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負け癖・諦め癖、ついていませんか?
私、負け癖・諦め癖がついてます。
いつも「どうせ私には素敵なパートナーなんて現れないし」と思っちゃうし。
「頑張っても思ったようにうまくいかない」と思うし。
一生懸命頑張っても結果は同じだと思ってしまいます。
夢を見るより、諦めたほうが楽なんですよね・・・。
頑張るぐらいなら、最初から負けたほうが楽というか、傷つかないし。
でも、そんな自分を変えたいなとも思っています。
なるほど。
確かに心理学を学ぶ前の僕は同じようなことを考えていましたね(^^;
その当時の僕の口癖は
「好きなことを仕事にすると、生きる希望がなくなるから、嫌な仕事をするんだ」
でしたから(^^;
それぐらい自分を信じられなくて、どこか負け癖・諦め癖が身についていたと思います。
しかしそんな僕も、今では前向きに仕事に取り組めていますし。
実際に「好きな仕事で食うこと」ができています。
そこで今日は「負け癖・諦め癖の心理」について少し解説しながら、その手放し方までを考えてコラムにしていきます。
負け癖・諦め癖の心理
負け癖・諦め癖とは
「自分自身がなにかに期待して失望し傷つくことを避ける方法」の一つ
と考えることができます。
要は「自分から負ける」「自分から諦める」ことで
「何かを望んで手にはいらなかったときに感じる失望」を回避しようとしている
といえるのです。
これは一つの「期待の心理」のあらわれ、とも言えますし、失望を避けるために「期待しない」という戦略だと言えます。
だから、普段から
「やる気なんてない」「やったって意味はない」「やる気を持ってる人をキモいと思う」「物事の欠点ばかり見る」「人の粗ばかり探す」
なんてことをしてしまいがちなんですね(^^;
もしあなたの周りにそんな人がいるなら、「必死に傷つかないようにしてんのね」と生温かく見守ってあげてもいいかもしれないです(^^;
また、他者や周囲からの期待に応えられないつらさ(人に失望されるつらさ)から逃れるための戦略とも言えそうです。
負けること・諦めること自体は悪いものではありません
さて、一般的に負け癖や諦め癖って、悪いものというイメージがあるのではないでしょうか?
確かにネガティブな意味合いで語られることが多いと思うのですが
ただ「負けること」「諦めること」自体が悪いことではないのですよ。
負けるということを通じて学ぶことはたくさんありますし。
前向きな意味での諦めとは、執着を手放すことにもつながります。
ただ、負け癖・諦め癖となると、自分自身の価値を感じられないだけでなく、いつまでも負け続け、諦め続けることで、「やればできる」「自分ならできる」などと自分を信頼できなくなってしまうのです。
この点が、負け癖・諦め癖のしんどさをつくるものなのですね。
ツァイガルニク効果と自己効力感
さて、行動心理学のジャンルに「ツァイガルニク効果」という言葉があるんですけどね。
ツァイガルニク効果とは、人は、達成したことと、達成できなかったことがあると、「達成できなかったこと」の記憶や印象をその心に強く留める効果のこと。
いわば、成功体験より失敗体験をよく記憶し、そこに捉われてしまうということでもありますね。
これは僕たちの心理学でいうところの失敗感を刺激するだけでなく
「何もしていない罪悪感」を刺激するものにもなるんです。
すると、何事も「自分ならできる」「きっとうまくいく」と感じにくくなっていくのです。
これは「自己効力感」が感じられていない状態に近いです。
「自己効力感」とは、目標を達成するための能力を自らが持っていると認識することを指します。 心理学者のアルバート・バンデューラ博士によって提唱された概念です。
成功する・失敗しない自分を期待して失望する
なので、どんな物事に対しても淡い期待を寄せる傾向が強くなります。
「もし、自分がこうであったなら、失敗しない気がする」
「私がこんな人間だったなら、きっとうまくいく気がする」
これは失敗しない、成功する自分を期待するのですが、そもそも期待とは、期待通りの結果が出ない限り失望するものなので、
「成功する、もしくは失敗しない自分を期待して、常に失望する」
を繰り返してしまうんですね。
これは痛い、というか激痛になりませんかね(^^;
負け癖・諦め癖とは「傷つかないことを期待して失望する」癖ともいえる
僕は最初に
『負け癖・諦め癖とは、「自分自身がなにかに期待して失望し傷つくことを避ける方法」の一つ』
と書きましたけれど、ここまでの解説を加えるとこんなことが言えるのではないでしょうか?
