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「正しさ」と「幸せ」の違いとはなにか
「あなたの正しさよりも、愛や幸せ、豊かさを選んでみてください。」
僕はそうお伝えすると「それってどういうことですか?」という質問が帰ってくることがあります。
「何?その正しさ、愛って?何が違うの?」
という話ですね。
たしかに僕たちは自分が正しいと思っていることを行えば幸せになれる、と考えているフシがありますからね。
いきなり「正しさよりも、愛を選んで」といわれても理解できないこともありますよね(^^;
では、こう言い換えてみるとどうでしょう?
「私たちはついつい自分の考え、やり方を突き通しすぎてしまって(悪気はないのですが)相手の気持ちを傷つけてしまうことがある」
「自分の正しさを優先するあまりに、「自分の幸せ」「自分が豊かになること」を止めてしまうことがある」
さて、どうでしょうね?
ということで、今日は「正しさより愛を選ぶ、とはどういうことか」についてまとめておきたいと思います。
よろしければどうぞ。
「正しさ」とはなにか
この記事で登場している「正しさ」という言葉の意味は
「自分なりの正解・成功法則」のことを指します。
自分にとっての正解、自分が導き出した成功法則、のようなものだと思ってください。
そもそも僕たちはこの「正しさ」を得るために、子供からオトナへと成長し、また日々努力をしてきたようなものなのです。
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私達が子供からオトナへと変化するとき。
親から独り立ちし、社会で生きていくために「自分なりの方法・やり方」を身に着けていきますね。
こうすれば失敗しない。
こうすればうまくいく。
こうしなければ、きっと成功する。
それは、仕事のやり方、人との関わり方、自分の扱い方、恋愛観、人生観など、様々な価値観となって私達の中に定着していくのです。
だから、オトナになればなるほど
「自分ならばこうする」「こう考える」「こうすればきっと幸せになる」
そう考えて行動するようになるのです。
しかし、あなたの正しさが、誰かの正しさであるとは限らないですよね。
人それぞれ、成長プロセスは異なりますし、成長した観光も、成功した体験も違って当然なのです。
すると、対人関係やパートナーシップ、また、社会の中で人と触れ合うたびに
自分の正しさと誰かの正しさが衝突してしまうことが起きるのですね。
これを「主導権争い(パワーストラグル)」と呼びます。
自分の方法は「自分にとって」はとても役立ちますし、その方法で人のために貢献できることもたくさんあります。
が、もっと大きな成功、幸せを目指すとき。
ときに「正しさ」は、成功や幸せをブロックするものとして作用としてしまうことがあるのです。
正しさが幸せをブロックした具体例
例えば、ある女性の事例。
その女性はとても努力家、かつ、情熱的な人。
パートナーのことはもちろん、家庭のこと、自身のお仕事のこと、様々な部分で「私が頑張ろう」と一生懸命だったのです。
しかしそんな女性を見て、パートナーの男性は「そこまで頑張らなくても・・・」「いつも無理してない?」と感じていたのです。
要は、彼女のことが大切だから心配していた、というわけです。
彼女が頑張っていることを否定したいわけではないけれど、内心では
「彼女はいつも自分のやり方にこだわるよな」と感じていた。
それでもそのパートナーシップは二人の理解や頑張りで、長く続いていたのです。
二人はオトナだったのです。
だから表面的に文句を言い合うことはあっても、「相手を理解しよう」という気持ちでお互いが頑張っていたのです。
しかし、彼女はいつの間にか心も体も疲れ、元気をなくしていきます。
次第に、溜め込んだ不満をパートナーである彼にぶつけるようになっていきます。
「なんであなたはいつもそうなの?」
「私がこれだけ頑張っているんだから、もっと分かってよ」
「なんでこんなこともできていないわけ?」
このとき、彼女は理解していませんでした。
そのパートナーへの不満は
「そこまで頑張らなくてもいいじゃないか」と感じていた彼の気持ちを、目に見えない形で否定していたことに。
しかし、彼女の心も燃え尽きを起こしていたので、彼に不満を伝え続けないと、気持ちのバランスが取れなくなっていたのです。
しばらくの間、そんな関係が続いたあと。
ついに彼がこう言いはじめます。
「もう一緒にいても意味がないだろう」と。
別れよう、というのです。
そこで彼女は大変驚いたのです。
「まさか信じていた人に裏切られるなんて!」と感じ、彼を責め立てます。
しかし、彼の気持ちは変わりません。
変わるどころか、彼女に向かってこう言い放ちます。
「君みたいに自分勝手な人とはもう一緒にいられない。もっとしっかりした人だと思っていたよ。」
彼女はその言葉で深く傷つきます。
なぜなら彼女は情熱的な人。甘えたことなど殆どない大変な努力家でもあったからです。
ただ、ふたりとも分からないことがあったのです。
「二人がどうしてこんな風に対立することになったのか」
彼女はこう考えていました。
「私が彼にひどいことを言ったからですよね。私が素直じゃなかったし、可愛い女じゃなかったから・・・。」
彼はこう考えていました。
「彼女のことをよく知っていたのに、彼女を説得しようとせず、結果的に守ってあげられなかった僕の責任だ」
その根っこには「二人の正しさ」の対立があったのです。
彼女も彼も、自分の価値観の中に存在する「自分の愛情や相手への気持ち」「こうするといいはずなのに」という答えだけを眺めていたのです。
つまり「これから二人でどうしていこうか」という会話もコミュニケーションもしていなかったから、このような対立を生んでしまった、と考えられるのです。
どうして自分の正しさにこだわるのか
では、どうして私たちは「正しさ」こだわるようになるのでしょうか。
ここでよく登場する理由として語られることは
「依存心を嫌ってる」
「人に頼るということにネガティヴなイメージを貼り付けている」
「実は人と関わるとき、自分の感情が乱されたり、傷つくと感じている」
そんな理由ですよね。
ただ、更に深い理由を考えるなら
「自分が幸せになることを考えていないこと」
つまり、誰かを幸せにすること、与えることばかりを考え、自分が豊かになること、幸せになることを遠ざけていることにあるのです。
そして「私」ではなく「僕たち、私たち」が幸せになることを考えていなかったから、とも言い換えられます。
その結果、正しさにこだわりつづけて自分が燃え尽きてしまうのです。
これこそが「自立の罠」です。
私達は子供からオトナになる過程で学び取っていく「一人前の自分になる方法=正しさ」が、より大きな幸せを目指すときの大きなブロック、足かせになってしまうのです。
つまり、いつまでも「正しさ」にこだわっていると、次のステップで痛い目にあうということ。
正しさを得てから、更に成長・成功を遂げるには「自立を手放すこと」が求められるのです。
けど、気づかないんですよねぇ・・・(^^;
正しさ(自立)を手放すと傷つく、失敗する、うまくいかなくなると思うからねぇ。
幸せを選び、コミットすることは正しさを手放すこと
では、どうすれば正しさを手放して幸せになれるのでしょう。
答えは「自分の幸せについても考えること」です。
誰かを幸せにすること、与えるという正しさを見ているとき、自分が豊かになること、幸せになることを遠ざけていることに気づくことです。
自立女子、男子のみなさんにとっては
ここに気づくことだけでも非常に大変なことだと思います。
が、しかし気づくことなのです。
その上で「僕たち、私たち」が幸せになることを考えることです。
そこにコミットメントしましょう。
そして、自分が気づいたら、「パートナーが気づいていない」「他にも問題がある」などとほかごとを考えるのではなく
あなたとあなたの周りにいる人、大切な人との幸せにフォーカスして驀進してください。
これは「幸せを選ぶ」ということにつながっていきます。
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