皆さんは人から嫉妬されたとき、どのような気分になるでしょうか？
実際、「人から嫉妬されることが怖くて、心を開けない」というご相談をいただくことがあります。
中には、今まで普通に生きてきただけなのに、なぜか人から嫉妬されてつらい思いを何度もしてきた、というお話もあるぐらいです。
そもそも嫉妬は、嫉妬する側も、される側にとっても辛くしんどいものです。
嫉妬する側は、自分が嫉妬しているわけなので「自分の問題だよね」と自覚しやすいものですが
嫉妬される側は、意図的に嫉妬させている自覚がない限り、自分が嫉妬されることと自分の問題との関係性が分かりづらい、とも言えるかもしれません。
また、嫉妬されても平気な人もいれば、嫉妬が怖くてたまらないと感じる人もいるようです。
さらに言えば、嫉妬されることへの怖れを抱えると「こんな怖れを感じるなんて私は自意識過剰なんじゃないか」と自分を疑ってしまう理由にもなりますから、上手に対処しておきたいところですね。
そこで今回は、嫉妬されることへの恐れとその対処法について解説していきます。
※嫉妬の心理自体の解説は次の記事にありますので、こちらもよろしければご覧くださいね。
Index
嫉妬される怖れが生じる理由
嫉妬される怖れは、「他人から攻撃的な目や批判的な目を向けられることへの怖れ」と言い換えることができます。
これが転じて、「目立つことへの怖れ」となることもありますし、「自分が何かしらより良いものを持っていると他人から狙われる」といった意識とも考えられるでしょう。
しかし、なぜ嫉妬されるとここまで怖くなるのでしょうか。
過去に嫉妬されつらい思いをした体験の影響
まず、嫉妬されることへの怖れを抱く理由の一つに、過去に嫉妬されてひどくつらい思いをした経験がある、という部分が考えられます。
人から嫉妬されるとき、こちらが意図的に他人を嫉妬させようとする場合と、そんな意図とはないのになぜか嫉妬されてしまう場合とに分かれると思うのです。
特に後者の場合、こちらに悪意がないにも関わらず嫉妬されたり、傷つく、なんてことが起きるわけですよね。
すると、とてもつらい思いを抱えたり、悲しい思いを抱えることにもなるでしょう。
そんな過去の影響から、嫉妬されることをすごく怖がってしまう様になることも考えられますね。
他人から嫉妬され苦しんでいる人がそばにいた
また、このような嫉妬されることへの怖れは、自分ではない他人が嫉妬され苦しんでいた様子をそばで体験したことでも生じます。
例えば、学校の中で、会社の中で、過程の中で、自分ではない誰かが嫉妬され大変な思いをしている姿に触れることで、「嫉妬されるってものすごく怖いことだ」と学習することもあるんですよね。
自分自身がとても嫉妬深い部分を持っている
実は自分自身が嫉妬深い部分を持っていて、人に対して攻撃的な態度や思いを抱きやすかったり、他者の長所などにネガティブな思いを抱きやすいと、自分が嫉妬されることも恐れやすくなります。
これは「投影の法則」によって生じる、とも考えられます。
普段は意識していなくとも、自分が「私よりも魅力的な人がいる、能力のある人がいる」と感じるような状況と出会った場合に、相手に対して強い攻撃性を示すとしたら。
今度は自分自身が嫉妬されるとき「相手は私と同じように強い攻撃性を自分に示しているに違いない」と感じやすくなるわけです。
よって、嫉妬されることを極端に怖がるようになる、ということも起こり得る話なんですね。
嫉妬する人への批判が強い
また、自分自身の中で、嫉妬する人への批判が強まっているときも、嫉妬されることが怖くなりやすいですね。
例えば「嫉妬する人って最低！結局自分の努力が足りないのに、他人の成功や幸せを見て足を引っ張るなんて、ただの甘えだわ」なんて思う場合。
もちろん嫉妬する人をどのように受け止めるかは個人の自由なのでしょうが、嫉妬する人への批判が強くなると、これもまた「投影の法則」によって自分に跳ね返ってくる可能性があるのですね。
つまり、嫉妬する人を批判的に捉えていることで、「いつまた自分が嫉妬されるかわからない」という不安が続くとも言えるんです。
