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心を閉ざしてしまった夫との関係を修復したい、というご相談
「心を閉ざしてしまった夫との関係を修復したい」
というご相談をいただくことがあります。
なかなか向き合えない夫婦関係というものは、本当に切なく、胸が痛むものでもありますよね。
ただ、夫との関係を修復するケースでも
そもそもその夫は誰に対しても心を閉ざす人なのかどうか、や
実はいつから夫婦関係を持っていたのか
そのあたりで取り扱い方は若干変わってくる部分があるだろう、と僕は考えています。
例えば、そもそも心を閉ざしている人の場合、なかなか変わらないこともありますし。
また、結婚5年未満で関係が悪化しているという場合と、十数年夫婦をやってました、といういうケースでは、少し見立てが変わるケースが少なくないんです。
そこで、今回のコラムは
「そもそも二人は愛し合えていた」(以前の夫は心を閉ざしていなかった)
かつ
「夫婦となって5年未満で関係が悪化した」という場合を扱います。
その前提で「夫はなぜ心を閉ざしてしまったのか」という部分をコラムにしてみたいと思います。
よろしければどうぞ。
心を閉ざしてしまった夫の心理(結婚5年未満の場合)
さて、まずは「心を閉ざしてしまった夫の心理(結婚5年未満の場合)」について少し触れておきたいと思います。
心を閉ざす夫の心理として考えられることは
「夫と妻の情緒的なつながりが失われている状態」が続いていたことにあります。
具体的には
- 妻と一緒にいても想像以上に居心地が良くない
- 情緒的な安定を感じられない(妻の機嫌に対応しきれない)
- 妻との関係において、自らがきちんと責任を果たしていないと感じる(妻が責任を果たしていないと感じている)
といったものから、夫婦の絆や情緒的なつながりが失われている状態だ、と僕は考えています。
言い換えるなら、心の面でのつながりがないまま、夫婦や結婚という「責任」で繋がっている関係、とも言えるでしょう。
これは「お互いが相手を愛している(愛していない)」という気持ちの話ではなく
夫婦の心理的なつながりが不十分なときにいろんな問題が起きるよ
という話なんです。
夫が心を閉ざしてしまった理由を考える(結婚5年未満の場合)
では、どうして夫が心を閉ざしてしまったのか、について考えていきます。
が、実際に「夫が心を閉ざす理由」「夫の気持ちが落ち着かなくなる理由」がどこにあるかは、カウンセリングなどでお聞きしないと検討のつけようがないのです(^^;
が、あくまで概算でしかないのですが、ある程度検討をつけることもできないわけではないのですよね。
その時に使える考え方が、以前書いたコラムにある
「結婚・夫婦関係も自分自身と同じような成長プロセスをたどる」
という話なのです。
※詳しくはこちらのコラムをご覧ください。
なお、この結婚によるロマンスは「長くて3年は続く」と考えられているので、今回のコラムでは「結婚5年未満」という区切りを設けているんですね。
結婚によるロマンスの終焉は「思っていた生活と違う」によって幕を開ける
結婚当初は「夫婦となったロマンス」によって、お互いを求めあっていたり、相手の欠点を受け入れているわけです。
が、次第に、夫婦お互いが、今の生活やパートナーのあり方についても不満を持つようになる、ということです。
「好きだったときは気づかなかったけれど、パートナーや今の結婚生活は、自分が想像していたもの違う」
「こんなはずじゃなかった」
と思うことが増える、ってことですね。
ここでの不満が多くの場合「他罰的な発想」「自分が悪いのではなく、相手が悪い」と考えやすい。まぁ不満ってものはそういうものなんですけどね(^^;
逆に言えば、パートナーや今の生活に不満があっても
相手を責めないように、ニーズが強くならないように、と気をつけ始める時期でもあるんです。
が、このとき、二人の関係を良好に進める方法を知っていればいいのですが、それを知らなかった場合。
多くの人は、パートナーを傷つけたくないと考えるので
「自分の気持ちに蓋をして、今の関係を続けていく」
という選択になることが少なくないんですよ。
不満や失望を我慢することで失われる「心のつながり」
つまり、多くの人は結婚生活を継続していくために(責任を果たすために)
不満や失望を我慢するのです。
これが「心を閉ざす」ということにつながるんです。
意識としては「相手にどんどん期待しなくなっていく」という感じ。
よって次第に、相手との信頼、つながりが、どんどん感じられなくなっていく。
このあたりから
責任ではつながっているけれど、心のつながりというものが失われ始めるのです。
が、実際は、自分自身が不満を抱え、相手と積極的に関わる意識も薄くなるので
「相手に対する責任を果たせていない自分」を感じることにもなるんです。
真面目な人ほどそんな自分を否定的に捉えますし、場合によっては自分を責めますからね。
どんどんパートナーの前で心を閉ざしていく、できればもう関わりたくないと考える人が出てくるんです。
パートナーとの衝突が増えると関係が壊れ始める
また、パートナーの衝突が増えたり、お互いの言動がマイナスばかりだった場合、関係悪化が加速することがあります。
