として、家族に対する感謝の気持ちを持つことですし、それを伝えていくなど関係改善を図ること、などがいいですね。
あ、ちなみに癒着していると罪悪感を持ちやすいので要注意かもしれませんね。
家族に対して申し訳無さを重ねて持ってしまい、結果「こんなにこっちは考えてるのに何やねん!」とケンカになることもしばしば起こります。
自分の人生の選択を「自分」に戻す
自分の人生を決めるのは自分です。
決めるまで悩んでもいいし、愚痴ってもいいし、泣き言を言ってもいいんです。
とかく家族のことをつい気にして自分を後回しにするって人ほど、心優しい人が多いものかもしれません。
その優しさは素晴らしさとして受け取って。
自分の人生の選択権は他の人にあるのではなく、自分にあるんだという意識を常に持っていくといいですね。
最後に
いかがでしたでしょうか。
家族のことは大切ですが、あなたの人生はあなたのものです。
家族の状況に縛られず、あなたの幸せを追求する権利があります。
ぜひ、一歩踏み出す勇気を持って、あなたの幸せを見つけてくださいね。
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