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「君には他にいい人がいると思う」という言葉
「君には他にいい人がいると思う。俺たち、一度距離を置いたほうがいいのではないだろうか」
そんな彼の言葉が今も私のココロに突き刺さってしまってます。
カウンセリングの現場にいますと、実際にこういったお話も伺うのですよ。
皆さんの中にも彼との関係の中で「じゃあさ、君は一体俺にどうしろっていうんだ」「キミが何を言っているのか、僕は理解できない」といった言葉を聞いて、すごく傷ついた方もいるのではないでしょうか。
ただ、このような恋愛トラブルについて、ゆっくりじっくり伺っていくと、「その男性って実は「あなたのために何がしたら良いのかわからない」と感じていて途方に暮れており、どうすればいいか答えが出ないのではなのかしら」と思えるケースと出会うことがあります。
しかしその男性の葛藤やら思いが女性に全く伝わっていないので、めっちゃ揉める、もしくは傷つけあってしまっているというケースは意外と少なくないように思うのですよ。
そこで今回は「男性の愛情の込め方」という視点から、についてお伝えしたいと思います。
彼が「他にいい人がいると思う」と伝える意味と理由
さて、「他にいい人がいると思う」という言葉って、多くの場合「別れたいという意思表示」だと解釈されますよね。
たしかにそのように解釈したほうがいい場合も少なくないんです。
が、今までの二人の関係が円満だったとか、問題はなかったのに、彼がそう伝えてくるとしたら。
もしくは、彼がいい加減な人でないのに、このような言葉を伝えてくるなら。
おそらくその彼は「怒っている」もしくは「関係が良くなるために何をしたらいいかわからず困っている(怖がっている)」可能性が大です。
人はわからないことと向き合うと怖れを感じる
人は「何がしたら良いのかわからない状況」に置かれると怒りを感じやすくなります。
だから、黙るとか、何もしない(もう会わない)といった行動に出やすくなるのです。
これは「人はわからないことと向き合うと怖れを感じる」という心理によって生じることです。
彼女とどう向き合えばいいのか。
どうすれば彼女の機嫌が良くなるのか。
二人が穏やかに前向きな形で向き合えるのか。
そういった事を考えたときに「どうしたらいいか分からない」と思うと、わからないことから目をそらして怖れを切り離したくなるのです。
彼は彼女に何かを与えようと考えていることも多い
そんな男性の本当の気持ちを推し量ると
「彼女に「何か(something)与えよう」としている」ことも多いです。
実際、カウンセリングで女性からのご相談を伺うと、「彼がクライエントさん(女性)に何かを与えようとしている光景」が目に浮かぶことも多いのです。
しかし、二人の間にすれ違いや思い込みが存在していて、彼としてはその気持ちがことごとくうまく伝わらず、どこか無力感、罪悪感を感じているといった場合も少なくないのです。
その結果、彼はもはや「(君といると、とかく無力感や罪悪感を感じるんだ)君には他にいい人がいると思うよ」と言うしかなくなっている場合もあるのです。
つまり、彼も彼なりにあなたのことを愛そうとしたってことではないのでしょうか。
しかし、女性視点でその彼の愛情が理解できず、一体何が彼の愛情なのかが見えないままだとしたらどうでしょう。
「いや、急に距離を置こうって言われても」と戸惑われる女性もいらっしゃるのかもしれないですね。
「彼の与えたい何か」とはなにか
では、その彼が与えたい「何か(something)って何なのか?」
それは「あなたが楽になって笑顔になれるための何か?」です。
それぐらい人は「誰かの役に立っている自分」に価値を感じるものなのです。
自分なりにそれを考えているのだけど、うまく彼女に伝わらない。
そんな状況が続いたことによって彼はどんどん怖れを感じるようになるわけです。
だから、「他にいい人がいると思う」って彼が言うとしたら、それは相性が合わないということ以上に
彼の中では「お互いの思いが通じ合っていない状態を解消したい」と感じているなのでしょう。
