家族に言いたいことが言えない人の心理
浅野さんへの質問です。
当方30代女性です。
身近な人(家族、同僚、恋人)への不満を溜め込んでしまうタイプなのか、言えないことがストレスになっています。
自分でも、溜め込まずに言えばいいんじゃないかと思うのですが、何かがそうさせず、ブレーキをかけてしまいます。
小さい頃から、そうだった様に思います。
言わずに溜め込んで不機嫌になり、何を考えてるか分からない人と思われる事も多いと思います。
どうして○○するの?ということを素直に冷静に伝えられるようになるには、どうしたらいいのでしょうか。
よろしくお願いします。
ネタ募集ネーム:あーこさん
あーこさん、おまたせしました。
ネタ募集にご協力ありがとうございます!
自分でも、溜め込まずに言えばいいんじゃないかと思うのですが、何かがそうさせず、ブレーキをかけてしまいます。
小さい頃から、そうだった様に思います。
ですよね・・・。
ストレスを溜め込んでる自覚があっても、言いたいことを言えばいいじゃないかと思っても
なかなか言えないこともありますよね。
これはとっても切ないことですし、なかなか人に相談しがたいことでもありますよね・・・。
これがもし、あーこさんの小さい頃からのパターンであれば
「言いたいことを言わない」だけでなく
「言いたいことを言わなくても済む状況」に自ら選んで身をおいてこられたのかもしれません。
もちろん、これがいいか悪いかという話ではないですよ。
「言いたいことを言わないことに何かしらのメリットが感じられている」
そう考えてみると、気づきも深くなると思います。
家族に言いたいことが言えない心理
実は「自分の言いたいことを言わない状態」が長く続くと、自己肯定感が感じられない状態になることも少なくありません。
自己肯定感とは
「ありのままの自分」を評価し、自分の価値や存在意義を肯定することができる心の状態。
これは「自己を主張すること」「他者の気持ちを受けとめたり、自分の気持ちを他者に受けとめてもらったりする経験」などをと気に葛藤しながらも重ねることで育まれていくもの、といえるんですね。
逆に自己肯定感が低くなっていると、人と積極に関わること、物事に意欲的に取り組むことに躊躇することが増えるものです。
あーこさんは、子供の頃から言いたいことが言えない(言わない)という状態が続いているとのこと。
どうでしょう、今あなたのご家族に対しても「言いたいことが言えない」なんて状態が続いていますか?
もしそうであれば、どこか平和主義的な発想を持たれているかもしれませんね。
きっとあーこさんは優しい人なのでしょうね。
だから言いたいことを我慢できるのです。
この我慢は、あなたの優しさや気遣いから生まれるものとも言えませんか?
しかしその反面、「自己表現すること」に不安や怖れを感じやすくはないでしょうか。
もしあなたが「言いたいことを言えば傷つくかもしれない」と思っているなら、自分の気持ちを我慢することにメリットを感じないでしょうか?
ここでの「傷つく」という感覚は
「自己肯定感を失ってしまうこと(失ってしまう怖れ)」を意味していると僕は思います。
自己肯定感とは「心のヒットポイントのようなもの」と僕は表現しています。
誰かに批判されたり、自分が傷つくような経験をすれば自己肯定感は下がるのです。
自己肯定感がある程度高まっていれば、傷ついても全ての自己肯定感を失うわけではありません。
しかし何かしらの理由があって自己肯定感が低いままですと、自己肯定感を感じ取れなくなってしまうことを怖れるものですね。
その結果、人と関わらない、言いたいことを言わない人は少なくないでしょう。
※余談ですが「プライドが高い」と誤解されやすい人も同じ傾向があります。
とはいえ、あなたが全ての人に対して「言いたいことを言えない」わけではないかもしれませんね。
あなたにとってこころ許せる仲間・人がいると思います。
その場合は「相手が自分を受け止めるスタンスを取っていること」をあなたが知っているのです。
「あぁ、この人は受け止めてくれる人だなぁ」と自分が思えるから心を開ける。
これ以上自己肯定感を失うことはないという安心感があるのでしょう。
※もちろん心をひらいている人からそっぽを向かれると、深く傷ついて「裏切られた!」と感じるのでしょうが・・・。
言いたいことが言える私になる方法とは
この考え方を軸に「言いたいことが言える私になる方法」を考えていくと
○自己肯定感を高める
○あなたが誰かの自己肯定感を高める存在になる
この2つになろうかと思います。
自己肯定感が下がっている状態では「言いたいことを我慢しよう」と思いやすい。
しかし我慢してしまうと、心から人と関わることも難しくなりますよね。
その結果、自己肯定感を高めるキッカケとなる「人との関わり」が感覚的に希薄になる可能性があるのです。
実際に(物理的に)人と関わっているのですけれど、心から相手と「気持ちを通い合わせている感覚」が薄くなちがちなのですよね。
どこか自分を隠したままでは、なかなか「ありのままの自分でOK」と感じにくくなってしまうのです。
言いたいことが言える私になる方法とは
○日常の中で自己肯定感を高めるエクササイズを取り入れる
(できないことよりできたことを見続ける。自分を評価する、など。)
○自分が誰かの自己肯定感を高める人の立場に立つ
(親、家族、恋人などを理解し愛する立場に立つ。親や家族との関係性をより良くする。)
○実際に人と関わり、相互に理解し合う経験をする
(特に自分自身の気持ちを人に受け止めてもらい、自分も人を受け止める経験を積む)
日常にエクササイズを取り入れてみることも有効ですね。
ただ、できれば一人でお考えになるより、信頼できる人・仲間と関わることをオススメしたいところです。
若干葛藤する経験もされるかもしれませんが、その葛藤をしながら関わり、相互に理解し合うことにも意味があります。もちろん、ただ批判しあってしまっては意味がないんですけどね。
*
もちろん対人関係のテクニックとして
「こう言えば相手も怒らないし受け入れてくれるよ」という技術も時には必要かもしれません。
が、テクニックとして自己表現をしても、本当にあなたの気持ちが納得するでしょうか、という問題が残っちゃうかもしれません。
その場合はテクニックも大事にしながら、自分自身の価値・魅力を見つめたり、自分自身を肯定する経験を積まれてはいかがでしょうか。
以上、何か参考にしていただければ幸いです。
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