例えば、パートナーが不満ばかりぶつけたり、自分自身の不安から嫉妬や浮気を疑うなんてことを続けた場合。
パートナーの言動を「責任」として受け止めることはあっても
パートナーの不満や不安、こちらに向けられた嫉妬や疑いなどの気持ちと、こちらの心をつなげよう
なんてことなんてあまり考えないはずなんです。
「自分を責め立てるパートナーの気持ちとつながる、信頼を結び続けるなんて、とてもじゃないけど無理」
と考えてしまう人が多いのではないでしょうか。
自分が責める人、非難する相手とつながるには、それなりの経験と学びが必要ですからね。
たとえ、不満や不安を抱えているパートナーが助けを求めてると理解できていても
そんなパートナーを支えようという意識があったとしても
それって「全て自分の責任だと言われている感じ」がするのです。
このとき、心のつながりではなく
すでに責任のみでつながっている関係が壊れかける様相を呈するのです。
そこには、もはや、愛だけでなく、責任すらも感じられない、という感じでね。
そんな関係に至った人は
「自分が愛すると決めた人のことも支えられない」
といった挫折感を味わうのです。
よって、自分を守るために心を閉ざすしかない、と考える人も出てきます。
そして、夫側にもかなりの怒りや不満も溜まってくるわけですね。
心を閉ざしてしまった夫とは、怒りや不満、パートナーへの反抗心をいだきながら、ヘルプサインを出している
ここまでの話を読んでいただくとおわかりいただけると思うのです。
人が最愛の人に心を閉ざすということは
もはや責任でも繋がっていられないほど、心のつながりを持ちたくないと感じている証、でもあるのです。
つまり、「心を閉ざしている夫」とは
- パートナーや自分自身への怒りや不満、失望を抱えている可能性があること。
- また、自分の気持ちを理解しようとしないパートナーへの反抗心を抱いている可能性があること。
- かつ、そんな自分を自分だけでは救えないので、パートナーへの(もしくは他の誰かへの)ヘルプサインを出している存在
とも言えるんです。(なかなか素直に表現することはないと思いますけども。)
心を閉ざしてしまった夫の関係改善を図る方法
だから、心を閉ざしている夫に関わろうとするなら
今の夫が抱えている感情(あなたへの怒り、不満、失望、反抗心)などと、こちらがつながる意識が必要になることが少なくないでしょう。
そして、
夫を愛してあげること
夫ともう一度心のつながりを持てるようなアプローチが必要になることが多いです。
もちろんこれは
「自分を責め立てるパートナーの気持ちとつながる、信頼を結び続けるなんて、とてもじゃないけど無理」と考える人が多いでしょう
と書いているように、文字で表現するほど簡単なことじゃないこともあります。
が、もう一度夫婦の絆を取り戻すなら、その方向に進むことを僕はおすすめしますし、そういったサポートをさせてもらっています。
そのサポートの一環として
- 今は待つほうがいい時期(積極的に関わらないほうが夫の負担が少ない時期)
- 少しつづ関わる方がいい時期(責任より愛し合う関係を模索する時期)
を見極めながら
クライエントさんと「さて、どうでしょうね?どうしましょうね」と一緒に考えさせてもらっています。
夫との心のつながりを求めるのだから、こちらの気持ちの立て直しも必要
また、夫との関係修復を望む奥さまのお気持ちの立て直し、癒やしは必須になるんですよね。
夫との心のつながりを模索するわけですから、こちらの気持ちが乱れていたり、整っていないままでつながることは相当に難しい、と僕は考えます。
特に妻側が夫を責め立てた、助けてほしくて相手に当たり散らかした、という過去があった場合
その後悔や罪悪感をどう整理するかが重要ですね。
実際のカウンセリングでは、その辺のサポートもじっくりさせていただいております。
その上で、
例えば、「挨拶はかならず行う(夫の返事がなくとも)」「機嫌よく家では過ごす」「自分の気持ちを手紙で伝える」など
実際にどんなふうに関わるかのテクニックが生きてくる、って感じです。
夫婦関係修復は心のつながりを取り戻すプロセスです
そもそも夫婦関係も恋愛も
「相手との情緒的なつながりがあって、はじめて支え合える関係になれるもの」。
夫婦関係修復は、パートナーとの心のつながりを取り戻すプロセスです。
心のつながりとは
お互いが「私が相手のことを想い、その思いを相手が知ってくれている、と感じられていること」。
これが欠かせないんです。
むしろ、「こっちの気持ちなんて気づかない」「理解していない」「無視する」という人に対して「責任」を果たそうとも思わないでしょう。
いくら責任だけで繋がっていたとしても、それはもはや義務のような関係でしかありません。
その関係を維持する意味がないと感じたとき、僕たちは愛する人に心を閉ざすのです。
つまり、あなたにどれだけの愛情や優しさがあっても
パートナーとの心がつながっていないなら、関係修復とはなりづらい、という話。
これは、夫婦関係だけに限らず、恋愛でも対人関係でも同じなんですよね。
以上、なにか参考にしていただけますと幸いです。
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