夫婦のための心理学

押しまくる恋愛で失恋を繰り返す心理とその対処法

無意識的に押しまくる恋愛を続ける人たち

押しまくる恋愛をする男女

私なりの愛も優しさも与える気持ちもちゃんとあるのに、幸せな恋愛だけが得られない。

そんな皆さんのお話を伺うと

無意識的に「押しまくる恋愛」ばかりをされている方がいます。

例えば

  • 「もう私に全部任せといたらいいねん!」とビックハートな感じで相手を包み込んじゃう人。
  • 「君の望むものは全部与えてあげるね」と与え尽くす人。
  • 「あなた好みの彼女になるね」と自分のすべてを与えちゃえる人。
  • 「どんなにつらくても私はあなたのことが好きだから耐えられるわ」と忍耐を続ける人。

形は違えど、様々な形での押しまくる恋愛が存在するわけです。

もちろん多くの押しまくる恋愛をする方のお気持ちは

「相手のために、相手のことを思って」でしょうから、そういったお気持ちを批判することなんて僕にはできません。

また、恋愛の相手によっては、推しまくるあなたの恋愛スタイルが合う人もいるわけですから、この恋愛スタイルがダメだと言える話でもありません。

ただ、多くの人が

「大切な人とはバランスよく愛し合いたい」

と思う可能性があって、その場合、押しまくる恋愛ではうまくいかない場合があるのです。

そこで今日は「押しまくる恋愛」とそこに潜む心理について解説していきたいと思います。

押しまくる恋愛を続けてしまう心理

押しまくる恋愛を続けてしまう心理は、大まかに分けて

「自分にとっての正しいことを相手に投げ続けてしまうパターン」と

「無力感を感じることが嫌すぎるパターン」の

2つに分けて考えることができます。

自分にとっての正しいことを相手に投げ続けてしまうパターン

押しまくる恋愛の特徴の一つに自分の正しさ

つまり「自分にとって善いこと、相手のためになることを押し続ける」という部分があります。

もちろん、こちらの善意を相手に与えることが悪いわけじゃありません。

ただ、恋愛や夫婦関係とは関わり合いなので、相手との同意・合意というものもとても重要な要素なんです。

だから、自分の正しさを全面に押し出すことが、ときに悪意なく相手の気持ちを尊重できず、よい恋愛が得られないこともある、ということですね。

無力感を感じることが嫌すぎるパターン

実は、押しまくる恋愛をする人の中には

「相手のために与え尽くせる自分でないと価値がない」といった観念や、相手に与えられない自分になることへの怖れを強く抱いている人がいます。

これは自分を支える自尊感情が

「基本的自尊感情<社会的自尊感情」

となっている場合に見られる場合がある、とも言えますね。

要は、自分自身の社会的な価値、意味、ステータス、能力によって自分を支えている部分が大きい、という感じです。

だから、恋愛をするにも「押しまくらないと不安」なのです。

ここには「無力感」が隠れていて

「与えられるものが何もない無力な自分を受け入れたくない」

という気持ちが隠れていることも少なくないのですね。

押しまくる恋愛は正しさと無力感の押し付け合いにもなり得る

また、押しまくる恋愛には一定のリスクが存在します。

それが「競争状態になりやすい」という部分です。

ここでの競争とは

「悪意はないにせよ、どちらかの愛や正しさが勝ち、どちらかのそれが負けるという心理的な構図ができる」

という意味です。

つまり、押しまくる恋愛は「正しさと無力感の押し付け合いにもなり得る」というわけですね。

それが自分自身の愛情や相手への思いであっても、自分でも気づかけない無力感への抵抗であったとしても、

自分の愛を押しまくると、相手の愛は凹んだり、引っ込むことになってしまうんですね。

だから、相手にとってあなたは「いつも私を負かす人」になってしまう。

それがあなたなりの好意なり、こちらに与えたいことだと理解していても、どんどん喜べなくなってしまうんです。

その結果、相手があなたとの別れを考えたり、そばにいても辛い、喜べないと感じる要因になるケースは、実際にとてもお多いと僕は考えています。

押しまくる恋愛を愛し合う恋愛にするためにできること

そもそも、自分の与えることの価値を素直に実感できている人はとても幸せだと思います。

だからこそ、自分の気持ちを強く前面に押し出す恋愛をされる方もいると思います。

ただ、僕たちはどこかで

「大切な人にいい影響を与えているか分からない、という気持ち」

を感じている部分があるものです。

だからこそ、不安になるし、私でいいのかな?僕でいいのかな?と考えちゃうんです。

それはある意味「大切な人とか変われば感じやすくなること」でもあるんです。

だから、押しまくる恋愛を「愛し合う恋愛」にするためにできることがあるとしたら

「相手の気持ちのあり方に興味を持って反応してあげる与え方」を実践すること

なんでしょうね。

これができると、相手と良好な関係を気づく秘訣になることが多いんですね。

また、僕たちは完璧じゃないから、与える自信を失ったり、自分の無力さを感じることだってあると思うんです。

それを徹底的に嫌うよりは

「そういった気持ちを感じることもありえる」

と受け入れられる方が、自分にとって楽なスタンスですし、だからこそパートナーと支え会えるようになる、ともいえるんです。

最後に

最後になりますが、多くの方が

「好きな人には自分の気持ちを知っておいてもらいたい」

と思うものではないでしょうか?

それは自分だけでなく相手だって同じ。

他でもないあなたに「共感してもらいたい」と思う人だっているはずなんです。

それぐらいあなたはパートナーにとって重要な他者であること、受け取っているでしょうか?

そして、そのような分かり合う経験・関わりこそが、そこはかとない「愛し合う喜び」を感じさせてくれるもの、とも言えるでしょう。

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