夫婦のための心理学

彼に素直になれない原因とその心理。そして素直な私になる方法。

指さして怒りを示す女性
将来結婚を考えている彼と最悪な関係なんです。助けて下さい。

私は昔から好きな人に素直になれない傾向がありました。

いつも「素直になろう」と心がけているのですが、難しくて・・・。

先日、彼から映画を見に行こうと誘われました。

ただ、体調が悪かったので「ちょっと今は行きたくないかな」と伝えたところ、彼が怒り始めたんです。

もちろん彼が怒る理由、今はわかります。

ただ、私も体調が悪かったので「どうして行きたくないの?」と尋ねる彼に向かって

「どうして私の心配ができないの!少しぐらい優しくしてよ!」と詰め寄ってしまって。

今までも彼とは何度も言い争いがありましたが、今回のことをきっかけに彼からの連絡がなくなってしまいました。

私が彼を傷つけたんだと思います。

今は、彼に素直に謝りたい、自分の素直な気持ちを伝えたいと思っています。

ただ、今後も同じようなことが起きるかもしれず、自分の性格を直したいと思っています。

どうして私は素直になれないんでしょう。

素直になるにはどうしたらいいのでしょう。

浅野さん、助けてください。

ということで、今日は「彼に素直になれない原因とその心理」について解説していきますね。

よろしければどうぞ。

彼に素直になれない原因とその心理

彼に素直になれない女性

さて、彼に素直になれない原因やその心理状態を見つめていくと

「素直になると(私の気持ちが)傷ついてしまうという怖れ」

「素直になっても状況が改善するとは思えないといった無力感」

を感じている状態だと考えられます。

平たく言えば

「素直になると傷つくと思うから、素直になれない」

「素直な気持ちを伝えて状況が良くならないかもしれない」

このような「無力感に似た感覚」やそこから生じる「怖れ」を深層心理でかかえている可能性がある、と考えることができるのです。

この話は、全く逆のパターンを考えるとわかりやすいのです。

例えば

「自分の素直な気持ちを伝えれば状況が良くなる」という経験・認識がある人にとっては、素直にならないとか、素直に謝らない、という行動はリスクでしかないわけですよね。

「素直にならないことで状況を悪化させる」と推測できるので、そんなリスクを負おうとはしないわけです。

が、「素直になったところで状況が良くならない」という認識があるなら、素直になるだけ損をするのは自分なのです。

大切な自分の気持ちを相手に伝えても状況が良くならない、わけですから、ね。

よって、僕の見解では

素直になれない、素直に謝れない人とは「これ以上傷つけないよ」と感じている人である

そんな可能性があると考えているところなんです。

「なぜ彼に素直になれなくなったのか」その深い事情を見つめる

「なぜ素直になれなくなったのか」について、その深い事情を見つめていくと、いくつかの可能性が考えられるんです。

ここからはちょっとした深い心の事情について解説していきます。

しゃがみ込み遠くを見つめる女性
「素直になれない」を心理する素直になれない気持ちと心のあり方 「私、素直じゃないんで」 「私、なかなか素直になれなくて」 「私が素直じゃなかったんですよね」 ...

「彼に素直になれない」のは心が傷ついたままだから

そもそも「素直になれない」のは

何かしらの事情で「心が傷ついたままだから」

と考えるのが妥当だと僕は思います。

僕たちは生きているだけで心が傷つく経験をするわけです。

例えば、恋愛でも仕事でも家族関係でも

  • 自分の善意や愛情を否定された、理解されなかった。
  • 自分の純粋な希望や夢を否定されたり、自分で実現させることができなかった。
  • 今まで幸せになるために、好きな人を喜ばせるために頑張ってきたけれど、今はその努力になんの意味もなかったと思える。

