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人の期待に応えられずにつらい、と感じたことはありますか?
あなたは期待に応えられずにつらい、または、嫌だと感じたことはありますか?
例えば
- 周囲から期待されたにも関わらず結果が出せず、申し訳なさすぎて辛すぎる。
- 「人からの期待」を感じると、まだ何もしていないのに急に辛くなる。
- 「頑張ってね」と言われると、急にプレッシャーがかかり緊張する。
- 今の自分を評価されても、すぐ「次もうまくいかないと評価が下がる」としか思えない。
- 「人からの好意や愛情」を感じると「なにか期待されている」と思ってしまう。
僕のもとには「人からの期待を感じると辛くなる」というご相談がいくつも届いています。
そして、今の自分では生きづらいから変えたい、というお話も。
そこで今日は「人の期待に応えられず辛くなる心理」について解説します。
人の期待に応えられずつらい理由
人の期待に応えられずつらくなる理由は、
「誰かにとって期待通りではない自分と出会うことが嫌だから」です。
心理的には「無価値感の影響」であることが多いですね。
つまり、「人の期待に応えないと自分の価値はない」と感じている可能性を示します。
この「自分の価値はない」という部分が無価値感の影響なのです。
この心理は「挫折感」とも言い換えられます。
「期待された結果が出せず、挫折感を味わうことがつらい」と感じているとも言えます。
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どんな人も最初は(子供時代などは)「期待に応えて喜ばせたい」という素直な気持ちを持っているのです。
が、さまざまな経験をするうちに(真面目な人ほど)「人の期待は報いないとな」という思いが強まります。
それが「相手の期待を裏切って失望されてはいけない」という「人の期待を壊してはいけない」という加害を怖れる意識に変化していきます。
それが更に進んで限界に達すると
「もう期待されるとか嫌だ。プレッシャーでしかない。期待しないでくれる方が楽」
と期待からの回避したい気持ちへと変化していく感じですね。
では、どうしてこのように感じるのかについて詳しく見ていきます。
自分の気持ちを自分で気持ちを決められないと、つらくなる
さて、人の期待に応えられずつらいと感じる理由を考えていくと
「自分の価値を人の評価だけで推し量りすぎている」
という側面が見えてきます。
「人の期待(気持ち)によって自分の価値や気分が決まってしまう」
そんな心理状態になるわけです。
人の期待に応えられる自分はOK。期待に応えられない自分NG。
冷静に考えてみると、超絶しんどい世界ですよね。
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実際、「あなたが人に期待される」ということは
それほどまでに人から価値を見てもらっているわけです。
ただ、そこで「自分が相手にどんな自分を見せたいか」と考えたときに
「その期待に応えられない(かもしれない)」と無価値感を選んでしまうと、人の期待が辛くなるんですね。
応えられるかどうか不安。応えられなかったらどうしよう。
そう感じて苦しくなるのです。
このときも「今できること(そのベスト)はなにか」と考えて実践できればいいのです。
が、失敗や人から失望を怖れすぎてしまうと、期待はプレッシャーや心理的な負荷にしかならないのです。
人の期待に応えられずつらい人の心理〜自己肯定感の低下〜
さて、人の期待に応えられずつらくなる人の「心の様子」を見ていくと「自己価値感の低下」という状態が見えてきます。
人からの期待がつらいと感じている人は、「人の期待に応えたい自分」「期待に応えられる実力を備えた自分」だけを肯定しています。
「誰かの期待に応えられない」「誰かにとって期待通りではない」「人の期待に応えるだけの実力を備えていない」
そんな自分を強く否定していることが多いんです。
これが「自己肯定感の低下」なのですよね。
自分を肯定し受容できていない部分が多い、といった意味です。
では、何故そんなことが起きるのでしょう?
