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パートナーとの話し合いがいつもうまくいかない、というご相談
いつも冷静に話そうとしています。でもいつも話し合いにならなくなっていって。
一体、何を直せばいいのかがわからないんです。
このままだと相手の気持ちが離れていくんじゃないかと不安です。
そんな夫のために私なりに支えようと頑張ってきたのですが、私が心配すると、夫はまるで余計なお世話だと言わんばかりと態度を取ってきて、話し合いにならないんです。
そんな夫の態度にウンザリしてきました・・・。
もし、夫とうまく話し合える方法があるなら知りたいんです。
ということで、今日は「パートナーとの話し合いがうまくいかない」がテーマ。
確かにパートナーと話し合おうとしてもうまくいかないとしたら、ちょっとしんどいですよね。
ただ、パートナーシップに関するカウンセリングを受けていただいて
ちょっとコミュニケーション方法を変えることで、話し合える関係になるケースもあるんですよね。
上手なコミュニケーションを行うために意識するべきことはシンプルなことなんですよ。
その話は後述しますけどね。
ただ、このシンプルなことが難しくなるのがパートナーシップの難しさとも言えるんですね。
では、今日のコラムもよろしければご覧くださいね。
パートナーとの話し合いがうまくいかない理由
パートナーとの話し合いがいつもうまくいかない理由は
「二人の間で情緒的なコミュニケーションエラーがおきている」
という場合が多いようです。
「コミュニケーションエラー」とは
コミュニケーションにまつわるさまざまなミスのことを意味します。
例えば
- 普段のコミュニケーションが不足することで、本来伝えるべき情報が伝わらない場合。
- 伝えるべき情報の内容を間違った場合。
- 伝えられた情報を受けとる側が誤って解釈してしまった場合。
などが考えられますね。
まぁこのようなことは恋愛や夫婦関係だけでなく、お仕事の中でも起こり得るることではないでしょうか。
ただ、この記事で取り上げている
「パートナーとの話し合いが上手く行かない」という部分について考えていくと
コミュニケーションの中でも、いわゆる「事実の伝達」という側面ではなく
お互いの「情緒的なコミュニケーション」と呼ばれる
いわば「気持ちのやり取り」がうまく成立していない可能性がある、と考えられるんです。
※ちなみに僕も行っている「カップルカウンセリング」などでは、情緒的な側面に着目した心理サポートをご提供することも少なくないんですよね。
だから、お互いの意見が対立したり、パートナーの言動を誤解することが頻発する、という場合が多いものですよ。
その結果、自分自身が「こんな関係になっちゃうなんて、私も相手もお互いを愛しているのだろうか」と疑うことになるのです。
パートナーとの話し合いには2つの側面がある
よく、恋愛関係や夫婦関係をより良い関係に導くためには
「コミュニケーションが重要だ」
と言われることが多いですよね。
ただ、このコミュニケーションって、一体何を指しているのか、ちょっと漠然としていませんか?
