僕たちは「大切な人に迷惑をかけたくない」と思う生き物かもしれません。
日々、恋愛や夫婦のカウンセリングをさせていただいていると
「彼なりの迷惑をかけたくないという気遣いが彼女に伝わっていなくて、お互いに誤解してしまっているケース」
に出会うことがあります。
その気遣いがどうにもうまく伝わらなくて、いつしかお互いに不満やイライラが増えていく。
時には激しいケンカにまで発展したり、お互いが沈黙してしまうって関係にまで行ききつくことがありますね。
彼女さんからすれば「私は相手のこと(二人のこと)を考えているのに、相手は全く理解していない」と感じるからすれ違うようなのですけどね。
ただ、彼は彼なりに「迷惑をかけたくないと気を遣っていたからそうなった」というお話は、意外と少なくないものです。
いいか悪いか別にして「それは男性なりの気遣いで、拒絶じゃないよね」というケースですね。
例えば
彼女さんが彼のためにと、遅くまで起きて夕食を用意して待っていたら、帰ってきた彼に「無理せず先に寝ててくれよ」と言われてしまう。
まぁそれを気遣いととる彼女さんは相当少ないと思いますが・・・。
「どうして彼はそんなこと言うのですか?私、傷つくじゃん!」と思う彼女さんと
「そんなに夜遅くまで起きていられると、こっちが悪い気になってしまい気を使うから・・・」と感じる彼。
ただこの彼の気持ち、彼なりの気遣いである場合も少なくないんですよね。
Index
迷惑をかけたくないと気遣う男性の心理
基本的に、優しい男性ほど、女性を傷つけたくないという気持ちを抱きやすいものです。
この傷つけたくないという気持ちは、迷惑をかけたくない、負担になりたくない、という形になっていることもありますね。
ただ、心理的に見ると
「自分が彼女を傷つけたり、迷惑になりたくない」という思いは
「彼女のことを思う気持ち、愛情」なのですが
「自分がいることで相手の迷惑になる(ことが嫌だ)」という思いが強く伴うならば、それは罪悪感だ、ということになるのです。
「自分は迷惑だ」という自己認識、自己評価があるわけですから、それを愛と呼ぶことはかなり難しいのです。
まぁこの違いは「彼女さんのことを大切に思う気持ちや信頼が強い」のか
それとも
「自分が迷惑になることが申し訳ないという自分の気持ち(内面)を見ている」のか
そのあたりの違いになるんですよね。いいか悪いか別にして。
ただ、彼の気持ちが愛であれ罪悪感であれ、何かしらの善なる気持ちが彼女さんに向いている可能性は高いとは僕も考えるんですけどね。
だから、「迷惑をかけたくない」と思う男性の気持ちには、女性の負担を強いられているという状態を回避したいし、そうしなくていいよ、と常に言いたい気持ちを持っていることが多いんです。
これを言い換えれば、相手に嫌な気持にさせるぐらいなら、迷惑になるぐらいなら・・・と思い、女性に関わらないだとか、女性の行動を否定的にとらえることがあるんです。
まぁ度が過ぎるとダメ出しの嵐・・・のような言動になる男性もいるぐらい。そこまで行っちゃうと、それはもうコミュニケーションとしては成立していませんけどね・・・。
迷惑をかけたくないと気遣う男性は癒着しているかもしれない
また、罪悪感から「彼女に迷惑をかけたくないと気遣う男性」は癒着しているかもしれないです。
癒着とは、相手とこちらの心がくっついて境界線がわからなくなっている状態。
※癒着に関しては↓の記事で解説しているのでこちらをご覧くださいませ。
つまり、彼女さんが彼のためを思っていろいろと考え、行動する気持ちには愛があるのでしょうが、癒着体質の彼はそう捉えない可能性がある。
そもそも癒着のあるところでは、「今、相手が何をどう感じているか」を理解することが難しくなるのです。
要は相手の気持が理解できず、自分自身の罪悪感なり、恐れなり、癒着が生じる感情ベースで相手の気持を推し量ろうとするのです。
つまり、彼の中の罪悪感(迷惑かけるのは申し訳ない)という気持ちによって、彼女さんとの間に癒着が生じると
「彼女はきっとつらい思いをしていたり、苦しんでいるに違いない」
という認識を持っちゃうんですね。
なぜなら、彼が罪悪感で彼女に癒着しているとしたら、彼が「自分のことを悪い人間だと思っている状態」がそこにあるから、なのです。
よって、実際の彼女さんの気持ちや愛情が見えなくなる。
癒着とはそんな状態を生み出すのです。