その理由は「自分の価値を人の評価だけで推し量りすぎているから」です。
誰かの期待に応えている自分の価値ばかり考えているからです。
ここまで書きますと、なんとなくお分かりいただけるのではないでしょうか。
「人の期待を感じると辛くなる理由」は
「期待している他人の気持ちを気にしすぎるあまり、人の期待に応えられない自分を自らの意思で否定することによって生じた無価値感の影響」
ということになるんです。
ただ、そうは分かっていても、期待されると辛くなる、と感じる方もいるかもしれません。
実は、この次に紹介する理由で、僕たちは「期待に応えられない自分を、自分が許せない」のです。
※人からの期待に強くなるための心のトレーニング方法については、次のページにまとめています。よければ参考にしてください。
人の期待に応えられずつらいのは「期待に応えたい」から
さて、人の期待に応えられずつらくなるのは、無価値感・挫折感などとは、また別の理由からも生じます。
それが「期待に応えたい自分の存在」です。
人は、基本的に「誰かを喜ばせたい」と思う生き物です。(自尊感情)
だから、誰かに期待されると「その期待に応えて喜ばせたい」と思うものなんです。
逆にいえば、人は「誰かを喜ばせたい」と思う生き物である以上
誰かの期待に応えられず、失望させてしまう自分を許すことができないのです。
これは僕たちが心を持っている以上、避けられないことかもしれません。
人は失望しながら成長し、誰かの幸せを祈るもの
ただ、人はなにかに期待すると、確実に失望するのです。
(僕の学ぶ心理学では「期待の心理とは期待はずれの心理」といいます。)
※期待の心理についての詳細な解説は↓の記事にありますので、よろしければ参考にしてくださいね。
そう考えると、僕たちは「人に期待し失望することを繰り返している」わけですよ。
それはきっとあなたも同じなんです。
だとすれば、なぜ人は期待するのでしょうか?
中には、身勝手で相手のことを考えていない一方的な期待(要求)かもしれません。
しかし、中には「相手の成功や幸せを祈る」という意味で期待する人もいるのです。
ここに気づけるかどうかが「人の期待に応えられなくても立ち上がる人」と「立ち止まる人の違い」です。
人の期待に応えられずつらいときの処方箋
では、最後に「人の期待に応えられずつらくなるときの処方箋」を書いておきますね。
今日ご紹介するポイントは3つです。
※人からの期待に強くなるための心のトレーニング方法については、次のページにまとめています。よければ参考にしてください。
期待に応えられないことで自分の価値が下がるわけではないと理解しましょう
「人の期待に応えられないだけで、自分の価値が下がることはありえない」
そう理解しましょう。
失敗したからといって、あなたの能力の低下、実力の低下は起きません。
失敗した自分を否定すると、実力が発揮できなくなるだけなのです。
だから、周囲の人の期待を過剰に怖れず、自分がやりたいことにチャレンジしてください。
期待の中には「祈り」「応援」があることに気づいてみてください
人からに向けられた期待から
「相手の応援、祈り、好意」を感じ取る視点を身につけるようにしてみてください。
例えば
『もしかして、相手は私の(僕の)成功を願ってくれている「だけ」なんじゃないか』
『こちらにプレッシャーを与えたいのではなく、勇気を与えようとしているのでは?』
「あなたへの良い結果を期待」は、悪意じゃなく好意だから。
人からの期待を「ウザい」と思っているうちは、あなたが「人の期待を悪意だ」と捉え続けることになります。
だから、ずっと自分に余計なプレッシャーがかかります。
もちろん「期待なんてやめて!鬱陶しい!」と思う理由はあろうかと思いますが、その態度を整えると、より楽になっていきます。
これが理解できている人は、期待に応えられずとも凹みにくく、失敗しても「次」を考えるようになるんですね。
人の期待に応えられずつらい自分をそこそこ受け容れましょう
最後は「人の期待に応えられずつらい自分」も、そこそこ認めて受け容れましょう。
「誰かの期待に応えられない」
「誰かにとって期待通りではない」
「人の期待に応えるだけの実力を備えていない」
そんな自分を強く否定せず、「そんな自分も自分、だよね」と認めてきましょう。
同時に「誰かの期待に応えない自分はダメ」という自分も「そう思ってきたんだよな」と認めてしまいましょう。
コツは「そんな自分も自分よね」と思うこと。
今まで頑張ってきたじゃん、と励ますと、余計に「期待に応えられないようなダメな自分になれない」と思い込んでしまうので要注意です。
ここがうまくできると、次第に自己肯定感が高まってきますよ。
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僕の所属団体・カウンセリングサービスの心理学講座でも「期待の心理」についての記事を執筆しております。よろしければこちらもどうぞ。
期待の心理学(1)〜期待の心理とは〜(カウンセリングサービスWEB)
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