実は、パートナーとの関係を向上させるためには
「コミュニケーションには2つの側面がある」
という部分を意識しておく必要がありそうなんですよね。
パートナーに対して果たすべき責任、という側面
もし、パートナーと今後を共にすることを考えるならば
「パートナーに対して責任を果たす」というコミュニケーションは重要なことです。
例えば、きちんと向き合う、お仕事をして経済的に支える、家事などの分担は守る、浮気をしない、ミスをしたら謝る、などなど。
そして、お互いが果たした責任に対して、感謝を伝え会う関係であればいいですよね。
例えば
いつもゴミ出ししてくれた夫に感謝を伝えている、とか。
いつも子供に深く関わってくれている妻に感謝を伝えている、とか。
ただ、この部分に関しては、日常の中でしっかり伝えている方が僕は多いように思うんです。
情緒的なコミュニケーションを通じて心がつながっている感覚を共有する、という側面
恋愛や夫婦という関係性は、いわゆる利害だけでつながっている関係ではありませんよね。
恋愛感情、恋い慕う気持ち、相手を愛おしく思う気持ち
大切に思う気持ち、かけがえのない人だと感じる気持ち・・・
そういった「お互いの気持ち」があって成立している関係、と言えます。
こういった「お互いの気持ち」を伝え合うことって、パートナーシップではめちゃくちゃ重要なことなんです。
ここが「情緒的なコミュニケーション」が担当している部分なんです。
情緒的なコミュニケーションが上手くいっている関係を例えるならば
自分の気持ち、相手の気持ちがきちんとつながっている、お互いによく知り合えている
という状態ですね。
ただですね・・・。
この情緒的なコミュニケーションは、一方的に自分の気持ちを伝えるだけでは成立しない側面があるんです。
この特徴が「パートナーとの話し合いがいつもうまくいかない現実」を引き起こす理由になっている場合も少なくないのです。
そこで、もう少し詳しく情緒的なコミュニケーションについての解説をしていきますね。
注意点としては・・・
残念なことかもしれませんが
パートナーに対する愛が冷めている場合は、情緒的なコミュニケーションもなくなる傾向を見せるでしょう。
ただ、普段から大きなストレスをかかえていたり、様々な苦悩や我慢を抱え、自分の気持ちに蓋をして毎日頑張られている方も、情緒的なコミュニケーションを苦手だと感じる場合があるんですね。
こういった場合は「感情的になると辛いので、気持ちを人に話すことを避けたがる」という感じなんです。
こういった場合は見守ってあげる必要も出てきますよ。
このような個別の事情はあろうかと思いますし、僕もカウンセリングなどでお話を伺わない限り分からないことなのです。
ただ、話し合いが上手く行かないなら、基本的には「情緒的なコミュニケーションエラー」と考えていいと思います。
パートナーとの話し合いがうまくいく「情緒的なコミュニケーション」に注目する
さて、パートナーとの話し合いをする上で重要な「情緒的なコミュニケーション」は、相手との気持ちのやり取りの中で成立するものです。
一方的に自分の気持ちを伝えるものではないのです。
この「相手との気持ちのやり取り」という部分が欠落すると、パートナーとの対立が深まる可能性があります。
要は、相手の気持ちとこちらの気持ちが一致しない、という意味で争いが起きるのです。
また、パートナーと責任や事実でつながる関係にはなれるのですが、心でつながった、いわば信頼しあえる関係になっている、という実感が得にくくなるのです。
では、この気持ちのやり取りはどういう形になっているか、具体例を使って解説しますね。
具体例1 彼が彼女に「会社でこんな事があってさ」と伝える場合
例えば、彼さんが彼女さんに向かって
と話した、としましょう。
その言葉を受けて、彼女さんが、例えば次のような次のような反応をしたとしましょう。
A:「おつかれさま!大変だったね」
B:「ふーん、それは本当に災難だったわね」
C:「大丈夫?もっと話聞くよ」
D:「そんなときはこう考えると気分が切り替えられるよ」
で、ですよ・・・。
彼女さんがどの反応を返すことで、気持ちのやり取りが成立するか、という部分って
実は彼さんの
「今日、会社でこんな嫌な事があってさー・・・」
に込められた気持ちで決まるんですね。
よって、A〜Dのどの選択も正解になりえるし、不正解にもなり得るんです。
ここでのポイントは、彼さんがどんな気持ちのコミュニケーションをしたがっているか。
- 彼さんの気持ちが「ただ大変だったということを理解してほしいだけ」なら、Aの回答で問題ないのかもしれない。
