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彼を見上げる私。彼女の愛に憧れる僕。
つい、大好きな彼を見上げてしまう。
つい、大切な彼女に憧れて、彼女を傷つけたくないと強く願ってしまう。
そんな気持ちが恋愛に影を落とすことがある、ってなんだか切ない話。
でも、恋愛心理を紐解くとそんな構図が見えてくることがあるんですよね。
今日はちょっといつもと違った(昔はよく書いてたような)コラムを一つ。
よろしければお付き合いください。
「彼を見上げる私。彼女の愛に憧れる僕」の恋愛とその心理
「彼を見上げる私。彼女の愛に憧れる僕」の恋愛心理とは
「大切な人に関われない」「大切な人と対等な存在じゃない」と感じていたり
「相手をまるでガラスケースに入れたまま恋愛したくなる」
そんな状態を指します。
たとえ体と体が触れ合っていたとしても
実際に、男と女の関係にあったとしても
どこか心は少し離れたまま、相手に近づききれず、その距離を詰めきれないまま
「相手を憧れのままにして向き合っていた」
そんな状態を指します。
その昔、僕たちは理想と恋愛していた
その昔、僕たちは恋愛対象に理想を見出していた頃がある、なんて考え方があります。
心理的には
「理想の異性に求める対象が、相手の肉体的要素であった」という感じ。
例えば
かっこいい彼、イケメンで素敵な彼
かわいい彼女、めっちゃ美人でセクシーな彼女
などなど。
とかく10代の頃の僕たちは
「自分の欲求」や「不完全で不十分な自分」を感じさせない何かを持っている異性に憧れを抱いていた時期があった
ともいえるんです。
それはまるで
あの彼のような素敵でかっこいい人の側にいたい。
彼女のような素敵な女性の彼でありたい。ただただ彼女と(体で)つながりたい。
そんな気持ちがいつも優先されていた頃の話です。
いつしか、相手の行動やあり方に心惹かれていくようになる
ただ、次第に僕たちはそんな自分を卒業していくんです。
何がその変化のきっかけなのか、明確になることは少ないと思うのですが
心の発達やさまざまな経験を積むうちに
相手の行動やあり方に心惹かれていくようになる、といえます。
女性の場合は、相手の「行動」に。
男性の場合は、相手の「清楚さ」や「汚れのなさ」などのロマンティックな要素に。
もちろんすべての人がそうなるとは言い切れないんですけども、そういった傾向が見られる、という話です。
例えば
- いつも行動的で仕事ができる彼に惹かれる。
- いつも人の失敗を引き受けて、みんなを支えている彼に惹かれる。
- いつも笑顔で人に対して愛を持って接している彼女に惹かれる。
- どんな大変なことがあっても受け入れて、前向きに過ごしている彼女に惹かれる。
それはどこかで「新しいパートナーの理想の姿」と言えるかもしれませんね。
そして、そんなパートナーに守られたい、と思い
同時に、「守ってあげたい」と思うようにもなる、なんて感じでね。
「理想の人は理想のままでいてほしい」という欲求
ただ、そんな素敵な相手を「守ってあげたい」と思うと同時に
「理想の人は理想のままでいてほしい」という願いというか、欲求を持つことがあるんですよね。
彼に、彼女に、変わってほしくない。
そのままでいてほしい。
それは彼や彼女に求めていることなのですが、
実際は「壊れてほしくない理想」「失いたくない素敵な相手」という自分の中にある願望、欲求ともいえるんです。
そして、この願望や欲求が強い人の恋愛は
「相手に何もさせない、させたくない」
って形になることが少なくないんです。
言い換えるなら
「相手の邪魔をしたくない・邪魔になりたくない。だから全てを受け入れたい」とか。
「相手をまるでガラスケースに入れるように大切に扱って、彼女が傷つく姿は見たくない」
そんな恋愛スタイルになっていく。
それはときに「相手とリアルに関われない恋愛」になってしまうことがあるんですよね。
彼を見上げる私。彼女に憧れる僕。だから二人はそばにいられなくなった。
少し逆の立場になって考えてみてほしいのです。
もし、あなたのパートナーが、あなたを見上げていたり、あこがれを抱いていた、として。
それはそれで嬉しいことかもしれません。
が、実際に、
どこか遠慮して言いたいことを言ってくれなかったり
いつも近くにいないと感じるとしたら
あなたは何を感じるでしょうね。
これ以上詳しい話は差し控えたいと思うんですが
だから「二人はそばにいられなくなった」って、何となく分かる話だと思いませんか?
相手のことが好きなんです。
今でもどこか見上げているし、素敵だと思うし、好きなんです。
でも、今、私は寂しい。僕は一人ぼっち。
そんな気持ちを感じる関係を続けるって、どうしたらいいかわからなくなると思いませんか?
そして、きっと相手のことを大切に思う気持ちが強ければ
「寂しい」という言葉も
「そばにいてほしい」という願いも
「そばにいたい」という気持ちも
言えなくなってしまう。
そんな関係に未来を感じられなくなる、ことだってあり得ると思うんですよね。
彼を見上げる私。彼女に憧れる僕。そんな二人が一緒にいるためには
彼を見上げる私。彼女に憧れる僕。
そんな二人が一緒にいるためには、そばにいる人と関わること、なんです。
相手が関わってくれない、としても、関わること。
そして、相手が関わってくれないのは、もしかすると自分の新しい理想が影響しているかもしれないこと。
そこに気づくことなんです。
どこか「自分の理想」という感覚から少しだけ距離をおいて
「眼の前にいる、そばにいる相手」の気持ち、あなたへの思いに
興味を持つことなんだと僕は思うんです。
ただ、「相手は今、あなたを選び、あなたのそばにいる」
という事実を受け取ってみる、という感じでね。
ここで試されるのは、あなたが何を相手に与えられるか、というより
あなたの「共感力」なんです。
相手が感じている気持ちを、どこまで共感して感じられるか。
それは、相手が向けているあなたへの思いに、とも言いかえられるでしょうか。
こうなってきっと二人は「愛し合う」ことができる、とも言えるんですよね。
だから、少し大切な人との関係で悩んだら気づいていただきたいのです。
「私は、僕は、相手に自分の理想の姿を望み続けていないだろうか」
「理想と恋をしていないだろうか」とね。
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