浅野カウンセラーさん
浅野さんのブログをいつも読ませていただいてます。
実は最近大好きだった彼と価値観の違いでお別れをしました。
お互い我慢強い方だったので普段は喧嘩にならないのですが、些細なことで食い違ったときに彼とは話し合いができないことに悩んでました。
彼はとにかく黙り込む、わかってないのに悪かったと言ってとにかく話を終わらせたがるので、同じことを繰り返してしまうことに不満があり、
私に対しては、価値観がちがうんだから話し合っても仕方ないことなのにしつこいと捉われていました。
このままじゃお互いによくないと思って別れを決断しました。
ただ私は、別の人を探すという気持ちではなくて、一度離れて冷静にお互いの気持ちを見つめ直し、色々なことを経験して成長しないと、相手の真意や価値観の根っこの部分が理解できないんじゃないか?と、いわば2人のために希望をもった上での別れの選択のつもりでした。
彼の方からは、嫌いになったわけではないけど、私への気持ちは冷めてきていると思う、1人で生きる方が気が楽だと思ったがこれは私のせいじゃなくて自分のせい、別れるしかないと思うと言われました。
考えて考えて出した結論ですが、時々、もっと方法があったのじゃないか?本当にベストな選択だったのか?私の立ち回りが違ったら…?など、考えてしまいます。
価値観での違いの別れや復縁はよくあると思うのですが、困難があっても一緒にいたいと思う気持ちや努力をする姿勢が片方にしかなければ、良い関係性を築くのはやはり無理なことなのでしょうか?
私が望んでいるように、離れることを経験して、2人の関係性について色々考えてくれることはあると思ってよかったのでしょうか?
恋人に戻っても戻れなくても、今以上に良い関係性になれますようにと、前向きな気持ちで別れを選んだのですが、彼にとっては何にもならなかったのじゃないかと思うと心苦しいです。
復縁に対してはケースバイケースということはブログ読者として重々承知しています。
浅野さんの学んだ心理学や、カウンセラーとしての経験則から、ご助言をいただきたいです。
ネタ募集ネーム:まいめろさん
まいめろさん、いつもブログをご覧いただきましてありがとうございます。
また、ネタのご協力まで本当にありがとうございますm(_ _)m
なるほど、価値観の相違から彼と距離を置かれているのですね。
ご質問にも書いてくださってありますけど、なかなか難しい決断だったのではないでしょうか。
*
>時々、もっと方法があったのじゃないか?本当にベストな選択だったのか?私の立ち回りが違ったら…?など、考えてしまいます。
ですよね。どうすることがベストなのか、お互いにとっていい結果を導くのか、とても悩ましいですよね。
僕も長くカウンセリングさせていただいているとね。「彼の様子がおかしいから、好きだし、そばにいたいけど自分から『距離を置こう』とおっしゃる女性のお話」を数多く伺ってきましたよ。
これ、なんとも切ないお話だと僕は思うんですよね。自ら距離を置こうと言わざるを得ないという状態って切ないですよね。相手の気持ちを受け止められるものなら受け止めたいでしょうしね。
でもなぁ、なかなか受け止めさせてくれない男性も多くて、難しいところですよね、ホント。
だから、「今のままだと彼を嫌いになってしまうかもしれない不安」と、「会えなくなることで気持ちが離れてしまう不安」のダブルパンチで悩まれている方のご相談を伺うことも少なくなくて、なんとかお力になれないものか、といつも思っているところです。
*
さて、今回のご質問は以下の点ですよね。
- 価値観での違いの別れや復縁はよくあると思うのですが、困難があっても一緒にいたいと思う気持ちや努力をする姿勢が片方にしかなければ、良い関係性を築くのはやはり無理なことなのでしょうか?
- 私が望んでいるように、離れることを経験して、2人の関係性について色々考えてくれることはあると思ってよかったのでしょうか?
