人を頼る、甘えることが苦手だと感じる人っていませんか?
実は「甘える」「頼る」ことに苦手意識を持っている方って少なくないんですよね。
そもそも「甘える」「頼る」ことは、「相手に頼る・委ねる」行為。
なので、普段からしっかりした人ほど苦手としていることだといえます。
だから、甘える・頼ることは苦手でも、頼られる、甘えられることは苦ではない人も多いです。
ただ、頼れない・甘えられないとなると、気持ちの面でのバランスが悪くなりがちです。
ときには「いつも私ばかり頑張っている」といった不満やいらいらを抱える理由にもなります。
また、恋愛などでは、甘えられないことで、相手に「自分は必要とされていない」と感じさせる場合もあります。
そこで今日は甘えることができない人の心理と、その対処法について少しまとめてみます。
よろしければどうぞ。
Index
甘えることが苦手とは
甘えることが苦手という状態は、甘えるという行為にプラスとマイナスの要因(メリット・デメリット)を感じていると考えることができそうです。
人を頼りたい、甘えたいと思ったとき。
内心では「人を頼りたい」「甘えたい」という意識を持つわけですよね。
つまり、甘えることのメリット(プラスの要因)を感じているはずなんですよね。
全くメリットを感じないのに頼りたい、甘えたいとは思わないでしょうから。
しかし、実際に人に関わろうとすると、デメリット(マイナスの要因)や違和感を感じることになるのでしょう。
このとき
「甘えようと思って相手に近づきたいと思う。
しかし、実際に近づくほどに甘えてはいけない(まずい)と感じてしまう」。
そんなイメージがわかりやすいでしょうか。
なお、ここでのメリット・デメリットは「あくまで自分にとって」という意味です。
https://www.asanohisao.jp/archives/5338.html
甘えることが苦手な人が感じている「甘えることのデメリット」
では、ここでの「甘えることのデメリット」とは何なのでしょうか。
いくつかの理由をあげてみます。
「甘える=相手に借りを作る」と感じている
お互いに与え合い、甘えることができる関係って対等なものだと考えられますよね。
しかし、甘えることが苦手な人ほど「相手に借りを作る」と感じてしまうようです。
どこか恋愛関係・夫婦関係などを「気が置けない関係」とは見ていない可能性があります。
むしろ親密な人であっても気を使ってしまうのでしょう。
相手からもらったものは必ず返さなければ、といった思いが強いようなんですね。
もちろん、もらったものを返すという意識が悪いわけではありません。
が、親しい人にも「ちゃんと返さなきゃ」と思いすぎると、信頼が崩れる場合もあるんですよね。
「甘える=相手に負担をかけること」と感じている
これは「甘えること」自体への罪悪感です。
甘えることが悪いこと、甘えることは相手に迷惑になること、と感じているわけです。
例えば、家族間や過去の対人関係で「甘えたらうざがられた・何度も叱られた」といった経験がある場合。
「甘えると相手に負担をかけるのだ」といった意識が強くなることもあるでしょう。
甘えることのメリットを感じない
また、「甘えること」に全くメリットを感じない人も上手に甘えられなくなります。
これは甘えることのデメリットを気にするというより、そもそもメリットを感じないというケースです。
もし自分の中で「甘えること」にメリットをまったく感じないとしたら。
相手に甘える=「自分は相手に全くメリットがない行動をとっている」と感じるでしょう。
つまり、そもそも甘える自分そのものに意味を感じなくなるわけです。
ここでは「そもそも甘える自分でいることが無意味だ」と感じます。
だから、いつも価値もある自分でいたい(頑張っていたい、頼られたい)と感じるようになるでしょう。
甘えるのが苦手な人の心理的背景
甘えること頼ることが苦手な人のお話を伺うと、次のような心理的背景が見えてくることがあります。
「依存的な気持ちを表現すること」が「マイナスの要因(デメリット)」として作用する時間を長く過ごした。
例えば
- 何ごとにおいても「しっかりしなさい」と言われて育った人。
- 競争意識が強い環境にずっと身をおいていた人。
- ご家族が病気などで自分がしっかりしなければいけなかった人。
- 両親や家族が大変そうで、自分の気持ちを優先させることが難しかった人。
- 甘えたいと思っても受け止めてもらえないことが多かった人。
そんな人ほど甘えることが苦手になりやすいと言われています。
このような状況に置かれていると、自らの依存心を我慢するようになります。
また、「依存的な自分ではないだろうか」と自分を監視する目を持つようにもなります。
このとき、いわゆる「人の目」「社会の目」を使って「人にどう思われているだろうか」と強く意識しはじめる人も出てきます。
すると、自分がどうしたいかという気持ちはかき消されます。
つい「人や社会は依存をどう見るか」を気にして、甘えられなくなるわけです。
甘えることに許可を出す視点について
あなたがもし「誰かに甘えたかった」と感じることがあるならば。
それはあなたが相手を信頼したり、親しみを感じた証ではないでしょうか。
もちろん「どうして甘えさせてくれなかったのよ」という不満もあるでしょう。
また、「自分はいつも甘えずに頑張ってきた」という自負もあるかもしれません。
そういった気持を闇雲に否定する必要はないのだと僕は思います。
ポイントは「甘えることはいけないこと」「相手に迷惑なこと」と感じていること。
その結果、人に信頼や親しみを向けること自体に制限がかかってしまうことが甘えられなり理由になるのでしょう。
甘えられなかったという気持ちを癒やす
こんなときは
「〇〇に甘えられなかったという気持ちを癒やして手放す」
といいでしょう。
あなたが甘えられなかったと感じていることこそ、あなたが人を信頼した、アテにした証。
だとしたら、甘えさせてくれなかった人をdisること自体が、自分の信頼を自ら否定することにもなりはしないでしょうか。
こんなときは「甘えられなかった」という気持ちを否定せず認めながら、しかしじっくり向き合ってみてはどうでしょう。
あぁ、私はその人を信頼したんだな、好きだったんだな。
そんな気持ちを丁寧に見つけることができたとしたら。
少しづつ、あなた自身の本当の価値の一部を取り戻すこともできるかもしれません。
もちろん甘えたいという気持ちを取り戻すだけでは、自分を肯定することは難しいかもしれません。
人は実際に人と関わり、相手のために与えることで自分を肯定していく側面がありますからね。
ただ、多くの甘えることが苦手な人は、普段から十分与えておられる人が多いです。
そんなみなさんにとっては
「甘えることもまた相手を信頼するという意味がある」
そう知っていただくことが重要ではないかな、と思うのです。
甘えることに許可を出すこともまた心のバランスを取ること
甘えるのが苦手な人ほど、「甘える以外の行動」で対人関係を構築しています。
甘えられないのではなく「甘えること以外の行動を頼っている」とも言えるわけです。
もちろん、人に与える、頑張ることが悪いわけでは決してありません。
ただ、自分の行動パターンに制限がかかっていると考えてみるとどうでしょう。
その制限をある程度緩めることも、自分自身の心のバランスを取ることになると思いませんか。
ここでは甘えられないことを問題するのではなく
「どんな自分になりたいか」
を考えてみませんか。
そもそも甘えられないことが悪、ではありませんからね。
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