ほぼ30代からの心理学

葛藤(コンフリクト)についての解説

心理学講座のシンボル

葛藤(コンフリクト)について解説します。

葛藤(コンフリクト)のシンボルイメージ

みなさんは「葛藤」という言葉を耳にしたことはないでしょうか。

「あーもう迷うわ。悩むしね。どちらにするか決めらんない。」

僕たちは日常生活の中で、時には恋愛や仕事の中で、このような状況で葛藤することがあるわけです。

では、心理学でいうところの葛藤とはどういうものなのでしょう。

このコラムでは「葛藤(コンフリクトとも呼びます)」について簡単にまとめます。

よろしければどうぞ。

葛藤(コンフリクト)とは

葛藤(コンフリクト)とは

  • 自分自身が「同程度の強さ」の欲求を持っていて
  • その両方を選ぶことができない状況だからこそ、悩み続けてしまう状態(行動が決定できない状態)

のことを言います。

まさに「内面で2つの欲求がぶつかっている」という感じですね。

例えばこんなケース

私は今、同時に2人の男性から告白されていて、どちらとお付き合いしようか決めかねて悩んでいる。

Aくんは優しくて穏やか。一緒にいて落ち着きそう。少し刺激の少ない関係になるかもしれないけど、私自身も私のままいられそうだな。

Bくんはちょっと強引だけど情熱的でパワフル。彼の魅力に強く惹かれるけど、一緒にいたときに、私が私のままいられるかちょっと不安だな。

どちらの男性にも魅力を感じるけれど、それなりにリスクも感じるので、すぐに決められないよ。どちらが運命の人なの?

(ちなみにこの葛藤の形は後述する「二重接近回避」となると思います。)

葛藤が長く続くと・・・

なお、葛藤が長引いてしまうと、フラストレーション(欲求不満)を感じるようになります。

この状態が長引くことで、心理的にも(身体的にも)望ましくない状態になりやすいのですね。

よって、僕たちは「可能な限り葛藤が生じる(生じさせる)場面を回避しようとする傾向」があるとも言われています。

上の恋愛の例では

どちらの男性にしたらいいか決められずに悩み続けた結果、どちらともお付き合いしない(二人共に断りを入れる)

なんてケースがそれにあたりますね。

葛藤(コンフリクト)の分類について

さて、この葛藤(コンフリクト)には、いくつかの形態があるとも言われています。

「クルト・レヴィンの3分類」と、「リチャード・S・ラザルスの二重接近回避」についてご紹介しますね。

接近ー接近型葛藤

これは「2つの物事が、ほぼ同程度の魅力を持つ場合に、どちらにしようか迷って、行動を起こせなくなる葛藤」のことです。

平たく言えば「物事のプラス面で悩む」わけです。

例えば、ランチにイタリアンレストランに出かけたとき

気分はボロネーゼなんだけど、レストランで他の人がオーダーしたチーズリゾットが超美味しそうに見えちゃった。

本当は両方食べてみたいけど、ランチに2皿はマズいから・・・。

さぁ、どっちにする?どうする?みたいな葛藤です。

この葛藤は「一方を取れば一報を諦めなければならないため」に発生するもの、とも言えますね。

ただ、この場合は「一方を選択する」という行為によって、もう一方の対象に対する欲求は比較的弱まると考えていいケースでもあります。

つまり、「選ぶ」という行為によって混乱することはあまりないのです。

だから、あまりに迷う時間が長いなら、きちんとどちらか一方に決めてみる方法が結構使えます。

回避ー回避型葛藤

これは「2つの物事に、同程度のマイナス要因があり、その中でどれか1つを選ばなければいけない葛藤」を指します。

平たく言えば「物事のマイナス面で悩む」わけです。

例えば、少し前に仕事をやめた人がいるとします。

しばらく休んでいたのですが、そろそろ「生活するお金のために働かなきゃな〜」と考えるようになったのですが、前職があまりに辛かったので「仕事って嫌だな〜」と思うようになっていた。

しかし、「今のまま仕事をせずにお金がなくなるのも嫌だし、怖いし・・・」とも思うようになっていた。

仕事をすると辛く苦しくなりそう。
でもお金がなくなるのは嫌だし怖い・・・。

うーん、どうしよう。考えすぎて決めらんない・・・。

みたいな感じです。

この葛藤は、要は「自分にとって嫌なことで悩み、決められないでいる」わけなので、まぁしんどいし逃げたくなることが多いものかもしれません。

なので、他の抜け道や方法を探し出すか、どちらかのマイナス要因を「仕方ないなぁ〜」と受け入れることを通じて解消していくことが多いです。

なお、この状態を長く続けると、フラストレーション・ストレスが溜まりやすくなりますし、気持ちの面でも不安定になりやすい傾向があると言われています。

なので、気分転換やストレスケアも重要になってくることが多いですね。

接近-回避型葛藤

これは「1つの物事が、魅力的(プラス)の面と、魅力的ではない(マイナス)面の両方を持っている場合の葛藤」を指します。

どんな物事にもプラス面とマイナス面があるものですが

そこで「選ぶか選ばざるべきか」と迷った結果、行動を起こせなくなる

という話です。

例えば、これは明らかに今の僕は抱えている葛藤なのですが(^^;

「新型MacbookProが魅力的すぎてめちゃくちゃほしい!

けれど、購入するにはちょっと予算的に厳しい_| ̄|○」

こんな感じですね、はい(^^;

この場合

「どんなことにもプラスの面とマイナスの面があることは避けられないし、常にプラスのこと(良いこと)を選択し続けることはほぼ無理なんだよね」

と考えてみることが必要になることもありますね。

まさに、リスクを取らなきゃリターンはないよ、虎穴に入らずんば虎子を得ず、といった感じでしょうか。

物事がよく見えているからこそ悩むこの葛藤は

「自分の選択に責任を持つ意識」に加えて

「まぁミスは誰でもあるんだから致命的なミスじゃない限りOK」的に思えるようになると解消するかもしれませんですね。

逆に、「絶対にミスや選択間違いは許されん!」と思うと、なかなか収まってくれなくなりますね。

二重接近ー回避型葛藤

これは「接近-回避型」が二重になった葛藤」ですね。

2つ以上の物事にプラスの面とマイナスの面の両方があるからこそ葛藤する、という場合です。

例えば、就職活動の中で複数の内定を得た。

Y社は仕事が面白そうで会社の雰囲気も良いが、いかんせんお給料が低い。

Z社の仕事にはあまり興味が持てないし、なかなか古風な社風のようだかお給料が高い。

まぁ物事のプラスの面だけ見て悩めるなら、まだ楽・・・。

物事のマイナスの面だけを見て悩むのは、結構しんどい。

だから、僕たちは日常の中で物事を多角的に捉えながら葛藤しているもの、と言えるのかもしれません。

ただ、この葛藤にドはまりすると

「自分でどうしたらいいかわからない」

という状態に陥りやすくなります。

要は、物事の両面が見えてしまう分だけ、葛藤すると(場合によっては)思考力や判断力の低下などが生じやすいのです。

なので、この葛藤にハマったならば

  • 「今、自分は何で悩んでいるのか」を整理したり
  • 自分の中での優先順位を再度明確にしていくこと
  • 信頼できる誰かに話を聞いてもらって相談する

などの方法が有効です。

要は

「一度冷静になる時間や自分や今の状況を見つめる時間を取ってみてもいいんじゃないでしょうか」

という話なんですよね。

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