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依存を嫌うと確かに恋愛は苦しくなりがちです
依存嫌いという言葉に代表される、自立が強い人の中には
「依存を嫌いすぎているからこそ不自由で、自分が不利になるような恋愛を繰り返す」
なんて経験をされている方も少なくないようです。
たしかに人に依存しまくる恋愛もうまくは行かないことが多いのですが
逆に、全く人の依存しない、もしくは、自他の依存心を極度に嫌う気持ちが強い場合も恋愛が苦しくなりがちなのです。
が、多くの「依存嫌い」さんは、依存を嫌うことで今の自分を確立している場合も多いので、
「今の自分が自分であること」と
「いい恋愛・いい関係を維持すること」
その両立が難しいと感じるようになる場合があるようですね。
そこで今日は「依存嫌いと恋愛」をテーマにコラムをまとめてみます。
よろしければどうぞ。
「依存嫌い」とは何か
まず、依存嫌いとは一体どういう状態なのかについてご説明します。
依存嫌いとは、自分、または他人の依存心を極端に嫌っている状態です。
よって、自分自身が依存的になることも、他人が依存的になることにも嫌悪感や抵抗感を感じやすくなるんです。
※依存に関する詳しい解説は次の記事にありますので、よろしければご覧になってください。
僕たちは依存心(誰かに頼りたいといった気持ち)と
与える気持ち(愛したい、与えたい、支えたい、貢献したい)とがあるわけですが
なんらかの事情で依存心を禁止したり、極端に嫌うようになることで
自立(誰とも繋がっていない状態・いかに自分が傷つかないかばかり考える状態)を強めてしまうことにもなるんです。
依存嫌いの恋愛では何が起きるのか
依存を嫌い、自立を強める状態になれば、恋愛などの関係性の中で
- 相手と積極的に関われない
- 相手の影響を引き受けてあげられない
- 競争意識が強くなる
- 依存的な自分が悪いと感じやすく、パートナーを見上げてしまう
- 正論を使って相手を打ち負かす
- 自分から相手と距離を取る
- 困っている相手を放置する
- 自分が困っていても相手を頼れない
- 相手の依存心を否定したり、攻撃してしまう
といった状態になりやすいんですね。
いわば、いつも相手と距離のある恋愛になったり。
いつも言い争いといいますか、相手の悪いところばかりに意識が向く関係になることも少なくありませんし。
恋愛が始まる前であれば、なかなか人を好きになれない、いいと思える人がいない、といった感覚を覚えることも多くなります。
それもこれも「人を好きになる気持ち」自体、依存的なマインドの要素によって構成されている部分が大きいから、なのですけどね。
また、僕たちは自分の弱い部分(依存的な気持ちを感じたり、そんな態度を示しやすい部分)を誰かに愛してもらうことよって、愛されているなぁと感じるわけなんですけども。
そもそも依存嫌いであれば
「人に依存するなんて自分は最悪だ」
と感じるわけですから
自分が愛されている、許されている、自分の気持ちをわかってもらえている、といった感覚を感じることも少ないわけですよね。
依存嫌いのルーツは過去の失望にある
では、どうして依存嫌いなマインドができあがるのか、について考えていきたいわけですけども。
まぁ依存嫌いというぐらいですから
- 依存したいときに依存できなかった
- 助けてほしいときに誰かに助けてもらうこと期待をしたけれど、期待通りにならなかった
- 依存時代(過去)に助けたい人(親など)がいたのだけど、自分に力がなくて助けられなかった
といった、依存に関する何らかのエピソードや、それにまつわる感情・記憶がある場合が多いようですね。
とかく「普段はいい人なのに依存嫌い」なんてタイプの方に多いのが
「依存時代に助けたい人を助けられなかった」
なんてケースです。
また、依存なんてものは悪であり、成長と成功こそ正義、なんてタイプの方ほど
「過去、誰かに依存したいと願ったときにロクな目にあってこなかった」
なんてケースが多いでしょうか。
そう考えると、依存嫌いのルーツは過去の失望にある、とも言えるんです。
助けたい誰かがいるのに、力がない(誰かに依存することでしか生きられない)自分に失望した、とか。
誰かの助けが必要だと思っていたけれど、誰の助けもやってこなかった(欲しい支援が得られなかった)と思うなら、そもそも誰かに依存すること自体に失望を感じますしね。