では、いろいろと解説しながらお答えしたいと思います。よろしければお付き合いください。
Index
価値観の相違から距離をおいた関係を戻せるかどうかは、二人の感情のあり方によって変わる
実際に僕のもとにお寄せいただくご相談の中にも、復縁に関するものは少なくないんですよね。
そこで「価値観の相違で別れた彼と関係性を戻せるか」というお声もしばしば伺っているところです。
実際のところ(僕の経験上)「いやー、この関係を戻すのはかなり難しいかもしれない」と思えるケースでもよりを戻されたケースもありますしね。逆に「復縁の可能性があるのでは?」と思える場合でも、別れに至るケースもあって、なかなかその判断は難しいのです。
が、「この場合の復縁は相当難しい」とかなりの確率で言えることがあるといえばあります。
それが「お互いが(相手・今の関係に対して)ネガティブな感情を感じている状態が続いている場合」です。
お互いにポジティブな感情を感じられていれば問題なんて起きないでしょうし、少なからず心がニュートラルな状態であればまだいいのですが、お互いの感じる感情がネガティヴになってしまうとなかなか復縁は難しくなるでしょう。
今の気分が二人の思い出を書き換える
心理学では「気分一致効果」と呼ばれますが、人は「ある気分」のとき、「その気分と一致した」物事の評価やできごとの想起をしやすいものだと考えられています。
人の感情は、記憶、判断、問題解決と言った認知的過程に影響を与えるわけです。
また、以前のブログにも書きましたけど、人は自分の記憶を録画した動画のように変わらず記憶しているのではなく、一度記憶を忘れて、再度記憶しなおしている、つまり書き換えていると考えられています。
例えば、自分自身がその過去にとても素晴らしい経験をしたとしても、時間が経過すると「今の感情を通じてその記憶を改めて記憶し直す」ということが起こります。
これを恋愛に置き換えるなら、「どれだけ好きだった人であっても、今の感情がネガティブなものになっているなら、目の前のパートナーを好きだとか、愛していたとか、あの時楽しかったなぁ〜といった記憶もそうではないものに書き換えられてしまう可能性がある」と考えられるんですよ。
この考え方を今回のご相談に当てはめて考えてみるとすれば、「彼が今の感情(気分)を通じて今の恋愛を見ている」という事実や、「彼は今の感情(気分)を通じて、今までの二人が過ごしてきた時間とその記憶」を改めて書き換えている、ということになるんです。
だから、彼はこうおっしゃっているのではないかな、と僕は思うのです。
>嫌いになったわけではないけど、私への気持ちは冷めてきていると思う、1人で生きる方が気が楽だと思ったがこれは私のせいじゃなくて自分のせい、別れるしかないと思う
そう考えると、彼の話していることは確かに「自分の(今の感情の)せい」であり、正解っちゃー正解なんですよね。
ただ僕は「どうやら彼さんの今の感情が相当にネガティブ、マイナスになっているのではないかなぁ」という部分が気になるのです。
ここで彼さんを「愛する気持ちのない人」とは見ないのです。そう見てしまうなら、もう関係を続ける意味すらなくなってしまうわけですし、自分のことしか考えられない男性が、先に書いたような言葉を伝えてくるとは僕には到底思えないのです。
が、彼が今の感情を通じて二人の今までや現状、そしてこれからの未来を見つめているとしたら、彼の気持ちが前向きにならないことはなんとなく想像できそうではないでしょうか。
ただ、あなたのことを傷つけたいわけでもないし、否定したいわけでもなさそうです。
そんな時、男性がいいそうな言葉が「嫌いじゃないけど別れよう」なんですよね。
ごめんなさいね、今日はちょっと理屈っぽく書いちゃってますね。
※随分昔に書いたものですけど、未だずっとご覧いただいている記事です。このあたりの話がまとめて書いてあります。よろしければご覧になってください。
距離を置くことは「感情を整える」という意味で効果がある
そう考えますと、復縁を考えていく上で「お互いの感情をリセット・整える」という意味で効果がある、といえます。
「パートナーと距離を置く」選択はそんなに間違った選択ではないし、僕もカウンセリングの中でご提案する場合もありますよ。
この観点から今回のご質問にお答えすると
>価値観での違いの別れや復縁はよくあると思うのですが、困難があっても一緒にいたいと思う気持ちや努力をする姿勢が片方にしかなければ、良い関係性を築くのはやはり無理なことなのでしょうか?