つまり、二人の間には超すれ違いが多かったのかもしれません。
もしくは、お互いに自分の本当の気持ちを表現していなかった、といった背景があり、それゆえにすれ違わざるをえなくなった、というケースも少なくないのかもしれません。
具体的なコミュニケーションのすれ違い事例
例えば、彼女が彼に「こうして欲しいよ」とお願いした、としましょう。
どこかのコラムで「男性には分かりやすくお願いするといい」で読んだ影響もあって、具体的に伝えたとしましょう。
そこで彼が「その気持ちに応えればいいんだよね」と思い、いいよ〜って答えました。
その彼の姿を見てあなたは喜びました。
このカタチなら、男性も喜んでくれてよかった、と安心し、二人の関係にも納得感を得るのです。
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一方、次のようなことが頻発しているとしたら、おそらく関係を続けることを疑問に思うようにもなるのでしょう。
彼女が彼に「こうして欲しいよ」とお願いしました。
そのお願いに対して、彼は「え?そうなの?それよりもさ、こっちのほうがよくない?」と思い、良かれと思って、彼女が頼んでいないことを行いました。
そのとき、彼は「きっと喜んでくれるはずだ」と思っておりました。
しかし、それでは彼女は「おいおい、そんなこと頼んでねーよ」と思い、うっかりそんな空気感を漂わせながら感謝しちゃいました。
すると彼が「なんだか嬉しそうじゃないよね」と詰めてきました。
「ふー、あんた私の話なんて聞いてないじゃない」と思いつつも、喜ばないと揉めるからと思い、私は彼に合わせてみてました。
そしたら彼から「なんだか僕たち合わないよね」なんて言われる始末・・・。
*
こんなケースはざらにあるんですね。
まぁお互いに「相手の話を聞こうぜ」って話だと言ってしまえばそれまでなのですけど、まぁそんな話は少なくない。
だから、まぁお互いさまっちゃーそうなりますよね。
ただ、ここであえて男性の気持ちの話だけをすれば、いいか悪いか別にして
『自分なりに「良い」と思ったことが、すべてが裏目に出てしまうと、「俺には相手を喜ばせる何か(something)を持ち合わせていない」と感じてしまう』人も少なくないんですよ
いわば些細なすれ違いから罪悪感や無力感を感じることになるわけですな。
まぁ「そんなの彼の勝手な話」「自作自演の笑い話じゃない?」と思われる方もいるかもしれません。
ただ、こういったすれ違いを通じて恋愛に積極的に慣れなくなる男性も少なくない話だと僕は感じています。
男性の別れ際にある常套句である「僕はやっぱり結婚に向いていないんだよ」などの言葉は、このようなスレ違いなどからやって来ることは多いようです。
なので、女性の皆さんが「この人は何言ってんの?」という反応をすると、男性は「あぁ、もう嫌だ、無理だ・・・」となってしまうことが多いのです。
「他にいい人がいると思う」という言葉は彼の葛藤のあらわれ
ここでのポイントは
「よほど自己中心的な男性でない限り、男性は女性を喜ばせたいと思ってる」ということ。
つまり「他にいい人がいると思う」という言葉は、彼があなたのことを考えた証であり、葛藤のあらわれでもあるわけです。
もちろん男性も一方的に悩んだり、今後のことを決めるのではなく、女性の話を聞き、その気持ちを理解する意欲は持ったほうがいいですよ、きっと。
しかし、うまく愛せないことで凹みやすい男性って意外と多くて、それぐらい自信を失うことを恐れている男性も少なくないので、ちょっと気をつけて彼の様子を見ておきたいところですね。
また、もし彼が自分のしてほしいことをしてくれないのであれば、そこをちゃんと話し合ったほうがいいですね。
相手のことを考え相手の意見を否定せず、「私はこう思う」という主語をつけて話をすれば、多くの物事は伝わるものですからね。
以上、いつも彼や彼女の前で我慢ばかりして、言いたいことが言えないと「「君には他にいい人がいると思う」という言葉が飛んでくることがあるよ、という話でした。
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