そんな経験をすれば、やはり「心が傷つく」のです。

これを「ハートブレイク(傷心)」と呼ぶこともあれば

「感情の亀裂」と表現することもありますよ。

このハートブレイクが強ければ強いほど、僕たちは自分にとってとても大切な純粋で素直な気持ちを守ろうとします。

言い換えるなら、自分の心が傷つかない方法を身に着けていくのです。

これを僕たちの心理学では「自立する」と呼びます。

無論、僕たちは大人としてさらに心が発達して過程で、この「自立」を手放して、相互に理解し合い、支え合うという視点を獲得していくものです。

ただ、人によってはなかなか自立が手放せず、傷つくリスクがある行動を取れなくなってしまうことがあるわけです。

つまり、素直になってしまうと苦しい思いをしたり、ものすごくつらい思いをする、と考えている可能性がある、ということですね。

彼に素直になれないことが幸せを遠ざけることもある

ただ、今回の事例のように

「彼に素直になれないこと」が「幸せを遠ざけることもある」わけですよね。

本来は「自分の心を守るための行動」(心理学では「安全確保行動」とも言います)が

実際に、パートナーとの心のつながりや愛し合う関係をぶった切ってしまうわけです。

過去に有効だった心の防衛戦略が、今は逆に失敗を作る理由になっている状態、とも言えます。

だからこそ、幸せになることを考えるなら

「素直になれないこと」を嘆くよりも

今、この時点から、「素直になることの意味を見出す」「素直な気持ちを表現できる自分になること」など求められるのです。

が、心が傷ついたままだと、素直になることが怖いと感じますから、まぁ悩んじゃうんですよ。

なので、僕も「なかなか素直になれないですよね、なるのは怖いしー」とお伝えしながらカウンセリングを進めていくことが多いんですけどね。

なぜ「彼に素直になれない」という防衛戦略を使い続けるのか

また、

「なぜ僕たちは素直になれないという防衛戦略を使い続けるのか」

という部分にも触れておきましょう。

僕は

「人の心は発達し続けている」という視点が抜けてしまうから

なんだろうと、考えています。

僕たちは子供の頃から身体的に成長するように、その心も絶えず発達し続けているんです。

そして、その発達は僕たちが生き続ける限り続くのです。

例えば

20代前半の頃は、自分がモテたり、多少のことで傷つかず一人前に生きていくことが優先されていたけれど

20代後半、30代に入ると、リスクを負ってもいいから「誰か一人の人を心から愛すること」に価値を見出し始める人がいらっしゃるわけです。

これも一つの「心の発達の影響、結果」と言えるんですよ。

が、その心の成長を自覚できていないと、危機回避手段のリファレンス先が「過去の経験」となることが多いのではないだろうか、と僕は思いますね。

「彼に素直になれない」を卒業して素直になる方法

素直になれないを卒業して素直になれた女性

では、「素直になれない私を卒業して素直になる方法」について、ご紹介したいと思います。

彼に素直になれない自分をいたずらに批判しない、受け入れる

まずは毎度のことながら

「素直になれな自分をいたずらに批判しない、受け入れる」

という視点を持つことです。

素直になれないにも事情があります。

その事情を無視して「素直になれない自分が悪いんだ」と自分を責めても何も変わらないんです。

だから、素直になれない自分を「それが今の自分なのよね」一旦受け入れてみることがおすすめです。

それだけで心が軽くなることも有り得る話です。

また、

「素直になりたいのに!」
「素直になれたらこんなに悲しい思いをすることはなかった」

といったお気持ちは、信頼できる人やカウンセラーに話してみてください。

その気持ちを自分にぶつけても自分が嫌になるだけ、かもしれません。

今、必要なのは

「今の私は素直になれない事情を持っているのかもしれない」

という気づきです。

彼に素直になれない後悔よりも、相手を傷つけたならきちんと謝ろう

もし、「あなたが素直になれなかったことで、大切な誰かとの関係を悪化させた」といった状態で、相手を傷つけたのであれば、きちんと謝ることは大切です。

もしかすると相手は

あなたがなぜ素直になれないのか、反発するのか

その事情を理解しないまま、ずっと受け入れてくれていたり、こちらに合わせてくれていたのかもしれません。

その相手の気持ちや行動を理解していますよ、という意味でも

相手を傷つけたならきちんと「ごめんなさい」を伝えてみるといいと思います。

相手の気持を想像してきちんと謝ることには、一定の自分を許す効果や、相手にこちらの気持ちを伝える効果があります。

また、相手に対して「無力感を感じなくていい」と理解してもらう重要な意思表示になることもありますからね。

(もちろん、あなたが実際に相手を傷つけていないのであれば、謝らなくていいんですよ。)