嫉妬される怖れを感じたときの対処法
さて、ではどのようにすれば「嫉妬される怖れ」と向き合えるようになり、心が楽になっていくのでしょうか。
嫉妬されることが怖いと感じることを批判的に捉えないこと
嫉妬されるってやっぱり嫌なことですし、気分は良くないですし、怖いと感じるものです。
そのような気持ちを感じないように無理やりなんとかしようとすると、人に対して攻撃的、批判的な思いを持ちやすくなるんですね。
だから、まずは嫉妬されることが怖い、と感じている自分を責めないようにしましょう。
自分を責めると「嫉妬するほうが悪いわ！」と攻撃的になったり、自分の魅力や価値で嫉妬する側をマウントしたくなるものですよ。
ここを気をつけるだけでも随分気分が楽になります。
嫉妬する他者を嫌いだと思う気持ちを理解していく
また、嫉妬深い他人を見たときに過剰に批判的な思いが出てくるなら、それは「自分が嫉妬されることが怖い（嫌）だから」だ、と理解してみましょう。
すると、他者への批判が少し落ち着いてくるので、自分自身が感じる恐れも落ち着いていきやすくなります。
自分に嫉妬されるだけの魅力や価値がある事実からは逃げない
また、嫉妬されることが怖くなると、「そんな価値や魅力、自分にはいりません」と、自分の価値や魅力などを隠したり、中には「そんなものがあるから私は辛いんだ」と自分を否定してしまう人がいます。
ただ、その魅力や価値をいくら否定し、自分の価値から逃げたとしても、その魅力や価値は消えてはくれないんですよ。
むしろ、その自分の魅力や価値を自分で否定すると、どんどん気持ちも沈みがちになりますし、自分のことを肯定的に捉えることが難しくなりやすいです。
だから、ここはちょっと勇気を出して認めること、受け入れることをおすすめします。
そして、その魅力や価値などを人の喜びや幸せのために使う、という意識を持つことがおすすめです。
ただし、嫉妬されることで実際に傷ついた経験をお持ちの方の場合、自分の魅力や価値がよくわからないと感じたり、受け入れ認めることがすごく怖い、と感じる場合もあるでしょう。
そんなときは、無理せず、自分の心の反応を丁寧にほぐしていくことがおすすめですし、できればカウンセリングなどをご利用になりながら取り組んでいくこともまたおすすめですね。
嫉妬してくる相手と対等に関わる意識を持つ
そもそも嫉妬されているということは、相手は「あなたのようになりたい」と感じている可能性が高いのです。
つまり、あなたに価値を見てもらいたい、あなたに受け入れてもらいたい、と思っているのだけど、到底あなたには叶わないし、あなただけが欲しい物を持っていることにイライラしている可能性があるのです。
そう考えると、誰かがあなたに嫉妬するということは、「あなたとの違い、心の距離などを自らの努力や力で詰めることができない」と感じている可能性がある、とも考えられるんです。
逆に言えば、あなたに価値を見てもらい、対等な目線で接してもらうことを相手は求めている、とも言えるのです。（もちろん素直にそう思えたら嫉妬なんてしないのですけどね。）
だから、嫉妬されて怖い思いをしているときに無理をする必要はないにせよ、相手の価値を見て、対等な目線で相手と接するチャレンジしてみてもいいでしょう。
ここがうまくいくと、対人関係における「何があってもほぼほぼなんとかなるわ」という自信を得ることができるでしょうね。
最後に
もちろん、こちらになんの非もないのに勝手に嫉妬され批判をうけたとしたら、それはきちんと対処が必要になることかもしれません。
また、そんな経験をすれば自分自身の心が傷ついたり、人が怖くなり信じられなくなることもあるやもしれません。
この場合はきちんと心のケアを進めていただきたいな、と願っています。
もし嫉妬されることへの怖れが強くて、うまく自分を表現できなかったり、生きづらさをお感じならば、カウンセリングなどを上手にお使いいただいて対処していただく方法もありますので、一度ご検討くださいね。
本当の幸せを見つめる・見つけるカウンセリングが人気！
心理カウンセラー浅野寿和のカウンセリングのご利用方法はこちら。
