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相手に合わせて生きていた私が急に付き合う人を選び始めると・・・
今まで「相手に合わせて生きていた人」が、急に頑固になったり、一人になりたがったり、付き合う人を選ぶようになる。
実際、このような経験をされた方もいるかもしれませんけども。
このようなお話もまた「カウンセリングあるある」の一つとも言えるんです。
ただ、今まで人に合わせてきた(いい意味で言えば人に対して受容的であった)人ほど、頑固になったり、一人になりたがる自分をネガティブに捉えることも少なくないようですね。
だからでしょうか。
「私、今までと違って付き合いやすい人とだけ関わるようになったんですが、それで大丈夫なんでしょうか」
「今までは交友関係を広げたい一心で無理してでも人と関わってきたのですが、もう疲れてしまって。こんな自分ではダメだと思うのですが」
なんてお話をうかがうこともあるのです。
そこで今日はニッチな話ではありますが
「相手に合わせて過ごしていた私が急に頑固になることも一つのプロセス」
というコラムをまとめてみようと思います。
よろしければどうぞ。
相手に合わせて生きていた私が急に人を選び始める理由
今まで相手に合わせて生きてきた人が急に人を選び始める理由の一つが
「対人関係レベルでの自立がはじまったこと」だと考えられます。
要は、付き合う人、関わる人を自分で選び始めた、ということでもありますし。
心理的な自立という視点で見れば
「いかに傷つかないか(他人の影響で振り回されないか)」を優先して対人関係を構築し始めた、とみることもできますね。
※自立と依存の解説は次の記事にありますので、参考になさってくださいね。
これも一つの対人関係におけるマインドの成長プロセスの一つの見るならば、一概にネガティブなことだと断定できるものではないな、と僕は考えます。
例えば、そもそも目的(ビジネス・集客・人脈つくりなど)があり、相手に合わせてきた人なら、まぁ振り回されたとしても割り切った付き合い方ができるものかもしれません。(そうじゃないケースもあろうかと思いますが)
しかし、今までさんざん自己犠牲を重ね、相手に合わせてきた人にとっては
「もう人に振り回されたくない」「自分で付き合う人は自分で決める!」
といった思いを強くすることもあると思うんですよね。
だからこそ、ある意味「もうしんどい人間関係は嫌だ」と思う度合いだけ、まぁまぁ頑固になることも有り得る話だよな、と僕は思うのです。
※犠牲の心理の解説は次の記事をご覧になってくださいね。
相手に合わせて生きていた私が急に頑固になるメリットとデメリット
ただ、対人関係の中で
「いかに傷つかないか・振り回されないか」と考えて、人付き合いを行いつづけることにもメリットとデメリットは存在するんです。
メリットは
- 自分が傷つく恐れをあまり感じないこと。
- 常に気の合う人と一緒にいるので安心できること。
デメリットは
- 対人関係での自由さが失われること。
- 頑固になるだけ(防衛的になるだけ)寛容さから遠ざかること。
- 「自分が人を選んでいるのだから、他人も同じだろう(条件で付き合っている)」という投影が生じやすいこと。
これは、人を選んで付き合っていることがいい悪いという話ではありません。
この状態になれば、このようなメリットとデメリットが生じるという話です。
相手に合わせて過ごしていた私が急に頑固になることで生じる不安
また、先にも書きましたけど
相手に合わせて過ごしていた私が急に頑固になることも心の成長プロセスの一つと言えるでしょう。
まぁ他者に対して寛容でなくなることは、自分のマインドにとってあまり良い影響をもたらさないものではあります。
が、とかく他人に対して受容的であった(あえてネガティブに言えば相手に合わせすぎていた)人の場合は、ちょっと話は別です。
むしろ「自分で選んで決めること」を実践することが、ある意味心を強くする、成長させることに関係するとも言えるんですよ。
だからでしょうか。
今まで相手に合わせすぎていた人が頑固になり始めると
「相手に合わせなくなることで生じる不安」が強くなるんですよね。
本当にいいの?こんな風に我を通していいの?人を選んで付き合っていいの?
そう思いやすくなるといいますかね。
まぁ今まで選ぶことなく、相手に合わせることで傷つかないようにしてきたのであれば、そんな不安が生じても不思議ではないでしょうね。
自分で選ぶことと人を排除・否定することは違うよ
ただ、この不安を感じている方には知っておいて欲しい考え方があるんですよね。
それが
「付き合う人を選ぶことと、付き合わないことを排除したり否定することは違う」
ってことです。
どこか人に合わせてきた犠牲的な選択を続けてきた人ほど
「自分が選ぶ・決断すること」が悪いこと、リスクが高いことと感じていた可能性が高いんです。
だから、自分が何かを選ぶことに慣れていない分だけ「私が選びました・決断しました」と感じることにも抵抗を感じやすいんです。
このとき、自分が選ぶことに葛藤する度合いだけ「選ばなかった人」に対して否定的な思いを持つことが増えるんです。
要は、自分が悪いことをしているような気分になるので
「いやいや、相手が付き合いにくい人だし」
「なんかあの人、昔から嫌だったのよね」
などと、自分の罪悪感を否定するように「他人が悪い」と認識しやすくなるんです。
このように、自分が付き合わない人を否定しているから、付き合いやすい人を選ぶことをまるで悪い事のように感じやすくもなるんです。
ただ、繰り返しになりますけど
「自分が好きな人を選ぶことと、他の人を否定することは同じことではない」ですよね。
ここ、腑に落としておきたいところですね。
最後に
確かに「付き合いやすい人を選ぶ」ことは「別の人を選ばない」ということです。
が、選ばなかった人を傷つけている行為だとだけ考ることまた妙な話です。
逆に、苦手な人、あまり関わろうとしない人を、万が一にでも心のなかでDisっているなら、そのデメリットのほうが大きくなります。
自分が相手を責めているとき、その投影が跳ね返ってきて「自分も責められる・否定される」と感じやすくなりますからね。
その分だけ、普通の人付き合いが疑いだらけになってしまうことも。
なので、できれば普段はあまり付き合わない人のことも
「でも、あの人ってこんな良いところがあるよな」
と思えるぐらいのハートの器、人の良い部分を見る視点は培いたいところかもしれませんね。
昔の人は「情けは人のためならず」といいましたが、まさに心の世界でもその通りと言えるのかもしれませんね。
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