カウンセリングにお寄せいただくご相談の中に
「彼(パートナー)との価値観の相違からくる意見や思いの衝突」
についてのお話があります。
彼と一緒に仲良くやっていこうと思っているけど、意見が合わないことが多いと感じています。
普段は仲は悪くないほうだと思います。
お互いのことは尊敬できているとも思います。
でも、つい些細なことでも譲り合えないことがあると、ついケンカになってしまうことが多いです。
私もついつい自分の気持ちを分かって欲しくて強く言ってしまい、そのたびに彼も応戦してきて。
なんだか一緒にいることに疲れを感じてしまうんです。
どうしたら仲良く過ごせるようになるのでしょうか
そこで今日は価値観が違う彼と仲良く過ごす方法について解説します。
パートナーシップの質向上のためにお役立ていただければ幸いです。
Index
価値観が合わないパートナーとのケンカは「消耗戦」となりやすい
僕のようなカウンセラーというお仕事をさせていただいていると
パートナーシップの質向上のためには
「コミュニケーションが欠かせない。とても大切な要素だ」とつくづく思うのです。
だから、パートナーシップの問題を担当させていただくときは、どちらかの主張だけでなく、お互いの言動や感情のやり取りについて注意深く見ていることが多いものなんですよね。
すると、本当は信頼しようとしているのに
自分の価値観を持ち出しすぎてしまったがゆえにケンカばかりしている
そんなケースと出会うことがあるのです。
どちらも意地になって
「せっかく二人のことを考えているのに、どうして私の(俺の)考えを理解しない?認めない?!」
「なんで私の(俺の)気持ちがわからないの?」
と言わんばかりの消耗戦がそこで繰り広げられるわけですよ。
僕はそんなお二人を見ると「愛情深い方たちだなぁ」と思うのですよ。
その一方で
「そこまでの消耗戦を続けているとしたら、疲れ果ててしまいますよね」
なんてふうにも思います。
そして、そんなときにお伝えするご提案こそが
「主導権争いを手放して、二人の幸せ(価値観)を創造していくようにしてみません?」
なのです。
主導権権争い(パワーストラグル)とは「正しさの争い」
価値観の合わないパートナー同士が行う対立を
「主導権争い(パワーストラグル)」と呼ぶことがあります。
いわば「自分のやり方が正しいという主張であり、競争」なのです。
こう書くと「主導権争いってなんかウザい」「頑固者の仕業」なんて思われるかもしれませんねぇ。
ただ、表面的には愛し合う者同士が激しく対立しているのですが、その動機は実に深いものがあるというわけです。
では、もう少しこの主導権争いについて深く解説していきます。
主導権争い中は自分の幸せが全く見えていない
私たちがパートナーと出会い、愛し合うとき。
多くのオトナなみなさま方は
「どう相手を愛してあげようか」「どんな風に相手と楽しもうか」
そんなことをたくさんお考えになりますよね。
すると、多くの自立男子・女子のみなさまは
程度の差はあれ
自分が相手を愛している側、愛情を与えている側、にいるときに
「自分の価値を感じることができることが多くなる」のです。
ここまでなんとなくお分かりいただけますよね?
*
ただ、このような自立した者同士の関係では
「パートナー(相手)とは、自分が何とかしなくてはいけない存在」
と認識されることが多いのです。
要は、自分が愛する側で、相手は自分によってなんとかされる側、という役割のような意識ができ上がっちゃうんですよね。
だから、必死こいてパートナーを助けようとする人もいれば
パートナーや二人の未来のことを考えて「私が頑張らなきゃ」と考える人も出てきます。
まぁまぁ、そこまでであれば、それもまた素晴らしいこと、と言えるのかもしれません。
*
ただ、この主導権争いにハマっている自立男子・女子の皆様は
「常に相手を見ている部分が強い」のですよ。
ここが問題。
消耗戦となる理由なのです。
主導権争いは、自立男子・女子が引き起こすものですから、意識は常に相手、与えることに向かうのです。
よって、「自分の幸せ」や「自分が本当に欲しいもの」を大切にしていない状態にある方がめっちゃ多いのです。
つまり、この「愛し合う者同士の決戦」に勝っても、
自分が主張や正しさ(正しい結婚、正しい関係など)は手に入りますが
それしか手に入らないことになってしまうわけですね。
本当に欲しいもの、幸せや相手との信頼関係、二人の親密感は手に入らないわけです。
よって
「幸せにならないのはお前が受け取らないせいだ!」
「俺の言うことを聞いときゃいいんだよ!」
「私の愛情がどうしてわからないのよ!」
と、正しい関係、正しい状況ばかりを目指すことにこだわり、お互いの価値観が衝突し、なんだか幸せを感じない関係を手に入れてしまうのです。
これは、どれだけ頑張っても愛しても全く幸せだと感じない。
そんなデッドゾーンの予兆ともいえるのです。
主導権争いは信頼することが怖いから起きること。でもそこが抜け道なのです。
さて、主導権争いとは「自分の正しさの主張」なのですが
なぜそんな主張が必要なのだと思います?
