心理カウンセラー浅野寿和です。いつもありがとうございます。
今日2本めのコラムは、昨日なかなか帰宅できずに書きそびれたコラム。
今日、名古屋で開催する「心理学入門講座」に絡んだテキストです。
よろしければどうぞ。
『自立した人ほど、ニーズを嫌うよ。それは自分のニーズも、人のニーズもね。』
ニーズとは要求のこと。
○○してよ、どうして○○してくれないの?、そう言われることがすごく嫌で、イラッとするわけです。
もちろん自分自身のニーズも人には示しません。○○してほしい、と願うぐらいなら自力で・・・と考えちゃうし、実際にそう行動します。
まるで自分は一人でなんでもデキる、ぐらいの感覚を感じている人もいるかもしれません。
そんな自立した男女が感じていることが「弱い人は嫌い」であることって少なくないようです、僕の経験上の話ですけどね。
なんだか気弱だったり、自分に自身が持てない人を嫌い。
不安に苛まれている人を見ると、イライラして自分でなんとかしなよ、と言いたくなる。
何かに気づかない人を見ると軽蔑の目を向け、どうしてそんなことも分かんないの?と思う。
別にそれがいい悪いではなくね、そう感じてしまうという話です。
ただ、そんな傾向を持っている人がパートナーシップを持つと、どこかでパートナーに愛されることが「相手のニーズに答えなきゃいけない」と思いこむ人もいて、ですね。
相手のニーズに答えなきゃいけない恋愛なんて超うんざりだ、と思う人もいれば。
相手はただ、あなたを大切に思い、近くで感じたい、と思うだけなのに、勝手に「自分が相手の要求に反応しなきゃいけない」と感じて、ついついイラッとしてしまう人もいそうですよ。
なんだよ、邪魔すんなよ、オレに要求するなよ、と感じる人もいそう。
また、パートナーが悩んでいると、「自分で解決しろよ」としか言えない人もいる。
自分はそう生きてきたから、パートナーにも同じことを求めるし、それが正解・いいことだと思っている人もいますね。
二人で支え合えば楽に抜けられることも、あくまで「個」で生きるスタンスを崩せないような感じです。
実はそういった方ほど、自己実現能力は高い一方で、どこか燃え尽きやすいという傾向があります。
そもそも一人で生きているので、一人で生きている限界が来ると燃え尽きるんです。どこか自分をメンテナンスしたり、人の力を借りて更に飛躍するとはあまり考えない。
だから、個の限界が来ると、燃え尽きてしまうのです。
これ、実は、「弱さを受け入れないことは自分が傷つかない術である」という「防衛の心理」からくるものですが、しかしこれを続けた結果、自分が疲れ果ててしまうという矛盾でもあるんです。
僕たちはたしかに素晴らしい存在です。
と、同時にそんなに強くない。
完璧になにもかもこなせるわけじゃないし、常にわからないことがある。弱さを持っている。
それでいいし、それで普通だと僕は思うわけです。自分にできないことがあるから、人の才能は光る。それはその逆も同じだと思うので。
ただ、この自分の弱さを受け入れることが、どうやら時に僕達はとても難しく感じるようなのです。
自分が弱く、未熟で、できないことがある、ということを認めることが辛いし恥じている。
決して恥ずべきことではなくても、そうなってしまう。
それはどこかで「自分自身を受け入れてもらう時代(依存時代)」に叶わなかったことが多くて、自分で自分を立て直して生きるしかなかった人ほど、そうなります。
どこかひたすらに頑張って生きてきた人ほど、そうなる、と僕は見つめているんです。
我が師匠は言います。
本当の強さとは「弱さに入る強さ」である。
自分の弱さに入るだけの強さを持つことと、自分の強さを強化するだけの生き方。
どっちがいい悪いという話ではありません。
しかし僕たちはどうも「弱さ」を感じることがとても苦手で、その弱さを許すことがどうやら苦手なようなんです。
どうしても自分に、人に、家族に、パートナーに、仲間に、上司に・・・この「弱さ」があることを認めることが難しい。
だから、弱さのない世界を探す果てしない旅に出ている人もいるでしょう。
しかしそこは行けども行けども、優しさや安心感、穏やかさや慈愛のない世界。
本当は頑張って手に入れたい安住の地ではない世界。
その世界に生きる人ほど、そばにいるパートナーが悩むと厳しく接するし。
自分を理解しない人を見ると毛嫌いするし。
人に愛されると、それを相手のニーズや期待だと誤解するんですよね。
・・・本当は、大切な人に手を差し伸べたいと思うけれど、大切な人に包まれて安心感を感じたいと願っていても、心がぐっとそれを止める感じでしょうか。
だから僕はこうご提案することも多いのですよ。
『あなたはきっと素晴らしい人。だからもう自らの弱さを受け入れてもいいのかもしれません。今までとはちょっと逆の勇気、持ってみましょう』
実はあなたの弱さを受け入れることは、ある意味で自分を愛することでもあるんです。
そしてそれができれば、どこかで「実は今までに自分の弱さに向けられていた、人の想いがあったことにきづく」こともできるんですよね。
そこまで行くと、自分のこだわりや価値判断を人に押し付ける生き方から、共に人とつながっていく生き方に。
困った人を厳しく糾弾する感覚から、互いに手を差し伸べあえる感覚を得られるでしょう。
そこはどこかほっとできて、安心感のある世界。
そこで生きることを実現するには、どうしても弱さを受け入れていくプロセスは必要なのです。
そう考えてみると・・・
あなたのパートナーさんが、人にあなたにやたら厳しい目を向ける、であるとか。
付き合っているのにやたら塩対応、とか。
そんなことが起きているなら、きっとその人は戦い続けているのかもしれませんよ、自分の弱さとね。
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