負け癖・諦め癖とは「負けたり諦めたりすることで、自分が傷つかないことを期待して失望する癖」でもある。
だから、続けるメリットはたしかに少ない癖だと言えそうですね。
負け癖、諦め癖を持った自分を責めないで!
ただ、負け癖、諦め癖がある自分を責めないでほしいのです。
おそらく、負け癖、諦め癖を身につけるには、それなりの事情があったはずなのです。
その事情は丁寧に理解されるべきことなのです。
そして、その事情を理解することで「今までの自分を認めてあげる」必要があるのです。
誰が好き好んで負け癖や諦め癖を身につけるのでしょうか?
きっとそこにはそうするしかない事情があったのでしょうから、そこも丁寧に扱いたいところですね!
負け癖、諦め癖を手放す方法
では、どのようにすれば負け癖・諦め癖を手放せるのかについてまとめておきます。
今回は3つの視点・方法をご提案しますね。
※「人に期待せず自分らしく生きる方法」に関しては次のページで解説していますので、こちらもぜひ参考にしてください。
自分で決める。自分を褒める。
これはシンプルに、自分で考えて、自分で行動を決めることです。
どんな些細なことでも、自分で考えて、自分で選択して、自分で行動する。
「こんなこと誰でもできる」(できて当たり前)
「自分のできることを、なんとなく失望しないために動機をぼやかして行動する」
「どうせやったって意味ないよと言いながら行動する」
そういった癖を止めてみましょう。
そして、どんな些細なことでも考えて、選んで、行動したなら、その自分を褒めましょう。
できれば「褒め日記」をつけて、自分の行動と選択を書いて、そこに褒め言葉を添えて記録しておきましょう。
例)今日、取引先との商談を行い、こちらから〇〇という提案を行った。「私、頑張った!」
期待は失望の母と知り、今できることに意識を向ける
まずは「期待は失望の母」と知りましょう。
だから、
- 自分に過剰な期待をかけること
- 他人に過剰な期待をかけること
- 他人からの期待に過剰に応えようとする意識
これは、一旦横においておくのです。
つい期待しても、また「横に置こう」と思うことです。
その上で、「今の自分にできること」に意識を向けましょう。
それができているという意識を持つことです。
自分にできることが多くなかったとしても「これができた」という意識を持つように心がけましょう。
例)今日の会議で有意義な発言や提案はできなかった
→他の人の意見から〇〇を学んだ。私やるやん!真面目やん!これを次回につなげよう!
分離しない。人と関わる。
人と関わって、自分の気持ちを話したり、人の気持ちを丁寧に聞くことです。
このような人との関わりが少ないと「どうせ一人だし」と負け癖や諦め癖が発動しやすくなります。
だから、できる限り関わりやすい人と関わること、人との心の交流を持つことはとても有効です。
最後に
負け癖・諦め癖を持つ自分に苦痛ばかり与えても、なかなか癖は手放せません。
しっかり負け癖・諦め癖を理解して、今までの自分を受け止めて、手放す方法をできることから初めてみると、ゆっくりと負け癖・諦め癖を手放していけますよ。
自分の行動に意味がある、価値がある。
そして、今の自分にできることはある。
そう感じられるようになれば、きっとその癖、手放せますよ。
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