それはね「信じることが怖いから」なのですよ。
僕たちが自立的に生きる、ということは
「いかに傷つかないように生きるか」を実践している状態なのです。
よって、大切な誰かを愛するときも
「自分の価値観や信念によって正しいと思うことを与えること」こそ「絶対的な正解」だと信じてやまないのです。
逆に言えば、それ以外に正解があることを認めたくない(怖い)とも感じるのです。
このとき、この瞬間に
「自分の幸せ」や「自分が本当に欲しいもの」を大切にしていない
という状態になっているって、なんとなく理解できますでしょうか?
自分の正解、正しさを求めてはいますが
「ではそれ(パートナー、仕事、家族など)と関わることで、自分が最も得たいもの」を求めているのか、というと、そうじゃないわけですよ。
幸せ、豊かさ、調和、つながり、親密感・・・。
そういったものを目指していたのではないでしょうか?
そのために今まで必死に頑張ってきたのではないでしょうか?
そして、もし、本当にこういった幸せの要素を求めるのであれば
たった一人、つまり自立を強めても手に入らないということはご理解いただけますよね?
だから、お互いに「相手の意見を尊重する、相手を信頼する」といったことが主導権争いを手放す方法になるのです。
ここは多くの方にとって人生の分岐点になる部分だとも言えますよ。
あなたは「あなたの正しさ」を求め続けますか?
それとも「幸せ・豊かさ」を求め続けますか?
相手を思って「負けよう」としても幸せになれない
ここからは主導権争いに関する「よくある罠」について書いておきますね。
例えば、パートナーとの間で意見が衝突し、揉めたくないときに
「わかった、わかった。もういいよ、こっちが妥協するわ」
なんて言いたくなるときってありませんか?
「そんなにあなたが言うなら、私が折れてあげるわ」
そんな気分になることってないですか?
実はこれ、主導権争いの中でよく起きる罠だ、と言われています。
「仮初の平和」と呼ばれるような、表向きの平和・調和を目指しても、実は価値観の対立が解消することはないのです。
むしろ、負けようとし続けることで無理が来て「もうこんな関係やってられないわ!」と思うようになります。
そこでは燃え尽きた感じがしてしまい、幸せや豊かさを感じられなくなるのです。
だから、「負けよう」とするのではなく
「相手を信頼しよう」「任せよう」「相手のやり方でいいと決めたなら信じよう」
そう覚悟していただきたいわけでございますよ。
試されているのは、信じる力、信頼を与えること、です。
ね、自立している方ほど、ちょっと怖いな、嫌だなって思いません?
主導権争いを手放すなら「幸せになること」に集中しましょう
さて、最後に余計なことを書いておきますね(^^;
実は、主導権争いを手放して、幸せになろうとすると、急に幸せになることから目を背けたくなることがあります。
急に他の問題が気になったり、別の問題が生じたように感じるようになるんです。
これもまた、主導権争いそのものだ、なんて言われています。
要は、あれこれ考え過ぎたり、気が散るような状態になるんですよね。
例えば
夫婦のことを考えていたのに、急に子供のことを心配し始めたり。
彼のことを信頼し等とした途端、彼の仕事のことや体のことを心配し始めたり。
そんな新たな問題意識を持ち出しては、幸せになること、相手を信頼することをやめて、正しさに目を向け始めるなんてことが起きるのです。
つまり
「正しさ」を使って、自分が幸せや本当に欲しいものを目指して、前に進まないための言い訳する
なんてことは頻繁に起こるといえます。
かつ、この正しさは正しいことなので、問題だとは認識されないことも多いのです。
ただ、そうし続けているうちは「本当にほしい幸せ」までたどり着けないわけですよ。
このようなときは「問題(意識)」にとらわれるのではなく、本当に欲しい物に向かって進むことが求められます。
パートナーを信頼すると決めたなら、肚をくくってしまってください。
相手に任せると決めたら、任せてしまってください。
彼と幸せになるときめたなら、そこに意識をフォーカスしてください。
そうしてお互いが対等な意識を持てるように振る舞い、行動することです。
今、気になる問題は、後々対処すればいいこと。
幸せになることから目を背け、主導権争いに終止するために、問題を使うことはやめてみることです。
あなたが前に進んだとき、あなただけではなく、あなたの周囲にも、恩恵をもたらすことでしょう。
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