「彼の感情が変わるなら」よい関係を再構築できる可能性はある、といえます。
逆に変わらないのであれば、彼は今の状態とさほど変わらないでしょう、ともいえます。
>私が望んでいるように、離れることを経験して、2人の関係性について色々考えてくれることはあると思ってよかったのでしょうか?
その可能性はないとはいえない。つまり「ありますよね」と僕は考えます。
人は何かしら悩ましい物事から離れることで、時間をかけながら気分を変えていくものなんですよ。
むしろそれでも気分が変わらないなら、また別に気分が変わらない理由があると考えたほうがいいと僕は見ています。
代表亭な例が、罪悪感、失敗感、挫折感、劣等感などの感情をなぜかずっと感じ続けている(自分がそう思い続けている)ような状態ですね。
こうなると、いくら距離をおいても感情(気分)が変わらないので、なかなかもう一度向き合うということが難しくなったり、また復縁しても同じことを繰り返すことになる場合が多いですかね。
もちろんこちら側の気分もリフレッシュしておく必要がありますけどね。
ここが超重要で、いつまでもうまくいかなかったことを思い出し続けないことが大切。自分の中で区切りをつけたほうがいいですし、彼がどう思っているんだろう?といった不安を抱えていないほうがいいですよ。
*
ただ、二人が距離をおいたあと、相手がどのような時間を過ごし、どのような感情を感じていくようになるのか、は相手次第なんですよね。
ここで彼の気持ちをコントロールたくなる気持ちもわからなくもないのですが、これはもう信頼して待つしかないと思います。特に距離を置くと決めたのならば、自分の選択を信頼して待つこと。
ここで気持ちが揺れるわけですけど、そのときはあなた自身が誰かに話を聞いてもらうなど、自分の気持ちと上手に付き合っていく手段を持っておかれるといいと思いますよ。
少なからず、こちらの不安から関わっても、よほど相手の気分が回復していない限りネガティブに作用してしまいますからね。
もし、こちら側にできることがあるとすれば、「距離を置く前段階で相手にどれだけいい印象、感情を残しておくことができるか」だと思います。
いわば「彼を手放せるぐらい、彼のことを愛することができるか」というお話です。
(だから、別れたくないと執着したり、相手を束縛しても逆効果になるということなんですね。
手放すときは、パパっと手放したほうが、お互いにメリットがあるよということなんです。
だから100%復縁できるわけではないのですが、それが復縁の可能性を高める最善手だと考えられるのです。)
と、ここまでが今回のご質問に対する偽りなき僕の考え方です。
そして、ここからはサービスタイム、もとい、僕のおせっかいでございますm(_ _)m
嫌いじゃないけど別れたいと言う彼の心理
また、ちょっと別の方向から物事を見てみると、僕はこう思うのです。
彼さんもあなたのそばにいて「あなたにとっては何にもならなかったのじゃないかと思うと心苦しい」と感じていたのではないのかな?と。
>彼はとにかく黙り込む、わかってないのに悪かったと言ってとにかく話を終わらせたがるので、同じことを繰り返してしまうことに不満があり、私に対しては、価値観がちがうんだから話し合っても仕方ないことなのにしつこいと捉われていました。
これ、彼の怒りなんですよ。黙り込むという行動には怒りが伴うことが多いんです。自分の中に怒りがあるから黙って、怒りを出さないようにしているんです。
また、怒りを出さないために「わかってないのに悪かった」という人も少なくありません。
そして「価値観がちがうんだから話し合っても仕方ないこと」という言葉には、「自分が理解されることはない」という悲しみと、「彼女のことをよく理解できない自分への苛立ち」が隠れていることが多いんです。
つまり、彼はあなたのことを理解したかったのかもしれないと僕は見ています。(理解する努力をしたかどうかは別にして、そんな気持ちがあったのかも、という意味です。)
しかし、理解できないことが多すぎて彼は「価値観が違うから」と切り離してしまったのかもしれませんね。
もしそうなら、その時点で彼の深層心理には「彼女のために何もしていない罪悪感」が生じても不思議ではないんです。
その罪悪感を感じ続けたがゆえに、彼は「自分は愛されることも、人を好きになることもふさわしくない」といった感覚を感じるようになったのかもしれません。
こうなると「ちゃんと私のことをわかっていないくせに」と言われることで、もう自分は君と一緒にいる資格がないんじゃないか、一緒にいても意味がないんじゃないか、と考えてしまうってことなんです。
このあたりの深層心理をお二人は共有していたのではないか、と思えるほど。
それほどまでに、相手のことを理解したいけど(そんな自分を相手に理解されていると感じたいけど)、それがよく分からなくなってしまっていたのではないかな、ぐらい僕は感じているところなんですけどね。
最後に
>恋人に戻っても戻れなくても、今以上に良い関係性になれますようにと、前向きな気持ちで別れを選んだのですが、彼にとっては何にもならなかったのじゃないかと思うと心苦しいです。
んー、愛してあげられないって辛いよね、って率直に思います。(きっとお互いになのでしょうが)
まいめろさんにとって、それぐらい大切な彼だったんですよね、って思います。
でも、ちゃんとあなたは前向きな気持ちで彼のことをしっかりお考えだったのではないでしょうか?
