今日のコラムは「自己犠牲が強いタイプの恋愛パターン」について。
例えば、恋愛中に「パートナーの苦手なこと・困りごとがあるならサポートしてあげたい」と思うことってありませんか?
どこかオトナであればあるほど
「彼や彼女が苦しんでいたり、困っていることがあったら、助けてあげたいし、できるだけサポートしてあげたい」
なんて思うことはザラといいますか、まぁそう思える関係こそがいい恋愛とも言えるわけですよね。
だから「相手のことを思い、助けてあげたいと思う気持ち」良きこと、素晴らしいこと、といいますかね。
ただ、この良きことのなかに潜む
「良きことのようで、実は良きこととは言い切れない恋愛パターン」
というものが存在します。
実は相手のことを助けたいと思うけれど、実際は「自己犠牲」となっていた、という話です。
その結果、恋愛が辛いもの、しんどいもの、長く続けられないもの、となってしまうこともあるようですよ。
そこで今日は「自己犠牲が強いタイプが陥りやすい恋愛パターン」と、そこからの卒業方法についてまとめてみようと思います。
よろしければどうぞ。
Index
「自己犠牲が強いタイプ」の恋愛パターンの特徴
「自己犠牲が強いタイプ」の恋愛パターンの特徴。
それこそが「無意識的に自己犠牲して相手の問題とつながること」なのです。
「相手の問題とつながる」とは、パートナーや恋人が困っていること、助けを求めていること、依存したいと願っていることばかりに意識が向き、相手のその要求に応え続けてしまう、ということなのです。
もちろんこのようなことは、恋愛だけでなく、仕事や対人関係の中でも同じようなことが起きているかもしれません。
つまり、自己犠牲が強いタイプの恋愛パターンによく見られることは
相手の問題、二人の問題、自分の課題を強く意識しながら、その課題感の中でパートナーと関わっている状態なのです。
パートナーの素晴らしさや価値、才能や、関係性の良い部分を意識しながらパートナーと関わっているのではないことが多いのです。
もう少し具体的に書いておきますね。
例えば
- 困ったちゃん(問題を抱えた男性・女性)を見ると放っておけない
- いつも何かしらの問題を抱えている人ばかり好きになる
- 自分の困りごとよりも相手の困りごとが大きくないと近づけない
- 相手に「助けて欲しい」と言われると、しんどさを感じる反面、少し心が喜んでいるように感じ、その感覚が手放せない
- 相手の役に立てていないと不安になってしまうから、いつも相手のためになろうとする
このような恋愛がそれに当たると言えます。
「自己犠牲が強いタイプ」の3つの特徴
では、自己犠牲が強いタイプの特徴について、代表的な3つの特徴をまとめていきたいと思います。
自分の幸せを後回しにして、他人のことばかり優先する
最も顕著な特徴が「自分の幸せを後回しにして、他人のことばかり優先する」という部分です。
言い方を変えれば、自分の幸せに無頓着すぎるのです。
例えば、好きな人ができるとき
「彼はこんなに孤独なのに一人で頑張ってきたんだ、私が支えてあげたい」
そこから恋愛感情が生じるケースも実際には多いのです。
この様子を冷静に見つめて考えてみると、確かに「彼の魅力を見つめている」には違いないのでしょうが、その魅力を「彼の問題からのみ見つめている」のかもしれないのですね。
このパターンはいわゆる他愛的な「自分より相手の幸せを願う恋愛スタイル」を解釈されることがあります。
もちろん自分より相手の幸せを願うこと自体問題ではないのです。
ただ、相手の幸せを願うことと、自分を後回しにして相手の問題を解決することは、同じでではないのです。
相手の問題ばかりを見続けて、その解決にばかり手を貸すことが愛だと思っているとしたら、自分が犠牲ばかりすることになるわけですから、恋愛がしんどいものになってしまうわけです。
人に相談しない(できない)
自己犠牲が強い人ほど、日頃から「何か困ったことがないと人に相談しない(できない)」ことが多くなります。
自分が助かってしまったら自己犠牲はなくなっちゃうわけですから、逆説的に考えて見ればわかりやすいと思います。
例えば
実は今すごく困っていることがあるんだけど、誰かに相談するのではなく、「自分でググる」「調べてからじゃないと物は言えない」と思いこんでいる人もいます。
自分に困り事があるということが恥ずかしいと思いすぎてしまい、なかなか人に相談する勇気が持てずにいたり。
何かしらの事情で、人に頼る、つまり人を信頼することができず、人が敵にしか思えずにいたり。
このような状態にある方ほど、よほど困った状態や追い詰められた状態にならない限り、人に相談しないし頼ろうとしない、なんてことが起きるのです。
こういったタイプの方は、恋愛関係にある人や、普段仲のいい人であっても
「自分の内面をあまり見せない」傾向があって、人の手を借りず、人に合わせることが多いんですよね。
ね、冷や汗が出てきちゃうような話でしょう(笑)
これ、更にひっくり返して考えると
「パートナーに問題がないと私は役に立てない、才能が発揮できない」
そんな恋愛パターンを持っている可能性が大いにあるわけです。
いわゆる優しいタイプではあるが、自分のための決断が苦手
自己犠牲をする人は、いわば「優しい」です。
特に他人に対して優しいのです。
もちろん優しいことが悪いわけじゃないんです。