このような、なんらかの辛い失望体験が、依存嫌いを作ることが多いようです。
依存嫌いが作る恋愛パターン
ただ、依存嫌いになったとしても、依存心がなくなるわけではないので
例えば、なかなか人を好きになれない、いいなと思える人ができづらい、といった気持ちを持ちやすくなることもあれば。
パートナーの依存心を徹底的に攻撃したり、極端に依存心が強い人をパートナーにしたり、なんてことも起きる可能性があります。
浮気、不倫、病気、ギャンブル、買い物依存、風俗やマスターベーションへの依存など、いわば「刺激」を求める気持ちが強まることも考えられます。
イメージとしては「欲求が地下に潜る」ような感じ、といえばいいでしょうか。
依存的な自分を攻撃するパターンもある
ただし、依存嫌いの恋愛問題は、何も依存的な自分や相手が嫌いだと感じるケースだけとは限らないのですね。
どこかで
「私は依存的でダメな人間。パートナーはしっかりしているから相手の方が正しい」
と感じたり
「いつまでも自分の依存的な部分を見ては自己嫌悪を繰り返す」
とか
「自分はだめな人間だから、いつも頑張り続けていなければいけない」
とか
「依存的な自分を見せたら嫌われる。だから、相手に対して尽くさねばならないし、相手のために何でもできる自分にならなきゃいけない」
なんて感じている場合もあるんです。
これも一つの依存嫌いから生じる、自分を責めるタイプの恋愛パターンと言えます。
依存嫌いによる恋愛問題から抜け出す方法を考える
では、最後に「依存嫌いによる恋愛問題から抜け出す方法」について考えていきます。
依存嫌いな自分を一旦受け止めてみる
ここまで散々「依存嫌いが恋愛の問題を作る」と書いてきましたけど(^^;
実は、依存嫌いな自分も一旦受け止めておくほうがいいと僕は考えます。
依存嫌いである自分が正しい、とまで思う必要はないにしても
依存を嫌いながら生きてきた自分にも何らかの事情があったと思いますから、そこまで否定する必要はないよね、という感じですね。
特に「自分が依存を極端に嫌っていた」と知ることもまた意味のあることだと思いますしね。
自立と依存のバランスについて考えてみる
実は、幸せな成功者さんも、幸せなパートナーシップを持つ人も
依存と自立のバランスが取れているから幸せを実感しているんだ、と理解してみることもオススメです。
成功というと「意思・努力・行動」なんてイメージがあるかもしれませんが
実は僕の知る限り、成功している人ほど、意思も強く、行動力もあり、努力もされていますし、人一倍与えていますけど、うまく人に依存していますよ。
というか、人に対する依存の仕方が上手なんです。
言い換えるなら、人を動かす力に長けている、といいますかね。
それはまさに「自分から与えた分だけ、人からの愛や支援を受け取れる」という話でもあるんですが
依存嫌いさんのように「ええねん、こっちのことは」と人の好意をはねのけるような、依存的な自分になることを嫌うような感じではないんですよ。
なので、自立と依存のバランスを取る意識を持つことも大切ですね。
あまりに自分が自立的な態度を強めていると気づいたら
人にお願いしたり
信頼できる人に手伝ってもらう、相談するという選択をふたしてみたり
頼れるところや任せるところは誰かに渡してみる
なんて行動を取り入れてみてもいいかもしれません。
そこで「うまくいく」という経験があれば、依存に対するイメージも変わるかもしれませんね。
依存に対するイメージが悪くなった理由を見つめ直す
これはよくカウンセリングでご提案することでもあるのですが
「どうしてそこまで依存に対するイメージが悪くなったのか」
について見つめ直して見る方法もあります。
例えば
- 依存したいときに依存できなかった
- 助けてほしいときに誰かに助けてもらうこと期待をしたけれど、期待通りにならなかった
- 依存時代(過去)に助けたい人(親など)がいたのだけど、自分に力がなくて助けられなかった
そんな気持ちを抱く体験があるなら、無理のない程度で冷静に自分を見つめ直して癒やしていく感じですね。
最後に
自立心も依存心も善悪で語れるようなものではありません。
だから、依存嫌いであったとしても、それはそういう状態であって、いい悪いで語れるものではないと僕は考えます。
ただ、依存嫌いが理由で幸せなはずの恋愛がつらくなるならば、一度自分を見つめ直してみてもいいのかもしれませんね。
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