恋愛の心理学

なかなかやめられない?元カレのSNSを見てしまう心理と対処法

「元カレのSNSを見てしまう」というご質問にお答えします

浅野さん

こんばんは。
昨年別れた元彼のSNSをつい覗いてしまい、複雑な気持ちになっている私に、どうか喝(?)を入れていただきたくご相談させていただきました。

数年のお付き合い後、お別れを決意したのです。

が、その理由は色々で、すれ違いが多いとか価値観だとか、そんな事を何度も言われ、彼からどんどん突き放されてしまってる思い込み、そんな気持ちに耐えられなく別れました。

彼とははじめからLINEでしか繋がっていませんが、お互いほかのSNSもしています。

彼は知ってか知らずか昔から全公開で投稿していて、繋がっていない私も見ることができてしまいました。

彼の休日が充実していることにホッとしつつも、今の自分が日々の生活を楽しめていないことなどを比べて、落ち込んでしまうようなところがあります。

未だに、同じ時間を共有したい、共に生きたいというエゴのようなものがしつこくあります。

新しい彼女ができたかなど知る術もなく、ただただ、お互い一人に戻ったのに。

私ばかりダメな状態なんじゃないかと考える日々です。

彼のSNSを見る事をやめる。ということからはじめなければいけませんね。。

ネタ募集ネーム:あやさん

あやさん、ネタのご協力ありがとうございますm(_ _)m

カウンセリングの中でも「元カレのSNSをつい覗いてしまう」と伺うこともありますよ。

もちろん多くのみなさんが「SNSを見なきゃいい」と分かっておられます。

でも見てしまうわけですよね。

では、このような状況に陥る理由と、どのように自分の気持ちをみつめていけばいいのかについて解説していきますね。

よろしければどうぞ。

元カレのSNSを見てしまう理由と心理

元カレのSNSを見てしまう女性さて、「元カレのSNSを覗き見てしまう心理」とて代表的なものは「執着心」です。

執着心とは、そもそも執着とは「何かにしがみついている」という意味であり

「自分自身の心が何かにとらわれている状態」を示します。

ただ、なぜ元カレのSNSを見てしまうほどに執着するのか、に関しては様々な理由がありそうです。

そこでもう少し元カレのSNSを見てしまう人が持つ執着心について見つめていきます。

自分に自信がない

これは自分に自信がないことから生じる執着心のことを指します。

例えば

「もうこんなに好きになれる人はできない」
「私を好きになってくれる人はいない」

そう思うからこそ、ついつい元カレのSNSを見てしまう、という場合です。

このような場合「もう私は恋愛できないのでは?」と思うほどのショックを受けたり、心が傷ついてしまう場合もしばしば。

ただ、実際は能力的に見ると、また次の恋愛ができる人が多いわけです。

つまり、自分が自分を小さく見積もりすぎて、心が傷つきやすい状態にあることが執着心を生じさせる理由になると言えるんですね。

「元カレは唯一私を理解してくれる人」と感じているから

これは

「元カレは唯一私を理解してくれる人」と感じていた場合に起きる執着心のことを指します。

この執着心の前提条件は

「元カレ以外で私を理解してくれる人はいない」という、人との心のつながりのなさ、分離感を感じている状態、となります。

(※分離感とは、ネガティブな意味で「私は人と違う」と感じて人と心のつながりを切っているときに感じる感情のことです。)