ただ、その他人への優しさ故に「自分のための決断が苦手」という傾向があるとも言えるんです。
例えば、
自分のために恋愛する、自分のために彼と別れる、自分のために転職する・・・
このような自分自身のための決断ってとても重要なことですよね。
しかし、他人への優しさが強すぎる自己犠牲が強いタイプの人は、これができなくなっちゃうんです。
「もし私が自分のために決断したら、周りはどんな気持ちになるだろう?」
そう考えてしまって、本当に決断したいことも諦めてしまうのです。
その結果、恋愛も辛くしんどいものになったり、相手は幸せでも自分が幸せではない恋愛関係を作ってしまうこともしばしば起こります。
他人の問題や辛い気持ちを見ている時間が長い
また、他人の問題や辛さばかり意識している時間が長いことも、自己犠牲的な人の特徴です。
例えば、あなたの眼の前に素敵なパートナーが現れたとして
「私の彼はこんなに素敵なんだ!」
という受け止めた方と
「彼はこんなに孤独なのに一人で頑張ってきたんだ、私が支えてあげたい」
という受け止め方があったとしたら
どちらも間違っていないのですが、後者の方を選んでしまいがちなんです。
相手の価値や才能より、相手の苦労や痛み、葛藤の方にばかり意識が向く。
なぜなら、自己犠牲的な人の心のあり方も同じだからです。
だから、彼も自分と同じマインド、同じ価値観、同じ意識を相手も持っている、と思い込みたくなるのです。
これも一つの投影であり、認知バイアスといえるでしょう。
が、実際、彼が自分の自己犠牲的な部分を愛してほしいと思っているのか、は別の話なんですよね。
実は、相手の問題ばかり見てしまう人の心理として「癒着」が影響しているというかん替え方があるのです。
この癒着が強いと「あたかも相手は自分と同じような存在」と感じやすくなってしまうので、彼がしんどそう、辛そうにしている分だけ自己犠牲が増えてしまうのですよね。
※癒着については次の記事に解説がありますのでよろしければどうぞ。
犠牲的な恋愛パターンからの卒業方法
犠牲的な恋愛をしていることに気づく
もし、あなたが自己犠牲的な恋愛パターンを変えたいのであれば
まず「自分自身が自己犠牲的なマインドを持っている」とか、そんな恋愛をしている、という部分に気づく必要があります。
逆に、あなたがパートナーの悩みや問題ばかりを見つめて、そこを支えようとすることが絶対的に正しいことだ、愛だ、と思っているうちは、おそらく自己犠牲的な恋愛パターンにすら気付けないかもしれません。
つまり、あなた自身が「自分は犠牲するべきだ」「犠牲しないとダメなんだ」といった自己概念を持っているとしたら、その現状に気づく必要があるんですね。
本当はどんな恋愛関係を望むのか、気持ちを整理する
また、「自分自身が本当はどんな恋愛関係を望むのか」そのあたりの気持ちを整理することも重要です。
例えば、メモなどに「自分の理想や望む恋愛を書き出してみること」です。
その理想と、今の自分の自己犠牲は釣り合っているのか、自己犠牲を続けてその理想が叶うのか。
そのあたりの現実的な問題を冷静に検討してみると
「あ、今のまま犠牲ばかりしていても幸せになれないかも」
と腑に落ちるかもしれない。
この腑に落ちる感覚が自己犠牲を止め、幸せを選ぶ大きなトリガーになることが多いのですよ。
自分の扱い方を変えてみる
そもそも自分に犠牲を強いているのは自分です。
誰かがあなたに犠牲を求めている状況があったとしても、それに答えているのは自分、といいますかね。
まぁなかなか難しい問題ではあるんですけども・・・。
なので
普段からどう犠牲をしないですごすか?
どのように自分に接すると、犠牲をしなくて済むのか?
このあたりの自分への接し方、自分の扱い方を変えてみることも重要なんですよね。
もう少し自分のための決断、自分のための時間を増やしてみることがおすすめなんです。
*
また、僕たちの「パートナーへの接し方」って、自分への接し方とある意味リンクしている部分があるんです。
あなたがパートナーに対して好意的、肯定的な接し方を増やすと、その分、自己犠牲も減っていきます。
「パートナーの良いところ」を中心に褒め、愛することによって、「自己犠牲的な恋愛」から卒業することも可能になります。
最後に
実際に「パートナーと問題でつながる人」って本当に愛の大きな方が多いんですよ。
しかし、自分にネガティヴな視点を向け続けてしまうことで、パートナーとトラブルになることもあるのです。
もちろん、相手の問題点や悩みに気づいて支援できることも才能です。
それはちゃんと認めて受け取ってほしいなと思います。
ただ、その使い方も重要と言えます。
あなたがあまりに自分の課題ばかりに意識が向いていて、自分に厳しくしすぎていたり。
自分を評価することを忘れてしまっているなどの状態にあると
良いところを強化するという視点を忘れてしまう場合もあるのですよね。
これを続けることで「私は愛情や優しさに溢れた人」と感じにくくなってしまうかもしれないですよね。
そもそも自立心旺盛で、ちゃんと人を受け止める力が備わっている方ほど
「自分を大切にし、好きになればいい」
そんな自分の癒し方は、素敵なパートナーシップを培う面でも有効なのです。
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