- 彼さんの気持ちが、「嫌なことがあったけど、ただそれを言いたいだけであまりかまってほしくない」なら、Bの回答でも問題ないかもしれない。(あまりオススメではないですけど(^^;)
- 彼さんが「彼に今日あったことを向き合って聞いてほしい」と思っているなら、Cの回答がベター。
- 彼さんが「気分の切り替え方法を知りたい」と思っているなら、Dの回答でも差し支えない。
となるんですね。
具体例2 彼女さんが彼に話を聞いてもらいたい場合
例えば、彼女さんが彼に向かって
と話した、としましょう。
(このとき、彼さんが彼女に向かって無反応を決め込んだら、この時点でコミュニケーションになっていませんね(^^;)
また、彼さんが次のような反応をしたとしましょう。
A:「そうなんだ、大変だったね」
B:「ふーん、それは災難だったね」
C:「大丈夫?話をもっと聞くよ」
D:「そんなときはこうすると誤解が解けるかも」
で、彼がどの反応を返すことで、気持ちのやり取りが成立するか、という部分って
実は彼女さんの
「今日、友達とトラブって嫌になっちゃったー・・・」
に込められた気持ちで決まるんですね。
よって、A〜Dのどの選択も正解になりえるし、不正解にもなり得るんです。
- 彼女さんの気持ちが「今の気持ちを言いたかっただけ」なら、Aの回答で問題ないのかもしれない。
- 彼女さんの気持ちが「嫌なことがあったことだけ彼に伝わればいい」と思うなら、Bの回答でも問題ないかもしれない。(普通はそれだけで済みませんけどね・・・。)
- 彼女さんが「彼に今日あったことを向き合って聞いてほしい」と思っているなら、Cの回答がベター。
- 彼女さんが「友達の誤解を解く方法が知りたい」と思っているなら、Dの回答でも差し支えない。(もし、その方法が知りたいならそう言ってる気がしますが・・・。)
情緒的コミュニケーション能力を高めるには
さて、情緒的コミュニケーション能力を高めるには、次のような方法があります。
日常でできるトレーニング方法としては
- 映画や小説などを見て、その登場人物の心情を汲み取るように見る癖をつける
- 相手の話を聞くときに、相手はどんな気持ちなのか興味を持つ癖をつける
- 自分の意見を伝えるより先に、あいづちや相手の気持ちを理解する癖をつける
- 自分と合う人だけでなく、様々なタイプの人と接する、会話するように心がける
などがありますね。
また、専門家に依頼して、コミュニケーションに関するトレーニングを積んでみる方法もありますよ。
※「情緒的コミュニケーションがうまくなる方法」に関しては、次のコラムの「共感上手になる方法」を実践することもおすすめしますよ。
ただ、「情緒的なコミュニケーションに完全な正解はない」という特徴も忘れていただきたくないのです。
これはいわば「人の気持ちの話」なので「エラーは出て当然」と言いますか。
だからこそ、何が正解で不正解かで争うのではなく
「伝える側もきちんと伝える」「受け取る側もきちんと受け取る」
という意識を持つことが重要になってきます。
特に、自分の考えを否定する必要はないけれど、しかし自分の勝手な解釈だけで相手の態度や気持ちなどを推し量りすぎない、といいますかね。
そのためには、それこそ「相手の気持ちをなんとなく感じ取る意識」が重要になってきます。
実際、カウンセリングの中でもこのようなお話をさせてもらうこともありますよ。
パートナーとの話し合いがうまくいくと幸せ感が爆上がりしますよ
いかがでしたでしょうか。
最後になりますけど
「パートナーとの話し合いがうまくいくと幸せ感が爆上がりする」
と僕は感じています。
実際のカウンセリング経験からもそう感じます。(すべての方がそうではないのですけどね)
そもそもこの情緒的なコミュニケーション能力は、他人に興味を持てる人だけが強くなれる部分だとも思います。
だからこそ、パートナーや恋人など、大切な人を思いやり
何度も関わり、お互いの気持ちを語り合い、よく話し合っていくうちに、なんとなく
「あの人はきっと・・・」
「彼女はきっとこう思うだろうなぁ・・・」
と推測できるようになっていくのでしょう。
これって僕たちが持っている素晴らしい能力の一つだと僕は思うのですよね。
そんな思いを持つことができる自分ってすごくない?と僕は思うんですよ。
パートナーとの間でそんな力を発揮できたら、そりゃ素敵だと思いませんか?
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