彼に素直になれないときほど他人の気持ちに鈍感になる、と理解しよう

僕たちは、素直になれないときほど

「自分の中で完結する【私は傷つくかもしれないストーリー】を思い描く」ものなんです。

要は、

素直になる必要性(素直になって傷つくリスク)を感じないように、自ら最悪な状況を想像するのです。

例えば、今回の事例で言うなら、

「私を映画に誘った彼は、私の体調を理解する意識もなく、私に優しくなんてしてくれない」

と思い込みやすいのです。

彼のことが好きなのに・・・。

もちろんそう思わざるを得ないほど、傷つくことが怖く不安だ、とも言えますし、その事情も理解されるべきことだと思うのですけどね。

ただ、このときほど

「パートナー(周りの人々)の気持ちに鈍感になっている」

ってご理解いただけますでしょうか。

なぜなら、傷つくかもしれないと感じている僕たちの意識は、自分の内面に集中するから。

それが悪いことだとは決して言えないのですが、だからこそ「他人の優しさや好意などを見逃す」のです。

なので

「素直になれないときほど、他人の気持ちに鈍感になる」

つまり

「想像以上に自分の素直な気持ちは伝わっていないかも?誤解されているかも?」

と理解してみることもおすすめです。

実際に彼など大切な人と関わるならば

なので、実際に彼など大切な人と関わるならば

きちんと自分の素直な気持ちや好意を相手に伝えましょう。

分かってくれているはず、許してくれているはず、という推測がリスクになることも多いです。

コミュニケーションの基本は

「微に入り細に入り相手に分かりやすく」

ですからね。

また、自分の気持ちを丁寧に伝えることでこちらの気持ちも軽くなる場合がありますし。

・・・え?

自分の素直な気持ちがわからない?
何を伝えたらいいのかわからない?
彼は私のどこを誤解しているのかわからない?

そんなときはカウンセリングでカウンセラーと一緒に整理する方法もありますよ。

「ありがとう」は口癖にしてしまう

「素直にならないこと」も「相手に感謝すること」も、実は自分が傷つかない方法になりえるんです。

だから、素直になれないぐらいなら

相手に対してありがとうという口癖を身につける方がお得ではありますよ。

「ありがとう」を心から伝えているうちに、実は

「自分の気持ちに素直になりやすくなる」

という特典もついているんですけどね。

ただ、最初の頃はかなり抵抗感を感じるかもしれません。

だって、今の自分は素直になりたくないのだから(^^;

ただ、それでもゆるりと続けてみると、自分の心が軽くなったり、自分を肯定しやすくなる、などのメリットがある、といえますね。

大切な人と傷つく前提で接しないように心がける

また、素直になれなくてパートナーとトラブルになった、というケースはで、とても重要で心がけておきたいことがあるのです。

それこそが

「大切な人と傷つく前提で接しないように心がけること」

です。

例えば

「あ、私、素直になれなかったわ、彼にヒドイことしちゃったなぁ」

と思うとき

「彼はきっと私を責めるだろう」「彼はきっと私を嫌うだろう」と想像しやすくなりません?

でも、その前提で彼に接するってことは、すでに

「彼は悪い人」「私を愛さない人」

になっちゃってるんですよね。

ここで大切なことは

「私は彼を傷つけないし、彼の気持ちを大切にする」

という意識で向き合うことが重要なんです。

これがうまくできないときは、直接会って話すより、手紙を書くなど、冷静に気持ちを伝える方法を模索する方が良いケースも多々あります。

それぐらい

パートナーや大切な人を「自分を傷つける人にしない」という意識は

めちゃくちゃ重要でっせ〜。

そして、可能であれば「怖いけど、自分の素直な気持ちを伝えよう」とされることがおすすめです。

それでも彼に素直になれないなら、カウンセリングがオススメです

カウンセリングのシンボル

いかがでしたでしょうか。

今回の記事がみなさんのなにか参考になれば、と思っております。

が、それでも彼に対して素直になれない、素直になることが怖い、という場合は、カウンセリングがおすすめです。

繰り返しになりますが、素直になれないにも事情があります。

その事情を深層心理レベルから見つめて、少しでも素直になる怖れを小さくしていくようなアプローチが有効に作用する場合もありますのでね。

僕の力が必要だと思ってくださったなら、どうぞカウンセリングルームまでお越しくださいね。

(あ、僕のカウンセリングは完全予約制なので、事前にご予約いただいた上でお願いします(^^;)

ABOUT ME
浅野 寿和
カウンセリングサービス所属心理カウンセラー。名古屋を中心に東京・大阪・福岡で〜旅人のように〜カウンセリング・セミナーを開催。心理学は現実で使えてなんぼ、がポリシー。
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