それが十分か不十分かを考えるより、ちゃんといい関係になれるように、と考えたあなた自身をどうか大切にしてほしいなと願ってやみません。
むしろ、あなたが彼のことを思う気持ちを持つあまり、自分を責めてしまい心苦しさを感じていることが「彼を使って自分を責める」ということに繋がるので避けたいですね。
お互いの無価値感、罪悪感が膨れ上がってしまうので、これは復縁を考えるなら避けたい選択ですね。
きっと今のあなたに必要な癒やしは「あなたが彼や二人のことを考えて、あなたなりの最善手を選択した」という事実を心から受け入れることですよ。
確かに二人がともにいるときはうまく愛せなかったこともあるのかもしれません。
が、最後まで彼のために、二人のためにと考えたのもあなたではないのですか?
もちろん、なかなか「これでよかった」とは思えないかもしれません。
だから他にもいい手があったのではないか、と考えてしまうお気持ちも僕なりに理解できます。
なにより好きな人を自分の手で愛せないって辛いです。
相手のために何もできなくなっちゃうなんて、何より想像したくないことですよね。
そして、やっぱり彼にはこちらを見て、ちゃんと愛してほしかったですよね?
だからつい自分を責めて、辛さをごまかしたくなっちゃうこともあるかもしれません。
ただ、そんな切ない気持ちを抱えながらも、あなたは二人がよい関係になるためにと考え、思いつく限りの答えを出し、実践したのではないでしょうか。
だから、そんなご自分にどんな声をかけてみたいか、考えてみてください。
そして、そこで湧き上がる様々な感情は丁寧にケアされるほうがいいと思います。無理をして割り切ると後に響くことも少なくないので、丁寧に丁寧に、ね。
このようにあなたの感情を整理することも、また「前向きな関係」を構築するために不可欠なことですよ。
*
そして参考までに、今回の経験を学びとするために見つめてみるといいことをいくつかまとめておきますね。(少し気持ちが落ち着いてから取り組んでみてください。)
あなたが彼を接して分からなかったことってなんでしょうか。
あなたが彼に伝えそびれていたことってなんでしょうか。
どうして伝わらなかったんでしょうか。
どうして伝えなかったんでしょうか。
本当に大切なことを、なぜ言い出さなかったのでしょうか。
そのあたりからじっくり自分自身のことを見つめ直してみていただくと、じっくり自分のことが理解できますし、彼の気も地も理解できるかもしれません。
そのように理解を深め、自分の気持ちを整えていくことで、あなた自身の気持ちのリフレッシュをはかれるようになりますよ。
*
今日、僕から最後にお伝えできることがあるとしたら
「あなたが心苦しさを感じることも、あなたが彼を思っているからなのでしょう。
しかし、自分や誰かを責めても誰も救われませんし、何も変わりません。
そもそも、あなたは自分を責めることがふさわしい人でしょうか。」
僕にはそうは思えないのですが、さてはていかがでしょうか。
本当の幸せを見つめる・見つけるカウンセリングが人気!
心理カウンセラー浅野寿和のカウンセリングのご利用方法はこちら。