もちろん、癒着は一方だけで起きることではありません。
双方の要因で癒着は起きるので、彼が癒着してるってことで批判するのはちょっと筋違いなのです。
二人の間にそういった関係がある、とシンプルに受け止めておくことがおすすめです。
ただ、もし癒着があるならそれは剥がしておくほうがいいですよね。
お互いに「相手の本当の気持ちが見えなくなるからね」という話なのです。
平たく言えば、自分が愛されていることがよくわからん、となりやすいのですよ。
迷惑をかけたくないと気遣いより、感謝や愛でつながる関係が良いですね
多くの方が、パートナーさんとは
「迷惑をかけたくない」いう気持ちより
感謝や愛でつながる関係が望ましいと思われるんじゃないでしょうか。
だから確かに、迷惑をかけたくないという気持ちよりも、お互いの愛情や信頼でつながる関係を構築していくことがおすすめなのです。
自分が愛していることの価値、相手に愛されていることの価値、その両面をきちんと感じられるマインドを手に入れることがおすすめなのです。
たとえ優しさでも「相手に迷惑をかけたくない」という思いを軸に恋愛や夫婦関係を構築することはリスクが伴うとも言えるのです。
特に、迷惑をかけたくないという優しさが罪悪感から生じているものであったり。
相手との間に癒着があるならば、それは剥がしておくほうがいいですよね。
だって相手の本当の気持が見えなくなるからね、という話なのです。
平たく言えば、自分が愛されていることがよくわからん、となりやすいですから。
迷惑をかけたくないという気持ちばかり使ってしまうときの対処法
ちなみに、あなたが、優しさや気遣いの意味で「迷惑をかけたくない」という気持ちばかり使う癖を持っているならば
ぜひ、自分のことを認めたり、自分の優しさや愛情の価値を認める意識を持ってみてください。
簡単な方法としては「自分には愛や優しさがたくさんあるんや〜」とボケーッと意識し続けること。
意味は問わないで、意識し続けることです。
そもそもどんな人にも愛があるのに、自分は良くない存在だと思うなら、それこそ誤解なんです。
だから、その誤解を解くためのロジックってあまり必要ないんです。
でも、何故か自分の中に愛があるのに、罪悪感を感じてしまうとき、多くの人が「なぜ罪悪感を感じるのだろう」という理由にばかり意識を向けるようなのです。
確かにその理由ならば、僕なりに解説することはできるんですよ。
ただ、その理由を理解しても、自分に愛や価値があると実感しないと、なかなか自分の愛や価値を思い出せないものなんですよ。
つまり、なぜ「自分には愛や価値があるのか」の意味を問うととたんに自分を疑い始めます。
なので、意味を問わず自分に「自分には愛や優しさがたくさんあるんや〜」と染み込ませてみることです。
が、はじめのうちは疑いや無意味感にさんざん襲われることになりますので(^^;
そんなときはカウンセリングに起こしいただくといいのかなぁと思いますけれども。
最後に
いかがでしたでしょうか。
彼の迷惑になりたくないという気持ちにも一定の愛と、罪悪感的発送があるとご理解いただけましたでしょうか?
ただ、このような男性心理の話をすると、多くの女性の皆さんから僕に突っ込みが入りまする。
「な、なにそれ?!意味不明なんですけど!」と。
こっちは待っているのに迷惑だなんて思うぐらいなら連絡してきてよ!
私は私なりに思って行動しているのに、頭ごなしに「もういいよ」ってひどいじゃないですか!と。
う・・・うん、ごめんなさい。そうですよね。
そう女性の皆さんの前でお話をするのがある意味、僕の仕事ですね、はい。
その男性の気遣いは、どうにも女性には「関わりたくない・関心がない・意味がない」と思われているように見えるようで・・・。
しかし、男性の中にそんな悪気が全くなかった場合、まぁその後二人が対立するのはご想像の通りなのですよね・・・。
でも優しい男性の気遣いって、全く悪気なく「相手に負担をかけない」形になることってすごく多いようです。
むしろ女性の苦労を見て「君のおかげで今の僕がある」といえる男性は、まぁ勇者なんでしょうね。
でも実際、そうなんですよ。
このあたりの男性の心の動きをちょっとでも掴めると、相手の好意も見えてくるものなんですよね。
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