失恋とは多くの人が避けたいと思うものかもしれません。
しかし、ときに失恋のダメージからなかなか回復することができない、というご相談を伺うと
「失恋というものが(つらい経験ではあるのですが)自分の魅力をアップさせる契機になる」という場合もあるようです。
とかく自立的な女性、男性にとっては、その傾向があると僕は思っています。
自立女子さんが経験する「挫折」という名の失恋
さて、今日はカウンセリングの中でも扱わせていただくことがある
「自立女子さんが経験する【挫折】という名の失恋」
について記事にしていきます。
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例えば、ある失恋のご相談で来てくださった女性(仮にAさんとしましょう)。
2か月前に別れた彼のことを引きずっていて、もう一度戻りたい、ワンチャン狙いたい気持ちもありながら、もう次に行った方がいいと思うこともあって、気持ちの整理がうまくつかない様子。
Aさんのプライベートは恋愛以外は順調。
つまり、Aさんは今、情熱的になれる好きな仕事をしているし、友達関係も充実しているのです。
ただ、最近は失恋の影響が大きくて、最近は仕事や友達付き合いにも影響している様子。
Aさんは明らかに自立的な女性で、カウンセリングでもカウンセラーの僕に気を使ってくださる素振りを見せたり、失恋の話も淡々と語ってくださるのです。それはまるで友達の話をするかのように。
きっと、ふだんは全然大丈夫なフリしていらっしゃるのだろうと僕は推測します。
おそらくものすごく辛いときもあるはずだよな、とも思いながら。
僕達は、なかなか自分が大切に作り上げた姿、そのイメージって崩せないものなんですよね。
だから、自立的な人ほど「この程度のこと(失恋)で傷ついてる自分が情けない」といった思いを持ちやすいですし、実際にそうおっしゃってくださる方も少なくないんですよね。
弱い自分を出したらダメ。いつも元気で前向きでいなければ。
もし、そんな意識を持って生きてこられた方にとって、全力で好きになった人との関係が終わることって、いわば「心が折れちゃう」ような経験なんですよ。
いわゆる「失敗」という言葉では言い表せないほどの出来事、なんです。
自立的な人にとって、そもそも失敗なら取り返しがつく、と思えることが多いんです。
例えば、仕事で失敗した、としても、次取り返そう、と思えるもの。
つまり、「一つの失敗」レベルで、心が折れるなんてことは起きにくい。
しかし、Aさんのような自立的な女性のみなさんにとっての「全力の恋愛が終わってしまうこと」は、やはり挫折とも言えるかもしれないわけです。
実際のカウンセリングでお話を伺うときも、「今まで受け入れたことがないほどの自分への失望を感じる失恋」となりえるんですよ。
だから。やっぱりめちゃめちゃ辛いはずなんですよね、うん。
「挫折」という名の失恋を心理分析すると
このAさんの事例のような、心が折れる失恋。
そんな失恋を迎えてしまう理由を心理的に分析するならば、次のようなことが言えるのです。
「僕たちは心理的に自立した分だけ感情が苦手になる」
例えば、仕事などではなかなか心が折れちゃうようなことは起こり得ないんです。
いい意味での感情面での割り切りや、自分自身の感情のコントロールができているからです。
言い換えるなら、仕事に裏切られてもそれなりに心の準備できている、とも言えます。
ただ、そう思える方であっても、恋愛は別なんですよね。
もし、それなりに心の準備ができた状態で恋愛するとしたら、それはとてもつまらない恋愛になってしまう可能性があるわけです。
だから、感情を込めて恋愛関係を構築していくことになるんです。
いや、それを心から望むわけですよ。だって目の前にあるのは大好きな彼との関係だから。
ただ、この時点で、この恋愛は「惚れる側」に回る恋愛となることが確定的なんです。
例えば、彼のことが好きになってしまっていれば、たとえ彼の嫌な部分が見えても、彼から冷たくされても、ギリギリまで「惚れ続ける」事が考えられますしね。
彼のことを受け入れるし、彼のために頑張るんです、多くの自立女子の皆さんは。
そして、悲しいことですけど、その関係が終わるとしたら、それは心が折れる、劣等感を刺激される形での失恋という形になってしまう事が少なくないんです。
めちゃめちゃ傷つくんですよね。
ただ、考え方を変えれば「この形でしか傷つきようがない」とも言えるんです。
「この形でしか傷つきようがない」そんな失恋が意味するもの
もちろん失恋はとてもつらいものですし、その感情は丁寧に解放していきたいものですし、そのつらさを僕は否定したいわけじゃないんです。
ただ、Aさんのような自立女子のみなさんにとって、このような心が折れる経験って失恋(離婚もそう)でしか起こせない、という見方もできるんです。
仕事や友人関係ではなかなか引き起こせないし、引き起こすとしたらかなり自己破壊的な衝動が必要になる、といいますかね。
だから、このような心が折れるような失恋経験は、自分自身がめったに感じない感情との出会いとなる、とも言えますし。
逆に言えば、普段は受容できない感情を受容して、更に自分のハートが強くしなやかになるプロセスになり得る、とも言えるんです。
もちろん、このプロセスをあえて引き起こす必要はないんです。必要のないハートブレイクを自ら引き起こすとしたら、それは自己攻撃です。
ただ、ふと彼と出会って、好きになって、愛して、それでも関係が終わった、というプロセスが偶発的に起きたなら。
今までよりもっと魅力的で、グレードアップしたマインドを持った自分への成長へのプロセスが始まった、と考えてみてもいいのかもしれません。
例えば、僕のカウンセリングでは、感情のケアを欠かさないようにしながらも、自分自身の心の発達を促すようなアプローチを取らせていただくことも少なくないんですよ。
そもそも「その彼を好きになって、愛しつづけたこと」自体、その深いマインドのレベルで「グレートアップしたマインド(愛と呼んでもいいかもしれませんが)を持った私へと変化していきたい」と思われたのではないでしょうか。
手痛い失恋という結果をもって、より魅力的でグレードアップした自分でありたいと願い、そのプロセスを望んだのは自分の無意識だ、という話なんです。
だとしたら、失恋の辛さや、たくさんの割り切れない思いは、僕もお手伝いするので丁寧に整理していきながら
「私は心の深いレベルでより深い愛情を注げる自分への発達(成長)と願った」
と思ってみてもいいのかもしれませんね。
つまり、今までの自分を責めないこと、むしろ認めること、なんです。
自分の無意識がもたらした影響をきちんと受け止めることなんです。
そして、その自分の成長につながるプロセスの相手として選んだのが、別れた彼、なのだとしたら。
さて、その彼に対してどんな思いを抱くでしょうね?
このあたりに、この失恋の意味を整理する鍵がある、と言えるのではないでしょうか。
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