この話は前出の「自信がないからこそ生じる執着心」と似ているようにも見えますが、実は違います。

自信がないからこそ生じる執着心は「自信がないから誰も愛してくれない」なのですが

この執着心は「人との関わり、心のつながりが切れていること」で生じる性質のものです。

要は「心理的な自立」から生じる執着心だ、ということです。

まぁ誰しも

「この人以外、私のことをわかってくれる人はいない」

と思えば、そう簡単に手放す気になりませんよね。

だから、ついつい別れたあとでもSNSを見てしまうのです。

ただ、この場合「元カレ以外の人を信頼できない事情」にこそ執着心を持つ理由がある、というわけです。

このような内面的事情がある限り、元カレのことが忘れられなくなってしまうでしょう。

元カレに対する恋愛感情が完了していない

これは「元カレへの恋愛感情が完了していない状態」に生じる執着心です。

別れたカレに対して、自分の中で表現できなかった思いなどが残っていると

「元カレになにか伝えたい」という気持ちが残ってしまうことがあります。

しかし元彼と別れているなら「もうカレを愛せないし、関われない」わけですよね。

すると、その未完了の気持ちを伝えたい気持ちだけが残り、つい元カレのSNSを見てしまう、と考えることができます。

言い方を変えれば、元カレのSNSを眺めることで、自分の感情を処理しようとしている、とも言えるのです。

よって、僕のカウンセリングでは

「元カレに伝えきれなかった思い」

などを開放するアプローチを用いて、気持ちをスッキリ整理していくサポートも行うことがありますよ。

禁止の心理の影響

禁止(タブー)の心理とは「〇〇してはいけない」と感じていることです。

とかく失恋後は「元カレの事を考えちゃいけない(忘れなきゃ)「もう関わっちゃいけない」と考えようとすることも多いものです。

これが禁止の心理そのものです。

もう相手に連絡してはいけない。
関わってはいけない。何もできない。

そう思うことで自分の気持ちを抑えようとするわけですが、そういった気持ちを禁止するとやはり苦しいですし、抑え込んだ欲求も強くなるんです。

この「禁止した欲求は強くなる」という部分が禁止の心理の一つの作用なんですね。

だから、また自分の思いを伝えたくなり、SNSを眺めて元カレを感じようとするのです。

そもそも無理をしていた恋愛だったから

これは「元カレと付き合うこと」が、自分にとって無理することの連続だった場合です。

心理的には犠牲と呼ばれるものですね。

例えば、自分が無理をしないと関係が維持できなかった場合。

また、自分がいつも頑張って相手を受け止めていないと関係が維持できなかった場合。

そんな恋愛ほど疲れるもので、やめたくなるものだと思いません?

しかし実際にはその逆の思いを抱くことが少なくないんです。

もし、元カレとの恋愛が自分にとって辛いものであっても、頑張って愛している自分がいるとしたら。

その頑張っている自分が「自分にとって価値のない恋愛をしている」とは、やはり思いたくないんですよね。

だから、元カレのことやその恋愛の意味を高く見積もろうとするのです。

その結果、別れたあとでもSNSを見て追いかけてしまう、なんてことが起こります。

執着心からではなく元カレのSNSを覗いてしまうこともある

ただ、いわゆる執着心はないのに、元カレのSNSを覗いてしまう人もいるんですよね。

それこそが

  • 元カレを友達として見ている人
  • 元カレのことを手放しているけれど、元カレの幸せを願っている人

です。

要は別れた元カレとの関係を

恋愛感情ではなく、友好的な気持ちで眺めることができる人もいるのです。

この場合、元カレのSNSを眺めていること自体、執着によるものではないので

あまり問題にならないかもしれません。

元カレのSNSを見てしまうときの自分の気持ちの扱い方

本気で彼が好きだったことを思い出す女性

僕がカウンセリングの中で「つい元カレのSNSを覗き見てしまう」というお話を伺うと

「まぁしゃーないですよね」「事情があることですよね」とお伝えすることが多いんですね。

つまり、別れたカレに対する何らかの思いが未完了であったり、執着する理由を持っているならば、SNSは見てしまうものなのです。

その気持ち自体、ある意味自然なものなのですね。

だから、一旦SNSを見たくなるその気持ちは、自分の中で受け入れてみましょう。

もちろん、SNSを見るだけで、相手にコンタクトを取ったりすることは避けたいんですけども。

特に「元カレとの結婚をホンキで考えていた」など、心から相手のことを愛していた方の場合ならば

「SNSは見ないようにしなきゃ」と思うことが、自分で自分の愛を否定することにもつながりかねないと僕は考えています。

だから、急に自信が感じられなくなる、なかなか元カレのことが忘れられない、なんてことが起きるのです。

自分自身の気持ちの整え方とその流れをご紹介

なお、自分自身の気持ちの整え方としては、「シンプルな感情の解放」が効果的です。

例えば

彼に言いたいこと、伝えそびれた気持ち、聞いてほしいことがあるなら

セルフワークはスマホや紙に書きだしてみましょう。

書く行為によって自分の気持ちを客観視できたり、少しづつ解放することが可能になります。

ときには涙が流れるかもしれないし、自分を責めたくなることもあるかもしれない。

それこそ「愛せなかった」という加害者意識(罪悪感や無価値感)です。

でも、それは誤解なのです。

本来は「好きな人に愛を届けたいと思っていた自分」こそが本来の姿なんです。

そこを丁寧に手放していくことが、癒やしの道。

その気持ちに気づけたとき、元カレのことも解放してあげたくなるものなんです。

忘れよう忘れようと努力しなくとも

「もういいよ」「今までありがとう」「幸せにね」

そう思えるようになるといいますか。

元カレのSNSを見てしまう自分を捉え直し、自分のほんとうの気持ちに気づいていこう

自分のことを大切にする女性

もし、今の自分の気持ちを否定することに意味があるとしたら。

それは「よりよい愛し方、価値観、知恵、発想」を得るときでしょう。

それは、もっともっと自分の事情を理解して、感情を整えて、元気になってから

「どうすればもっと上手に愛せるだろうか」

と考えていければいいことです。

つまり、もし元カレのSNSを覗き見てしまうなら、それこそ

「自分を見つめなおし、癒やすとき」

と僕はお伝えしています。

そして、その機会を持つことが、自分自身が本来の自分に戻るプロセス、チャンスとなるんですね。

ABOUT ME
浅野寿和 | 心理カウンセラー
恋愛・夫婦関係・対人関係・性格・生きづらさなど様々なお悩みに心理学でお答え。活動歴16年し、9,000件を超える臨床実績。口癖は「どんなことにも事情があるよね」。名古屋・東京・オンラインでカウンセリングを行う現場主義のカウンセラー。
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